土地の評価額にこだわるも赤字の垂れ流しには無頓着。農地を相続した男の無策
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
よろしいですか?
相談者:
はい分かりました。
加藤諦三:
はいどうも失礼します。
相談者:
ええ、ええ、ホントに、ええ、ありがとうございます。
(内容ここまで)
男 返されても草取りができんし
(笑)
相談のきっかけが右斜め上なんだよねえ。
市街化区域の132坪の土地を遊ばせて、税金で赤字とかさ。
男 もう40年、50年、こんな状態で。
!?
例えて言うなら、
使い途のないお金を貸金庫に預けて管理費を支払う。
乗りもしない車を持って税金だけ払い続ける。
男のやってきたことはこれと同じなんだけど、余裕あるわけ?
男 年金暮らしで、草取り代も厳しい・・
てか、バブルん頃は何してたのかしら。
さて、
こんな感じ?
理想は、一帯の地上げなんだけどね。
そしたら地主皆んなが潤う。
男:
土地の評価額が880万ぐらい。
固定資産税と、都市計画税で、約6万円
フム。
ちなみに、東京都の内訳は以下の通り。
固定資産税 880万 ☓ 1/3 ☓ 1.4% ≒ 41,000円
都市計画税 880万 ☓ 2/3 ☓ 0.3% ≒ 17,600円
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合計 58,600円
地方税なので、全国一律ではないんだけど、どこも似たようなもん。
市街化区域内の農地は、いわゆる「農地の宅地なみ課税」で、上の計算式の1/3や、2/3の軽減率は宅地(200㎡超)のものと全く同じだ。
軽減率と言っても、それはあくまで宅地に言えることであって、普通の農地と比べると冗談抜きで数十倍。
だから、市街化区域で真面目に農業を続けたい人は、指定(生産緑地と言う)を受けて、正真正銘、農地としての課税で済むようにする。
だけどそれには、広さ(500㎡以上、およそ150坪)と、30年ぐらいは営農する覚悟が必要。
いづれも相談者にはムリ。
ていうか、そもそも市街化区域とは、文字とおり市街化を進めるための指定であって、「農地の宅地なみ課税」も宅地への転用を促すのが目的だ。
宅地に転用する際も、通常は許可制のところ、市街化区域の場合は届け出だけで済むように簡略化されている。
まさに相談者のような、相続はしたものの、担い手のいない人を想定しているのだが、笛吹けど踊らず。
宅地にも転用せず、かと言って営農もせずじゃ、立法側も???だ。
市役所を訪ねてソレ言われて来な。
どうしようもないって言うんだけどさ、売れる価格で売ればいいだけの話でしょ。
売値に納得できないから、とりあえず農地のままにしておきたかっただけで。
宅地にして、そこに家を建てなければ、固定資産税に対する優遇はなくなり、税金はいきなり3倍に跳ね上がる。
これが、農業に何の想い入れのない男が、農地を維持してきた理由。
早い話が税金対策。
だけど、ジ・エンド。
男 「車がはいれれば3千万ぐらいになる」
この儚(はかな)い望み。
そして、バブルの面影。
いまだに当時の価値が忘れられない。
高値で売り抜けなかった後悔が、土地を塩漬けにした。
うん
ああ
そう
メモも録音もせず電話してんだろうな~
MOTTAINAI