空き家問題のリアル。相続放棄で宙に浮いたボロ家の処分は地主か?行政か?
(回答者に交代)
坂井眞:
よろしくお願いします。
相談者:
あ、よろしくお願いいたします。
坂井眞:
あの、相続放棄をされたのは、
相談者:
はい
坂井眞:
これはちゃんと家庭裁判所に、
相談者:
はい
坂井眞:
3人共、
相談者:
はい
坂井眞:
手続きをして、
相談者:
て、手続きして、その書類も・・取ってあります。
坂井眞:
終わってんですよね。
相談者:
はい
坂井眞:
ハガキが来て・・てやつですよね。
相談者:
はい、はい
坂井眞:
なので・・市がどういう、うー、観点から、
相談者:
はい
坂井眞:
「あなた達に責任がある」と言ったのかちょっとよく分からないんだけれども。
相談者:
多分、土地の上に、建物が、あの、母親の土地の上にあるもんですから。
坂井眞:
はい
相談者:
だから・・「あなたが方の責任、管理です」っていうー、ことを・・言ってるんだと思うんです。
坂井眞:
あのお・・ま、そっちの話から入りますとね、
相談者:
はい
坂井眞:
土地工作物責任っていうのは、民法717条っていうところにあるんですが。
相談者:
はい
坂井眞:
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、
相談者:
はい
坂井眞:
その工作物の占有者は・・あ、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。
相談者:
はい
坂井眞:
で・・この条文からいくと、まずあの、みなさん、もう空き家でそこにいらっしゃらないので、
相談者:
はい
坂井眞:
えこの場合、建物は土地の工作物なんですけれども、もちろん。
相談者:
はい
坂井眞:
えー、誰も占有していないから責任を、負わないんですね。
相談者:
はい
坂井眞:
で・・ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないと。
相談者:
はい
坂井眞:
こういう規定があることはあるんです。
相談者:
はい
坂井眞:
で、お母さんは、
相談者:
はい
坂井眞:
土地の所有者・・
相談者:
はい
坂井眞:
じゃないですか。
相談者:
そうです。
坂井眞:
だから、土地工作物の問題では・・ストレートにはならないので、建物については
相談者:
はい
坂井眞:
誰も我々、ま、お母さま、も含めて、
相談者:
はい
坂井眞:
え「所有者はいませんよ」と。
相談者:
ええ
坂井眞:
「それがどうしてお母さんに責任があるというのか」と
「理由を教えて下さい」と。
相談者:
ええ
坂井眞:
いうのを聞いてみる必要、一つあるような気がするんです。
相談者:
あーはい
坂井眞:
で、そういう、あのお、責任ホントに負うのかどうかっていう話が、
相談者:
ええ
坂井眞:
一つ、ありますけれども。
相談者:
ええ
坂井眞:
ま、だけど、それは「何か起きたら大変だ」と、こういう話・・なので。この問題の解決・・そのもの・・ではないですよね。
相談者:
えー、えー
坂井眞:
で、問題は・・お父さんが所有していた、建物。
相談者:
はい
坂井眞:
不動産ですね。
相談者:
はい
坂井眞:
これが、相続人がいないまま、ずっと残っちゃってるっていうことですよね。
相談者:
ええ
坂井眞:
で、そういう場合にどうするのかということが、民法の、
相談者:
はい
坂井眞:
951条っていうところにあるんですが、相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は法人とすると。
相談者:
はい
坂井眞:
あることが明らかでないときというよりまあ、このケースですと、
相談者:
はい
坂井眞:
相続人がいないわけですよね。みなさん放棄しちゃって。
相談者:
ええ
坂井眞:
で、そういう場合は、あの・・法人とするっていうのは、所謂、財団とおんなじですよね。
相談者:
ええ
坂井眞:
えー、だけど財産だけでは何もできないから、管理する人が、いりい、ますよね。
相談者:
ええ、はい
坂井眞:
で、それについて次の条文の952条で、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、 前条の場合には、つまりさっき読んだ条文ですね。
相談者:
はい
坂井眞:
誰も、相続人が、あ、いないという、明らかでないときは、
相談者:
はい、はい
坂井眞:
家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、
相談者:
ええ
坂井眞:
相続財産の管理人を選任しなければ、ならない。
相談者:
ええ、ええ、ええ、ええ
坂井眞:
って書いてあるので、
相談者:
はい
坂井眞:
で、誰かに、この相続財産をどうするか、決めてもらわないといけないわけですよね。
相談者:
そうですね。
坂井眞:
だってあなたの、お母さんだって、土地持ってるんだけど、
相談者:
ええ
坂井眞:
あのお、持ち主のいない建物が、あって、困ってるわけじゃないですか。
相談者:
す・・そうですね。はい、どうしたらいいものかっていうので、10年経ってます。
坂井眞:
で、普通は、
相談者:
はい
坂井眞:
人の土地の上に誰かが勝手に建物建て始めたら、やめてくれっていう、
相談者:
ええー
坂井眞:
ま仮処分が起きたり、訴訟が起きたりして、
相談者:
ええ
坂井眞:
建っちゃったらあ、壊してどけろっていう、
相談者:
ええ
坂井眞:
建物収去土地明渡し訴訟っていいますけど、そういうのが起きたりするわけですよね。
相談者:
はい
坂井眞:
で、ホントは今、そういう状態なわけですよ。も、誰の持ち主か分かんないっていうか、
相談者:
ええ
坂井眞:
持ち主がいない建物が建ってる状態なので、
相談者:
ええ、ええ、ええ、ええ
坂井眞:
「それを、どかしてください」と言うために、
相談者:
ええ
坂井眞:
相続財産の管理人を選任しなくてはいけないという状況が、10年前から、起きてるわけです。
相談者:
あー
坂井眞:
だから、その土地を、お持ちでえ、
相談者:
はい
坂井眞:
お持ちなのに何の役にも立たないっていうか、税金だけ払ってるんですよね、固定資産税だけ。
相談者:
そうだと思います、はい
坂井眞:
でそれを、ずっと続けるわけにはいかないから、
相談者:
ええ
坂井眞:
相続財産管理人、まさに、利害関係人ですよね。
相談者:
ええ
坂井眞:
お母さんは。
相談者:
ええ
坂井眞:
ま、あなたたちの、まあ、お母さんかな。
相談者:
ええそうですね、はい
坂井眞:
利害関係人として、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、さっき言った、相続財産管理人を選任して下さいと、
相談者:
ええ
坂井眞:
いうことを言って、そうすると、家庭裁判所は、相続財産の、管理人を選任します。ま、恐らく弁護士がなることが多いと思いますが。
相談者:
はい
坂井眞:
で、そうすと、お母さんとしては、
相談者:
はい
坂井眞:
その財団の管理を司る、う、管理人に対して、
相談者:
はい
坂井眞:
「建物をどけてください」っていう話をするわけですよね。
相談者:
あーなるほど。
坂井眞:
うん
相談者:
そのお、財産、管理人・・
坂井眞:
相続財産、管理人
相談者:
に、対して、
坂井眞:
そう
相談者:
「この建物を何とかして下さい」っていうような形・・
坂井眞:
て言う相手がようやくできるわけですよ。
相談者:
ああ、なるほど。
坂井眞:
そういう相手を、作るために、
相談者:
はい
坂井眞:
えー、相続財産管理人の選任を、
相談者:
はい
坂井眞:
お、家庭裁判所に、お母さんが申し立てなくちゃいけないです。
相談者:
ええ
坂井眞:
でそのあと管理人がどういう話をするかは分からないです。
えー家庭裁判所の監督を受けて、どけるのに・・ま木造の建物だったら、そんなにめちゃくちゃ費用掛からないと思うんですけど。
相談者:
ええ
坂井眞:
ま、それでも、あの100万、単位のお金は掛かるような気がしますけどね。
相談者:
はい
坂井眞:
100万とかは掛かるような気がしますけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
あの、そういうお金を掛けて、やるのか、
相談者:
ええ
坂井眞:
あー、例えば・・他にお金・・ないんですよね?相続財産は。
負債があったりだったり。
相談者:
ないです、ないです、はい
坂井眞:
そうすると、その建物だけあって、
相談者:
はい
坂井眞:
どかすのにお金掛けようにも・・掛けれないし困ったなっていうときに、
相談者:
はい
坂井眞:
ま、家庭裁判所と相続財産管理人がどういう相談をするかですよね。
相談者:
あーあ、なるほど。
坂井眞:
それで、今特に市の方から、そういう請求が来ていて、
相談者:
はい
坂井眞:
えー・・まあ、その請求の根拠は、ちょっと、はっきりお聞き出来ないので分からないんだけれども、
相談者:
はい
坂井眞:
もう、市がそういうこと言って来るんだったら、放っとけないじゃないですか。
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
で、それを動かすには、その建物をどうにかする方法を考えきゃいけなくて。
相談者:
ええ
坂井眞:
えーそのためには、相続財産、管理人の選任を、家庭裁判所に請求をして、話を動かして行くと。
相談者:
なるほど。
坂井眞:
で・・
相談者:
やはりその・・
坂井眞:
うん
相談者:
建物をお・・どうにかする・・っていうのは、
「言って来てる市の方で何とかしてよ」っていう話にはならないっちゅうことですよね?
坂井眞:
市が勝手に・・
相談者:
わたしたちの方で・・
坂井眞:
いや、市も勝手に手をつけらないわけですよ。
相談者:
つけられない
坂井眞:
だって持ち主がいない財産は、
相談者:
ええ
坂井眞:
市、だからと言って、市が勝手に手をつけられないわけですよね。
相談者:
あー
坂井眞:
これ例えばね、
相談者:
はい
坂井眞:
土地もお、建物も、
相談者:
はい
坂井眞:
お父さんの物だったら、
相談者:
はい
坂井眞:
あなた達・・3人は、
相談者:
はい
坂井眞:
別に放っといたっていいわけですよね。
相談者:
はい
坂井眞:
関係ないから。
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
・・で、逆に例えば、それでえ、し、市とか・・市民が迷惑をすると思ったら、
相談者:
はい
坂井眞:
市が、相続財産管理人ん、選任の申し立てをしたっていいわけですよね。
相談者:
ええ、ええ、ええ
坂井眞:
「利害関係人だ」って言って。で今、今だってそれやってもいいと思うんで・・市の方に、
相談者:
はい
坂井眞:
「そんなことを言うんだったら」
相談者:
ええ
坂井眞:
あのお、「建物で迷惑だって言うんだったら」
相談者:
えーえ
坂井眞:
利害関係人として、家庭裁判所に、市がね
相談者:
えーえ
坂井眞:
「相続財産管理人の選任を、申し立てて下さい」っていうのも、一つの選択肢だはと思いますよ。
相談者:
あーあーあーあー、そうですね。
坂井眞:
お母さんがやるのか、
相談者:
ええ、ええ、ええ
坂井眞:
市がやるのかは、
相談者:
ええ、ええ、ええ
坂井眞:
それはどっちも、申し立て・・していいはずだから。
相談者:
え、え、え、え・・そうですよね。はい
坂井眞:
市が利害関係人になるかどうかってのは、一つ論点としてはありますけどね。
相談者:
あーなるほど。
坂井眞:
それでも、こんなことをズルズル続けていては、埒が明かないから、
相談者:
はい
坂井眞:
もう、はっきりすっきりしたいと。
相談者:
はい
坂井眞:
いうんであれば、やるべきだし、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
市の方でも、「いや、これはもう放棄しちゃった話で」
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
「もう建物のことについて言われも我々は困ります」と。
相談者:
はい
坂井眞:
ま、「市の方で」、えー、「そういう処理をしてくださいよ」と。
「市が自分で勝手に壊すことができないのは分かるけれども」
相談者:
ええ
坂井眞:
「市だって、利害関係人として、そういう手続きは取れるんではないですか?」と、
相談者:
ええ、ええ
坂井眞:
いうふうに、言ってみるのも一つの方法だとは思います。
相談者:
はい、分かりました。
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(再びパーソナリティ)