息子夫婦と同居するにあたって嫁とのコミュニケーションの取り方
(回答者に交代)
大原敬子:
一人息子さんが、僕の家にいらっしゃいっていうのは、嬉しいことですよね。
それなのに、はーって、ため息を感じるんです。
相談者:
(笑)
大原敬子:
同じ立場だから分かるんです。
いいですか?本音言っても。
私(大原)よりも、真面目で、純粋で、負い目があると思うんです。
相談者:
あります。
大原敬子:
私は純粋じゃないので、(息子を)仕事のために出した、なんて思いませんもの。
そう言わなきゃ、子どもから責められると、あなたが思っているからなんですよ。
そうしないと、あなたの立場であれば、力の弱い人間はつぶされちゃうっていう怖さがあるんです。
相談者:
ありましたね。
大原敬子:
そうでしょ。
だから、なんとか、凛として踏ん張っていないと、心の中は不安で不安でしょうがないけど、内心は違いますよね、泣きたいときもあるし・・
相談者:
そうです、離すときは、ほんとにもう、一週間泣きました。
手紙を持たしてね。
大原敬子:
私はそれを置いといて、中身に入るんですけど。
あなたの不安と、自分の居場所をどう作ったらいいかということがあるんです、相手の家に行ったときに。
それをコミュニケーションという言葉に替えていると思っているんです。
知りたいのは、あなたが求めたいのは何ですか?
まず、お部屋を用意して欲しいの?
細かく言ってくださる?
相談者:
やっぱり、自分の部屋は欲しい。
大原敬子:
それから?
相談者:
んー、あとは、お互いに干渉しないことくらいしか、考えられない。
大原敬子:
干渉ってどういうことですか?
相談者:
え?
大原敬子:
じゃ、あなたが熱出したとき、どうしますか?
干渉しないってことは、お嫁さんが中に入ってこなくていいんですね。
相談者:
あー。
大原敬子:
それがあるんです。
お互い歳をとると、腰も痛くなるし、歩けなくなるときあるでしょ?
どうすんの?そのときは。
そのときも干渉なし?
相談者:
お世話になるしかありませんね。
大原敬子:
なるしかないじゃなくて、息子さんからすると親孝行ですよね。
息子さんからすると同居することは、ものすごい大きな負担もあるということです。
今元気だからいいんですけど、歳をとると、口は達者だけど、身体は動かなくなる、違います?
相談者:
そうです。
大原敬子:
あなたが、どうしても避けたいもの、これだけはイヤだなというものは何ですか?
相談者:
んー、トラブルですね。
大原敬子:
だいたい、どんなトラブル?
相談者:
いわゆる嫁姑っていうんでしょうか。
大原敬子:
(笑)
相談者:
私、友だちにも・・、嫁、姑っていう言葉が嫌いで、説明するために使ってしゃべってるんですけれども。
大原敬子:
じゃ、なんて呼ぶの?
相談者:
名前でよんでます。
大原敬子:
あ、何々さんって。
それでいいんじゃないの?
それで、避けたいのはお嫁さんとのトラブルだけ?
相談者:
はい。
大原敬子:
あのね、人は、お嫁さんとどうとか、お嫁さんと上手くやるとかいうことよりも、わが身がどのように迷惑かけないから始まるんじゃないでしょうかね?
すると、息子に家に一間お借りするっていう気持ちが一番大事じゃないかって思んです。
相談者:
そうですね。
大原敬子:
一間お借りしたら、食事とかはあなたはどうするの?
相談者:
私が出来る限りは・・
大原敬子:
出来る限りじゃなくて・・、どうするの?
相談者:
私がやりたいと思います。
大原敬子:
そしたら、同居する前に、お嫁さんに頭を下げて、・・
だって、お部屋をお借りするんですから。
そう思いません。
相談者:
思います。
大原敬子:
そしたら、私が足腰が丈夫で、こういう場合は、朝と昼、自分で食事は作ります、って。
で、台所、ご迷惑であるならば言ってください、って。
私は息子の話は全部聞きます。
だって、息子がいなかったら、あなたは一人の生活になるんですよ。
これ、当たり前と思うと、私たち人生間違えるんですよ。
ありがたいですよね、息子がいて、もう感謝でしょ。
お孫さん、三人もいて。
そして、日曜の夕方、一緒の食事はできないだろうか?って、言います。
相談者:
不規則な仕事なので、・・無理なんですね。
大原敬子:
いいじゃないですか。
例えばの話です。
私の場合はそうしてるんですけど、いいんじゃない?それは。
ただ、あまりギチギチに個々の生活していると、あなたの現状が少しづつ無くなっていくんです。
自分が80になったときに、どういう生活送るだろうかって頭に入れるんです。
それを今からキープするんです。
人間、いつかこうなるだろう、じゃなくて、80のときのまだこうしていたいっていう日々の生活をすると、今やっていることが・・、やっていると、80になってもそれがキープできているんです。
まず、自分の身を自分で守れるようにすることが、息子に対する愛情のような気がするんです。
相談者:
そうです。
大原敬子:
コミュニケーション云々じゃなくって、できるだけあなたの荷物は少なくして、もう全てを捨てるかたち(笑)
それは大事。
相談者:
そう思います。
大原敬子:
でもね、あなた、今ある荷物を全部捨てられるんですか?
相談者:
(笑)あのー全部息子に任せてあります。
大原敬子:
いいお母さん・・、あなた、人生に満足しているんですね。
私はここ5、6年、自分のものを処分しているんです。
そのとき思ったんですけど、捨てられないときは自分の人生に未練があるときですね。
毎日が精一杯で、楽しい、楽しい、だと、どんどん捨てられるんです。
荷物の中に、自分のつらかった人生があるから、そのつらかった人生を持っていたい、というのがあるんです。
でも、あなた、息子さんに処分させるって、素晴らしいことですね。
へえー。
相談者:
息子が、必要なものは残すけど、要らないものは捨てよう、って言いましたので、「全部、任せるよ」って言ってあります。
大原敬子:
そしたら、お母さん、こんな相談する必要ない、ないですよ。
相談者:
(笑)そうですか。
大原敬子:
一番の親孝行(息子孝行?)は息子に任せるってことですよ。
相談者:
「老いては子に従え」っていう言葉を常に頭に置いて息子と話しています。
大原敬子:
どうしましょう、私、恥ずかしくなってきました。
素晴らしいお母さんですから、今までのことは撤回しますので。
コミュニケーションも要らないので。
ただ一つ聞いて頂きたいのは、自分の身体だけは自分で大切にすることが息子さんの孝行になることです。
あと、あと、先生どうぞ(笑)
(再びパーソナリティ)