独女が逝く。最後の買い物を託された女の慟哭
(回答者に交代)
大原敬子:
こんにちは
相談者:
あ・・こんにちはお願いします(泣き)
大原敬子:
彼女が、突然夜中、深夜電話が掛かって来て、
相談者:
はい
大原敬子:
そしてヨーグルトと、
相談者:
はい
大原敬子:
豆乳と、
相談者:
はい
大原敬子:
タバコと水って言いましたね?
相談者:
はい、はい
大原敬子:
その時に・・彼女が、一つ一つの、えー、
「豆乳はこのメーカーよ」とかね?、タバコは、よく分かりませんけども、
相談者:
はい
大原敬子:
自分がいつも吸っているタバコがあると思うんですねえ。
相談者:
はい
大原敬子:
それを、その時に喋ったのか、
相談者:
はい
大原敬子:
あなたは、もう・・彼女との関係の中で、これを知っていたのか、わたしはそこが一つの問題だと、聞きたいんですねえ。
相談者:
知っていました。普段ん、見たっていうか、それを覚えていたので、
大原敬子:
うん
相談者:
それを、買って行きました。
大原敬子:
何気なく彼女がタバコを吸っていたら、あ、このタバコは彼女が好きなんだなって、あなた分かるわけでしょ?
相談者:
はい
大原敬子:
それは愛とか、
相談者:
はい
大原敬子:
相手に対する自分の思いとかがなければ、
相談者:
はい
大原敬子:
このヨーグルト、豆乳、タバコ、水は、
相談者:
はい
大原敬子:
分からないです。
相談者:
はい
大原敬子:
その時に、わたしが初めて人生で、
相談者:
はい
大原敬子:
わたし自身が必要な人になれたんですね、彼女の前で。
相談者:
・・
大原敬子:
この彼女の、タバコとか、水を、
相談者:
はい
大原敬子:
無意識に見たのは、自分も誰かが・・こうして見ててくれればいいなあって感覚がまったく無神経な時には・・それ見ないんですよ、実は。
相談者:
あー、はあ、はい
大原敬子:
あ、こうされたいなって気持ちとか、
相談者:
う・・はい
大原敬子:
そういうことがある、優しさがあなたが持ってるから、
「あ、彼女このタバコ吸うんだ」とかって分かるわけですよ。
相談者:
先生、わたしは、
大原敬子:
はい、うん
相談者:
(泣き)んと、これから、どういうふに考えて行けばいいでしょう。
大原敬子:
うん、今日のは、気持ちの整理ではなくって、
相談者:
はい
大原敬子:
心の問題の整理じゃないかしら。
相談者:
・・はい(泣き)
大原敬子:
初めて、
相談者:
はい
大原敬子:
彼女と・・
相談者:
はい
大原敬子:
付き合って、話してる時に・・自分ってものが感じられたんですよ。
相談者:
(泣き)はい
大原敬子:
して、この自分が初めて、自分が心、自ら、わたしを純粋に求めた人に、この自分の愛を与えられるっていう風に、あなた思ったんでしょうね。
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
それを生き甲斐っていうんですよ。
相談者:
(泣き)あ・・はい
大原敬子:
分かりますう?
相談者:
はい
大原敬子:
それはなぜかっていうと、
相談者:
(泣き)はい
大原敬子:
自分の気持ちと、
相談者:
はい
大原敬子:
わたしを必要な人と、理解してくれてるから力が出るんですね。
相談者:
はい
大原敬子:
このお友達は一見見れば、何をしてないように見える、我儘を言ってるかもしれない。
相談者:
はい(鼻をすする)ええ
大原敬子:
でもあなたに力を与えたんですね。
相談者:
(泣き)
大原敬子:
あなたが両足で、踏ん張る力を、この彼女が、
相談者:
はい
大原敬子:
何もしてないけれども、
相談者:
はい
大原敬子:
与えてるんですね。人間っていうのは、
相談者:
はい
大原敬子:
愛っていうのは、
「これをあげたから・・あなたは何か下さい」じゃなくって、
相談者:
はい
大原敬子:
あなたがいる、その存在で、
相談者:
(泣き)はい
大原敬子:
自分が活かされるって関係にあるんです。
相談者:
・・わたしは、
大原敬子:
はい
相談者:
一つ、
大原敬子:
うん
相談者:
先生に質問したいんですけど、
大原敬子:
はい
相談者:
(泣き)わたしは、少しでもお、彼女に(泣き)力を与えられたんでしょうか?
大原敬子:
与えたと思います。彼女は、
相談者:
(泣き)
大原敬子:
最後、本当に、幸せな人?
相談者:
はい
大原敬子:
わたしにとっては祖母の存在の人と、
相談者:
(号泣)
大原敬子:
であったと思います。
相談者:
(号泣)
大原敬子:
それが彼女の人生で初めての、我儘です。
相談者:
はい
大原敬子:
夜中に呼んだっていうことは、
相談者:
はい
大原敬子:
もしかしたら、あなたが来ないかもしれないんですよ。
相談者:
はい
大原敬子:
彼女は一生に一度、
相談者:
(鼻をすする)はい
大原敬子:
まったく肉親じゃない他人に対してですね、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
「これを買って来て」って言って、
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
買って来てくれた時に、
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
神様が、
相談者:
はい
大原敬子:
彼女に・・安らぎを与えたんじゃないでしょうか。
相談者:
あ、ありがとうございます。
大原敬子:
分かります?
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
人間はね、
相談者:
(号泣)
大原敬子:
我儘が言える関係っていうのがね(泣き)
相談者:
ありがとうございます。
大原敬子:
・・
一番幸せなんです(泣き)
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
どんなにお金も知恵もあっても要らないんです。
相談者:
(号泣)
大原敬子:
この人だけは、こんな無理なことを言っても、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
受け入れてもらった時にい、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
(声を震わせ)これほどの幸せはないんですよ。
相談者:
ありがとうございます(泣き)
大原敬子:
だから・・今あなたがこれだけ泣いてしまうと、
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
彼女は夜中に呼ばなければ、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
良かったなと思いますよ。
相談者:
(号泣)はいはい
大原敬子:
「ドアに、そこに置いといて」って言った。
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
「苦しい」とも言わない。
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
全てを知ってて、夜中に呼んだ彼女のね、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
気持ちは、
相談者:
(号泣)
大原敬子:
あなたと彼女はきっと心の中で繋がってると思いますよ。
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
そしてとっても嬉しかったのは、彼女は、
相談者:
はい
大原敬子:
何も言っていないのに、
相談者:
はい
大原敬子:
わたしの求めていた、
相談者:
はい
大原敬子:
タバコとか、何も言わなくっても、
相談者:
(号泣)
大原敬子:
分かっててくれるっていうのは、
相談者:
(号泣)はい
大原敬子:
嬉しいんです。
相談者:
(号泣)
大原敬子:
最後にですね、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
人が愛されるっていうのは、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
(声を震わせて)100万人が、
「あなたを愛してます」っていう言葉よりも、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
この人だけは・・何も言わなくっても、
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
受け入れてくれる、
相談者:
はい
大原敬子:
分かってくれるっていうことを、
相談者:
はい
大原敬子:
知った時に、
相談者:
はい
大原敬子:
人間は幸せ感と、勇気が出るんです。
相談者:
(泣き)
大原敬子:
彼女がドアのところにいたって気持ちが・・あなたは今日からですねえ、
相談者:
はい
大原敬子:
感謝の気持ちに変えた方がいいと思いますよ。
相談者:
はい(泣き)
大原敬子:
もし自分がそうだったら、
相談者:
はい
大原敬子:
一番幸せなものをもらったなと思います。
相談者:
ありがとうございます(泣き)
大原敬子:
ドリアン先生に伺ってみますね。先生・・
相談者:
はい(泣き)
(再びパーソナリティ)
同世代の男性です。
感動しました。
ご友人の死、心からお悔やみ申します。
相談者様、そして亡くなられたご友人のお二人とも素晴らしいです。
自分自身が情けなく惨めに思えます。
今日からあなた方のような心を持って生きていきたいと心から思います。