なぜ電話で相続放棄が出来たのか? 35年前の不思議な出来事

テレフォン人生相談
2015年4月10日 金曜日

パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 伊藤恵子(弁護士)

相談者: 女71歳 夫69歳 長男44歳 次男40歳

今日の一言:
人の言いなりになる人は、自己蔑視の念が強い人です。

加藤諦三:
で、(息子)2人とも、もう、家出てるんですか?

相談者:
いいえ、違うんです。
4人家族で同居です。

加藤諦三:
あ、今、4人一緒に暮らしてるんですか?

相談者:
はい。

加藤諦三:
はい、分りました。
それで、どんな相談ですか?

相談者:
はい。
相続の、放棄・・のことで、

加藤諦三:
はい。

相談者:
正しい、やり方・・といいますか、

加藤諦三:
はい。

相談者:
あの、どのようにしたら、放棄が成立するのかを知りたいんですけれど。

加藤諦三:
はい。
その相続っていうのは、いつ、誰の、

相談者:
実は、わたくしの実母・・の、もう、35年も前の、あの、話になるんですけれど、

加藤諦三:
35年前にお母さんが亡くなられたわけですね?

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
はい。
そいで?

相談者:
それで、

加藤諦三:
あなたの兄弟は?

相談者:
小さい子供の頃に、兄を亡くしておりまして、

加藤諦三:
はい。

相談者:
それ以来、一人になってます。

加藤諦三:
あ、一人っ子なわけですね?

相談者:
はい。

加藤諦三:
それで?

相談者:
そのお、

相談者:
そんときは、

加藤諦三:
相続の放棄っていうのは、どういう意味でしょうか?

相談者:
はい。
今、住んでいる新しい家に、

加藤諦三:
はい。

相談者:
あの、住む前に、住んでた、古い家を、

加藤諦三:
はい。

相談者:
あたしの、ちょっと、義理の叔父にあたるんですけれど、

加藤諦三:
はい。

相談者:
その叔父さんが、名義をみんな、もう変えちゃったんですよね。
相続をわたしに放棄させて。

加藤諦三:
そうすると、その古い家・・と新しい

相談者:
その古い家を、本当は取り壊す予定だったんですけれど、

加藤諦三:
はい。

相談者:
叔父夫婦が、

加藤諦三:
はい。

相談者:
そこに、あのお、移って来ちゃったんです、勝手に。

加藤諦三:
はい。

相談者:
母に相談もなく。

加藤諦三:
母に相談もなく。

相談者:
はい。

加藤諦三:
それは、名義は?

相談者:
そのときの名義は、まだあ、母です。

加藤諦三:
そうすると、お母さんの名義の家に、

相談者:
はい。

加藤諦三:
土地と家に、叔父さんが、住んだと。

相談者:
そうなんです、そうなんです。

加藤諦三:
はい。

相談者:
古い家が、本当は壊して、代金を、こっちの新しい家の、ローンに廻そうっていう考えはあったんですけど、

加藤諦三:
はい、はい、はい。

相談者:
それを、する前に、もう、移って来ちゃったんです。

加藤諦三:
はい。

相談者:
叔父夫婦が。

加藤諦三:
はい。

相談者:
それで叔父は、その家を、自分のものにしたい・・と思った、と思うんですけど、そのために、わたしに、相続、放棄してくれって、一方的に、言い渡されただけなんですけど。

加藤諦三:
言われて、

相談者:
はい。

加藤諦三:
口・・じゃなくて、きちんと書類・・で、なんか約束したことは、あるんですか?

相談者:
いいえ、全然、何もないです。

加藤諦三:
全然ない。

相談者:
はい。

加藤諦三:
全然、口・・だけの話?

相談者:
はい。
書面も判子も、何もしてないから、わたしは、別にそのままになってるんだろうと思ってたんですけど、

加藤諦三:
はい。

相談者:
いつの間にか、あのお、叔父夫婦はその家を、今度は売って、

加藤諦三:
売ってっていうことは、もう、その、売る段階では、当然、名義は、

相談者:
はい、当然、もう、

加藤諦三:
全部変わってるわけですよね?

相談者:
はい、変わってるんです、はい。

加藤諦三:
はい。

相談者:
わたしが、至らなかった間に、まあ、手続き済んでしまってたもんで、

加藤諦三:
買った方にしてみれば、これは善意の第三者(*)ですよね?
きちんと書類は整ってたっていうことでしょう?

(*)善意の第三者:
いわゆる日常用語の「善意」ではなく、法律上は、「ある事実を知らない」という意味。
名義変更の経緯(いきさつ)を知らずに、購入した人。

相談者:
あ、そうだと思います。

加藤諦三:
そうですね?

相談者:
はい、わたしが知らないだけで。

加藤諦三:
それが何年前ですか?

相談者:
これえは、35年・・ぐらい・・

加藤諦三:
それが、35年前?

相談者:
はい。

加藤諦三:
はい。

相談者:
だから、わたしは、もう・・もう、そういう話は、時効・・になって、いるもんですから、今さら・・あの、別に、取り返したいという・・気はもう、無いんですけれど、

加藤諦三:
はい。

相談者:
あの、手続きが、正しく行われたのかどうかを知りたいんです。

加藤諦三:
正しく行われたかどうかを知りたいって、

相談者:
あのお・・

相談者:
だって、なんの、判子も押してないわけですよね?

相談者:
はい、何にもしてないです、誰もしてないです。

加藤諦三:
だけど、

相談者:
はい。

加藤諦三:
叔父夫婦の名前に、土地建物はなってるわけですよね?

相談者:
あ、そうです、はい。

加藤諦三:
そいで、それが、正規に売られてるわけですね?

相談者:
そうです。

加藤諦三:
で、あなたの方としては、この、35年前の話だから、

相談者:
はい。

加藤諦三:
もう、すべて時効で、

相談者:
はい。
もう、取り戻す気持ちも、もう、無いですけれど、

加藤諦三:
気持ちもない、はい。

相談者:
はい。
ちょっと、最近、何も、わたし、してないのに、どうして、放棄の手続きが、成立したんだろうなと、不思議でしょうがないんです。

加藤諦三:
なるほどね。

相談者:
はい。

加藤諦三:
だから、それが、もう、正規・・のキチンとした手続きなのか、それとも、

相談者:
はい。

加藤諦三:
何か、あなたが、騙されてこうなったのか、

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
そのことをはっきり知りたいということなんですね?

相談者:
そう、そうなんです。

加藤諦三:
はい、分りました。

(回答者に交代)

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