従兄が祖母からせしめた1億。奪い返すには?
(回答者に交代)
坂井眞:
あのお、一億円を超える、お金っていうか、ま、借金の、返済にあてたっていうお話、のようなんですが、
相談者:
はい。
坂井眞:
えっとお、で、その中身というのは、
相談者:
はい。
坂井眞:
例えば、いつ、いくら貸してというようなことを、お婆ちゃんは、いわゆる、契約書とか、貸付証書、色んな言い方ありますけど、
相談者:
はい。
坂井眞:
そういう念書みたいなものはあるのかな?
相談者:
借用書みたいな感じじゃなくって、◆△%帳みたいな感じ・・で、祖母が付けていたノートがあるんですけど、
坂井眞:
うん。
相談者:
それぐらいしか、今の所、手元に資料として、は、残ってないんですよね。
坂井眞:
そうすると、あなたの従兄の方がサインをした、
相談者:
はい。
坂井眞:
書付の類は、無くて、
相談者:
はい。
坂井眞:
借りましたという証書はなくて、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃんの方が、○○に、今日、いくら貸したっていうメモをノートに書いていた。
相談者:
そう、それです。
坂井眞:
で、不動産、建物もあるから、1億円って言ったんだけど、建物は、どうなっちゃったんですか?
相談者:
建物は、借金のカタに、取られてしま・・ったんですよ。
坂井眞:
それは、何、お婆ちゃんが、住んでたところ?
相談者:
と、あと、戦前に建てた、古い、畑付きの家なんですけれども。
坂井眞:
ま、あのお、戦前に建てたっていうんんだから、建物の価値は、あんまり無くて・・土地ごとですか?
相談者:
はい・・はい。
坂井眞:
うん。
土地建物だね。
相談者:
はい。
坂井眞:
それは、担保に入れてたっていうことですかね?
相談者:
はい。
坂井眞:
抵当権付けたりとかして。
相談者:
そうです、そうです。
坂井眞:
うん。
で、抵当権が実行されちゃったと。
相談者:
はい。
坂井眞:
いうことね・・それは、まあ、書類が残るから、それで、いくら分の、お金を返したことになったっていうようなことは、調べれば分かると思うんだけれども、
相談者:
ああ
坂井眞:
お婆ちゃんが付けていたノート、の、証拠としての、力がどれだけあるのかっていうことは、
相談者:
はい。
坂井眞:
これは争いになる余地が、ありますね。
相談者:
あ。
坂井眞:
仰るように、こっちがつけてるものだから、
相談者:
はい。
坂井眞:
もし、その従兄弟の人が、それは知らない、ってことになると、こっちが立証しなきゃいけなくなるので、
相談者:
はい。
坂井眞:
そこは争いになり得るかもしれないけど、とりあえず、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃん側の言い分としては、
相談者:
はい。
坂井眞:
そのノートを元に、お婆ちゃんから見て、そのお孫さんに・・いくらいくら
相談者:
はい。
坂井眞:
こういう・・ふうに貸しました、とか、代わりに、借金を返してあげました、ていう話になると思うんですね。
相談者:
はい。
坂井眞:
あと、まあ、担保に取られたのは、これは、代わりに返したという話なんで、同じことになります。
相談者:
はい。
坂井眞:
で、問題は、あげました、っていう話は、
相談者:
はい。
坂井眞:
借金じゃないので、
相談者:
はい。
坂井眞:
返してくれっていう理屈にはならないわけです。
相談者:
はい。
坂井眞:
これは分りますよね?
相談者:
はい。
坂井眞:
お孫さんに、
じゃ、この100万で事業立て直しなさい、あげるから。
相談者:
はい。
坂井眞:
って言ってしまったものは、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃんが、自分の意思であげているので、
相談者:
はい。
坂井眞:
返してくれっていう筋のものでは、ないっていうのは、分りますかね?
相談者:
はい、分ります。
坂井眞:
だから、貸したものとか、担保を入れていたら、それが取られちゃったと。
相談者:
はい。
坂井眞:
でえ、そこでえ、えー、担保の評価ですね。
相談者:
ま、抵当権だったら、あのお、それがいくらになるか分りますから、いくらになったか。
相談者:
はい。
相談者:
抵当権の実行をして、競売になるので、
相談者:
はい。
相談者:
それで、いくらとか、そういうものの、合計額の、債権をお婆ちゃんが、あなたから見ての従兄弟さんに、持ってるということが一つ、言えますね。
相談者:
はい。
相談者:
立証出来るかどうかの問題は、置いて・・とりあえず別にしておきますけどね。
相談者:
はい。
坂井眞:
で、それが一つで、
相談者:
はい。
相談者:
あと、20年がかりの話だというので、
相談者:
はい。
相談者:
えー、法律的に気になるのは、
相談者:
はい。
坂井眞:
今言ったような形で整理をして、これだけ返さなきゃいけないものがあるよ、っていうのを整理をしたとして、
相談者:
はい。
坂井眞:
ま、一般的に考えれば、
相談者:
はい。
坂井眞:
普通の民事の債権なので、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃん側が返してくれというようなことが出来るようになってから、
相談者:
はい。
坂井眞:
10年経つと、時効の問題が出てきちゃうんですね。
相談者:
はい。
坂井眞:
消滅時効と言って、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃんがたとえ・・例えば、1千万円返してくれって債権を、今から20年前に貸して、貸した後、半年で返してくれるはずだったのに、返ってこなかったっていうものがあるとしますよね?
相談者:
はい。
坂井眞:
そうすると、19年と6ヶ月経っちゃってるわけです。
返してくれという・・ことが出来るようになってから。
相談者:
はい。
坂井眞:
そうすると、これは、相手、その従兄弟さんの方はね、
相談者:
はい。
坂井眞:
いや、これはもう、時効ですよ、消滅時効が完成していますよ、と言っちゃうと、
相談者:
はい。
坂井眞:
返さなくてよくなっちゃうんですね。
相談者:
あー、はい。
坂井眞:
だから、その時効にかかってるものは、
相談者:
はい。
坂井眞:
そのノートで整理をした・・もののうちで、
相談者:
はい。
坂井眞:
時効にかかってるってものがあれば、
相談者:
はい。
坂井眞:
その従兄弟さんが、返しますって言うんだったら別にいいんです。
時効を、主張するかどうかは、相手が、選べるんですけど、
相談者:
はい。
坂井眞:
いや、そういうことは言いませんと。
お婆ちゃんが、親切に貸してくれたものは、時効なんて言わずに返しますって言うんであれば、
相談者:
はい。
坂井眞:
こっちは権利行使できるんですけど、むこうが、
相談者:
はい。
坂井眞:
いやいや、これはもう、時効で、消滅しちゃいましたよって言われると、その消滅した分、時効の期間が過ぎちゃったものは、主張出来なくなっちゃいます。
相談者:
はい。
坂井眞:
ていう、ま、基本的な、整理はそういう話になって、
相談者:
はい。
坂井眞:
返してくれとか、代わりに弁済したら、そのときから、
相談者:
はい。
坂井眞:
求償、あの、求める、償う、っていうんですけど、求償って言うんですが、借金を返してくれ、それから、代わって弁済したものは求償、本人に返してくれと。
相談者:
はい。
坂井眞:
代わりに弁済した人が言える、いう整理をした上で、時効にかかってないかどうかも検討して、とりあえず、先方には、請求できるものは、お婆ちゃんが、ちゃんと、返してくれと、言わなくちゃいけない。
相談者:
あー、はい。
坂井眞:
ということですね。
それが一つの、整理です。
相談者:
ああ
坂井眞:
でもうひとつ。
今、89歳のお婆ちゃんていうのは、お歳になって判断能力、
相談者:
はい。
坂井眞:
は、今別に・・お元気ですか?
相談者:
体調は、ちょっと、意識がもうろうとしているときもあるんですけれども、元気・・ですね、
坂井眞:
うん、だから、最近になってね、
相談者:
はい。
坂井眞:
ま、若いときそんなことないだろうから、
相談者:
はい。
坂井眞:
ここ2、3年、お歳になって、判断能力がちょっと足りてないんじゃないかと。
相談者:
はい。
坂井眞:
例えば認知能力、ちょっと足りてないんじゃないかと。
相談者:
はい。
坂井眞:
えー、要介護の認定も受けてらっしゃるとかね。
相談者:
ああ、はい。
坂井眞:
そうすると、自分の財産、ちゃんと管理する能力がないとすると、
相談者:
はい。
坂井眞:
そら、ひょっとしたら、行為能力って言うんですけども、
相談者:
はい。
坂井眞:
そういう法律行為をする能力がないから、
相談者:
はい。
坂井眞:
もう、それは、あのお、取り消せる。
相談者:
はい。
坂井眞:
ていう行為なのかもしれないんです。
成年後見って最近よく、お聞きになってるでしょう?
相談者:
ああ、はい。
坂井眞:
あれは、そういう状態になっちゃった方に、
相談者:
はい。
坂井眞:
えー、成年後見人制度っていう、本人に代わって、財産をキッチリ、管理するための、人を選ぶという制度なんですね。
相談者:
はい。
坂井眞:
裁判所が管理するんですけど。
で、逆に言うと、そういう、状況で、えー、なっているのに、成年後見人がいないと、本当は法律的な、処分行為が出来ないのに、
相談者:
ああ
坂井眞:
やっちゃったっていうときは、取り消す・・ということが出来るんですが、
相談者:
はい。
坂井眞:
あの、ただ、いずれにしても、取り消して、どうこうというよりも、貸したことがはっきりしているんだったら、
相談者:
はい。
坂井眞:
取り消す以前に、それを返してくれっていう話なので、
相談者:
はい。
坂井眞:
そういう話にはならないかもしれないです。
相談者:
ああ、はい。
坂井眞:
だけど、例えば、あげてしまったものね。
相談者:
はい。
坂井眞:
例えば、あの、何千万もする家を、もういいよ、お前にあげるよ、て言って、
相談者:
ああ
坂井眞:
あげちゃったっていうようなときは、これは、返せるものじゃないから、
相談者:
はい。
坂井眞:
貸したんじゃないんでね。
そういうときは、あげるっていう行為がそもそも、判断能力が無かったんだから、これは、取り消せるんですと。
相談者:
ああ
坂井眞:
いう主張が出来る可能性があるっていうことなんです。
相談者:
はい。
坂井眞:
で、ま、なんでこんなこと言うかって言うと、お婆ちゃんが、いつどこで、どんなものを、どんな行為をしたかが分らないので、
相談者:
はい。
坂井眞:
一応可能性のあることは全部ご説明しておきたいなあと思って、
相談者:
ああ
坂井眞:
もし最近、そういうことがあったんだったなら、そういう主張も出来るかもしれない。
相談者:
ああ
坂井眞:
で、整理をすると、そういうことになるんですが、
相談者:
はい。
坂井眞:
ま、問題は、あの一番最初にお聞きしてて思ったんだけど、
相談者:
はい。
坂井眞:
あなたの、財産じゃないから。
相談者:
はい。
坂井眞:
あなたから見ると、お婆ちゃんが、その従兄弟さんにそこまでやってあげるのは、やり過ぎだし、従兄弟さんも、酷いと。
相談者:
はい。
坂井眞:
責任・・感が全く無いし、お婆ちゃんの財産もそんなに使っちゃって許せないっていうお気持ちは分るんだけれども、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃんがしたくてやってんだったら、余計なお世話っていう話なんですよね、お婆ちゃんからすると。
相談者:
あー、そうですよねえ・・
坂井眞:
分りますよね?それは。
相談者:
はい。
坂井眞:
あなたからすると、そうはいったって、ということかもしれないけれども、
相談者:
はい。
坂井眞:
お婆ちゃんは、自分の孫のうちの一人が頑張って事業やってんだから、自分の財産、役に立ててあげようと思って、やってるんだとしたら、
相談者:
はい。
坂井眞:
別の孫の一人であるあなただから、
相談者:
あー
坂井眞:
許せない、奪い返す、っていうのは、余計なお世話じゃないですか。
相談者:
そうですよねえ。
坂井眞:
別に、あんたの財産をあげちゃったわけじゃないんだから、あんたにそんなこと言われる、理由はないよ・・まあ、そういう言い方しないかもしれないけれども、
相談者:
はい。
坂井眞:
あの、理屈はそういう話になっちゃいますよね。
相談者:
あー
坂井眞:
それは分りますよね?
相談者:
分ります。
坂井眞:
あなたが、そんなしゃしゃり出て来るんだ、って言われたら、これはまた不愉快な話だと思うから。
相談者:
あー
坂井眞:
そこもちょっと頭に入れておくといいかもしれないです。
相談者:
分りましたあ。
坂井眞:
はい、よろしいですかね?
相談者:
はい。
加藤諦三:
よろしいですか?
相談者:
はい。
加藤諦三:
はい、どうも失礼します。
相談者:
ありがとうございました。
加藤諦三:
これが最後、これが最後と、お金を貸し続ける人は寂しい人です。
(内容ここまで。次は管理人コメント)