長年連れ添った夫を老人ホームに入れることへのためらい


テレフォン人生相談 2017年12月1日 金曜日

施設に入所させた夫が「オレは捨てられた」と周囲に言うのを聞いて、可愛そうに思い、気が滅入る。

パーソナリティ: ドリアン助川
回答者: 三石由起子(三石メソード主宰、作家・翻訳家)

相談者: 女83歳 夫92歳 息子50歳 娘もいる

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ドリアン助川:
もしもし、テレフォン人生相談です。

相談者:
はい

相談者:
お願い致します。

ドリアン助川:
よろしくお願いします。えー今日どんなご相談でしょうか?

相談者:
あの、介護の事なんですけども。

ドリアン助川:
はい

相談者:
あのお・・主人は・・えーと4年ぐらい前から・・あのお・・運動機能が駄目になりまして、

ドリアン助川:
はい

相談者:
あのお、まあ、少しぐらいの・・トイレ行くぐらいだったら、まあ自力で歩けるんですけども、

ドリアン助川:
はい

相談者:
・・えーと・・アルコールが好きなんですよね。

ドリアン助川:
ええ

相談者:
だから朝から晩までえ、飲むっていう感じで。

ドリアン助川:
はい

相談者:
・・そういうふうに飲んじゃうと、自分で立ち上がるっていう事はちょっと、不可能で。
わたしが少し後ろからこう、持ってあげないと立てないんですよ。

ドリアン助川:
はい

相談者:
そんな感、じで・・で最近、ここ何・・2ヵ月ぐらいかな?、あのお、お酒を飲んだ後に・・自分の欲、求が、通らないと、あの暴力振るったり。

ドリアン助川:
あー

相談者:
杖振り回したり。

ドリアン助川:
はい

相談者:
まーわたしにはぶつからないんですけども、

ドリアン助川:
はい

相談者:
目の前のテーブル叩いたりね、

ドリアン助川:
はい

相談者:
ベッドの淵叩いたり、

ドリアン助川:
うんー

相談者:
テーブルの上にある物投げつけたり、

ドリアン助川:
はい

相談者:
そんなこんなしてて、るもんで、あのお・・普段、二人っきりなもんでね、

ドリアン助川:
はい

相談者:
で、し、あの、息子に・・電話でその(苦笑)、状況を、流したんですよ、

ドリアン助川:
はい

相談者:
そしたら息子も・・あの、マネージャーさんなんかと相談して、もうこれ以上・・父親を、ここに置いとくわけにはいかないと思ったんでしょう。
あのお、マネージャーさんといそいそ相談して、

ドリアン助川:
はい

相談者:
で今の、病院へ、あの・・入れて、もらって、

ドリアン助川:
はい

相談者:
あのお、1ヵ月ぐらい経ちますかね。

ドリアン助川:
はい

相談者:
アルコール断ってんですよね。

ドリアン助川:
はい

相談者:
で「面会も・・困る」って言うんで、行ってないんですけど、やっと許可が出たんです。

ドリアン助川:
はい

相談者:
そうしまして、この間、息子が行ったらば・・なんか息子に、あのお・・介護士さんが・・手を取って涙流しながら、
「俺は捨てられたんだ」とかって、こぼしたらしいんですよね。

ドリアン助川:
はい

相談者:
それを聞いて、それでなくてもわたしは・・ここの家(うち)を、出て行く時に、
「あ、もう主人は帰って来られないんだ」と思いながら、出したもんで、凄いまたショックになっちゃって(苦笑)。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
そいであのお、息子も、介護士さん達も、あのお、もう、ここの家(うち)は帰さないで・・あの、特養は入れないから、あの有料老人ホームの方へ手続きして、そっちへ、あのお、入れようっていう事になったんですよね。

ドリアン助川:
はい

相談者:
そういうのを聞いて・・1ヵ月ぐらい経つから、少しずつ・・ま、主人の事も毎日毎日思い出さないで・・あのお、来たんですけど、その看護師さんの話を聞いた途端にまた、わたしも滅入っちゃって・・
わたしさえ我慢すれば、ここへ連れて帰って来てもいいかあ、いいのかなあ?と思ったんですけども、あのお・・絶対に、病院の方も・・あの・・マネージャーさんたちも、「まずい」って言うんですよね。
も、折角そこで・・あのお、お酒断って、暴力も・・あのお、治まれて、それでそのまんま、あの、異常がなければ・・老人ホーム入れるっていう事になっちゃったんですよ。

ドリアン助川:
あはい

相談者:
・・それはまあ、いいんですけども・・なーんか、わたしの気持ちが・・

ドリアン助川:
あなたの心が?

相談者:
ええ

ドリアン助川:
ええ

相談者:
可哀想で、可哀想で。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
「俺は捨てられた」なんて、捨てた覚えはないんだけど、やっぱしお父さんが・・お酒さえ飲ん、飲まなければ、まだいいんですけど。

ドリアン助川:
うーん・・あのお・・失礼ですけど、

相談者:
はい

ドリアン助川:
旦那様とあなたの年齢はおいくつですか?

相談者:
あ、あの主人は90う、2です。

ドリアン助川:
92歳

相談者:
はい、わたし・・

ドリアン助川:
あなた様は?

相談者:
わたし83になります、今年。

ドリアン助川:
83歳。えー、92歳?

相談者:
はい

ドリアン助川:
うん、あの、結婚、してからどれぐらいになるんですか?

相談者:
んもう50、何年です。

ドリアン助川:
50何年。

相談者:
はい

ドリアン助川:
息子さんはおいくつですか?

相談者:
50です。

ドリアン助川:
50歳。で息子さんお一人?

相談者:
娘がいます。

ドリアン助川:
はい。えー、はい。それで、

相談者:
はい

ドリアン助川:
えー「運動機能を失ったのは4年前だ」っていう風におっしゃいましたよね?

相談者:
はい・・はい

ドリアン助川:
これは具体的にどういう事、ですか?

相談者:
あの・・自転車で、

ドリアン助川:
はい

相談者:
転んだんですよね。

ドリアン助川:
はい

相談者:
そいでその前から、も、足腰が、弱ってるところへ・・自転車でコケて、そのコケる時も・・踏ん張れなくて、結局う、倒れちゃったんですよね。

ドリアン助川:
はいはい

相談者:
それからあの、しばらくは・・まだ運転してたもんで、あのお、外科、あ、整形外科通って、ブロック注射(*)みたいの打ってたんでけど、

(*)ブロック注射: 
ブロックは遮断という意味。
痛む箇所の神経近くに麻酔薬を注射することで痛みを取る。

ドリアン助川:
はいはい

相談者:
何本か、毎週毎週打ってたんですけどそ・・やっぱり、効かないつったらもう・・行かなくなっちゃって。

ドリアン助川:
ええ

相談者:
「でもお父さん、歩かなきゃ無理だよ」って言って、少し歩かせようと思っても、もう自分で・・歩く気力がない。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
そしたらマネージャーさんが・・
「生きる気力も・・なくなっちゃってますよ」って言われました。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
あの、昔は、言葉遣いの丁寧な人で、

ドリアン助川:
はい

相談者:
わたし達がちょっと悪い、言葉使うともう、怒ったぐらいだったんですけど。

ドリアン助川:
はい。それ酒、全部ぬ、抜けたらあ、元のお父さんに戻るって事はないんですかね?

相談者:
・・だから、それは、わたしは・・思うんですけど、

ドリアン助川:
はい

相談者:
息子たちは、
「家(うち)へ連れてくれば、絶対お酒ってのは忘れてないから」

ドリアン助川:
うん

相談者:
「また要求するだろう」

ドリアン助川:
うーん

相談者:
「そしたら・・あのお、お母さんは・・また出すだろう」って言うんですよね。

ドリアン助川:
はい。それ・・

相談者:
そこでまた暴力を振るう。

ドリアン助川:
うん

相談者:
だから今の、病院の先生も・・
「そういう風にされたんでは困る」って言うんですよね。

ドリアン助川:
そうですね。

相談者:
ええ、「折角良くなって、そういう風に元の木阿弥(もとのもくあみ)になったんじゃ困る」って。

ドリアン助川:
はい

相談者:
それだから、やっぱし、今のまんま・・自宅へ帰さないで・・

ドリアン助川:
うーん

相談者:
有料老人ホームの方へ、

ドリアン助川:
はい

相談者:
・・もう、向こうの人たちはちゃんと、もう・・押さえてるんですよね。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
あの、マネージャーさんと、病院の方と。

ドリアン助川:
はい

相談者:
で・・こっちで、「よろしい」って言えば、

ドリアン助川:
はい

相談者:
あの・・「もうそろそろ退院してもいい」とは言ってるんだと思うんですよね。

ドリアン助川:
ええ、で、あなたの気持ちとしては・・う、それはそうかもしれないけども・・

相談者:
ええ

ドリアン助川:
やっぱり・・旦那さんの、ん事考えると、自分の心も乱れてしまって。

相談者:
そうなんです。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
それでね・・それが一番つらいんですよね。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
で、みなさんに、ちょっと、お友だちなんかに言うと、
「あんたの方がまいっちゃうから・・そこで、息子さんたちの・・言う通りにしなさいよ」なんておっしゃる方がいるんですけどね。

ドリアン助川:
はい。そんな風にあの、杖振られても・・んまだ旦那さんへの愛情が残ってるわけですね?

相談者:
愛しちゃってるんでしょうかね(苦笑)

ドリアン助川:
ねえ

相談者:
なんか折角ここまでやっぱり、夫婦で来たからね・・

ドリアン助川:
はい

相談者:
あのお、息子たちは・・割合とお・・そういう点は、ドライなんですね。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
やっぱりい、夫婦っていうのものは、そういうわけには行かないですね。

ドリアン助川:
あなた様の健康状態はどうなんですか?

相談者:
駄目なんです。

ドリアン助川:
駄目なんですか?

相談者:
ええ、昨日も病院・・ちょっと・・血尿が出たんで、昨日も病院へ行って来たんですけど。

ドリアン助川:
血尿という事は、やっぱり、ご苦労重なって?

相談者:
ええ、「ストレス」だって言われますね。

ドリアン助川:
ストレスで?、うーん。その有料老人ホームというのは、

相談者:
はい

ドリアン助川:
ここに入った場合、ま、しかし会いに行く事はもちろん可能ですよね?

相談者:
うん、多分、最初は駄目だと思いますね。

ドリアン助川:
最初駄目なんですか?、うーん

相談者:
あの、ん、結局・・
「里心が付くんで」

ドリアン助川:
ええ

相談者:
「来てもらっちゃ困る」って言うんですよね。

ドリアン助川:
うーん

相談者:
「ましてお母さんは」

ドリアン助川:
はい

相談者:
あのお、「入所する時も、来ないでもらいたい」って、言われたんですよ。

ドリアン助川:
うーん、そうですか。

相談者:
うん

ドリアン助川:
うん・・お母さんとしてはどうしたいんですか?、本音を言うと。

相談者:
ほんっとの事言えば、

ドリアン助川:
はい

相談者:
お父さんが、お酒飲まなければ、

ドリアン助川:
はい

相談者:
家(うち)に戻したいです。

ドリアン助川:
うん・・という事は、お家からお酒全部無くしちゃって、

相談者:
でも駄目なんです。
「買って来い」って騒ぐんです。

ドリアン助川:
そこの部分の態度ですよね?、あなたのね。

相談者:
ええ、そうなんです。

ドリアン助川:
うん。でえ、その・・

相談者:
でも大きな声出されたりなんかすると・・やっぱり、
「じゃあ後で買って来るね」とかっていう事になっちゃうんですよね。

ドリアン助川:
その決断、の部分ですね?

相談者:
ええ

ドリアン助川:
分かりました。じゃその辺の決断、どうつけるか?という事で、えー今日の回答者の先生、紹介いたします。

相談者:
はい

ドリアン助川:
三石メソード主宰、作家で翻訳家の三石由起子先生です。よろしくお願いします。

相談者:
よろしくお願い致します。

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(回答者に交代)


「長年連れ添った夫を老人ホームに入れることへのためらい」への2件のフィードバック

  1. 役割を奪われて独りぼっちになってしまったおばあちゃん。酒飲みじーちゃんと同じ有料ホームに入って、ホームでふたり仲良く暮らさせてあげた方がいいよ〜。二人でひとつの老夫婦は、引き離しちゃうと片腕もがれるも同じ。双方が一気に弱っちゃいますよ。

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