「藁の上からの養子」の相続権。実母に会えなくなったワケ
(回答者に交代)
坂井眞:
よろしくお願いします。
相談者:
よろしくお願い致します、先生。
坂井眞:
今のご相談は、生みの、母、実のお母さんの方、が、亡くなった時に、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、自分は相続できるんだろうか?って、こういう、ことですよね?
相談者:
はい、はい、そうです。
坂井眞:
で、えーと、あなたのように、生みの、親の、戸籍に、入れ、たくない事情があって、
相談者:
はい
坂井眞:
本当はあのおー、一遍、実の、生みの親の、戸籍に、入ってから、正規の養子い、に出す手続きをすれば、すごくスッキリするんですが。
相談者:
はい
坂井眞:
ていうのは、生みの親の相続も、法律上、当然にできて、
相談者:
はい
坂井眞:
それから、養子に行った先?の、相続も、当然、実子と同じように、できると、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
いうことになるわけですよ。
相談者:
はい
坂井眞:
で、ところが、まあ、昔から、その、藁の上、からの養子、なんて言われた、やり方なんですけどね?
実の親の、戸籍に入れたくないから、そこをある意味、省略しちゃってですね、他人の戸籍に、実の子として、入れちゃうわけですよね。
相談者:
はい、け・・
坂井眞:
で、これを藁の上からの養子なんて言われて、これは結構昔からそういう事例が、あったんです。
相談者:
お、お・・
坂井眞:
で、そういう事情があることは、それは良い、悪いじゃなくて、この人間の社会、あるわけだから。
相談者:
はい
坂井眞:
で、特別養子制度っていうのが、その後出来たんですね。
相談者:
はい
坂井眞:
だから、実際の、あのお、親の戸籍に入れないで、えー、特別に、いー、な手続きで、えー、生みの親じゃない戸籍に入るっていう制度が、制度としてあるんですが、
相談者:
はい
坂井眞:
で、そういうー、法律に乗っ取った、手続きが取ってあれば、あなたのように、そんなに悩まなくていいってことになるんだけれども。
相談者:
はい
坂井眞:
あなたの場合は、今はその、生みの、母の、もし亡くなった時の相続は、
相談者:
はい
坂井眞:
できるんだろうか?と、こういう、ご質問なんだけれども、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
もう1つやっぱり問題があって、
相談者:
はい
坂井眞:
じゃああの、本当の親子じゃないところに、親子として戸籍が入っちゃってるわけですよね?
相談者:
はい、そうですね。
坂井眞:
で、9年前に、お父さんが亡くなられた?
相談者:
はい
坂井眞:
で、お母さんは、あのお、まあ、90歳でご健在なんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
まあ、高齢者用の施設に入ってらっしゃると?
相談者:
はい
坂井眞:
で、そうすると、もう1つの問題、実の親の方の相続はどうか?という問題に加えて、実の親として届けられちゃった、本当は、親子じゃない、人ですよね?
相談者:
はい
坂井眞:
親子として育ってきたお父さん、お母さんなんだけど(笑)、
相談者:
はい
坂井眞:
その人達の相続はできるのか?という問題も、実はあるんですね。
相談者:
ああー、そうなんですか、はい。
坂井眞:
うん、よく考えると、「なるほど」と思っていただけるんだけど、相続っていうのは、法律が親子と認めた、関係、ま、親子、に限りませんけどね?
まあ、今の場合は親子だから、
相談者:
はい
坂井眞:
親子に限って言いますけど、
相談者:
はい
坂井眞:
法律が親子と認めた関係がある時に、亡くなった、親の、財産を、子が、引き継ぐと、こういう制度じゃないですか?
相談者:
はい
坂井眞:
まあ、実際、奥さんがいたりということで、あの、
相談者:
はい
坂井眞:
奥さんも相続人になったり、逆に旦那さんがいたら、旦那さんが相続人になったりっていうことなんだけど、
相談者:
はい
坂井眞:
親子に関して言うと、それは、親子じゃないと、相続って、あり得ないわけですよ。
相談者:
ああ、はあ、はあ
坂井眞:
民法の上でも、相続の第一順位で、直系卑属って書いてあるんですね。
相談者:
はい
坂井眞:
配偶者と並んで直系卑属が第一順位の相続、人になると。
相談者:
はい
坂井眞:
で、直系卑属の、まあ、最初、の、おー、に該当するのは子ですからね?
相談者:
はい
坂井眞:
ですと、直系卑属に当たらないと駄目なんだけれども、あなたの場合はそのお、戸籍上の親として届けられている。
ま、実際、おや、親子として育ってきた方達というのは、法律的には本当は親子じゃない、わけですよ。
相談者:
はい
坂井眞:
社会的には間違いなく親子なんだから、いいんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
法律的には、最初にご説明したように、本当に、その両親から生まれた、実の子であるということがあるか、
相談者:
はい
坂井眞:
そうじゃない場合は、正規の養子、に出す手続きをすれば、実の親子じゃなくても子供として扱いましょうってなってるわけですよ。
相談者:
はい
坂井眞:
なので、藁の上の養子、というなやり方をされた場合には、
相談者:
はい
坂井眞:
実の親の相続は、できるのか?っていう話と、親として、そのお、お、戸籍に載ってるけれども、本当は他人の、育ての親、
相談者:
はい、はい、はい
坂井眞:
この相続はできるのか?っていう問題、
相談者:
はい
坂井眞:
2つあるんですね。
相談者:
ああ、そうなんですか、はい。
坂井眞:
で、結論から言うと、
相談者:
はい
坂井眞:
あなたの今日のご質問の、「生みの母の相続はできますか?」というのは、
相談者:
はい
坂井眞:
これは、できます。
相談者:
おお、ほ・・
坂井眞:
だけれども、あなたの場合、その、周りの方が認めてらっしゃるから、そんなに大きな問題にならないかもしれないけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
実の親だったら、ちゃんと実の親という風に、戸籍に、入ってなきゃおかしいじゃないですか?
相談者:
あ、はい
坂井眞:
で、入ってないんだけど、実の親だって、あなたが、証明しなきゃいけないわけですよね。
相談者:
はあ、はあ、はあ
坂井眞:
「戸籍は違うんで、ほんとはこの人が親なんだ」ってみんなが言い始めちゃったら困るってのは、分かりますよね?
相談者:
はい
坂井眞:
で、それは、載ってないんだけど、本当は、この、人が、私の、生みの、母なんだと、
相談者:
はい
坂井眞:
いうことを、裏付けないといけないんだよね。
証拠でね。
相談者:
おーほー、はい。
坂井眞:
で、30年前だったDNA鑑定なんてそんな気軽に言えなかったと思うんだけど、
相談者:
はい
坂井眞:
最近はすごく進歩していて、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
昔より簡単に、鑑定できるようになっているから、それはすぐ証明できる、それなりの、費用、多少の費用をかければね?
相談者:
はい、はい
坂井眞:
で、そういうことで立証すれば、ああ、親子間違いないねっていうことは立証できますから。
相談者:
はい、はい、はい
坂井眞:
そうしたら、戸籍に入ってないから、相続できないんじゃなくて、戸籍が間違っているんで、戸籍を正しくすれば良いわけですよ。
相談者:
ああー、はい
坂井眞:
で、そしたら当然、相続できます、と。
相談者:
ああー、はい
坂井眞:
だからそっちは、そういう問題があるんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
相続できるかどうか?っていうことに関して言うと、
相談者:
はい
坂井眞:
実の親子っていう前提で言えばね?
実の子は実の親を、当然相続できますって結論なんです。
相談者:
ああ~、はい
坂井眞:
で、逆に、これは今日のご質問じゃないんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
親子として育ってきた、
相談者:
はい
坂井眞:
育ての親の方、
相談者:
はい
坂井眞:
これはあ、まだ完全に解決していなくて、理屈から言ったら相続できる理由って、ほんとはないわけですよね。
相談者:
ほお~
坂井眞:
あの、育ての親なんだけど、法律的には親じゃないわけで、
相談者:
はい
坂井眞:
相続ってのは法律の制度だから、法律上の制度で相続できる、理由がないといけない。
相談者:
はい
坂井眞:
で、実の親子として育ってきたから、それでいいのか?っていうところは、結構難しい問題はあって、本当は何らかの、こう、法律的な解決が必要なんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
ただ、これまでの最高裁なんかの判決では、実際は、それはあの、救われていることが多いです。
相談者:
ああ~
坂井眞:
あの、多くの場合、育ての親、藁の上の養子なんかで、戸籍だけ実子って書いてあるんだけど、ほんとは違うっていう方の他に、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
相続人がいたりするわけですね。
相談者:
ああー
坂井眞:
例えば他に、実の、こ、お子さんがいた場合、なんていう場合は、
相談者:
ああー、はい
坂井眞:
お子さん何人かいて、1人だけ、実は本当のお子さんじゃないっていうことはあったり、
相談者:
はい、はい、ああー、はい
坂井眞:
する、ことが想像できますよね?
相談者:
はあ、はい、はい
坂井眞:
で、そういう場合で仲が良ければ(笑)、誰も、何も言わないから、戸籍の記載にそのまま従って、遺産分割協議とかできちゃうかもしれないけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
なかなかコミュニケーション取れていない、関係だったりすると、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
この人に相続する権利はないんだ、なんて争いが起きる可能性があるわけですよ。
相談者:
その点に関しては、私(わたくし)は勿論、もらわれてた、とか、あとしくしく、子供は、1人しかいないと、
坂井眞:
うん
相談者:
いうのは、確かだと思います。
坂井眞:
で、1人しかいないんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
元々相続する権利がないから。
相談者:
ああ~、はいはい
坂井眞:
元々相続人じゃないんですよ。
純理論的に言うと。
相談者:
ああ、はい、あー
坂井眞:
で、そうすると、子供がいないっていう扱いになるから。
そうすると、子がいなければ、直系尊属、
相談者:
はい
坂井眞:
で、お父さん、お母さんの上っていうのは恐らく、ご存命じゃないから(笑)。
相談者:
はいはい
坂井眞:
90歳ですからね?
相談者:
そうですね、はい。
坂井眞:
そうすると、お父さん、お母さんの、兄弟や姉妹、
相談者:
はい
坂井眞:
に、相続権が移っていくのでね?
相談者:
おあ~
坂井眞:
そうすると、その人からすると、「いや、相続人はこちらなんだ」と。
相談者:
はい
坂井眞:
で、兄弟や姉妹の、そのもう1つ下まで代襲相続っての、できますから。
相談者:
はい
坂井眞:
形で言うとおー、なんだ、従兄弟ですかね。
あなたの立場から言うと。
相談者:
ああ、はい
坂井眞:
そういう人が本当の法律上の相続人で、
相談者:
はあ~
坂井眞:
あなたは相続人じゃないなんていう議論が、出てくる可能性があるわけです。
相談者:
ああ、そうですか、はい。
坂井眞:
で、そういう問題が1つあって、ちょっと、ご質問の話とは違う話なんだけれども、
相談者:
ほお~、はい、はい、はい
坂井眞:
こういう、所謂、藁の上からの養子みたいな、あー、手続きを取られちゃった場合には、
相談者:
はい
坂井眞:
2つあるんです。
相談者:
はい、分かりました。
(再びパーソナリティ)