犬に噛まれて後遺症が残る。弱さを強調する裏に隠された攻撃性
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
もし、もし?
相談者:
はい
加藤諦三:
なにか、あなた小さい頃にものすごい悲惨な体験っていうのはないですか?
相談者:
それは、あまりない・・ただ、人に?、相手に強気に出るってのいうのが何にもできないんですね。
加藤諦三:
うん・・
そうすると、小さい頃から、自分のことは何にも言えなかったんですよね?
相談者:
誰にも、自分のそういう、ほんとのことを話したことないと思います。
加藤諦三:
ないですよね?
相談者:
はい
加藤諦三:
ていうことは、誰にも、実は本当の自分を分ってもらってないんだよね?
相談者:
だと思いますね。
加藤諦三:
だけど、分ってくれえー、という、叫びはありますよね?
相談者:
ええ
加藤諦三:
で、誰に一番分ってもらいたかった?
相談者:
やっぱり、それは、結婚してるときに、夫であったり?
加藤諦三:
ああ
相談者:
結婚してから、主人の親にも、主人にも、
加藤諦三:
うん
相談者:
ほんとのことは何にも分ってもらえなかった、
加藤諦三:
うん
相談者:
でも、ここの家族は、こういう家族なんだって、自分で言い聞かせてきましたけどね。
加藤諦三:
その、夫と夫の家族に対する、気持ちは全部押し殺して来ましたね?
相談者:
はい、はい
加藤諦三:
押し殺したけれど、あなたの中では消えてませんよね?
相談者:
ええ・・そうでしょうね。
加藤諦三:
夫と、夫に対する感情がね、
相談者:
うん
加藤諦三:
抑えることであなた、もう、生きるエネルギーを消耗しちゃってるよね?
相談者:
うん・・だから、なんでも、こういう苦しいことがあっても、家族、っていう、形はあったとしても、ほんとのことは何も言えてないですよね。
加藤諦三:
ものすごい、孤独ですよね?
相談者:
それで、一人で泣いたりして・・(笑)
加藤諦三:
それで、一人で泣いてるんだけれども、あなた自身、泣いていても、解決出来ないってことは分ってるんですよ。
相談者:
はい、はい、そうですね・・
加藤諦三:
あなたの泣き声は何を意味してると思いますか?
相談者:
うああ・・分んないです・・
加藤諦三:
あなたの一人で泣いているのは、攻撃性の間接的な表現です。
相談者:
ああ・・
加藤諦三:
あなた弱さを強調してんですけど、でも、弱さはね、攻撃性の変装した姿なんです。
相談者:
んん・・
加藤諦三:
弱さの・・強調。
被害の強調なんです。
相談者:
わたしね、泣くのが止まらないときがあるんですよ。
相談者:
止まりませんよ、それは。
それは、ずうっと我慢して生きてるから。
相談者:
うん・・
加藤諦三:
そして、ものすごい、攻撃性があるから。
相談者:
はあー
加藤諦三:
あなたが想像している以上に、周囲の世界に対するものすごい敵意があります。
相談者:
へえー
加藤諦三:
だから、この攻撃性が、ある限り、泣いて止まらないってことは、ありますよ。
相談者:
うん・・
加藤諦三:
でもね、不思議なことでね、気が付くと変わるんです、人間って。
相談者:
ふうん・・
加藤諦三:
だから、今、泣くということが攻撃性の変装した姿だ。
弱さの強調は攻撃性の変装した姿だ。
相談者:
うん
加藤諦三:
被害の強調は、攻撃性の変装した姿だっていうことを、あなた、そうだというふうに認めてくれましたから、
相談者:
(笑)
加藤諦三:
これは、変わります。
相談者:
はい、今日言われたこと、ちゃんと心に持っていきたいですね、毎日ね・・
加藤諦三:
ええ、も、泣きたいときは、もう、バケツ一杯泣いた方がいいです。
相談者:
はい。
ほんとに、
加藤諦三:
はい
相談者:
先生、ありがとうございました。
加藤諦三:
よろしいでしょうか?
はい、失礼します。
相談者:
はい、ありがとうございました。
失礼いたします。
加藤諦三:
自己憐憫は行き止まりです。ジョージ・ウェインバーグ
(内容ここまで)
犬の件は言うまでもない。
行政に連絡して即殺処分だ。
犬にとっては理不尽だけど、飼い主を恨め。
さて、
ウソ泣きの特徴は、泣くのをピタっと止められることだ。
なんかこの人、同情できんなあ、って感じてたけど、その感覚は合ってたんだな。
なんて言うんだろ、アピール感があってね。
哀れな話し方はこう、じゃないけど、芝居かかっててるし。
いや、これ後付じゃないからね、ほんとに最初から感じてたんだから。
もちろん、それがこの59歳の女の作為的な行動とまでは言わんよ。
無意識だってことは認める。
なんていうんだろ、この人が長きに渡って身につけた世渡り術っての。
すぐに身の回りの世話してくれる人が現れるのも、一応、それが効を奏しているわけだ。
中川氏の一見厳しい口調のアドバイスですら、この人にとっては心地いいはず。
だって、自分でやれ、じゃなく、息子や他人を頼れ、なんだもん。
被害の苦情を言うことすら、他人からのお墨付きが必要なんだな、この人。
本当の感情を隠したつもりでも、それが無くなってしまうわけではない。
絶えず、出たくて出たくて、ウズウズして、隙をうかがっている。
対象を変え、形を変えて出てくると、出て来たことにも気づかない
<加藤諦三>