末っ娘夫婦にリンゴ園を継いでもらうための遺言書
(回答者に交代)
坂井眞:
よろしくお願いします。
相談者:
あ、お願いしますう。
坂井眞:
今、お話を伺っていてえ、わたし弁護士やっていて、色んな相続の相談も受けますから、こういう、分けるべき資産のお有りになる方は、お子さん四人もいるんだったらあ、遺言書は是非書いて、おかれた方がいいと思います。
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
後でね、せっかく、上手くいってた、お子さんたちが、兄弟、喧嘩始めたら、嫌じゃないですか。
相談者:
そお、そうですね。
坂井眞:
ね。
で、それはすごく、いいことだと思うんで、
相談者:
うん、うん
坂井眞:
書かれることはお勧めしますっていうことが一つですね。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
それからあ、遺言書はあ、一回書いても、何回でも書き直しが出来ますから。
相談者:
はい
坂井眞:
で、2通、遺言書が出てきたらあ、新しい方の日付、
相談者:
あ、はい、はい
坂井眞:
後に書いた方の遺言書の効力が勝つというふうに、法律にちゃんと書いてありますから、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、それは破棄しておけば一番いいのかもしれないけれども、ちゃんとその、新しい方が、古い方に勝つよ、っていうのが、もう、法律で決まっているので、
相談者:
はい
坂井眞:
で、書き直したら、書き直した新しいものが勝つということも覚えておいていただいて、
相談者:
はい
坂井眞:
まず、書いて、後で状況変わるかもしれないじゃないですか?
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
例えばこうなって欲しくないことと思うけどお、お嬢さんが、跡を継いでくれると思って遺言書を書いたら、3年経ったら、全然話が違っちゃった、なんてことがあったら、そこで書き直せばいいんでね。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
だから、そういうことも頭に入れておいてくださいね。
相談者:
はい
坂井眞:
で、それが、まず前提のお話で、で、じゃ、どう書くか?ということですよね?
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
で、今はお嬢さんが、ちょっと、農業継ぐか、迷っているんだけど、その後押しで、農業継ぐなら、こういうふうだよ、っていう形にして、継いでもらいたいっていう方向の遺言書、書きたいんだよね。
相談者:
そう、そう、そう
坂井眞:
ちょっと、あの、余計なこと言いますけどお、
相談者:
はい
坂井眞:
まだ、お嬢さんの気持ちは決まってないんですよね?
相談者:
ちょっとね、迷ってる。
坂井眞:
で、えっと、あなたがあ、
「こういうふうに書いたから、頼むぜ」
って言うと、受けてくれそうなの?
「分った果樹園は引き継ぐ」
みたいな。
相談者:
ちょっとその気は、あると思うんだけど。
坂井眞:
あー、なるほどね。
じゃあ、今の段階で、あの、書くのはいいけど、そういうふうにして書いたからといってえ、実際、遺言書が効力を生じてからって、あなたが亡くなってからの、(笑)後の話になっちゃうんだけど、そんときに、ほんとにどうなるか?までは誰も保証出来ないからね。
相談者:
はい
坂井眞:
それも含めて考えておいた方がいいですよね。
相談者:
ああ
坂井眞:
で、ま、ちょっとそれは余計な話で、じゃあ、お嬢さんが、あなたの期待に応えて継いでくようなときのために、まず今、作る、遺言書としては、
相談者:
はい
坂井眞:
海外に行ってらっしゃるご長男は、ちょっと連絡が取れないんだから、今、話のしようがないけれども、跡を継ぐっていうのは、一番下の方?
相談者:
あ、末っ子です、はい
坂井眞:
36歳の方ね。
相談者:
はい
坂井眞:
で、真ん中の双子さんの、お子さんは、男の人、女の人、それぞれのね、
相談者:
はい
坂井眞:
は、「いいよ、それでいいよ」、って言ってらっしゃるわけよね?
相談者:
いやあ、まだ◆#$%□&
坂井眞:
まだ話してない?
相談者:
話、してないけれどお、
坂井眞:
あ、言えば、納得してくれると思う?
相談者:
言えば、うん、今だったらまあ、「そら、そうだなあ」って言ってくれると思う。
坂井眞:
お二人ともお、それぞれ、自立して、家庭持ってっていう・・
相談者:
うん、結婚して、うん
坂井眞:
不自由ない生活してらっしゃるのかな?
相談者:
うん、ま、普通の生活してるんで、うん
坂井眞:
分りました。
で、えーと、そういう場合に、放棄しろよ、っていうのは、相続始まる前に相続放棄って出来ないんですよ。
そういう制度は無いの。
相談者:
ああ
坂井眞:
そんな制度があるとお、色んな面倒臭い話が起きそうじゃないですか。
相談者:
うん・・
坂井眞:
無理やり放棄させられたなんて話が出てきたりとかね。
ただ、もう、お分かりのように、遺留分っていうのがありますよね?
相談者:
はい
坂井眞:
例えば、あなたの遺産は全部、妻に、相続させるだとかあ、そいからあ、末っ子のお嬢さんに相続させるとかやっちゃってもお、他の方たちは、法定相続分の半分、二分の一は、遺留分として権利があるっていうのは、もう、お分かりみたいですよね?
相談者:
あー、はい、はい
坂井眞:
で、遺留分を、事前に放棄することは出来るんですよ。
相談者:
遺留分を放棄し◆#
坂井眞:
うん、遺留分権っていうのは、
相談者:
はい
坂井眞:
相続始まってから1年以内に、遺留分を行使しますっていうことを言わないといけないんですけど、
相談者:
うん・・
坂井眞:
で、そういうことは、もう、言いませんということを、予め、相続が開始する前に、要するに、被相続人が亡くなる前、あなたがお元気なうちっていうことですよね、このご相談で言うと。
相談者:
はあ
坂井眞:
に、遺留分権を、放棄するっていうことは出来るんです。
相談者:
はい
坂井眞:
で、これは、家庭裁判所に行って、ちゃんと手続きしないといけないんですよ。
相談者:
ああ、はあ、はあ
坂井眞:
でも、逆に言うと、家庭裁判所に行ってえ、遺留分の主張はしませんという、遺留分の放棄の手続きをすれば、遺留分のことは、心配しなくてよくなるんです。
相談者:
ああ
坂井眞:
それをしてもらえばいいんですよ。
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
双子のお子さんには。
相談者:
で、一番上が困るね?
坂井眞:
一番上の方は、連絡とれないんじゃ、ちょっとどうしようもないですよね。
相談者:
んん・・
坂井眞:
だから、まず遺言書の中には、奥さんと、それから、末っ子の、お嬢さん、に、あなたが言ったような内容の遺言書を書いて、あとの3人には、相続させるものはないよ、という、遺言書を書くじゃないですか?
相談者:
は、はい
坂井眞:
で、双子のお子さんは、予め、遺留分を放棄しますっていう手続きを家庭裁判所でしておけば、もう、心配ないですよね?
相談者:
うん、それはあ、本人が行かないといけないんですか?
坂井眞:
そうですね。
そらあ、本人じゃないと、それは揉めそうでしょ。
そんな、人が出来るんじゃ、
相談者:
(笑)そうですね。
坂井眞:
絶対本人行かなくちゃダメですよ。
相談者:
(笑)
坂井眞:
あなたが言って、言うこと聞くって言ってんだから、ちゃんと説明して、やってもらわなきゃだめですね。
相談者:
ええ、はい
坂井眞:
で、ご長男には、連絡とれないんじゃ、ちょっとやりようないから、
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
そういう遺言書を書いて、で、あとは、ご長男が、遺留分権を行使するかどうかですよ。
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
遺留分減殺請求を行使しなければ、相続を始まってから1年間行使しなければ、もう、遺留分の主張できないですから。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
それからあ、もう一点、遺言書を書くときにい、形式はね、自筆証書遺言ていうのと、公正証書遺言っていうのと、秘密証書遺言って三つあるんですけど、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、あと、危急時(遺言)っていう特例がありますけど、基本的には三つあって、そのうちのやっぱ一番争われないのは、公正証書遺言といって、公証人役場行って作るやつなので、若干費用は掛かるけれども、
公証人役場、
相談者:
うん、これは◆#$
坂井眞:
うん、で作ってえ、もらうことをお勧めします。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
で、あの、お話聞くと、一度も無心しないで放浪してんだから、相続のときに現れて、遺留分請求する方のようにはあんまり思われないですけど、ま、
相談者:
うーん・・
坂井眞:
そういうことは、可能性はあるので。
でも、考えていただくと、奥様と、お子さん四人だから、子ども四人が、八分の一づつ掛ける4ってことですよね?
相談者:
はい
坂井眞:
法定相続分。
相談者:
はい
坂井眞:
で、その半分だから、十六分の一ってことじゃないですか?、遺留分は。
相談者:
はい
坂井眞:
ご長男の。
そうすると、さっき、あのお、お答えになっておられましたけれども、全体の財産どのくらいか?っていうの、若干、試算してみると、十六分の一っていうのは、いくらぐらいなもんか?って、計算できると思うんですよ。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
4800万だったら、300万(*)って、こういうことですよね?
(*)4800 × 1/2(子の分)× 1/4(兄弟4人割) × 1/2(遺留分)
相談者:
はい、はい
坂井眞:
だからあ、その程度の現金が、たとえば、今、お手元に、「一千万はないと思うけど」、って仰ってたけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
遺留分減殺請求、ほんとにされたらあ、処理できるだけのお金が、あればね、
相談者:
うん
坂井眞:
それをちょっとそのお、遺留分減殺請求が行使できる間は、手元に残しておけば、最悪、それを渡して、お終いってことにはなりますよね。
相談者:
あ、はい
なにしろ・・
坂井眞:
で、そういう段取り・・それを、現金までなくなっちゃてると、畑とか家、処分しなきゃいけないとか、そういう、面倒臭い話になるじゃないですか?
相談者:
はい、はい
坂井眞:
そういうのを避けるような段取りを、予め考えておいてえ、でえ、最低、もし、遺留分減殺なんて言われたら、ここに現金あるから、これで払えばいいよと。
で、一年経って、結局、遺留分行使しないってことが分ればね、
相談者:
はい
坂井眞:
相続したこと、知ってないといけないんだけど、そのお、(1年)過ぎたら、その遺言書どおり、奥さんと娘さんが半分づつだったら、それでいいしね。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
てことなんで、そういうふうにしておけば、あの、一応、安心なんじゃないかなあ、と思いますけどね。
相談者:
はい、分りました、はい
(再びパーソナリティ)