祖母の憂さ晴らしのはけ口にされた恨みを断ち切りたい39歳の女
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
もしもし?
あのお、今、あなたねえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
電気ショックに掛かったように動けなくなってんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
電気ショックに掛かって動けないっていうのは、この惨めな、状態、になってえ、ロックされちゃってるんですよね。
相談者:
はい
加藤諦三:
でね、だから、正しく理解することが大切で、あなたの周りに今までいた人たちね、
相談者:
はい
加藤諦三:
お父さん、お母さん、祖母、祖父、すごいみんな孤独だったっていうことは、分る?・・分ってない?
相談者:
・・(泣)
加藤諦三:
不幸な人だったっていうこと。
相談者:
そうですね。
それで、その満たされないのを、子どもの方に・・
加藤諦三:
分ってるんじゃない。
相談者:
向けてえ?、憂さ晴らししてたっていうのが分るんです。
加藤諦三:
分ってる。
あなたにしがみついてたの。
相談者:
・・
加藤諦三:
溺れかかった人が浮き輪にしがみつくように、あなたにしがみついてたの。
相談者:
はい
加藤諦三:
それでえ、あなたを苛めることでえ、自分の心を癒していたんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
だから、あなたが出て行かれたら困るんだよ。
相談者:
だから、自立するのも邪魔したしい、
加藤諦三:
そうそう
相談者:
なんかこう、幸せに、なることも邪魔するし、
加藤諦三:
そう、あなたが不幸になることがあ、第一の彼らの願いなんです。
相談者:
はい、それはすごい分ります。
加藤諦三:
それも分ってる?
相談者:
はい
加藤諦三:
だからね、
相談者:
そうすることで、なんか、自分を保ってたんだなっていうのがすごく分ります。
加藤諦三:
要するに、周りに居た人たちがあ、ものすごい、心の葛藤があってえ、その自分たちの心の葛藤、を解決するためにあなたを巻き込んだの。
だから、あなたに何の関心もないの。
相談者:
・・
加藤諦三:
とにかく誰だっていいから不幸になればいいの。
相談者:
その対象が、その弱い子どものわたしだということですね。
加藤諦三:
そういうこと、そういうことです。
でもねえ、こっからがあなたの救いのための、プロセスなんだけど、
相談者:
はい
加藤諦三:
まず、その、求めてるのは同情なんだけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
もう一つう、やっぱり、本気で憎んでないね。
怖いのかな?まだ。
相談者:
そうですね、本気でえ、憎んでたらもう、付き合いも縁も切ってしまうかなと思います。
加藤諦三:
うん。
だけど、これは本気で憎まない限り、
相談者:
はい
加藤諦三:
電気ショックに掛かってるのは、解けないですよ。
相談者:
あ、そうですか・・
加藤諦三:
本当の自分に気が付いてないから。
相談者:
◆#$%、具体的にい・・
加藤諦三:
もうね、
相談者:
どういうふうにしていったらいいんでしょう・・
加藤諦三:
要するに、許していうのどこから出てくるか?って言うとお、憎んで、憎んで、憎みぬいた果てにしか、許しっていうの出てこないんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたはまだ、その途中で止まっちゃってんの。
相談者:
はい
加藤諦三:
だから、まずね、第一に紙に、もう本当の気持ちを全部書いてごらん。
相談者:
はい
加藤諦三:
人が見ると思ったら本当のこと書けないからあ、
相談者:
はい
加藤諦三:
これは他人にみせるものじゃないからあ、まず、それを全部書く。
そこにこう、吐き出せるだけ吐き出す。
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたの場合ね、今ね、電気ショックから抜けるためにはね、障害になってんのは良識なんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
だから正直に書くのには、相当な覚悟が要る。
相談者:
はい
加藤諦三:
そうすと、本当の自分が見えてきますから。
「あ、ここまで憎んでいたのか・・」っていうことが。
相談者:
・・
加藤諦三:
2つあるんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
一つは祖母とか、その、祖父に対する、その直接の憎しみと、
相談者:
はい
加藤諦三:
そいから、39年間、あなたは自己実現して生きてこなかったんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
その自己実現しないで生きてきたことに対する自分自身への恨みがあんですよ。
相談者:
ほんとに、自分も嫌というか、憎いというか、そういう感じはします。
加藤諦三:
それがね、自己実現して生きてこなかったことなんです。
この2つなんです。
相談者:
はい
加藤諦三:
だから、これから、心の手錠を解くね、作業を一つひとつして、電気ショックに掛かったような今の、抜け出せます。
あなたなら必ず。
相談者:
はい、抜け出します。
自分のためにも、その理解のある主人のためにも。
加藤諦三:
うん
相談者:
もし、子どもを持ったときに、
加藤諦三:
はい
相談者:
親や、祖母のやったことを、繰り返さないように、
加藤諦三:
うん
相談者:
あたしで断ち切ることができるように、頑張ります。
加藤諦三:
夫と子どものために頑張ろうと本気で思ったら、必ず心の手錠は解けます。
相談者:
はい(泣)
加藤諦三:
よろしいですね?
相談者:
はい、頑張って自分で断ち切ります。
加藤諦三:
じゃあ、今から、舵を切って幸せになりましょう。
相談者:
はい、幸せになります。
加藤諦三:
幸せになってください。
相談者:
はい
加藤諦三:
じゃ、失礼します。
相談者:
はい、ありがとうございました。
加藤諦三:
本当の許しは憎しみを通して生まれてきます。
(内容ここまで)
書き出して気づくのは憎しみの深さだけではなく、そのバカバカしさの場合もある
森田好々爺はたまにこうして相談者から反発をくらう。
(笑)
今日のは、共感から入らないとカウンセリングというもんが成り立たないという例。
アドバイスがシンプル過ぎるんだな。
しゃがれた声で言われると染みるけどね、あたしゃ。
でも加藤先生だって森田好々爺と結論は同じなのよ。
森田 過去に囚われず現実を大切に
加藤 相手を許して幸せに舵を切る
なのに、こうも女のリアクションが違ってくるのは、恨むという感情を最初に認めてくれたかどうか。
森田 「お婆ちゃんの言ってる気持ちがよく分かるよ」
あっちゃぁ
これで相談者の顔を引きつらせちゃったね。
(笑)
両親と娘3人と祖父母。
ほっといたって楽しそうだけど。
暗い家庭にする方がよっぽど難しいと思うんだが、婆ちゃんが犯人なのか?
家を出てすでに13年。
中年の域に差し掛かってるのに、いまだに婆ちゃん恨んでんのかよ。
執念深い女だねえ。
別に暴力を振るわれたんでもなく、3食食わしてもらって、慰め合えるお姉ちゃんが2人も居て。
そいで極めつけは大卒だとな。
働いてるあんたなら知ってるでしょ?、お金は命なの。
本当に性ワル婆さんだったら孫に大枚を叩(はた)くなんてことは出来ないの。
そもそもが、あんたの親父に甲斐性がないことが原因だし。
この女自身、39歳にもなれば、たぶん、こういうことに気づいてんだろうよ。
加藤先生の言う良識だ。
憎っくき祖母が亡くなってから3年経った今になって電話してきたのがとても興味深い。
つまりあれだ、憎む相手がこの世から居なくなってしまったんだな。
イジめた自覚すらない祖母は、晩年あんたに会いたがっていたハズだ。
あんたは、そんな祖母と疎遠になることで、ささやかな復讐を果たしていた。
祖母が亡くなってそれが出来なくなっちゃったんだねえ。
残るのは自分がやった復讐行為の虚しさだ。
女の告白が面白いんだけど、
「大学を出てから恨みだした」
やっと家から出られたのに?
誰だって自分の人生が上手くいかないとき、何かのせいにしたがるもんだ。
あんたがその全ての原因を婆ちゃんのせいにするのは、婆ちゃんがあんたを感情のはけ口にしたのと同じだっつうの。
思いのたけをノートにつづる認知療法。
書き出して気づくのは何も憎しみの深さだけじゃないよ。
そのバカバカしさの場合だってあるわけさ。
似たようなことがあったので気持ちわかります。
憎しみ恨みはその渦中はいっぱいいっぱいで辛く苦しいけど、支配されコントロールされてしまってるので、自分を守れず逃げることもできず、サンドバッグにされ被害を受け続ける。恨むことすらできない。自分が悪いと精神に重い物背負わされて支配。精神虐待です。いくら金銭的に養って貰っていてもその家族から受けていた心の傷は大きい精神 心 やられるのでとても深いんです。後からくるんですよ。支配逃れた後から、やっと何をされていたのか理解出来て、やっと辛く悲しいこと恨み憎しみ段階にきて、恨み抜き疲れ、許せるようになり解放されると思います。虐待は離れて終わったように見えても影響が心の深い傷と影響は終わっていない。ずっと苦しかったと思う。私も同じ年代で、今は恨み疲れ消化されそうです。きっと相談者も今は解放されてると思います。