24歳美大生は小さい頃に父にからかわれて辛かった

(再びパーソナリティ)

ドリアン助川:
もしもし?

相談者:
はい、もしもし。

ドリアン助川:
えーとね、昔あのお、アゲハの幼虫を一杯飼ってたことがありましてえ、

相談者:
はい

ドリアン助川:
でね、さなぎになると、全部が全部蝶々として産まれてくる、わけじゃないのよ。

相談者:
はい

ドリアン助川:
みんな、もがいて、もがいてえ、中には、中で死んじゃう虫も一杯いるわけ。

相談者:
はい

ドリアン助川:
で、あなた、今あ、美術系の大学行ってるってことは、芸術でいきたいわけでしょう?

相談者:
はい・・

ドリアン助川:
芸術を一生やりたいんでしょ?

相談者:
はい・・

ドリアン助川:
どうなん?そこ。

相談者:
と・・

ドリアン助川:
今、そこが、まず、モヤモヤの部分あると思うのね。

相談者:
はい

ドリアン助川:
でえ、サナギ、の中で死んでしまうか、割って出てきて、蝶として羽ばたくかっていうところで、色んなことが、今、懊悩(*)(おうのう)があって、

(*)懊悩:
おうのう。
なやみもだえる様。

相談者:
はい

ドリアン助川:
お父さん出てきたと思うんですけども、

相談者:
はい

ドリアン助川:
ちょっと聞いて欲しいんだけどお、

相談者:
はい

ドリアン助川:
あのお、パンクロックって知ってますよね?

相談者:
はい、はい

ドリアン助川:
でえ、ああいう、パンクバンド、自分もやってたんですけどもお、

相談者:
はい

ドリアン助川:
売れない頃って、みんな格好いいんですよ。

相談者:
ああ・・

ドリアン助川:
で、売れて生活が満ち足りてくると、どんどん、音楽がダメになってくの。

相談者:
ああ・・

ドリアン助川:
つまり、芸術ってね、少し不幸な方がいいんです。

相談者:
ああ・・なんか、それは、

ドリアン助川:
うん

相談者:
聞いたことがありますね、はい

ドリアン助川:
絵も、音楽も、あらゆる表現っていうのは、ほんとに幸せな家族がいて、3LDKのローンも払い終わってて、なんの心配もありませんって言う人の芸術はね、面白くない。

相談者:
ああ・・

ドリアン助川:
だからあ、こういう、言い方は、良くないかもしれないけども、

相談者:
はい

ドリアン助川:
あなたがずうっと、モヤモヤや怒りを抱えてきたっていうのは、

相談者:
はい

ドリアン助川:
芸術家として、とっても、大切なもの持ってるってことなの。

相談者:
ああ・・

ドリアン助川:
あなたがあ、お父さんに向けた怒りを、自分の作品に向けな。

相談者:
はい

ドリアン助川:
それで、サナギから、飛び出していけるから。

相談者:
ああ・・

ドリアン助川:
という、

相談者:
分りました、はい。

ドリアン助川:
応援メッセージです。

相談者:
ありがとうございます。

ドリアン助川:
はい、では、頑張ってください。

相談者:
はい、ありがとうございます。

(内容ここまで)

うん、やるね、子どもに対するからかい、イジリ。
特に男親は。

やるでしょ?

もちろん、悪気なんてない。

まあ、でも、この父親はちょっと度が過ぎてたのかもね。

大原女史曰く、
父親が自分の居場所を見つけるために息子にすがった。
「俺が父親だ」、っていうのを家族に見せるためだった。

 

この24歳の息子が、自分と向き合うことを避けて、現実の行き詰まりの原因を、父親に求めているだけ、という見立てはそのとおりかも。

こんなのマジ話にすんなよ。
正月に集まったとき、ネタっぽく話せば?

そこで、父親が
「いやあ、そおかあ、悪かったなあ」
で、ちょん。

内心、親は結構反省してるもんだよ。

 

辛かった、っていう感情は誰も否定しない。

だけど、父親に謝って欲しい?

24歳のスネかじりに?

どこを押したら、そんな言葉が出てくるんだろ。

 

もし、父親が謝るとしたら、
それは、からかったことなんかじゃなくってだな、

自分の立場もわきまえず、
すべて人のせいにする。

そういう情けない24歳の男に育ててしまったことに対して。

だいたい、美大に進学するとき、親父にちゃんと頭下げたのかしら。

母親経由で伝えただけじゃなくて?

両親にだって計画がある。
長女が片付き、長男ももうすぐ卒業して社会人。
親として肩の荷が下りるのを心待ちにしていたはずだ。

それを、能天気に、
「また4年行くから」

60歳の父親にとって、どんだけ残酷な告知だったか、自覚はあるかしら?

両親の老後の資金計画に狂いが生じているなんて、考えもしないだろうねえ。

それを口にしない父親。
この父親の大きさは、24歳スネかじり息子には分るまい。

もしや、ドリアン助川氏言うように、芸術で生きていこうなんて本気で考えてるのかね。

それって、嫁入り前の箱入り娘とかだろ。

親としては恐怖だ。
終わりのないスネかじりが予想されるから。

 

26歳新卒、苦戦は覚悟しないと。
単に就活を先延ばしにして、難しくしただけの4年間だったと気づくかもしれん。

甘やかした父親の責任は大きいが、あんたが父親のせいにしないように。

”地獄への道は善意で舗装されている”
(作者不明 加藤諦三氏が引用)

 

これも親のせいにする歳のいったスネかじり。
常に誰とも主従関係になってしまって生きづらい36歳独身女性

以下は親からの相談。
ドリアン助川-三石女子のコンビ
声優になりたい。ニキビに悩む無気力な大学3年の息子

 


「24歳美大生は小さい頃に父にからかわれて辛かった」への2件のフィードバック

  1. いつも解説楽しみにしています。なるほど、そういうことだったのか!と膝を打つこともしばしば。
    すねかじりに厳しいですね(笑)、当然ですが。

    本当に父親を憎んでいたら、大学行かせてもらって就職決めて、卒業したらもう父親と距離を置いて自立するのがいちばん適切なやり方だし、人に言われなくてもそうしたいと思って行動するでしょう。
    この子は自立の道を踏み出せていないから、グズグズとこんなことを赤の他人に相談することになってる。

    でも、就職して自活できていても、子供の頃の恨みが残っていて、ふとしたときに思い出して怒りがこみ上げたり、自信を無くしたりしている人はいると思います。

    経済的に自立できているかどうかとは別に、幼い頃から抱えている怒りや心の傷を、自分一人で宥め乗り越えるなり付き合うなりして、他人に責任を転嫁せずに自分の責任で生きる方法、自分で自分のおもりをしながら自信を持って前に進む方法を教えてほしかったなと思いました。

    それがわからないと、自分の立場を客観的に見ることも、感謝の気持ちを持つことも、自分がどうすべきかを判断することもできないかもしれない。

    1. すねかじりに厳しめなのは確かに。(笑)
      いや、かじらせてくれる力を持った親だったら、おもいっきし、かじりゃあいいんですよ。
      ただ、立ち位置を無視した物言いがね。

      実はこれでも、1回見直してかなり柔らかにしたんです。
      よかったあ。

      感謝と憎しみが同居。
      親に対する感情なんてみんなそんなもんだと思います。

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