生後すぐの息子に難病の疑い。自責と妬みに苛まれる母親
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
あのお、今、大原先生がね、わたしの経験ではと仰いましたけれどもお、
相談者:
はい
加藤諦三:
一般的な調査を言いますとね、
相談者:
はい
加藤諦三:
医者と患者の間で信頼関係があるかないかで、
相談者:
はい
加藤諦三:
治療効果ってのは全然違ってくるってのは、もう、はっきりしてんです。
相談者:
そおですか・・
加藤諦三:
うん、だから、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたが信頼しない、そうすると、子どもも信頼しなくなると、
相談者:
うん
加藤諦三:
治療効果っていうのは、もう、半減してきますよ。
相談者:
そおですか、はい
加藤諦三:
だから、今大原先生のおっしゃったような、
相談者:
はい
加藤諦三:
形で信頼関係を築いてください。
相談者:
はい、分かりました。
加藤諦三:
そいでねえ、今色んな辛いことがあると思うんだけれどもお、
相談者:
はい
加藤諦三:
今、子どもも自分も一生の心の支えを今得てるんだというふうにい、その苦しみをですね、解釈してください。
相談者:
はい
加藤諦三:
この困難が、これからのわたしを救ってくれるんだっていうことです。
相談者:
この子にとっても・・
加藤諦三:
あなたにとっても。
相談者:
はあい
加藤諦三:
それが前向きってことです。
相談者:
はい
分かりました。
頑張ってみます。
加藤諦三:
よろしいですね?
相談者:
はい、どうもありがとうございました。
加藤諦三:
はい、どうも失礼します。
相談者:
失礼します。
加藤諦三:
苦しみの中で人は成長する。
(内容ここまで)
お兄ちゃんと弟くんのなんたる違い。
これが同じ両親から産まれるんだから、出産ってほんとに分からないこと多い。
いまだに人知が及ばない。
わたしたちが確実に知ることが出来るのは、せいぜい発症確率ぐらい。
知ったところで何も出来ないんだけど。
だから努めて謙虚でありたい。
誰かが、それを甘んじて受けなければならないとすれば、その人たちには静かに頭を下げる。
にしても、ここまで重なると、どうしてこの子だけ?、って言いたくもなる。
医者に対する不信感もあるのかしら。
いや、回答がそこにフォーカスされてたんで。
ヒアリング部分は編集されたか。
どうしたって原因探しをしたくなるもんだけど、結局行き着く先は母体。
自責の念に追い詰められていく。
これが止(や)められない場合、実は当人にとって自責が心理的な癒しになっていることがある。
自責転じて自己憐憫(じこれんびん)。
問題に立ち向かうより、嘆いていることの方を自分の無意識が要求する。
前向きな子育てとは真逆の心の働き。
脊髄性筋萎縮症:SMA
せきずいせい・きん・いしゅくしょう
Spinal Muscular Atrophy
スパイナル・マスキュラー・アトロフィー
相談者が話す疾患のうち、これが一番重大。
まだ検査中とのことなので可能性として。
筋萎縮とは筋肉がやせること。
それに応じて運動能力が停止する。
治療法は確立されていない。
脊髄性とは、その原因が筋肉そのもにあるのではなく、筋肉に指令を送る機能に問題が生じているという意味。
4つのタイプに分類されるが、出生後まもなく発症するものをⅠ型、6ヶ月目以降に発症するものをⅡ型とされる。
Ⅰ型は坐ることさえ困難で、2歳以降生きながらえるためには呼吸器が不可欠。
Ⅱ型は電動車椅子などを用いて独力で活動することも可能。
Ⅰ型、Ⅱ型あわせて発症率は10万人に数人。
ちなみに、例の氷バケツリレー(アイス・バケツ・チャレンジ)で有名になったのは、ALS:Amyotrophic Lateral Sclerosis筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせい・そくさく・こうかしょう)。
こちらは、早くても10代以降に発症するものらしい。
<参考 公 益 財 団 法 人 難病医学研究財団 難病情報センター>
心臓に穴
医者 「心臓に穴が開いているかもしれません」
専門医も患者に説明する際に使う言い回しらしいのだが、言われた方は卒倒する。
左心房とか右心室とか学校で習ったような記憶があるけど、文字通りそれらを仕切る壁に穴が空いている状態。
通常は聞こえるはずのない心臓からの雑音によって発見される。
ただ、言葉のインパクトの大きさとは裏腹に、これはそれほど珍しいものではないらしい。
乳児の発症率1%。
いや、十分珍しいか。
穴の大きさにより、症状も様々。
自覚症状の無い場合や、息切れのし易さや、呼吸困難まで。
手術を要するものもあるが、大半は緊急性はない。
そのまま一生を送る人や、自然に治癒する程度のものも多い。
<参考 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス>
睾丸が足りない
大半は無いのではなくて、在るんだけど袋まで下りて来ない状態。
出生直後に無くても、生後6ヶ月以内に下りてきたりする。
1歳児で症状があるのは100人に一人。
二つのうち、一個でも常に無いのであれば停留精巣(ていりゅうせいそう)と言い、早いうちに手術が勧められる。
在ったり、無かったりするものを、移動性精巣と言い、大半は治療の必要はない。
ちなみに二つの睾丸は機能としては全く同じで、一つが失われても生殖機能に問題がないように予備としてあるものらしい。
神様は心臓や脳より、睾丸が大切だとのお考えか?
<参考 東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター>