北の国から2017。五郎の無理筋。滞納した家賃よりオレの自前工事の方が高い

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
よろしいですか?

相談者:
はい、ありがとうございました。

加藤諦三:
はいどうも、失礼します。

相談者:
失礼します。

加藤諦三:
同じ言葉が、すべての人に、同じ意味に、取られるわけではありません。契約書は、作りましょう。

(内容ここまで)

最初、話がイマイチつかめなかった。

普通、電気ガス水道を通すってのは単に手続きの意味であって、止めてたものを再開すること。

100万円ってことは、管や線が来ていなかったってことだ。
ここまではおっさんの言うことも分かる。

だけど、そこって人が住むのを想定していないってこと。

倉庫かなんか?
どうやって子どもと母親と暮らす?

台所や風呂や部屋まで造作が必要だとすれば、普通に賃貸探すでしょ?

ま、話を聞いてるとココにこだわったワケが分かる。

 

さて、

もちろん、今日の格言は貸し手にもそのまま当てはまる。

もしこれ、貸し手からの相談だったら、未払い家賃の回収が極めて難しいことを弁護士は告げたに違いない。

別に二枚舌ではない。
おっさんへのアドバイスは原則論を述べ、
貸し手へのアドバイスは現実を述べるというだけの話。

貸し手にとって、まず最初のハードルが債権の存在。

塩谷弁護士には悪いけど、住むことを前提に家賃を取るのであれば、ライフラインの敷設は大家の責任というのが暗黙の了解。
負担した工事費で家賃を相殺するというおっさんの主張は、それなりに理屈が通る。

で、そのハードルをクリアして債権が存在するとしても、次のハードルは実際の回収。

「無い袖は振れない」というのは単なる諺(ことわざ)ではないってこと。

母親に対する請求行為なんか筋違いそのもので、警察事案にすらなりかねない。

民事における貧乏最強説。
もし、おっさんが知れば、躊躇なくこのアドバンテージを使うだろうよ。

 

おっさん:
「いいとこがあるから」って言われて、「じゃ、借りようか」って。

フム。

簡単な約束は簡単に反故にされるってことかな。
恩を仇で、って感じがしないでもないけど。

世の中には、信用という無形の財産になんの価値も見いだせない人種が存在する。

おっさんが契約書を交わせば良かったとかの話ではない。

どうしてかって、契約書を交わすような賃貸物件はおっさんの信用力がなさ過ぎて門前払いだったからだ。

 

北の国から:
フジ系で放送された連続テレビドラマ。
脚本 倉本聰
1981年に週一で放送された後、続編がスペシャル版として2002年まで続いた。
2002年の放送回では、視聴率38%を叩き出した。

五郎は主人公。
妻と別れ、子どもを連れて郷里の富良野に移り住むころからドラマは始まる。
電気、ガス、水道も通っていない所に家を建てる。

 

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