60年前の借地権付き住宅、3年前に 退去依頼、地代免除で住んでたが
(回答者に交替)
坂井眞:
よろしくお願いします。
相談者:
はい、お願いします、すいません。
坂井眞:
あのお、先ほどのお話ですと、
相談者:
ええ
坂井眞:
おー、もう、そのお、ご実家には60年近く、
相談者:
ええ、居ます
坂井眞:
住んでおられる。
相談者:
はい、はい、はい
坂井眞:
で、えっと、60年近くというのは、その60年・・近く前に、いー、そこに新しく家を建てて、一家が・・ご実家ですね、
相談者:
はい
坂井眞:
住み始めたってことですか?
相談者:
そうですね、あのお、古い家を、うちの親父、お父さんがここを家買って、キレイに改造して、
坂井眞:
うん
相談者:
60年あまり、一応、住んでますね。
坂井眞:
なるほど。
相談者:
ええ
坂井眞:
そうすると、その古い、買ったお家は、土地については借地権があるところに建っている、建物、家だと。
相談者:
ええ、そう、
坂井眞:
こういうことですかね?
相談者:
そうですね、はい
坂井眞:
あのお、そういうの借地権付き、建物って言うんですけど、
相談者:
ええ
坂井眞:
借地権付きの建物を、お父さんが買われて、
相談者:
はい
坂井眞:
それをきれいに、ま、改造をして、
相談者:
はい
坂井眞:
一家で住んでいたと。
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
でえ、それがもう60年近く前だと。
相談者:
はい
坂井眞:
こういうお話ですよね?
相談者:
ええ、そうです。
坂井眞:
ええ
相談者:
はい
坂井眞:
で、その、適用される法律っていうのが、
相談者:
はい
坂井眞:
昔は、あのお、旧法の借地法とか、旧法の借家法、旧法は借地法ですけど、この場合は。
相談者:
はい
坂井眞:
旧借地法というのが、
相談者:
はい
坂井眞:
昔、適用されていて、この、
相談者:
はい
坂井眞:
要するに60年近く前に建てたときはね。
相談者:
はい
坂井眞:
で、平成の3年に、
相談者:
はい
坂井眞:
その旧借地法っていうのが廃止されてえ、
相談者:
はい
坂井眞:
借地借家法と借家法というのが、
相談者:
借家法・・
坂井眞:
借地借家法っていうのが出来たんです。
相談者:
はい
坂井眞:
で、ただ、廃止はされたけれども、その、新しい借地借家法が出来たときにい、
相談者:
はい
坂井眞:
すでに旧借地法の適用を受けていた、
相談者:
はい
坂井眞:
あー、建物については、
相談者:
はい
坂井眞:
従前どおり、旧借地法で、
相談者:
はい
坂井眞:
認められていた権利は、そのまま認めますと。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
こういう、立て付けになってるんです。
相談者:
はい
坂井眞:
ま、なんとなく、そういうことは頭に入れといていただければ。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
うん
それでね、
相談者:
はい
坂井眞:
えっとお、もともとお、借地法上の建物、というのは、
相談者:
はい
坂井眞:
あの、保護されていて、
相談者:
はい
坂井眞:
借地権と言ってもいいんだけども、借地権は保護されていて、
相談者:
そうですね、はい
坂井眞:
建物がちゃんと使えるような形で残っている限り、
相談者:
はい
坂井眞:
法定更新と言って、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、建物が、そのまま、あー、存在していて、
相談者:
はい
坂井眞:
そのまま住み続けていると、おー、新たに、例えば20年っていう契約が、結構多いと思うんですが、
相談者:
はい
坂井眞:
契約期間ですね。
相談者:
はい
坂井眞:
20年が満了した時点で、まだ建物があって、住み続けますということだと、
相談者:
はい
坂井眞:
自動的に前と同じ契約内容で、
相談者:
はい
坂井眞:
契約期間が更新されるっていう、そういう規定になってたんですね。
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
旧借地法は。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
で、あなたの住んでらっしゃる建物の契約期間が何年か?ということは、分かりますか?
相談者:
契約期間っていうのは、ちょっと、この、わたしのお父さんの、時に、ですけども、ま、ただ、お父さんも、高齢で亡くなったときには、あのお、土地の主にですね、
坂井眞:
はい
相談者:
この家は、
坂井眞:
はい
相談者:
あの、立ち退き料も要らない、速やかに自分たちが崩して、更地にして返すってことを、お父さんが言ったらしいんですよ。
坂井眞:
うん
相談者:
ですけど、ま、要するにペーパー、的なもんじゃなくて、口頭での約束ですよね。
坂井眞:
はい
相談者:
それをなんか、本人が、お父さんが言ったっていうことを言ってるんですけど、わたしはまた、それは分かりません。
坂井眞:
うん
相談者:
土地の主が、お父さんがそういうふうにわたしに、言ったよっていうことを土地の主の方が言ってたんです、わたしに。
坂井眞:
はい
で、
相談者:
はい
坂井眞:
今その、契約期間のこと、について、お聞きしたいんだけどれども、
相談者:
はい
坂井眞:
えっとお、最初にい、その古い家買って、そこは借地の上にあるわけだから、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
その、地主さんとの借地の契約を、示す、その契約書みたいなものは、手元にないですか?
相談者:
そおです、ないですね、この家は、元々平屋で、も、すごい、シロアリ(?)とかして、改造してから15年ぐらいなるんですよ。
坂井眞:
はい
で、契約書がないとかあ、
相談者:
はい
坂井眞:
契約更新の時期が来たからあ、
相談者:
はい
坂井眞:
更新料払わなきゃいけないとか、そういうような話って聞いたことありますか?
相談者:
それは、一応、もう、話はしたことないです。
また、地主さんがそういう話は一回もしたことないもんですから、
坂井眞:
うん
相談者:
ただただ、土地代取ってえ、
坂井眞:
なるほど。
相談者:
サインして、何月何日から、何日までって
坂井眞:
うん
相談者:
これはもうあります。
坂井眞:
なるほどね。
相談者:
ええ
坂井眞:
えっと、そうすると、おそらく、契約期間何年とか、最初に決めた契約書があるわけじゃなくて、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、年いくらとか、半年いくらとかで、
相談者:
ええ、ええ、そうです
坂井眞:
地代を決めて、
相談者:
はい
坂井眞:
貸します、借りました、
相談者:
ええ
坂井眞:
ていう、そういう話のように思えますね、話聞いてるとね。
相談者:
え、そうです、はい
坂井眞:
で、えー、そういう契約が続いている限り、
相談者:
はい
坂井眞:
地主さんの方は、正当な事由がないと、ま、正当な理由って言い換えてもいいんだけども、契約終了して退いてくださいと、いうことは、なかなか言えないんです。
そういうことから考えていくと、
相談者:
はい
坂井眞:
本当だったら、ま、向こうの計画は、計画として、
相談者:
はい
坂井眞:
あってもいいですよね。
相談者:
はい
坂井眞:
その場合には、あの、権利として、もう退いてくれっていうことは言えなくて、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、まあ、お願いをして、っていうか、交渉ですよね。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
うちも、こういうわけだから、
相談者:
はい
坂井眞:
長く貸して住んでもらってありがたかったけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
こっちの事情も分かって、立ち退いてくれないか?と
相談者:
はい
坂井眞:
という話をする、交渉ごとなんだろうと思うんです。
相談者:
はい
坂井眞:
本来は。
相談者:
はい
坂井眞:
で、そこで、じゃあ、うちも、本当はこのまま住むつもりだったけれど、地主さんにそういう事情があるんだったら、話を聞いてみてもいいけど、ただ、退くには、費用も掛かるし、新しい住む所も用意しなくちゃいかんと。
相談者:
はい、そうです
坂井眞:
ということから、立ち退き料払ってもらえませんか?っていう話が出てくるんですよ
相談者:
はい
坂井眞:
ところがお話をお聞きすると、3年前にそういう話が、来たときに、
相談者:
はい
坂井眞:
そのときは、お父さんは、96歳で亡くなった後?
相談者:
ええ、お父さん亡くなってもう、22年なります。
坂井眞:
なるほど
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
じゃ、随分前に亡くなってるんですね、お父さん。
相談者:
はい、はい、ええ、ええ
坂井眞:
で、そっから、先、一つ問題があるのは、
相談者:
はい
坂井眞:
3年前から土地代を払っていませんと、仰ってたと。
相談者:
ええ、はい
坂井眞:
これはどういう話で?、そうなったんですか?
いずれは立ち退く、けれども、そのときは、金は掛かるので、立ち退き料もらえないなら、地代は無しにしてくれ、って仰ったの?
相談者:
ええ、そういう形で、わたしだけじゃないんですよ。
坂井眞:
うん
相談者:
4軒とも一緒なんです、土地代支払いに行ったら、要らないってことで、ですから、もう、自分たちは土地、あの、土地、この前、一緒に借りてる、子も、じゃあ、立ち退き料あげないつもりで、じゃあ、土地の代は、取ってないんだねえ、って、話はしてるんですよ、自分たちで。
坂井眞:
で、そこの解釈が問題で、
相談者:
ええ
坂井眞:
えー、どうしても借地権を主張したいんだったら、
相談者:
はい
坂井眞:
地代を払っとかないとまずいですよね。
相談者:
はあ、はあ、はあ
坂井眞:
この契約を解除出来る場合ってのがあるんですけど、
相談者:
はい
坂井眞:
それは、借りてる方が地代を、長年に渡って払わないとき。
相談者:
はい
坂井眞:
それはだって当たり前ですよね、お金払うから土地貸してくださいって言って、借りたのに、
相談者:
はい
坂井眞:
地代を2年も3年も払わなかったら、貸してる方としては堪ったもんじゃないって、こういうことになりますよね?
相談者:
はい、はい、分かります。
坂井眞:
で、あなたとして、もし、ここに住みたい、借地権を主張したいって言うんであればあ、あの、払うべき借地権はしっかり払っておくってのがすごく大事なんですよ。
相談者:
えーとね、わたしとしてはですね、もう、あの、引っ越すう、ていうことは子どもたちにも言ってるんですよ、で、今、アパートに見つけてえ、
坂井眞:
あ、そうなんですか。
相談者:
そういうの一応やってるんですけど、
坂井眞:
うん
相談者:
市営住宅も当たらなかったんですよ。
坂井眞:
うん
そうすると、ご相談としては、自分としてはもうちょっと居たいし、行き先も決まらないから、
相談者:
ええ、そうです。
坂井眞:
もうちょっとこれまでどおり、その、退(ど)くまでの短期間、あー、
相談者:
まあ
坂井眞:
地代無しで、居さしてくれと。
相談者:
ええ、ええ、はい
坂井眞:
そしたらね、
相談者:
はい
坂井眞:
あのお、もう、立ち退きたくないって言うんだと、
相談者:
はい
坂井眞:
ちょっと、あの、法律問題ね、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
ちょっと面倒臭くなるかもしれないけどお、今から、払ってない分を供託して、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
みたいな話になるんでね、でもそうじゃなくて、もうこれは立ち退き料代わりに地代は負けてもらったんで、あとこちらの希望としては、若干?
相談者:
はい
坂井眞:
新しい引越し先が見つかるまでの、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
期間の地代は、あの、まあ、
相談者:
はい
坂井眞:
無しにしてもらって、
相談者:
はい
坂井眞:
あと出来れば、そちらの要望で、存在している借地権を途中で止めちゃうわけだから、
相談者:
はい
坂井眞:
家を壊す分についてはそちらでやってくださいって、そういう話だろうと思うんですけどね。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
そういうことは言ってないの?
相談者:
それは、あの、言おうと思ってます。
坂井眞:
うん
相談者:
あのお、
坂井眞:
それを仰ったらどうですか?
相談者:
立ち退き料は要らないから、あの
坂井眞:
うん
相談者:
崩すときにはもう、おたくらで、
坂井眞:
うん
相談者:
あの、崩して欲しいっていうのは、それはわたし言うつもりです。
坂井眞:
うん
ほんとだとね、それ最初に決めといた方が良かったんだけどね。
地代を払わなくなる、前にね。
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
で、そうするとね、
相談者:
はい
坂井眞:
あのお、地主さんの方としては、
相談者:
はい
坂井眞:
じゃ、いつまで待てばいいの?っていう話だろうと思うんですよ、想像するに。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
えー、近々、いずれ立ち退くからって仰ってる、
相談者:
はい
坂井眞:
わけだから、
相談者:
はい
坂井眞:
それが例えば、20年後になったら、20年地代タダにしないといけなくなっちゃう話で、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
それは、先方としても、それはあんまりだ、っていう話になりますよね。
相談者:
はい、ええ、そうです
坂井眞:
こちらとしては、ある程度目処を言ったらどうだろうか?
相談者:
そおですね、わたしは、あの、あすこの自宅に行くときには、そういうことお願いしようと思ってるんですよ。
坂井眞:
うん
だから、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
自分としては、一年なら一年、あと一年は、掛かる可能性があるけど、
相談者:
はい
坂井眞:
それまでにはなんとかしますと。
で、その間、あー、地代をこれまでどおり、無しにしてもらって、
相談者:
ええ、そうです。
坂井眞:
こちらの主張をね、
相談者:
はい
坂井眞:
ちゃんと具体的に考えた方がいいです。
相談者:
はい
坂井眞:
先方としても、なかなか、ほんとにそうだろうか?ってだんだん疑心暗鬼になるじゃないですか。
相談者:
ええ、ええ、そうですね
坂井眞:
だから、そうならないようにして、ただこちらの要求したいことはちゃんと具体的に考えておくという対応がいんじゃないですかね。
相談者:
はい
あの、やります、はい、はい、はい
坂井眞:
だから、一年でも半年でもいいけれども、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
えー、そういう、具体的な目処を言った上で、あと、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、裁判になったら、
相談者:
はい
坂井眞:
半年ぐらいはすぐ経っちゃうから、あなたがちゃんとすぐ反論すれば。
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
と、それまでに話がついているんだったら、
相談者:
はい
坂井眞:
あなたは元々退くつもりだから、
相談者:
はい
坂井眞:
そんなに気にする必要はないと思います。
だけど、あと3年居たいと思ってるのに、
相談者:
はい
坂井眞:
裁判なったらどうしよう?って言うと、3年経つ前に、判決出ちゃうかもしれないですからね、
相談者:
じゃ、はっきり言ったらですね、わたしは、自分は、親父がここをちゃんとやった、あの、財産ですので、わたしも、もう、68だから、いつまで生きられるか分からないし、
坂井眞:
はい
相談者:
もう、ほんとは、自分は、ここで、ずっと住めたら住みたいっていう気持ちはあるんですよ。
ですけども、もう、2、3ヵ年前に立ち退いて欲しいってていうことが出てるもんですから、
坂井眞:
はい
相談者:
あ、じゃあ、出ないといけないねえ、っていうことを、もう、心得てるんです。
坂井眞:
うん、なるほど
相談者:
ええ
坂井眞:
で、ま、実際ね、あの、むこうも家賃取らないってことで、
相談者:
はい
坂井眞:
こっちも払わないできたんだから、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
流れとしてはそういう流れにはなってますよね。
相談者:
はい、そうです。
坂井眞:
だいたいそんなようなところで、
相談者:
はい
坂井眞:
お答えしたつもりですけど、
相談者:
はい
坂井眞:
よろしいですか?、何か他に
相談者:
いいです、はい、えっと、ちゃんと、もう、よく、あの、記録してありますので、
坂井眞:
はい
相談者:
これを、土地の主の方がどういう、出るかを、一応聞いてから、また自分が言いたいことは、ちゃんと相談します。
(再びパーソナリティ)
60年前って、アメリカ占領時代?
アメリカの法律下にあったのならば、
旧借地法適用で良いのでしょうか?
それとも鹿児島県かな?方言似てる地方もあるし。
おー、するどい、そうだ。
占領軍による土地所有権の認定作業(1946年~1951年)は一応終わっているので、60年前の1956年は民間人による土地の売買や賃貸借は可能だったみたい。
復帰後は、当然日本の法律に引き継がれたと思われ。
なので、おっしゃるとおり現在も旧借地法の適用事案ですね。
ちなみに、沖縄県には未だ所有権不明の土地が東京ドーム17個分残っていて、県の管理下なんだとか。
(参考 共同通信 2015年2月)
(参考 沖縄県読谷村 あなたの土地ではありませんか?~所有者不明土地~)