ペットロス。一人暮らしお婆ちゃんの猫が行方不明

(回答者に交代)

森田浩一郎:
もしもし?

相談者:
はい、こんにちは

森田浩一郎:
あのね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
わたしの友達がずいぶん、犬とか猫を飼っていてね、

相談者:

森田浩一郎:
わたしんところも、子どもに犬を買ってきたんだけど、

相談者:
はい

森田浩一郎:
早、死にしちゃったんですよ。

相談者:
はい、ああ・・

森田浩一郎:
で、子どもは落ち込んだら困るから、一生懸命、あたし親として努力をしたんだけどもね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
でもお、どっちにしてもね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
猫とか犬とかって動物はね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
せいぜいもって10年とか15年なんですよ。

相談者:
そおですね。

森田浩一郎:
必ず、早くに亡くなるんですよ。

相談者:
はい

森田浩一郎:
で、あなた今、85でしょう?

相談者:
はい

森田浩一郎:
で、もう、なに?、50年以上前に離婚しちゃってるの?

相談者:
そおです

森田浩一郎:
で、お子さんは?

相談者:
子どもは3人いますけどね、もう、皆別々なんですよ、ほったらかしじゃから。

森田浩一郎:
あの、お子さんが3人いて、孫いらっしゃるんでしょう?

相談者:
はあい

森田浩一郎:
だけど、もお、あなたにとっては、今、猫が最高の幸せの、

相談者:
そおなんです、はい

森田浩一郎:
人生だったんだよね。

相談者:
はい、そおなんですよ。

森田浩一郎:
だけどねえ、

相談者:
はあい

森田浩一郎:
あたし、知ってるとこの子ども、そうだけど、

相談者:
はい

森田浩一郎:
猫ってときどきどっか行っちゃうことあるんだよ。

相談者:
はい

森田浩一郎:
いや、生きてると思って、いたって、どうせ長生きは出来ないんだから、

相談者:
はい

森田浩一郎:
あなたの場合は85でしょう?

相談者:
はい、そうです。

森田浩一郎:
昭和の一桁でしょう?

相談者:
はい、そうです。

森田浩一郎:
まだ、あなた、自分自身がねえ、

相談者:
はい

森田浩一郎:
長生きして、幸せになったって考えなさいよ。

相談者:
あー、そおですかねえ、そうですね、まあ・・

森田浩一郎:
で、あたし自身は、子どもを一人亡くしてますけどね、

相談者:
ああ、そおですかあ

森田浩一郎:
でも、自分の子ども亡くすってのは、ほんとに辛いですよ。

相談者:
ほんとにねえ、よく分かります。

森田浩一郎:
も、いまだに、朝昼晩、そのことばっかり考えますね。

相談者:
そおですねえ

森田浩一郎:
他に、子ども、もう一人いるけども、

相談者:
はい

森田浩一郎:
その子のことは、ま、1週間に一遍は、来てくれるけど、

相談者:
はい

森田浩一郎:
あと、うちにも一人いるけども、

相談者:
分ります、分ります。

森田浩一郎:
その、生きてる子のことじゃないんだよ。

相談者:
はい

森田浩一郎:
もお、自分で間違いなく亡くなって、

相談者:
はい

森田浩一郎:
ちゃんと自分で火葬までした子どもの、

相談者:
はい

森田浩一郎:
娘のことばっかり考えてるわけですよ。

相談者:
ああ・・

森田浩一郎:
もお、あなた、

相談者:
いや、そういう人はね、そういう人はどうやって・・

森田浩一郎:
40年も、もっと前の話なんだけどね、

相談者:
はあい

森田浩一郎:
だから、あなたを、猫を、6年いたんだけど、

相談者:
はい

森田浩一郎:
もお、3週間前にいなくったっていったら、

相談者:
そおなんですう

森田浩一郎:
もうね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
あなた自分が長生きしたことのね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
代わりに、この、猫が、あたしの代わりに、

相談者:

森田浩一郎:
どっかで命を失ったか、

相談者:
そおですね

森田浩一郎:
ま、生きてるかもしれないけど

相談者:
はい、そうですね、はい

森田浩一郎:
自分のために生きててくれてるんだと。

相談者:
はい

森田浩一郎:
思って生きてくしかないよ。

相談者:
はい、分りました、ありがとうございますう。

森田浩一郎:
ねえ

相談者:
ご迷惑おかけしましたあ

森田浩一郎:
だからもうね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
この猫の写真はあるの?

相談者:
ありますう。

森田浩一郎:
じゃ、その猫の写真をね、

相談者:
うん

森田浩一郎:
毎日、眺めながら、

相談者:
もう、先生、猫の、写真なんか、可愛そうで見られんですから、隠しとります。

森田浩一郎:
ああ・・僕だったら、その猫の写真を、見てね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
ああ、どっかで生きてるんだなあ、と。

相談者:
あ、そうですね。

森田浩一郎:
僕はもう、名刺入れに、

相談者:
はい

森田浩一郎:
あの、他の子どもや、

相談者:
はい

森田浩一郎:
女房とか、写真とか、一切入れないで、

相談者:
ああ

森田浩一郎:
死んだ子どもだけは名刺入れに、貼っていつでも、名刺入れ出すたんびに、顔見てて、

相談者:
ああ

森田浩一郎:
朝ならおはよう、とか

相談者:
あ・・あ

森田浩一郎:
夜はおやすみ、って言いますよ。

相談者:
はい、はい

森田浩一郎:
そんなに失ったものってのはね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
永久に戻らないこと分ってるんだけど、

相談者:
そおなんです。

森田浩一郎:
うん

相談者:
はい、ありがとうございます。

森田浩一郎:
3人お子さんがいらっしゃるんだったら、

相談者:
はい

森田浩一郎:
そのお孫さんを、今度は猫の代わりにね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
一人か二人、考えなさいよ。

相談者:
ああ・・そおですかね。

森田浩一郎:
どうせいつかは別れなきゃいけないんだから。

相談者:
そおなんですね、はあ、ありがとうございました。

森田浩一郎:
あの、奥さんね、

相談者:
はい

森田浩一郎:
もう、85まで生きたことに感謝して、

相談者:
はい、分りました

森田浩一郎:
これからなるべく長生きするようにしてくださいよ。

相談者:
あ、そうですか

森田浩一郎:
戦争中知ってる人が少ないんだから、

相談者:
はい

森田浩一郎:
一緒に生きましょうよ、あと5年や10年

相談者:
ありがとうございますう、先生も、

森田浩一郎:
どうですか?

相談者:
頑張ってくださいねえ

森田浩一郎:
僕はあなたの声聞いてたんで、今日元気が出たらから、

相談者:
そおですか

森田浩一郎:
もうちょっと長生きします。

相談者:
はい

森田浩一郎:
お子さんと、孫を大切にして、

相談者:
はい

森田浩一郎:
長生きしてください。

相談者:
はい、ありがとうございます。
また、考え直して元気に・・

森田浩一郎:
約束しようね

相談者:
はい、ありがとうございます、お世話になりました。

森田浩一郎:
あたしと一緒に長生きしましょう。

相談者:
はい

(再び加藤氏)

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
ありがとうございましたあ。

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
はい

加藤諦三:
あの、そこまでね、

相談者:
はい

加藤諦三:
あの、猫ですけど、愛することが体験できたのは幸せなことです。

相談者:
ほんとに、幸せです、先生。

加藤諦三:
はい

相談者:
ほんとに、生まれやからね、

加藤諦三:
はい

相談者:
はい

加藤諦三:
だから、一つね、最後にね、

相談者:
はい

加藤諦三:
こういう詩があるっていうのを、あのお、覚えておいてください。

相談者:
はい

加藤諦三:
失った方が、愛さなかったよりも幸せです。

相談者:
はああ・・
失ったもの・・はあ

加藤諦三:
失った方が、

相談者:
うん

加藤諦三:
愛さなかったよりも幸せです。

相談者:
あーあー、はい、はい・・
はい、分ります。

加藤諦三:
よろしいですね?

相談者:
はい、ありがとうございました。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
はい、ありがとうございました、ゴメンください、はい

加藤諦三:
対象喪失の悲哀過程を完遂すること、そこで新しい道が開けます。

(内容ここまで)

 


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