追い出された夫は5千万の相続にも愚痴ばかり。逆だった考えた末の操縦法

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
今、ホントに長年の経験でねえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
坂井先生が、もうほんーとにいいアドバイスしてくれましたよねえ。

相談者:
はい

加藤諦三:
そのもう、ほんっとにその通りですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
でご主人はねえ、

相談者:
はい

加藤諦三:
「愚痴言うな」たって愚痴言います。

相談者:
あは(笑)そうですか。

加藤諦三:
ていうのは、愚痴を言ってんのが一番楽だから。

相談者:
あー

加藤諦三:
愚痴依存症みたいなもんなんですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
じゃあ、どう止めさせるか、なぜね、

相談者:
はい

加藤諦三:
・・愚痴・・を、言うかということなんですよ、そこまで。

相談者:
はい

加藤諦三:
ご主人自身も愚痴言ってどうにもならないって分かってる。

相談者:
はい

加藤諦三:
分かっている、けれども、愚痴を言わないではいられない。

相談者:
はい

加藤諦三:
こういうの、無意識の必要性っていうんですけれどもね、

相談者:
はい

加藤諦三:
無意識にどうしてもそうしなければならないものが、抱えてんです夫は。

相談者:
うーん

加藤諦三:
で、それ吐き出させなきゃ駄目なんですよ。

相談者:
あー吐き出させる。

加藤諦三:
うん、でそれはおそらくね・・無意識にあるのは・・父親への憎しみです。

相談者:
はい

加藤諦三:
・・でそれを、その父親への憎しみが、

相談者:
はい

加藤諦三:
愚痴となって、変装して現れてんです。

相談者:
はい

加藤諦三:
だから愚痴は・・憎しみの変装した姿なんです。

相談者:
はい

加藤諦三:
ですから、ご主人にはっきりと・・父親への憎しみをね、

相談者:
うん

加藤諦三:
・・はっきりと意識化して、

相談者:
はい

加藤諦三:
その、父親への憎しみを・・コントロールするっていう・・そこに・・力を注ぐ、ように、あなたが励ましてく以外にないんですよ。

相談者:
・・

加藤諦三:
今、父親の憎しみに支配されちゃってるんですよ、

相談者:
うーん

加藤諦三:
ご主人自身が。

相談者:
はい

加藤諦三:
だからご主人が、自分のこの憎しみをコントロールできるようにしてあげるっていう・・

相談者:
はい。先生、もう一つお聞きしたいんですけれども、

加藤諦三:
はいはい

相談者:
あの、どちらかというと、わたしい、の方が、男性的な性格と申しますか、

加藤諦三:
はい

相談者:
さっぱりしている性格なもので、

加藤諦三:
ええ

相談者:
さっき言った、言ってもしょうがない、

加藤諦三:
まさに、その坂井先生がね、

相談者:
そうです(笑)

加藤諦三:
んあのお、おっしゃってくれた、た、もうその通りですよね。

相談者:
うん、でそういうこと、わたしが、主人に言い、

加藤諦三:
うん

相談者:
ま、相手の味方してるわけじゃないんですけ、相手の立場に立ったことを・・言うわけですよ。そうすると・・

加藤諦三:
頭に来るね、ご主人。

相談者:
ま、益々(苦笑)「俺を理解しない」とか、

加藤諦三:
そうだ、ご主人からすると、お、お、自分の気持ちを誰も分かってくれない

相談者:
んそうです。

加藤諦三:
妻は、俺、わた、俺の気持ちを全く分かってないつって、もう・・あなたに反感持つだけだよ。

相談者:
そうです、でそれは、「そうだそうだ」と言って、聞く、のが、いいんで、そ、「そうだそうだ」って言ったら、益々、そういう風に思うんじゃないかなと思って、「そうだそうだ」とは言わないんですけども、

加藤諦三:
ええ、いや・・むしろあなたね、

相談者:
はい

加藤諦三:
ご主人は褒める、褒めないと。今ご主人、同情が欲しいんだよ。

相談者:
・・あ、そうですね。

加藤諦三:
あのね、ん、また始まったと思ってる愚痴でも、

相談者:
はい

加藤諦三:
初めて聞いたような顔しなくちゃ。

相談者:
あ、そうですか、はい(泣き)

加藤諦三:
うん・・100回目でお、あってもね・・「はあ、そうよねえ」って聞くのが・・励ますってことなんですよ。

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
励ます、励ますっていうことは、が、頑張れっていうことじゃないんです。

相談者:
はいはい

加藤諦三:
励ますっていうことは、相手の気持ちを理解するってことが、励ますってことなの。

相談者:
はい、分かりました。

加藤諦三:
大丈夫です。

相談者:
だい・・

加藤諦三:
上手く行きます。

相談者:
はい

加藤諦三:
はいどうも失礼します。

相談者:
ありがとうございました。

加藤諦三:
愚痴と後悔は、意志を持たない人の、専売特許です。

(内容ここまで)

6年前に一体何をやらかしたのかねえ、旦那。
父親の怒りが半端ない。

女  「何も悪いこともしていないのに、わたしたちは路頭に迷うことになった」

じゃ、なにか?
単なる義父のワガママとでも?

2人の孫娘だっているんだよ。
義父は、長男の方から頭を下げて来るのを待ってたんじゃないの?

20年手伝った長男がいなくなってからもなお、5千万もの現金流出にビクともしない家業をどう考える?

「20年も手伝ったのに」
じゃない。

「20年も食わしてもらった」
が正しい。

 

さて、

「5千万円が相続出来ただけでも恵まれている」

こんな助言は夫にとって何の慰めにもならない。
なぜって、夫の愚痴は遺伝子に組み込まれたプログラムだからだ。

2匹のサルにバナナを1本づつ与えているところに、一方だけにリンゴを与える。
すると、もう一方のサルはバナナを放り投げて激しく怒り出す。

自然界で生きるということは、すなわち限られた食物というパイの奪い合いに他ならない。
自分より多くの食物を得た相手に対して、何の不満の感情を持たないとすれば、その種は進化の過程で滅びてしまう。

不公平感とは遺伝子なわけだ。

これを人間は、人為的にある観念を植え付け、抑制しているに過ぎない。
これを理性と呼ぶ。

もちろん、いくら理性を身に着けようとも遺伝子が書き換わるなんてことはない。

ちなみに、不公平感の逆、すなわち相手よりも優位な立場を認識すると、脳からは、人間が心地良いと感じるときと同じ物質が分泌されることも分かっている。
これが優越感だ。

脳科学は、わたしたちの心が脳内の単なる物理現象に過ぎないことを解き明かし始めているけど、その脳は簡単に騙されることも分かっている。

人間の瞬間、瞬間の感情にはキャパがあって、竹中直人の芸(*)でもなければ怒りと嬉しさは同居できない。

(*)竹中直人の芸:
怒りながら笑う男。または笑いながら怒る男。
今は俳優然としているけど、元々はキワモノ扱いのピン芸人だった。

つまり、夫の場合、不公平感を優越感で上書きしてやればいい。
実際に優越していなくても構わない。
自分に言い聞かせることで脳は騙されるから。

だけど最大の問題は、この61歳の男の単身赴任生活には、脳を騙す材料すら見当たらないってことなの。

 

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