ペットロス。一人暮らしお婆ちゃんの猫が行方不明
テレフォン人生相談 2015年12月28日 月曜日
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 森田浩一郎(医学博士)
相談者: 女85歳 一人暮らし
今日の一言: 対象喪失の悲哀過程を完遂すること、そこで新しい道が開けます。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
はい
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
お世話になります。
加藤諦三:
はい、最初に年齢教えてください。
相談者:
85歳です。
加藤諦三:
85歳
今、お一人ですか?
相談者:
はい
加藤諦三:
ご主人と一緒に暮らしてんの?
相談者:
いいえ、一人なんです。
加藤諦三:
あ、一人ですか。
相談者:
はい
加藤諦三:
何年ぐらい前から一人ですか?
相談者:
もお・・50年ぐらい前です。
加藤諦三:
あ、永いこと一人ですね。
相談者:
はい
加藤諦三:
それは、結婚はして・・独身なの?、それとも、結婚して・・
相談者:
いや、結婚はしたんですけどお、
加藤諦三:
うん
相談者:
30歳ぐらいやときに、別れました。
加藤諦三:
30歳ぐらいのときねえ。
相談者:
はい
加藤諦三:
はい、分りました。
そいで、どんな相談ですか?
相談者:
あのお、猫が、あのお、3週間ぐらい前の、前に居なくなったんです。
加藤諦三:
いなくなったというのは、亡くなっ・・
相談者:
いや、あの、帰らんようになったんです。
遊びに行って。
加藤諦三:
遊びに行って?
相談者:
遊んどるか、もしくは、はねられて、死んだか、も、どんなになったんか、分らんのです。
加藤諦三:
あ、ああ・・なるほどね。
相談者:
はい
加藤諦三:
どうなってるか分らない?、ということねえ。
相談者:
はい
毎日・・
加藤諦三:
それは、辛いねえ。
相談者:
はい、一番、もう、癒されてた猫ですけど。
加藤諦三:
うーん、癒されてるというよりも、あれだねえ・・
あなたの心の支えというか・・
相談者:
そおなんです。
加藤諦三:
猫なしの人生、考えられなかったからねえ。
相談者:
そおなんです。
加藤諦三:
うーん・・
換えが利かないからね、他のもので代えられないでしょ?、猫は。
相談者:
はい、あのお、なんか、もお、趣味を探して紛らわそうと思っても、それが手もつかんしねえ、
加藤諦三:
うん
相談者:
元気がないんです。
加藤諦三:
だからあ、誰か、人でも、他の動物でも、とにかく、この猫に代わるものってのはないんだよねえ、今のあなたに。
相談者:
はい、もお、その猫、ほったらかしといて、他の動物を可愛がることは出来ません。
加藤諦三:
そおなんだよねえ。
相談者:
はい
加藤諦三:
替えが利けばねえ・・
相談者:
あたしの生き方を教えてください。
加藤諦三:
この猫とはどのくらい暮らしてんの?
相談者:
あのお、6年くらいです。
加藤諦三:
ああ、6年くらいですか。
相談者:
はい
加藤諦三:
そうすと、6年前はどうだった?
相談者:
飼う前は、うん・・わたしですかあ?
加藤諦三:
うん
相談者:
寂しいことなかったですね、色々と、まあ、遊んで・・生活しよったから。
加藤諦三:
ああ、色んな生活があったのね?
相談者:
はい
加藤諦三:
友だちづきあい、近所の、あの、付き合いみたいのはあったの?
相談者:
あい、はい
加藤諦三:
ふうん・・
ところが、その、猫お、飼いだしてから、
相談者:
はい
加藤諦三:
あれですか、あなたは、もう、そこに全部、気持ちが集中しちゃたの?
相談者:
はあい
もお、ほんと、今まで、生活のどん底やったけど、
加藤諦三:
うん
相談者:
猫いなくなってから、もう、ものすごくどん底になってしまって、もお・・
わたしの、もう、生きていく力がなくなったんですよ。
加藤諦三:
うん・・
相談者:
はい
加藤諦三:
そら、分るね、生きてく力がなくなったって、もお・・
相談者:
はあい、賢い猫じゃったから。
加藤諦三:
うん・・
まあ、絶望だもんねえ。
相談者:
はあい
加藤諦三:
うん・・
相談者:
まあ、みんなも、気をつけて探してくれてるんですけども、見当たらないんです。
加藤諦三:
周りの人が、あの、捜してくれてるの?
相談者:
はあい、捜してくれてますけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
はい、もお、日がだいぶ経ったからねえ、
加藤諦三:
うん
いい隣人にめぐり合えてたんだなあ・・
相談者:
フッ・・どっかで、拾って、飼ってくれてたらいいけどね。
どんな形になっとるかが分らんのが、もお、辛いんです、もお。
昼も、晩もね、ネットを開けて待っとるんですけど。
加藤諦三:
うーん・・
相談者:
はい
加藤諦三:
うん、うん、うん
待ってるけどもねえ。
相談者:
はい、ちょっと音がしたら、「ああ、帰ったかな?」、と思うけども、帰らんです。
加藤諦三:
うん・・
相談者:
も、3週間も経てば、もう、お腹も空いて、死んでるですね。
加藤諦三:
うーん・・
相談者:
はい・・
加藤諦三:
まあ、今はある意味で、ほんとに苦しい時期を、
相談者:
はい、そお、苦しいです。
加藤諦三:
だけど、あれなんだなあ、隣人もみんなして捜してくれるっていって、隣人が、いい隣人が多いんだけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
それも、やっぱり、隣人がどんなに、優しくても、この猫には、代えられない・・
相談者:
代えられんです。
代えられんです。
加藤諦三:
代えられないんだよね・・
相談者:
はい、わたしも、お腹いっぱい、食べることも、ほんとに、気の毒なくらいです。
加藤諦三:
うーん・・・
それで、最初お、いなくなったときは、信じられなかったよねえ?
相談者:
はい、はい。
はい、もお、も、賢い猫じゃから・・
加藤諦三:
帰ってくると思ってた?
相談者:
信じとったからねえ。
こな、帰らん、いうもんは、ことは、ほんとに思ってません。
何にも・・
加藤諦三:
うん・・
相談者:
はい
加藤諦三:
それで、その、信じられない時期からね、
相談者:
はい
加藤諦三:
も、3週間経ってえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
ちょっと辛いこと言うけど、いなくなったのかあ?っていう、絶望の時期に差し掛かっているよね?
相談者:
はあい
加藤諦三:
ですよね?
相談者:
はい
もお、辛いです。
加藤諦三:
うん・・
ま、こういう、プロセスっていうのはね、まず最初にね、信じられないんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
その次の段階が、
相談者:
はい、そおですね。
加藤諦三:
絶望なんですよ。
相談者:
はい、よろしくお願いしますう。
助けてください。
加藤諦三:
うん、だけどね、
相談者:
はい
加藤諦三:
この絶望の時期があ、終わるんです。
相談者:
はい、はあ
加藤諦三:
あなた、すごい今、悲しんでいるから。
相談者:
はい、悲しんでます。
加藤諦三:
うん、十分、絶望の悲しみの果てにい、
相談者:
はい
加藤諦三:
回復の時期ってのは来るんですよ。
相談者:
そおですかあ。
加藤諦三:
うん、これねえ、焦らないでね、
相談者:
はい
加藤諦三:
絶望なんかしていないっていうフリしたりね。
相談者:
はい、そおそお
加藤諦三:
そいから、いや、死んでないはずだっていうふうに、無理して思ったりね。
相談者:
は、そおですねえ。
加藤諦三:
そういうふうに思わないでええ、
相談者:
はい
加藤諦三:
もお、ほんとに、どん底を、味わう・・と、それを通して、回復への、道っては出てくるんですよ。
相談者:
そおですねえ・・
かなり長い道じゃろうねえ。
加藤諦三:
うん、絶望っていうのは、新しい世界への入り口なんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
古い世界からの出口なんです。
相談者:
そおですかあ
加藤諦三:
うん、だから、あなたねえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
絶望することが次につながるからあ、
相談者:
はい・・ふん・・・ふう・・
わたしもね、
加藤諦三:
うん
相談者:
あの、寿命からいったらね、
加藤諦三:
うん
相談者:
あのね、あの猫の方が長生きするんです。
加藤諦三:
うん・・
相談者:
わたしの方が先逝くんですけどね、
加藤諦三:
うん
相談者:
そう考えたらね、
加藤諦三:
うん
相談者:
まあ、ミイちゃんが先逝ってくれて、ま、婆ちゃんもよかったわいと思って、思いもしたりね、
加藤諦三:
うん
相談者:
申し訳ないけど。
加藤諦三:
うん
相談者:
はい、ほんとに、ミイちゃんが先逝ってくれた、後から婆ちゃんも逝くけんねえ、言うて、
加藤諦三:
そお、そお、そお、
相談者:
色々、言い聞かしながら、いきよんです。
加藤諦三:
うん
相談者:
はい
加藤諦三:
あのお、あなたの場合、◆#$%、お婆ちゃんも、もうじき逝くからねえ、っていうことが信じられる、ことなんですよね?
相談者:
ほおですか?
加藤諦三:
うん・・
相談者:
はい
加藤諦三:
そういうように、信じられるような、時期が来ます。
相談者:
はい、「ミイちゃん、ゴメンね」、道通っても言うんです。
加藤諦三:
うん
相談者:
はい
加藤諦三:
でねえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
今、そういう、その、絶望の時期を通過する以外に、ないんですけれども、あの、そういう意味で、ちょっと、大変むつかしい、あの、相談だと思いますけれども、
相談者:
そおです、はい
加藤諦三:
今日はスタジオに医学博士の森田浩一郎先生がいらしてんので、伺ってみたいと思います。
相談者:
そおですか、ありがとうございます。
お世話になります。
(回答者に交代)