【日曜に読む傑作選】自殺者も出たMRI詐欺事件。被害者に弁護団が告げる絶望

(回答者に交代)

大迫恵美子:
もしもし?

相談者:
はい、ありがとうございます。

大迫恵美子:
はい。
どういったら良いのかな、あのお、すいません、MRI被害弁護団の、弁護士ですけどお、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
で、えー…まぁあなたの、事件も、受けてるわけですよね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
MRI被害というのは要するに、昨年、発覚した、アメリカに、日本のお金を持って行ってえ、

相談者:
はい

大迫恵美子:
アメリカの、医療保険を買い取って、その回収・・業で、まぁお金を増やして行くと、いうことを謳っているファンド、でしたよね?

相談者:
はい。

大迫恵美子:
被害者は全員日本人。
日本でお金を集めて、アメリカに持って行って運用するという。
で、あのお、まぁ日本の被害者は8千人。

相談者:
はあ

大迫恵美子:
で、そのうちの4500人くらいが弁護団に依頼していますので、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
えー、ま、そういう方たちの中から代表の方に原告になっていただいて、

相談者:
はい

大迫恵美子:
アメリカで訴訟をしています。

相談者:
はい、ありがとうございます。
戻ってくる可能性はあるでしょうか?

大迫恵美子:
今、非常に難しいところなんです、向こうの、弁護士い、も、徹底的に争ってきていますし、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
財産を隠しているらしい、ということは分かっているんですけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
それをまだ押さえきるところとまでは行けていないというのが現実です。

相談者:
ああ、そうですか。

大迫恵美子:
ええ、あの分かっている分については少しずつ押さえては行ってはいますけれども、

相談者:
んん

大迫恵美子:
向こうが隠しているだろうと思われるもの全部が発見出来ているわけではありません。

相談者:
ああ、じゃあ、全額戻るという事はない、あ、半分も難しいでしょうか?

大迫恵美子:
まだまったく分からないです。
そこのところがね、

相談者:
ああ

大迫恵美子:
あの、半分残っているのか?、3分の1残っているのか?とかいう、その数字を言える段階ではないというのが、私どもの今の状況です。

相談者:
ああ、そうですか。

大迫恵美子:
はい。

相談者:
はい

大迫恵美子:
それと私どもですね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
その実際にみなさんが入れたお金が、

相談者:
はい

大迫恵美子:
それだけを目当てにね、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
やっていたのでは、絶対に目減りしていますので、

相談者:はい

大迫恵美子:
えー、関係者で、責任のある人の責任追及と言う事を、目指しているわけなんですけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
これはあの首謀者が、ほんの数人の、首謀者がやっていた、感じがどんどん色濃くなってきていてえ、えー、まあ、あの、みなさんにはね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
様々な道具立て・・色々な銀行が保証しているとかあ、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
他に使えないような仕組みが色々用意されてるという説明が日本ではされていたんですけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そういうものが全部あの、嘘だったということが今分かってきていますのでえ、

相談者:
はい、騙された方が悪いって言う風に・・

大迫恵美子:
いや、これはね、何か凄くその、儲かるとか、まぁ先ほどお、その5年で倍になるって言われたという事ですけどお、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そういう事を、あの、言われていないのでね、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
えー、確かに、あの、高利回り、要するに8%とかね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
9%の利回りを付けて、

相談者:
はい

大迫恵美子:
えー、ま、販売していたんですけど、その、派手な勧誘は何一つしていないのでね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
全部あの、大手の新聞に、広告を出して、

相談者:
はい

大迫恵美子:
そこの広告しかないのでえ、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
ま、却って逆に、あの、信じてしまったという感じなんです。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
その、電話がかかってきてね、あの、「倍になります」とか、「三倍になります」とか、「絶対儲かります」って言われるとお、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そんな事は信じないというタイプの方々がみんなあのお、申し込んでしまっているんですね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
ですから、当時ですね、一つだけ疑問を、あの出した、あの、経済紙が一紙ありましたけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
それだけでした。

相談者:
ああ、そうですか。

大迫恵美子:
しかもこの業者は、あの、金融庁がね、第二種の、あの、金融商品取引業者に指定しておりますので、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
えー、そいう意味ではやはり、あの、これに引っかかってしまった人が、あの非常に落ち度があると言えるような状況ではないんじゃないかと思っています。

相談者:
はぁ、そうですか。

大迫恵美子:
えぇ。

相談者:
はい

大迫恵美子:
最終的には1600億円と言われている被害が出てしまいました。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
でえ、あの、税金の事をおっしゃっていましたけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
日本の税金というのは発生主義というのを採られておりまして、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
このお、ファンドに入れたお金が、ま、一応配当金が出てることになっているんですね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
で、配当金の分は実際に手元には返ってきてはいないんですけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
あの、計算上は、ま、増えて行ってる形になって、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
えぇまぁ、あの、残高が増えてる報告が来てますよね?

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そうすると、その、増えた、分についての税金が発生して、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
すでに税金を納めている方たちがいらっしゃいます。

相談者:
はい、ずーっと納めてます。

大迫恵美子:
納めてますよね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
で、結構な金額ですよね?

相談者:
うん・・もう、うちの主人なんて、100万円、最初に納められたって言ってましたもん。

大迫恵美子
そうですよね。

相談者:
はい

大迫恵美子:
あの、そうなんです。
これあのお、利子配当に対する税金がかかっていますので、

相談者:
はい

大迫恵美子:
もらってもいないお金に対して、皆さん、あの、100万とかね、200万とか・・多い人は500万とか、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そういう税金を取られてしまっているんです。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
で、私ども弁護団ではこの、ま、弁護団の本筋の仕事ではないですけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
あまりにもそのことをあのお、ま、訴えて、いらっしゃる方が多いので、

相談者:
はい

大迫恵美子:
特別にですね、税金の問題も取り扱えないかどうか?検討いたしました。

相談者:
はい、お願いします。

大迫恵美子:
ただですね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
あの、我が国の、税制というのは、さっきも言ったように発生主義で、手元に来なくっても、発生したというだけで、回収できなくても税金が取られてしまう仕組みになってます。

相談者:
はい

大迫恵美子:
そして、えー窃盗にあったとき、盗まれた時には、これはあの、税金から控除する事ができるんですが、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
詐欺被害については、控除の対象じゃないと、法律上はなっているんですね。

相談者:
はぁー…

大迫恵美子:
そのためにこれを除く方法が非常に難しいんです。
訴訟、を形式的に起こして、判決を取ってそれを資料にして、税金を免れる方法がないかというところまではやっているんですが、

相談者:
はい

大迫恵美子:
それでも100%返ってくるという保証ができない状態です。

相談者:
はぁ…

大迫恵美子:
税金はもしかしたらダメかもしれない、これはわたしども非常に問題だと思ってますけれども、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
今の法律の中では、んん、なかなかそう簡単に「戻す」と言ってもらえてない・・

相談者:
はぁ…

大迫恵美子:
だけど、税務署は「戻さない」と言っていると、いう風にわたしどもは言いたくないんです。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そういう風に言ってしまうと戻ってこなくなっちゃうので。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
そんな状態です、非常に危うい状態です。

相談者:
はぁ…

大迫恵美子:
本当に私どもこの事件については苦慮しております。
そして私ども被害弁護団は、

相談者:
はい

大迫恵美子:
みなさんからまあ、あの着手金をね、最初頂いて、弁護団を立ち上げているわけですけど、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
このお金は1円ももらえていません。

相談者:
はぁ…

大迫恵美子:
なぜもらえないか?と言うと、アメリカで裁判をしなければいけないので、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
アメリカの弁護士の報酬は、日本の弁護士の報酬なんか、問題じゃないですから。
100倍とかの世界ですのでえ、

相談者:
そんなにかかるんですか?

大迫恵美子:
はい。
わたしどもは4500人の方々から1億円くらいお金集めました。
もうこのお金の大半はアメリカの弁護士に支払われておりますが、この先お金がなくなってしまうとアメリカで裁判ができなくなってしまうと。
いうことも心配している状態です。

相談者:
いや…なあんだか…

大迫恵美子:
これはね、本当にアメリカと日本の、まあ、間を縫った、極めて巧妙な、あの詐欺なんですね。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
アメリカに住んでいる人、アメリカ人じゃなくても良いんですが、アメリカに住んでいる人を一人でも勧誘していれば、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
アメリカの法律が発動して、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
向こうではあの人たちの、おー、やっていたことに対して、すっごい検査が入って、

相談者:
はい

大迫恵美子:
非常に重い罰もありますのでね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
こんな何年間もできなかったと思います。

相談者:
はあ、そうですか。

大迫恵美子:
ですから、一人も、アメリカに住んでいる人を勧誘してないです。
で、日本に、

相談者:
はぁ、おかしな話ですね。

大迫恵美子:
日本に住んでいる人がもし、アメリカに移ったら、

相談者:
はい

大迫恵美子:
脱退することになっていました、契約上。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
で、日本人だけが、あの、被害にあってます。
日本人がみんな被害にあっているのに、アメリカに本拠地があるので、日本の当局は調査ができていませんでした。

相談者:
そうですか。

大迫恵美子:
はい、あの、それくらい本当に厳しい状況なんですこれ。

相談者:
まぁー、死にたいくらいですよ。(笑)

大迫恵美子:
本当に私ども皆さんそういう方を抱えてえ、

相談者:
んん

大迫恵美子:
被害弁護団は、もう、1円も、お金はもらっていませんけれども、これのためにもの凄く働いています。

相談者:
そうなんです。

大迫恵美子:
もお・・

相談者:
その、それを払うために、朝早くから働いて、節約して、なんだったんだろう?と、ここ数年間なんだか、虚しくなります。

大迫恵美子:
んん、あの、とにかく、まあね、亡くなった方もいるのでね、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
このことを苦にして。
も、そういう事だけは繰り返したくないと、弁護団思っておりますので、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
とにかく、うー、みんな(笑)自分のお金で、飛行機で、アメリカに行ったりしてですね、

相談者:
千円だって二千円だって、戻れば戻った金額ですからね、それに対してね…ま・・こんなこと言ってごめんなさい。
あの…一生懸命に皆さん・・

大迫恵美子:
いや、ですから本当に、あのー、悲観して、あの、早まった事だけはしてもらいたくないというのが私どもの願いです。

相談者:
はい、じゃあ税金だけは申告しなくちゃいけないわけなんですね?

大迫恵美子:
いや、申告する時には、弁護団が今ね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
協議をしているので、あのお、その協議を待ってくれと言ってほしいんです。

相談者:
あぁそうですか。

大迫恵美子:
ええ、ただそれでも、「ダメだ」って言う可能性もありますけど、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
これは詐欺だと言う事が分かっているし、

相談者:
はい。

大迫恵美子:
えー、払うのを待ってくれと言って欲しいんです。

相談者:
あーそうですか、はい、わかりました。
まあ、せめてその言葉だけでも…伝えるようにします…もうどうしたら良いか、もお、頭おかしくなっちゃういますよ。

大迫恵美子:
いや、も、本当にそうだと思いますけど、

相談者:
うん。

大迫恵美子:
あのお、頑張ってもらう、くださいとしか言いようがないです。

相談者:
はい。

大迫恵美子:
わたしどもだって頑張っていますので。

相談者:
はい、ありがとうございました。

相談者:
はい

相談者:
すみませんでした。

(再びパーソナリティ)

【日曜に読む傑作選】自殺者も出たMRI詐欺事件。被害者に弁護団が告げる絶望」への5件のフィードバック

  1. 管理人さまのコメントいつも楽しみです。
    的を得ていると思います。
    5/2,3,4分のコメント出来たら下さい。
    ちょっと似たような境遇の人がいますので。
    宜しくお願いしますm(_ _)m

  2. 酷い話ですね。
    バブル時代は高校生でした。
    バブル狂乱後にこんな巧妙で大規模な詐欺事件があったんですね。
    経済学部なら授業で習うのかな。
    いや心理学部でも扱いそう。
    こんなことはどうでもいいけど。
    うう、もし自分がこんな詐欺にやられたら自殺一直線だわ。
    真面目で良識派が引っかかってしまうなんて、かわいそう過ぎて何と言えばいいのか。
    しかも日本の税制、血も涙もないですね!
    管理人さんの冷静で真摯なコメントをもう一度読んで、気を取り直そう…

  3. 心穏やかになる為に現状を知りたく検索して、まさに今年2019年5月、主犯フジナガに50年間の量刑と賠償命令が出されたことを知りました。
    「米国裁判所におけるエドウィン・Y・フジナガ被告人の量刑言渡しに関する弁護団声明」(MRI弁護団公式サイトより)
    弁護団の壮絶な仕事ぶりに涙が出ます。
    フジナガは厚顔だけあって控訴してるし被害者の手元に十分なお金が戻ることは実際は難しいでしょうが、アメリカの裁判で50年の断罪がされたことで被害者は少しは気持ちは救われたことを祈ります。

  4. 最近MRIについて知りましたが、何年も一生懸命働きながら節約をしたお金がまさにドブですね、、。その家族が幸せになれるように願っています。

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