言葉を誤解され職場を転々。診断後も心無い言葉に凹む手帳持ちアスペルガー

(回答者に交代)

高橋龍太郎:
はじめまして高橋です。
発達障害・・ま、ね、今、すごく広い概念で、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
色んな病系(病気?)があるんですけど、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
なんていう風に言われたの?
発達障害の中の。

相談者:
あ、私、アスペルガー症候群ていう・・

高橋龍太郎:
アスペルガーだと言われた・・それで、それは何年前ですか?

相談者:
3年前です。

高橋龍太郎:
それまでは、どんな生活だったの?

相談者:
はい、介護の現場を、ま、何箇所か、渡り・・歩きつつ・・

高橋龍太郎:
うん

相談者:
生活をしていたという感じです。

高橋龍太郎:
ふうん。
それは、もう、二十歳代から?

相談者:
私、介護の仕事をしてたのが、ちょうど6年前から始めたばっかりで、

高橋龍太郎:
あ、その前は何をしてたの?

相談者:
高校卒業して、28までは地元の方におりまして、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
当然実家の方で暮らしてました。

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
そのときはですね、介護ではなくて、あの、例えばガソリンスタンドの店員やったり、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
例えば、スーパーの店員とかですね、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
あと、コンサートの、ね、あの、設営準備のバイトとか、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
ま、誘導係とか、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
色々やってたものですから、はい。

高橋龍太郎:
うん、うん
ふうん

相談者:
で、28のときに、あの、仕事の関係で、一人暮らしするようになって、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
ま、35に、なるまでの間、こう、転々と仕事を、また変わってですね、

高橋龍太郎:
はい。

相談者:
で、35のときに、きっかけができて、介護の仕事に携われるようになって、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
35から6年間仕事してたんですけど、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
結局、自分の、ま、物覚えの悪さ故に、ま、職場で敬遠されたり、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
ま、自分の、至らなさで、結局、周りから、嫌われて、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
そういう状態が続いたときに、ですね、3年前、最後に勤めた介護の現場で、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
薦められて行った病院・・メンタルクリニックで、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
検査してもろうて、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
発達障害が見つかったというわけなんです。

高橋龍太郎:
うん。
とすると、自分なりに、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
これまで生きてきて、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
その、コミュニケーションとか、イマジネーションの障害って、よく、ね、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
あの、三つ組みの障害(*)ってよく言うんだけれど、

(*)三つ組みの障害: 発達障害を含む自閉スペクトラムの3つの特徴。1. 社会性の障害、2. コミュニケーションの障害、3. 想像力の障害

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
そういうことは自分で自覚う、は、ある程度、してきたわけでしょ?

相談者:
はい、もう、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
手帳もらう前から、やっぱり、おかしい、おかしい、と思ってましたしね、自分でも。

高橋龍太郎:
ね、うん。
それで、今や、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
えー、生活保護を受けつつ・・でも・・障害者枠の、雇用を、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
えー、やりながら、

相談者:
探しながら。はい

高橋龍太郎:
捜しながら?、派遣会社は?

相談者:
はい、派遣はもう、一般の派遣会社なんですよ。

高橋龍太郎:
ああ。
あ、一般就労で、今、働いていて、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
足りない分は、生活保護から出してもらって、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
基本的には障害者枠の仕事を探しつつあるところ、っていうことだね?

相談者:
はい。
そういうことですね。

高橋龍太郎:
すごく頑張ってるじゃない、じゃ。

相談者:
ああ、◆#$%□

高橋龍太郎:
何で、そんな・・くじけるほどの、ことはなくて、むしろ、すごく頑張ってる、人間像に、僕なんか思えるけど。

相談者:
ありがとうございます。(涙声)

高橋龍太郎:
うん

相談者:
ただ、一部にそういう風に・・飲み会でですね、

高橋龍太郎:
うんうん

相談者:
障害年金もらいながらやってる、って言ったら、
「お前、年金泥棒やんか!」って言って。

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
「俺らが汗水流して働いて、金を税金で」

高橋龍太郎:
うん、うん。

相談者:
「しかたなく払って、それをお前根こそぎ貰ってから」

高橋龍太郎:
うん

相談者:
「それ、障害もらってるから」?

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
「そういうことしか出来ないって、きさん(貴様)なめとんか!」、つって、僕言われた、ことがあったんですよ。

高橋龍太郎:
ああ
それはね、あのお、特に発達障害っていう概念がね、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
ここ、特に、も、10年くらい、みんなの間に、行き渡っていて。
専門医でも、ほんとに、ここ10年なの。
もっと言うと、ここ5年で、初めて、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
発達障害で年金をもらうっていう人が、世の中にようやく出てきた段階だから、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
他の人の理解はもう・・足りないっていうのは、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
これちょっと、ま、ある意味ではやむを得ないことなの。

相談者:
・・
はい

高橋龍太郎:
だから、多くの人が、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
全然、そのことがどれくらい苦しいもので・・表面的には、だって、あなたお話してたって、全く普通じゃないの。

相談者:
ありがとうございます。

高橋龍太郎:
例えば、統合失調症、のような人たちが持っている、言ってみれば、こう、ひとつベールが掛かってるような、そんな感じは全然無いでしょう?

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
だから、他の人から見ると、まったく普通に思えるわけだけれど、

相談者:
はい。
ありがとうございます。

高橋龍太郎:
ところが、やっぱり、発達障害ていうのは病気で、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
特にその、コミュニケーション、イマジネーションが不足するから、他の人に、非常に、平気で、え、普通の人なら言わないようなことを、何のフィルターもかけないで、ポーンと言っちゃったりするから、他の人とすごくトラブルになり易いんだけれど。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
というような、事実をみんな知らないんだって。

相談者:
はい

高橋龍太郎:
あなたの友達も。
残念ながら。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
そんときに、例えば、医療関係者が、ね?

相談者:
そうですよね。
◆#$・・

高橋龍太郎:
うん、一言、言ったら、

相談者:
あ、すいません、はい、どうぞ、はい

高橋龍太郎:
うん、そんときに、「いやいや、これは発達障害って、も、ほんとに苦しくて、発達障害の中でも、彼なんか、もう、こんだけ頑張ってんだよ」って、言ってくれたら、みんな・・友達があなたのこと、すごく理解してくれたと思うよ。

相談者:
はい(涙声)

高橋龍太郎:
うん。
だから、確かに、あなたは苦しいかもしれないけど、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
やっぱり申し訳ないんだけど、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
えー、現代の精神医学をもってしても、特効薬も無ければ、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
ある程度、とにかく今は、みんな、その情報を、みんな一般の人には持って共有してもらって、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
どれくらい、みんな大変な思いをしてるかっていうことを、みんなに知ってもらう段階だから、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
そういう、あなたみたいな苦しんでる人は、僕の患者さんにもたくさん居るの。

相談者:
ああ、そうですか。

高橋龍太郎:
ただ、知らない人があんまり多いもんだから、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
年金貰ってるっていうだけで、もう、税金の無駄遣いって言うけれど、それは、も、堂々と年金貰いながら、障害者枠で・・でも、障害者枠で就労すると、こんどまた逆の話になっちゃうんだけど、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
統合失調症や、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
それから、知的障害・・の人に比べると、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
発達障害の人が、例えば、パソコン好きだと、も、パソコンの能力は、普通の人よりすごいの。

相談者:
ああ、はい。

高橋龍太郎:
障害者枠で雇われて、一般社員より、仕事出来ちゃう人が結構いるのよ。

相談者:
ああ、はい

高橋龍太郎:
だから、東京の会社事情で言うと、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
障害枠の雇用で、発達障害の人を探してる会社いっぱいあるんだよ。

相談者:
あ、東京はですね。

高橋龍太郎:
東京はねえ。

相談者:
はい

高橋龍太郎:
だから、それくらい、逆に言うと、発達障害は病気なんだけれど、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
ある種の才能でもあるの。
だから、全然自分をそんな低く見る必要ないし、その中で、あなた十分頑張ってるから、自分の生き方にもっと誇りを持った方がいいと思うよ。

相談者:
ありがとうございます。

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
ま、自分も色々言われ易かったりですね。

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
お前、なめられてる、とかですね。

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
だから、ほら、寄ってくる、ねえ、女性の人も、なんかこう、ま、統合失調症とか、もう、リストカットの人とか、そういう人が多くてですね、

高橋龍太郎:
そ(苦笑)・・

相談者:
だからもう、昔みたいに、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
結婚しろって言われても、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
そう人が多いから、も、僕も、あんまり、何とも文句言わないんですよ。

高橋龍太郎:
ううん。
で、そういう人を、あのお、遠ざける必要も無いし、そういう人の中に、魂の優しい人は、たくさんいるから、そういう人でもいいじゃない、相手、結婚して、全然。

相談者:
ただ、まあ

高橋龍太郎:
精神科医から見ると、ね?

相談者:
はい?

高橋龍太郎:
発達障害の人も、リスト、リストカッターも、統合失調症の人も、みんな一生懸命生きてるっていう限りではみんな平等だと思うよ。

相談者:
あ、そうですか。

高橋龍太郎:
うん
だから、そう人の中に、優しい人がいたら、結婚したらいいと思う。

相談者:
ま、ただ、収入がないからですね、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
だから、介護の現場おったときも、
「君は、男のくせに収入低いから魅力無い」って、煙草の煙、上司に吹きかけられたことがありましてねえ、昔。

高橋龍太郎:
うん、うん。

高橋龍太郎:
それはね、人間を経済で見る、最近の、ま、グローバリズムがそうかどうか分からないけれど、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
お金を稼ぐ人が人間的に上だっていう・・ふうに見る最近の悪い風潮。

相談者:
ああ

高橋龍太郎:
人間の価値はお金で決まらないよ、やっぱ、その人の持ってる魂の力。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
ね。
他の人をどうやって幸せに、どこまでにしてあげられるか、とか、

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
いつも、要するに、そういう風に、人間のことを、お互いに考え合う力っていうのが一番大事だから。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
ね、
だから、あのお、んな、お金少ないから人間的に劣ってるなんて、一切ないよ。
もっと自信持たないと。

相談者:
はい。
どっちにしても、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
ってこたえてしもうても、実家の方がですね、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
もう、両親も高齢だし、

高橋龍太郎:
うん、うん。

相談者:
負担掛けたくないんですよね。

高橋龍太郎:
うん
いや、いや、だからいいじゃないの、生活保護もらって、障者枠で、全然問題ないじゃない。

相談者:

高橋龍太郎:
そのために生活保護ってあるんだよ。
年金制度もあるんだよ。

相談者:
はい(涙声)

高橋龍太郎:
うん
全然、そのことで、何か、あの、自分を卑下する必要は全然無い。

相談者:
やっぱ、周りの言葉を気にしてしまうのは、やっぱり、一番いかん、ということですかね?

高橋龍太郎:
そういうことだね。
もっと堂々としてなさい。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
はい。

相談者:
すんません、なんか今日、電話で、ね、こんな風に繋がってもらえると思わんかったんで、

高橋龍太郎:
うん。

相談者:
ビックリしてましたよ。

高橋龍太郎:
うん。

(再びパーソナリティ)

言葉を誤解され職場を転々。診断後も心無い言葉に凹む手帳持ちアスペルガー」への1件のフィードバック

  1. 昔、アスペルガー障害 と診断された中学男子が翌日自殺してしまった という話を聞いたことがある。今、治験が進められているんだけどどうなっているんだろう。

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