ヤミ金からトイチで10万を借りてしまった生活保護の男
(再びパーソナリティ)
ドリアン助川:
もしもし?
相談者:
はい
ドリアン助川:
長い戦いではないと思いますので、こっから先は。
相談者:
はい
ドリアン助川:
毅然として頑張ってください。
相談者:
はい、色々、どうもありがとうございました。
(内容ここまで)
こういう相談も楽しいですね。
普通に暮らしていると交わることのない人たちや、パラレルワールドを覗けるのも、この番組の面白いところです。
しかし、タクシーの運転手がヤミ金の取次ぎとかカオス。
土産物屋さんとか、風俗にマージン貰うとか聞くけどさ。
上客だった相談者
11月から3月までの返済金が月2万で、その他の月が1万。
年間の返済額は17万円
なんで、こんなへんてこりんな返済のし方になっているかっていうと、生活保護費に冬季加算ってのがあるから。
より返済し易いように、収入に応じて返済額を変えてるんですね。
正規の貸金業では見られない、ヤミ金独自のキメの細かい顧客サービスです。
ヤミ金って聞くと、臓器売れとか、マグロ漁船に乗れとか、厳しい取立てを想像してしまいますが、それは返さない客に対してです。
ヤミ金業者だって、大人しく払ってくれるんだったら、そっちの方がいいに決まっています。
もし、トイチそのままの月3万を取り立てていたら、この爺さんだって、早々にギブアップしてたでしょう。
ハナから完済してもらおうなんて思ってないんですね。
その思惑どおり、この爺さんは、5年払い続けて、その額、
17万円×5年=85万円也
ヤミ金側から見ると、これが自動引き落としで入ってくるんであればおいしいのですが、爺さんが言うように、毎月集金に出向くわけです。
手間暇を考えたら、それほど割りのいい客ではありません。
やはり、ある程度、数をこなさないといけなんですね。
なぜヤミ金は相談者に優しかったのか?
ただ、これからヤミ金を利用されようとする方に申し上げておきたいんですが、普通はトイチで借りたら、トイチの返済を求めてきます。
それが1日でも遅れようもんなら、厳しい取立てが始まります。
貸付が違法なら、取り立てのやり方も違法です。
電話を掛けてくる時間帯なんかも滅茶苦茶。
当たり前ですよね、嫌がらせが目的なんですから。
家に電話掛けてきたり、訪ねて来たり。
一人暮らしであれば、実家の親の家に行ったり。
会社勤めであれば、会社に電話されたり、押しかけて来たり。
これをやられると、必死で返済しようとします。
それこそヤミ金に借りてでも。
じゃあ、なぜ、この爺さんはそうされなかったか?
もう、分りますよね。
やったって、し方がないからです。
家族もいない生活保護受給者。
電話も持っていなければ、身体が弱ってて、強制労働もさせられない。
つまり、失うものが無いんですね。
で、生かさず殺さずの返済を続けさせたということです。
なぜヤミ金は成り立つのか?
もちろん、本来は、大迫先生言うように、契約が無効なんだから返す必要はありません。
元金すらです。(平成20年6月10日最高裁判例)
実際に、これを承知で、ハナからばっくれるつもりで借りる輩もいるんだとか。
じゃあ、なぜヤミ金が成り立つかというと、借りたもんは返すのが当然だという道理を盾に、法律すらものともしない毅然とした態度が借りた人を恐怖に陥れるからです。
ヤミ金側にも人を見る目が求められるわけです。