普通に戻って欲しい。大切に育てた娘が大学で母の理想からかけ離れた乱れた生活

テレフォン人生相談 2020年8月26日 水曜日

小さい頃から、ピアノ、バレエ、英会話などの習いごとに頑張って、お嬢様ぽかった娘。
大学2年頃から同じサークルの友だちに感化されて、髪を赤く染めたり、バーでアルバイトをしたり、学生ローンから督促が届いたり、昼過ぎまで起きてこない昼夜逆転の生活をするようになった。

 

なかなかのツワモノ。
何がって迷いがない。

ウルベ女史の相談スタイルはコーチングと呼ばれる手法で、スポーツ界で有効性が認められたものが、20年くらい前からビジネスの現場でも提唱されてきたスタッフの育成法。

コンセプトは、共感、信頼、期待。
あくまで問題解決法を考える主体は選手(スタッフ)本人。
その解決策は選手(スタッフ)のやり方。

選手(スタッフ)が行き詰まって「どうしましょう?」と来たら、
コーチ(マネージャ)は「何が問題?」「君はどうしたいの?」

ちなみに従来型の育成がコーチングに対してティーチング。
間違いを指摘して、正しいやり方を教える。

テレフォン人生相談の回答者の中ではウルヴェ以外は全員がティーチングだ。

コーチングはスタッフに自信とやる気を与え、主体性や自立心、何より問題解決能力を育てる。
と言われるんだけど、ネックは時間。

納期が明日に迫ってて「君はどう思う?」
なんてやってられない。

15分でそれを試みるウルベ女史はかなりチャレンジングなわけだ。

 

もう一つコーチングが機能しないケースがある。

コーチングの起点はあくまでスタッフで、自分のやり方に疑問を持たないと始まらない。

これが、今日の相談者に欠落してしているわけだ。

ウルベ 「色々な生き甲斐を見つけるというのはやらない方がいいということになりますが、それで合ってますか?」

この質門に「いいえ」と返って来ないんじゃ、もはや立つ瀬がない。

しかも、ところどころに極めて正論が混じってるのがややこしい。
相談者:
「親のお金で学校に行ってる」
「学生の本分は勉強」
「けじめをつけて欲しい」

 

時間と起点。
コーチングの前提2つも欠いてはいかんともしがたい。

で、ティーチングに頼ることになる。
「あなたはお嬢さんの心に関心がない」
「お嬢さんはあなたのものではない」

響いたかしら?

 

ただ言ったって同居。


「太く短く生きる」
「結婚なんてしない」

象徴的に紹介しているけど、どこにでもある母娘のやりとり。
別にかしこまって決意表明したんではなく、母の小言への単なる返し。

赤毛なんて母親の嫌のことをワザとやってる。
やりたいことが見つかったなんてもんじゃなく、遅れてきた反抗期。

ピアノにバレエに英会話なんてペット化する母親としていかにも。
4つ下の夫に、38歳で授かった娘。
慌てて人並みをキャッチアップした自分の轍を娘には踏ませたくない親心。

 

時間と起点に加えて最後にもう一つ、コーチングには欠かせない条件がある。
コンセプトにも挙げた信頼関係。

よく知らない人からの質問攻めは腹が立つ。でしょ?
(相談者目線のリスナーがウルベを嫌う理由でもある)

「昼夜逆転は悪くない」
「勉強しないなんて普通」
こんなこと言う人は、信頼関係どころか相談者にとっておかしな人たち。

 

外向きの反抗期の方が引き込もりよりはいいでしょ?
もっと恐ろしい自覚のなさ
中学にも行かず日がな一日猫と暮らす娘35歳。対人恐怖症の母の心配の今さら

でも大学デビューをこじらせるとヤバい。
スノボにギター。大学デビューの薬学部の息子が留年。果ては「辞めて投資やりたい」

 

パーソナリティ: 玉置妙憂
回答者: 田中ウルヴェ京(シンクロ銅メダリスト、メンタルトレーナー)

相談者: 女60歳 夫54歳 一人娘22歳大学4年

続きを読む 普通に戻って欲しい。大切に育てた娘が大学で母の理想からかけ離れた乱れた生活