ギャンブルで借金漬け。知らないがゆえに美化される亡くなった父親への想い
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
ええ今あ・・そうやって先程中川先生がおっしゃたようにね、お、おと、心の中のお父さんが・・ことを・・
「語り合いなさい」って言いましたけどね、
相談者:
ええ
加藤諦三:
その通りでね、
相談者:
うーん
加藤諦三:
あの、ギャンブル依存症に・・実際にギャンブル依存症になった人たちから大変尊敬されている、
相談者:
はい
加藤諦三:
その通りだぁと、言われている、その、
相談者:
はい
加藤諦三:
・・ロバートカスター博士っていう人がいるんですけどね、
相談者:
うーん
加藤諦三:
そのお、人が人間の根源的欲求っていうのは何かっていうと、
相談者:
はい
加藤諦三:
尊敬されたい・・認められたいっていうものだっていうんですよね。
相談者:
うーーーん
加藤諦三:
で、この説は、実際にギャンブル依存症になった人たちに、ホントに、支持されてる、考え方なんですよ。
相談者:
えーあー
加藤諦三:
ですからね・・中川先生おっしゃったようにその、お父さんと話をする時ね、
相談者:
はい
加藤諦三:
「お父さん、わたしお父さんのこと好きだったよ」って、
相談者:
はい
加藤諦三:
手を合わせてね、
相談者:
はい・・(鼻をすする)
加藤諦三:
そう言ってあげることがお父さんはすっごい嬉しいんじゃないかな?
相談者:
(鼻をすする)うーん、そうですね(泣き)
加藤諦三:
あの・・恐らく・・尊敬されたいと思いながら尊敬してもらえなかった・・
相談者:
うん
加藤諦三:
だけども、今あなたがね、
相談者:
はい(鼻をすする)
加藤諦三:
お父さんにね
相談者:
はい(鼻をすする)
加藤諦三:
そやって・・語り掛けてあげることが、
相談者:
うーん
加藤諦三:
お父さん物凄い天国で喜んでると思いますよ。
相談者:
(しゃくりあげて)そうですかね。あっはは(泣き笑い)
加藤諦三:
うん
相談者:
そうだと嬉しいです。
加藤諦三:
うん
相談者:
うん(泣き)うーん
加藤諦三:
「お父さんのこと好きだったよ」っていうことを、
相談者:
うーん
加藤諦三:
手を合わせて、
相談者:
うん
加藤諦三:
夜になったら、
相談者:
うーん
加藤諦三:
星空を見て言ったらどうですか?
相談者:
そうですね
加藤諦三:
うん
相談者:
そっかあ・・
加藤諦三:
よろしいですか?
相談者:
はい。分かりましたあ・・
加藤諦三:
はい、どうも失礼します。
相談者:
(鼻をすする)ありがとうございましたあ。
加藤諦三:
幸せとは悲しみがないことではありません。生まれた以上、悲しみは避けられません。
(内容ここまで)
加藤 どんな相談ですか?
相談者 えーっとお・・死因を・・調べたいのと
せっかく一番に挙げたのにね。
加藤 「最初の『死因を調べたい』って、そういうことでもないんですよね?」
相談者 「私に子どもがいるんで、何の病気で死んだか?っていうのは知りたいなって」
最後に確認までしたのに・・
「こんにちわあ、中川です。あなた、今とっても幸せなんだと思うの」
(笑)
ダメだこりゃ。
人の話を聞かない社会学者と弁護士。
し方ないからアタシが答えるわ。
女が気にしているのは自分の家系が背負っている身体に関する傾向だ。
癌の家系、とか、
脳卒中の家系、とか、
あるわけよ。
それを知ったからって大したことは出来ないんだけど、気をつけることぐらいのことはできるわけ。
早めに検査を受けるとか、
タバコや酒を控えるとか。
疎遠だった父親の死因をどうやって調べたらいいのか?
これが相談の一丁目一番地。
ま、入院先さえ分かれば実の娘からの情報開示を拒む病院はないと思うけど。
病院は母か兄に聞くしかない。
知らなければ、役所か、葬儀屋か。
いずれにしても医者が死亡診断書を書いて、こうした機関に提出しているわけで、辿ることは難しい話じゃないと思うよ。
あとは死亡診断書だけで納得しないこと。
大腸がんで入院してても、肺炎で死亡したら、死亡診断書の死因欄には肺炎としか書かれていないから。
話ついでに言うと、家系の病歴を相談者が気にするのは、科学的にはまったく正しい。
わたしたちの身体は親から受け継いだ遺伝子によって出来ているからだ。
だから相談者が本気で気にするのなら、父親の病歴よりも手軽にかつ広範囲に知ることができるサービスを利用すればいい。
検索語は「遺伝子検査」。
検査キットを取り寄せ、唾液などを送り返せば、体質や注意すべき生活習慣病なんかを教えてくれる。
価格は数千円から数万円まで色々。
ただ、ハゲや肥満など、レポートには明らかに自分に当てはまらないものもあったりする。
これは別に、検査がいい加減ということではなく(いい加減な業者は論外)遺伝が確率の産物だからだ。
レポートにハズレがあろうと、そんなことで遺伝の論拠は揺るがない。
わたしの遺伝子が父親と母親から半分づつの遺伝子によって書かれたものであることは科学だから。
そして、遺伝子こそが「わたし」を作る設計図だ。
これはわたしたちがオギャアと生まれてから接する環境なんかよりもずっと強力で抗することが出来ない。
では、ついでのついでにもう一つ相談者に伝えておこう。
死因なんかより、もっと重大なとこを見てないし。
世代を超えて遺伝することを隔世遺伝というんだけど、相談者の子は亡くなった父親の遺伝子の四分の一を引き継いでいる。
3人の幼子たちのうち、一人もギャンブル依存症にならない確率は6割未満。
つまり、4割以上の確率で少なくとも一人がギャンブル依存症になる。
そのときこそ星空に向かって父親に話しかけるといい。