別居夫の年金からの婚費が夫の施設入所でゼロ。離婚もできず年金分割できない
(再びパーソナリティ)
柴田理恵:
分かりましたかあ?
相談者:
・・あはい
柴田理恵:
はい
相談者:
あの参考になりましたので、ありがとうございました。
柴田理恵:
はい。じゃ、失礼しまーす。
相談者:
はい、ごめんください。
柴田理恵:
はい、ごめんください。
相談者:
失礼します。
(内容ここまで)
大迫恵美子女史のピント外れを考察してみた
噛み合ってなかったねえ。
明らかに女は年金分割の話をしてるんだけど、大迫女史からの言及は一切なし。
それどころか、夫の年金は夫のものという一点張り。
らしくなくて、聞いてるこっちが戸惑ってしまう。
大迫 「別居してるご主人の年金で、これからも暮らして行くっていうのは難しいかもしれない」
あの・・
役所に押さえられた(*)ことで、そこは相談者はとっくに理解しているの。
(*)差し押さえ:
もちろん、役所といえども年金はアンタッチャブル。
押さえられたのは銀行口座。
だからこそ早く離婚して分割の権利を行使したいだけ。
年金分割に関しては、すでに機構が離婚後の分割額を相談者に回答しているのが全て。
それを否定するかのような回答はオカシイ。
もっとも、女の話にはムリな点がいくつかある。
18年前、66歳の夫は借金から逃れるために失踪し、手持ちの多額のカネを取り崩しながら10年間生活した?
妻は夫に代わって年金受給の手続きをし、10年間それを丸々受け取っていた?
8年前からは困窮した夫が直接受給するようにし、夫は進んでそこから半分を妻に渡し続けた?
これが本当だとすると、自分の生活より妻の生活を優先する責任感と愛情あふれる夫と18年間別居してたわけだ。
一番の疑問は、
公営家賃を1年も滞納し、痴呆で保護対象になりながら、妻が気づいたのは行政からの連絡。
じゃ、一体、2ヶ月に一回支給される年金の半分はどうやって夫から妻に渡っていたのか?
離婚後に夫の年金が分割対象になるということは、現役時代の夫は会社員か公務員。
扶養に入っていた相談者は自身の国民年金をもらっているから、離婚すればそれに夫の年金分割がプラスされるわけだ。
ただ相談者の場合、これまで私的に夫の年金総額の半分をもらっていたわけだから、離婚後はそれよりも減ることになる。(*)
(*)年金分割:
分割の対象となるのは厚生年金(公務員は共済年金)の報酬比例部分だけ。
このことは機構に問い合わせて女も既知。
離婚については、訴訟の手間ひまが掛かるにしても、18年も別居してるんだから何の障害もない。
問題は離婚が成立するまで、さらに年金分割が開始されるまでの間のつなぎの生活費だけど、蓄えがあるんだって。
自身の年金だってあるしね。
じゃあ一体何が問題なんだ?と思って、もう一度今日の相談を確認すると、やっぱり女は単に離婚の見通しを知りたかっただけ。
大迫さん、どうして相談されてもいない夫の年金に目が行っちゃったんでしょう?
読み返すと、大迫さんとの最初のやり取りで、女が役所の対応を不満気に話したのが発端。
で、大迫さんが役所の正当性を説明するために、今現在の夫の年金の位置付けを述べ、
で、それに返す形で、女がこれまでの夫の年金に対する認識を述べ、
で、それに返す形で、大迫さんが女の考えを正し、
:
こうしてどんどん横道に逸れて行ってる。
それは、離婚前の夫の年金に関する議論であって、今日の相談とは何の関係もない。
確かに女に勝手なところはある。
生活に不自由しないことをいいことに18年もほったらかして、この期に及んでなお、夫のことは役所に丸投げ。
役所の対応に不満とか、どの面下げて?
だってもし、差し押さえたのが民間だったら夫もアンタも悲惨の一言。
役所だからこそ、福祉課と連携して、全てを回収に廻さずに、施設入所、さらに成年後見人の手配までやってくれてるのに。
礼を言え、礼を。
離婚するのに苦労するぐらいは自業自得。
大迫さんが横道に逸れたまま行ってしまったのは、そういうことだ。
離婚に関して補足すると、今日のは離婚した方が認知症の夫の利益に適うケース。
しかし大半は、離婚によって認知症の配偶者は不利益を被る。
だから、認知症の配偶者と正当に離婚しようとすれば簡単にはいかない(*)。
(*)簡単にはいかない:
言い換えれば、正当じゃない方法では簡単に離婚出来てしまう。
さすがに重度だとマズイことになるが、軽度であれば、判断能力の落ちた夫に離婚届に署名・捺印させるだけだ。
以下はそういうケース。
これも大迫さんの想いが入ってそうな回。
ただでさえ簡単ではないのに、離婚したい側が有責となればなおさらだ。
「認知症の同級生を尻目にその妻と内縁になった間男。離婚を画策する黒幕は妻か?」
90年代の朝ドラ「ひまわり」のワンシーンのよう。司法実習生である主人公が離婚調停に於いて私見が入り混じった意見をしてしまって依頼者と監督官の逆鱗に触れてしまったシーンを思い出す。それくらい、大迫女史が実習生のやるようなチョンボをやらかした。
もっとも、相談者も隠していることがあるようだ。説明が難しいから省いたのかもしれない。その状況と限られた時間の中で相談者の納得がいく解決策を見出すのが無茶なのだろう。
管理者さんの指摘通りに自治体の対応が真摯なのが救い。関東の某市町村が給与の殆どを差し押さえして裁判に発展したケースもあれば本件のようなところもあると分かったのは勉強になる。