自分に絶望すれば人を支配する。不可解な遺産分割の理由を言う女

テレフォン人生相談 2015年10月10日 土曜日

パーソナリティ: 加藤諦三
回答者:  塩谷崇之(弁護士)

相談者: 女68歳 夫は3年前に死別 一人暮らし 子ども3人(上から女 女 男)

今日の一言: 「わたしの利益のため」のことを、「人のため」とウソをつくと、人とコミュニケーションできなくなります。

加藤諦三:
もしもし?、テレフォン人生相談です。

相談者:
お世話になりまあす。

加藤諦三:
はい、最初に年齢を教えてください。

相談者:
68歳でございます。

加藤諦三:
68歳
結婚してます?

相談者:
はい

加藤諦三
ご主人何歳ですか?

相談者:
死別です。

加藤諦三 :
ああ、そうですか

相談者:
はい

加藤諦三:
何年前ですか?

相談者:
3年前です。

加藤諦三:
3年前ですか。

相談者:
はい

加藤諦三:
で、今、お一人で暮らしてんですか?

相談者:
そうです。

加藤諦三:
はい、分かりました。

相談者:
はい

加藤諦三:
そいでどんな相談ですか?

相談者:
名義変更しようと思いまして、主人からわたしの名義に。

加藤諦三:
名義変更ってのは、何を、名義変更・・

相談者:
あのお、家・・建物ですね。

加藤諦三:
今、あなたがお住いの、所ですね?

相談者:
そうですう。

加藤諦三:
その家と、土地、両方、

相談者:
ええ

加藤諦三:
ご主人の名義だったの?

相談者:
今は、主人の名義です。

加藤諦三:
3年前に亡くなられたとき、相続の手続きはしていないということですね?

相談者:
まだしてないんです。
で、あの、始めようと思いまして。

加藤諦三:
で、お子さんは?

相談者:
え、3人おります。

加藤諦三:
ていうことは、3人のお子さんもあれですか?
父親が亡くなったときには、

相談者:
はい

加藤諦三:
誰も、相続のことについて言い出さなかったわけですか?

相談者:
あ、全然ですう。

加藤諦三:
誰も言い出さなかった。

相談者:
はい

加藤諦三:
そうすと、相続のことを言い出したのは、いつ、頃ですか?

相談者:
去年ですね。

加藤諦三:
去年、相続・・

相談者:
始めたんです。子どもたちには言いません。自分でやりました。
名義、わたしにしといた方が、次の代にも楽じゃないのかな?っていうんで、始めたんです。

加藤諦三:
あなたの始めた動機は、あなたの名義にした方が、

相談者:
はい

加藤諦三:
子ども3人のためにいいんじゃないか?ということ・・

相談者:
そういうことですね。あたしの名義さえすれば、子どもはもう走り回らなくても、簡単に出来るっていう、そういうことを聞いておりましたので、

加藤諦三:
ええ

相談者:
始めたんです。法務局行って。

加藤諦三:
はい。3人いる・・お子さんがいるって言ってましたね?

相談者:
上2人は、全部揃いました。

加藤諦三:
そのお、3人は、

相談者:
はい

加藤諦三:
一番上が男性ですか?

相談者:
いや、上2人が娘です。

加藤諦三:
お嬢さんが2人で、あの、

相談者:
そう

加藤諦三:
3人目が、男の・・

相談者:
長男ですね。

加藤諦三:
はい、それで、お嬢さん2人の方は、

相談者:
はい

加藤諦三:
もお、お母さんの好きにしてください、と言ってるわけ?

相談者:
ま、好きにしてくださいって言うよりも、全部揃えてくれました。

加藤諦三:
ということは、もう、家建物、土地、

相談者:
はい

加藤諦三:
もう全て、

相談者:
はい

加藤諦三:
あの、あなたの名義でいいですよ、ということを言ってる。

相談者:
そういうことですよね。

加藤諦三:
言ってるわけ?

相談者:
はい

加藤諦三:
それで長男が、その、

相談者:
ええ、あの、ちょっとグズってるっていうか。やっと、判押してくれたんです、法務局から頂いた書類は。

加藤諦三:
はい

相談者:
したら、長男は、あのお、印鑑証明書■△%取ってきてくれないんです。

加藤諦三:
はい。
で、長男は、そうすと、どう言ってるわけなんですか?

相談者:
最初から放棄するので、何にも要らないっていう感じで。

加藤諦三:
俺は要らない、と言ってんですね?

相談者:
そうです。

加藤諦三:
そうすと、3人ともとにかく何にも要らなくてえ、

相談者:
はい。
ただあ、まずう、わたしの名義に、するよ、っていうことは言って、

加藤諦三:
はい

相談者:
全部、揃えまして、

加藤諦三:
はい

相談者:
やっと、したんですよ、法務局のも、書類も。

加藤諦三:
はい

相談者:
それでえ、あと、印鑑証明書をお願いねえ、って言ったら、
「俺は知らない、放棄するからやらない」
みたいな感じでえ、

加藤諦三:
はい

相談者:
取りにいってくれないってことですよね。

加藤諦三:
持ってきてくれないということですね?

相談者:
そうですう。

加藤諦三:
なるほどね。
それで今日の相談というのは、そうすと、どういうことですか?

相談者:
そのお、印鑑証明書を、取らないと、この家はどうなるんでしょうか?

加藤諦三:
要するに書類が不備なときに、

相談者:
はい

加藤諦三:
どうなりますか?ということですか?

相談者:
そおですねえ

加藤諦三:
はい、分かりました。

相談者:
はい

加藤諦三:
今日はスタジオに弁護士の塩谷崇之先生がいらしてんので、

相談者:
はい

加藤諦三:
伺ってみたいとおもいます。

相談者:
よろしくお願いします。

 

 

(回答者に交替)

塩谷崇之:
はい、こんにちは。

相談者:
あ、こんにちは、よろしくお願いします。

塩谷崇之:
はい。
えーとね、今あなたのお話を伺っていてえ、

相談者:
はい

塩谷崇之:
ちょっと、うーん、どうもこう、腑に落ちないんですけどねえ。

相談者:
あ、どういうことでしょう?

塩谷崇之:
まずね、このお、不動産を、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あなたが一人で相続をするということについてえ、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
相続人が、ま、4名いるわけですよね?、あなたを含めて。

相談者:
ええ、はい、子ども3人おりますからね。

塩谷崇之:
で、その4名で、

相談者:
はい

塩谷崇之:
キチンと話し合いはされたんですか?

相談者:
してますよ。

塩谷崇之:
してます?

相談者:
はい

塩谷崇之:
ふうん・・それで、

相談者:
はい

相談者:
えー、それに当たってえ、

相談者:
はい

相談者:
長男は、「俺は要らない」と。

相談者:
もお、最初から、「親の面倒は看ない」、「不幸があっても来ない」、って、そういう言い方してました。

塩谷崇之:
はあ・・
あなたとの関係はあまり良くない、んですか?

相談者:
どおーなんでしょう・・来たら、ま、穏やかに話、しようとしても、今、あのお、離婚してるんですよね。

塩谷崇之:
離婚・・

相談者:
息子は。

塩谷崇之:
ふうん・・

相談者:
それで、この住所にしちゃったんです、自分で。実家に。

塩谷崇之:
ああ・・

相談者:
それでえ、

塩谷崇之:
うん・・

相談者:
一ヶ月に一遍、ここに寄るんですよ。お手紙が来るもんで。

塩谷崇之:
うん

相談者:
それであのお、ま、こういうわけでえ、印鑑・・証明書をもらってきてくれる?、それともカードだけくれる?貰って来るから、って言っても、
「俺は知らない!」って、こういう感じで。

塩谷崇之:
うーん・・

相談者:
もお、すぐ、お線香上げて、すぐ帰りますから、わたしも外まで追いかけて、
「お願いだから印鑑証明書だけ取ってきてえー」
って、
「おねがいぃぃ」
って、もう、ま、泣かないですけど、そういう言い方、優しく優しく言ってるんですけど、

塩谷崇之:
うん・・

相談者:
馬鹿にしてるのかもしれませんけど。

塩谷崇之:
うん・・

相談者:
はい

塩谷崇之:
なるほど

相談者:
はい

塩谷崇之:
で、お嬢さん2人は、

相談者:
はい、納得しとります。

塩谷崇之:
納得してるわけね?

相談者:
3人とも納得はしてるんですよ。

塩谷崇之:
納得はしてる?

相談者:
はい

塩谷崇之:
ふうん・・
そうするとね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
まあ、その、あなたあ、が、この、不動産を、一人で、

相談者:
はい

塩谷崇之:
受け継ぐと。

相談者:
はい

塩谷崇之:
おー、いうことなんですけどもお、

相談者:
はい

塩谷崇之:
そこもちょっと、わたし、よくう・・理解が出来なかったんですけれどもお、

相談者:
はい

塩谷崇之:
えー、名義を変えておいた方がね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あとの代のためにい、あなたが、単独で、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
不動産を相続することが、いいんだと。いうふうに思って、ま、こういうふうな話を始めたということなんでしょうけども、

相談者:
私の名義でしといた方があ、子どもたちの代になった場合は、あのお、楽じゃないのかな?、そういうな、親心かしらね。一つは。

塩谷崇之:
だからそこになんかね、ズレがあるんですよ。
親心っていうふうに仰るんだけどもお、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
子どもたちにとってはあ、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
あなたが相続、しなくても、ご主人名義のままであって、あなたが亡くなればね、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
ご主人、つまり子どもたちから見ると父親の、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
財産を、子どもたち3人で、どう分割するか?って話になるわけだし、

相談者:
はい

塩谷崇之:
一旦あなた名義になった場合には、

相談者:
はい

塩谷崇之:
今度は母親であるあなたの、相続財産を、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
3人でどう分割するか?っていう話になるんでえ、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
あの、そういう意味では手間は、同じなんですよね。

相談者:
あ、そうですか。

塩谷崇之:
うん

相談者:
ああ

塩谷崇之:
だから名義を変えた方が、

相談者:
はい

塩谷崇之:
子どもたちのためにもいいんだと。そういうふうに、あなたが思っておられるということなんですけども、

相談者:
そうです。

塩谷崇之:
そこの前提はちょっと、違うんじゃないかな?っていう感じしますしい、

相談者:
あー、どういう・・

塩谷崇之:
もしかするとね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
お子さんの方もね、
「なんだ、うちの母ちゃんは、子どもたちのためにやるのよ、って言ってるけども、別にオレには何のメリットもないじゃないか」
と。

相談者:
ああ

塩谷崇之:
と、いうふうに思ってるかもしれないですよね。

相談者:
子どもたちはあまりメリット考えてないみたいですけど。

塩谷崇之:
うん、考えてないんで、たぶん印鑑証明とか用意してくれたんだとは思いますけどもお、

相談者:
はい

塩谷崇之:
一人の名義にするんであればねえ、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
別にそれ自体は悪いことじゃないしい、

相談者:
ああ

塩谷崇之:
固定資産税の支払いとかね、色々そういうこと考えると、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あの、名義を変えておいた方がいいんだと思いますけれどもお、

相談者:
はい

塩谷崇之:
長男にとって何かメリットがあるんだったらね、例えばじゃ、それをね、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
あなた名義に変えて、あなたがそれを売却したらね、

相談者:
ええ、ええ

塩谷崇之:
いくらか、子どもたちにも、少しづつあげるよ、とかね、

相談者:
ええ、ええ

塩谷崇之:
なんか、そういうメリットがあるんであればあ、

相談者:
それはあ

塩谷崇之:
だったらまあ、協力しよう、

相談者:
先生が仰ってるけれどもお、

塩谷崇之:
うん

相談者:
も、最初から放棄してえ、るってことで、欲しいとは何とも言ってないです。

塩谷崇之:
うん、だから欲しくはないんでしょうね。

相談者:
ええ、

塩谷崇之:
欲しくはないけれども、

相談者:
はい

塩谷崇之:
だからといって、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
あの、積極的に協力したくないっていうのが、

相談者:
ああ

塩谷崇之:
長男の、気持ちですよね?

相談者:
そうで・・そうかもしれませんね。

塩谷崇之:
そうですよね?

相談者:
はい

塩谷崇之:
でも長男・・にそうやって、ま、印鑑証明をね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
取ってきてくれ・・ま、大した手間じゃないかもしれないですけども、

相談者:
はい、はい

塩谷崇之:
ま、そうは言ってもそれがないと話が進まないということであればね、

相談者:
そうです。

塩谷崇之:
うん、よく言うね、その、ま、手間賃は出すからっていうようなことで、長男がそれに、ま、協力してもいいかな、っていうモチベーションをね、あの、示すっていうね、

相談者:
あー

塩谷崇之:
俺は要らないよ、っていう言葉の、裏にある、

相談者:
はい

塩谷崇之:
その長男の気持ちっていうのを、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
あなたの方がね、やっぱり、慮(おもんばか)ってえ、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
協力を求めるんであればね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
それなりの頼み方っていうのをしないといけないのかな、っていう気はするんです。

相談者:
ええ

塩谷崇之:
印鑑証明をねえ、

相談者:
はい

塩谷崇之:
取ってくること自体は、

相談者:
はい

塩谷崇之:
そんなにすごい手間になる話じゃないんですよ。

相談者:
そおですよね。

塩谷崇之:
でも、そのね、大したことない、ことですら、したくないというのは、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あなたに対して、協力したくないと。

相談者:
なんかあ、恨みがあるんでしょうか、どうか分かりませんけどね。

塩谷崇之:
あるんでしょうね、何かね。何かやっぱり、ま、恨みまでいくかどうか分からないですけども、

相談者:
はい

塩谷崇之:
面白くない気持ちっていうのがあるんだと思うんですよ。

相談者:
ああ・・

塩谷崇之:
うん、だから、そこをね、なんとかしなくちゃいけないわけですけれども、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
ただそれは、やはり、40数年間積み重なったものがあるんでね、

相談者:
ああ

塩谷崇之:
一朝一夕にい、そこはね、気持ちがほぐれるってことはたぶんないと思いますんでえ、

相談者:
はい

塩谷崇之:
そうであるとすれば、親子であったとしてもね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
他人のときと同じように、と言っちゃ

相談者:
まあ

塩谷崇之:
変ですけれども、

相談者:
はい

塩谷崇之:
こういうふうに協力してくれたらあ、あなたにとってもちゃんとお礼はするからとかね。あなたの方からそういうアプローチをしないと、

相談者:
はい

塩谷崇之:
長男の方もね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
ま、そこまで言われるんだったらやろうか、っていう気持ちに、なかなかならないんじゃないかな、とは思うんですよ。

相談者:
ええ

塩谷崇之:
やっぱあなたのお話伺っているとね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
ほんとの問題は、

相談者:
はい

塩谷崇之:
その遺産分割とか、家の名義云々の問題じゃなくて、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あなたと息子さんとのねえ、

相談者:
そおですねえ

塩谷崇之:
コミュニケーションというかね、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
心の交流というか、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
それをどうしていくのか?ていうのが一番の問題であって

相談者:
そうなんです。

塩谷崇之:
そこが解決すればね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
あの、家の名義の問題なんて簡単に解決すると思うんですよ。

相談者:
あーそうですか

塩谷崇之:
うん、だからそこら辺はね、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
まあ、わたしの方からアドバイスできるのは、

相談者:
はい

塩谷崇之:
家の名義の問題とか、

相談者:
はい

塩谷崇之:
遺産分割協議のし方という、そういう、ま、法的な部分だけなのでね、

相談者:
ええ

塩谷崇之:
その辺りはむしろ加藤先生にね、

相談者:
はい

塩谷崇之:
えー、お話を聞いてもらった方がいいかもしれないですね。

相談者:
あーそうですか。

 

(再び加藤氏)

加藤諦三:
今あ、塩谷先生にね、

相談者:
はい

加藤諦三:
ほんとにこう、法律を超えた、いい話、伺ってえ、ますね。

相談者:
あー、そうです・・

加藤諦三:
あなたね、息子さんとの、話、あのお、盛んに言いますけど、

相談者:
はい

加藤諦三:
あなたの長男が、

相談者:
はい

加藤諦三:
で、あなた、「印鑑証明持ってきてえ」、って言って追いかけても、あのお、

相談者:
あー

加藤諦三:
「知らん」、って言ってる。
で、「親の面倒は看ない」、と言ってる。
で、あなたは「親心」と言っている。

相談者:
はい

加藤諦三:
そいで、「相続するのは3人のため」と言っている。

相談者:
はい

加藤諦三:
でも長男がここまで「あなたが嫌だ」と言っているんですね。

相談者:
ああ

加藤諦三:
それが全くあなたには理解出来ないわけね?

相談者:
分かりません・・

加藤諦三:
あなた今一番何がしたいですか?

相談者:
したいことってえ、別にい、ないですねえ・・

加藤諦三:
ないんだと思う。
ちょっと分かんないかもしれないけれども、自分に絶望してんじゃない?

相談者:
あ、かもしれませんねえ・・すごい、だから、もう、自分でウツになるか、神経的に、やられてるのか、分かりませんけど、そんな感じはします。

加藤諦三:
うん

相談者:
■△%それで悩んで。

加藤諦三:
そこがポイント。
よくここ、認めてくれたねえ。
自分に絶望してるってこと認めてくれたから、話は簡単なんです。

相談者:
はい

加藤諦三:
あのね、

相談者:
はい

加藤諦三:
自分に絶望してる、

相談者:
はい

加藤諦三:
そして、したいことがないからね、長男の側からすると、あなたに徹底的に虐められてんの。

相談者:
いや、そおでしょうかねえ、イジメたこともないし・・

加藤諦三:
もおちろん、もおちろん、あなたの意識では絶対にイジメてないの。
あのね、自分に絶望するとね、

相談者:
はい

加藤諦三:
どこに救いを見つけるかというとね、

相談者:
はい

加藤諦三:
人を、イジメることなんです。

相談者:
あー

加藤諦三:
それを、親心という名前でもって、相手を痛めつけていくんです。

相談者:
あー

加藤諦三:
あなたがしたいのは何かっていうと、人を支配することなんです。

相談者:
あー

加藤諦三:
息子さんを自分の思うように支配したい。

相談者:
あー

加藤諦三:
それがあなたのしたいこと。

相談者:
あー

加藤諦三:
それ、何で、その支配欲が生まれるかっていうと、

相談者:
はい

加藤諦三:
実はあなたは自分に絶望してんです。

相談者:
かもしれません。今、ほんとに悲しいです。

加藤諦三:
うん
だけどね、ここ認めてくれてるからね、もう、これは解決します。
ここを認めると、自分に対する態度が変わってくる、もっと自分をよく認めますよ。
それでね、あなた今、認めてくれたから、

相談者:
はい

加藤諦三:
人とコミュニケーションできるようになる。

相談者:
あー

加藤諦三:
今まではね、人とコミュニケーション出来ないんですよ。
なぜかと言うと、

相談者:
はい

加藤諦三:
ここを認めてないから。
人と心を通じ合えないんですよ。
本当の所を認めないから。

相談者:
あー
でもお、先生ね、

加藤諦三:
うん

相談者:
言い訳しちゃう、ごめんなさい。

加藤諦三:
はい

相談者:
結構、あたし、明るい方なので、

加藤諦三:
うん、だと思います。

相談者:
はい

加藤諦三:
その通り。
周りから見ると、社交的なんです。明るいんです。上手くいってんです。
だけど、それは意識の上で、

相談者:
ええ

加藤諦三:
無意識ではあなたは、人見知りをして、人が嫌いなんですよ。

相談者:
うーん・・

加藤諦三:
その意識と無意識の乖離があるから、人とのコミュニケーションは出来ないです。

相談者:
あー

加藤諦三:
あなた今ね、自分がバラバラになってんの。
で、これはね、近い人にとっては耐えられない。

相談者:
あー

加藤諦三:
息子さんにとっては耐えられない。

相談者:
あー

加藤諦三:
印鑑証明持ってくることが嫌なんじゃないんですよ。
あなたと関わることが嫌なんです。

相談者:
かもしれませんね、なんとなく。

加藤諦三:
わたしは自分に絶望してるんだと。
自分は、

相談者:
はい

加藤諦三:
人を支配したいんだと。
長男を自分の思うようにしたいんだと。
そこに気が付くと、自分に対する自分の態度が変わってきますから。

相談者:
あー、そうですか・・

加藤諦三:
そうすると長男がもしあなたと接したときに、

相談者:
はい

加藤諦三:
あれ?、なんか、お母さん変わってきたかなと、ふと感じるときがある。

相談者:
あ、そうですか。

加藤諦三:
これは時間がかかります。

相談者:
じゃあ、あまりそういうことは言わない・・

加藤諦三:
もう言わない。

相談者:
はい

加藤諦三:
長男と関わらない。
印鑑証明も諦める。

相談者:
はい

加藤諦三:
ここで一切の手続きは止(や)め。
上手くいきます。

相談者:
ああ、そうですか。

加藤諦三:
焦らないで。いいですね?

相談者:
焦らないでね、はい

加藤諦三:
長男と関わらない。

相談者:
関わらない

加藤諦三:
支配しない。
そいで、自分のことを考える。

相談者:
はい

加藤諦三:
よろしいですね?

相談者:
安心しました、少しは。

加藤諦三:
そうですか。

相談者:
はい

加藤諦三:
はい、どうもありがとうございます。

相談者:
ありがとうございましたあ。
失礼しまあす。

加藤諦三:
「わたしの利益のため」のことを、「人のため」とウソをつくと、人とコミュニケーションできなくなります。

 

 

(内容ここまで)

「お願いだから印鑑証明書だけ取ってきてえー、おねがいぃぃ」

(笑)

必死だな。

息子も、もう面倒くさいっていう域じゃないね。明確な意思が働いている。

 

「親の面倒は看ない、不幸があっても来ない」

これが相談者の話す息子の言葉なんだけど、図らずもポロっと喋ったエピソードで、

「もお、すぐ、お線香上げて、すぐ帰りますから、」

つまり、ひと月に一度は実家に立ち寄って、3年前に亡くなった父親の仏壇にお線香上げる息子なんだな。

 

結局、名義変更の理由は相談者の口からは明かされずじまい。
だけど、処分する以外、他の理由って考えられる?

5人家族が住んでた古びた一軒家なんて、独り身の相談者にとっちゃ無用の長物だもんね。

問題は、どうしてそれを隠すの?、ってこと。
番組にもだけど、子どもたちにさ。

塩谷弁護士が仮の話としてアドバイスした、売却金を子どもたちに分けるっていうやつ。

相談者 「(子どもたちは)欲しいとは言ってないです」

一つの提案として言ってるに過ぎないのに。
こういうのを「馬脚を現す」って言う。

後ろめたい企みに本当のことを言えない母親
VS
母親のごまかしに感ずいている息子

構図はこう。
そこには、もう親子の信頼関係なんてもんはない。

もし、このまま名義変更して、勝手に実家を処分したら、本当に親子の関係は最悪なものになると思うんだけど、お構いなしなんだな。

加藤先生には悪いんだけど、この婆さん、何んにも認めてないんじゃない?

 


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