ボケた成年後見人が車の修理代をムダに尋ねてヤブ蛇女がいきり立つワケ
(パーソナリティも加わる)
柴田理恵:
先生!
坂井眞:
はい
柴田理恵:
先生その、さ、お金の出し入れの、
坂井眞:
はい
柴田理恵:
収支みたいなのを家裁に、報告する義務も・・
坂井眞:
します。
柴田理恵:
あるんですよね?
坂井眞:
あります、はい
柴田理恵:
・・こんな事言うとあれだけど。
こういう事言って来る・・後見人の人っていうのは・・信用できるかどうか分からないじゃないですか。
最近では、その、そういう、こう自分の財産を管理できない人の・・お金を狙って色んな事する人も出て来るって聞いた事があるので、
相談者:
うんー
柴田理恵:
今までのお金の出し入れみたいなのを、
相談者:
はい
柴田理恵:
確認してみる必要・・
坂井眞:
うん
柴田理恵:
んな事は出来るんですか?
坂井眞:
あの・・そういう不祥事も、たまに報道されたりしますので、
柴田理恵:
はい
相談者:
はい
坂井眞:
でわたしがさっき「疑問だ」って言ったのは、ま・・
相談者:
はい
坂井眞:
ソフトに言ってるわけで。
相談者:
はい
坂井眞:
で、もう1つ、
じゃ、「調べなくていいでしょうか?」っていうんですけども、
柴田理恵:
うん
相談者:
はい
坂井眞:
このご相談されてる方は調べる権限ないので。
相談者:
ああ、そうですね、ハハ(苦笑)。
柴田理恵:
あーないんだ。
坂井眞:
うん、あの、その成年後見人に「通帳見せてくれ」って言っても、
「あんたに見せる、理由はない」って言われたら、それはその通りなんですよね。
柴田理恵:
あーあ
相談者:
はーい
坂井眞:
別に権限ないじゃないですか、叔父さんの財産に・・
相談者:
そうなんです。
坂井眞:
手を触れる。
相談者:
はーい
柴田理恵:
あーー
坂井眞:
だから、家庭裁判所に言って下さいと。
柴田理恵:
なるほど。
相談者:
はい
坂井眞:
家庭裁判所は成年後見人に、
相談者:
はい
坂井眞:
「ちゃんとやってんのか?。監督するんだ」って言えば・・
相談者:
はい
坂井眞:
見せざるを得ないので。
相談者:
あ、はい
柴田理恵:
じゃ・・家裁の方に行って、
相談者:
はい
坂井眞:
はい
柴田理恵:
それで、「ちょっとこういう方なので」・・
坂井眞:
はい、はい
柴田理恵:
「ちゃんと調べてもらえませんか?」って・・
坂井眞:
はい
柴田理恵:
お願いする事は出来るわけですね?
坂井眞:
少なくとも今日のご相談と同じ事を、
相談者:
はい
坂井眞:
お伝えすれば、
相談者:
はい
坂井眞:
裁判所も、「それは変ですよね」と。
相談者:
はい
坂井眞:
大丈夫だろうか?と思うはずですから。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
あのお、すぐ動いてくれると、わたしは思ってますけれども。
相談者:
あ、はい
坂井眞:
だからまず最初に、あの家庭裁判所には行かれた方はいいと。
相談者:
はい、分かりましたあ、ありがとうございます。
柴田理恵:
あ、良かったですね、相談して。
相談者:
はい、早速・・実行に移してみようと思います。
柴田理恵:
まーね、叔父さんのためですからね。
相談者:
あ、はい
柴田理恵:
ま、ご苦労様です。
相談者:
あ、はい
(内容ここまで)
女 「叔父の遺産のことで相談がぁ」
あのな、生きとるやろ。
成年後見人が自分の車の修理代の出費について母親にお伺いを立てた。
これはあり得ないくらいおかしな話。
あり得ない話をあり得る話にするには、色んな可能性を考えなくちゃいけないんだけど、いずれも帯に短し、タスキに流し。
柴田さんなんか、司法書士の邪(よこしま)な企みまで疑っていたけど、いくらなんでも散らかし過ぎ。
泥棒が、入りますよ、って言って入るってか?
まず、
司法書士が母親にお伺いを立てたのは、今まで父親にそうしていたから。
で、父親が亡くなったので、し方なく同じことを妻にしただけ。
じゃ、なぜ、司法書士が父親にお伺いを立てていたのか?
親族以外の第三者が成年後見人に就く場合、月々の報酬も決める。
だからって、親族が成年後見人を雇うわけではない。
報酬の原資は被後見人の収入や財産だ。
被後見人のための臨時出費が必要だとしても、そのお伺いを立てる先は、坂井弁護士が言うように裁判所。
だけど、この司法書士が、病院に行くついでの雑務を担っていたらどうだろう?
裁判所が成年後見人を選任する場合、そばで日常の世話をしている人を相当に考慮するっていうのはある。
だけど逆に、裁判所が成年後見人に、看護や、見舞い等の役割を付けることは普通はない。
身の回りの世話は別の民事案件で、家裁の成年後見人専任チームが介入することではないからだ。
成年後見人の役割は、被後見人の法律行為の代行と財産の管理。
これ以外にはなく、報酬もその対価だ。
だから、それ以外のことをしてもらっていたのであれば、別途、謝礼を支払っていても不思議ではない。
そして、この手のカネを父親が出していたのであれば法的に何の問題もないし、お伺いを立てていたこととも矛盾しない。
なにより6年務めた実績は大きい。
成年後見人による横領を最も警戒しているのは裁判所だから。
裁判所は、必要に応じて成年後見人監督人(*)を強制的に選任したりする。
(*)成年後見人監督人:
後見人を監督する人。
財産が多額だっだり、弁護士以外が成年後見人に就く場合とかに選任される傾向。
成年後見人には身内や、社会福祉士なども選任されるが、成年後見人監督人は弁護士か弁護士法人がほとんど。
だけど、今年、父親は亡くなった。
叔父の財産から、成年後見人に所定の報酬以外の金を支払う場合、その合理性を裁判所は厳しく査定するハズ。
誰かがやるしかない必要不可欠なことなら、どうにか可能性はあるけど、車の修理代なんて、逆立ちしても認められない。
なにより、これを熟知しているのは司法書士本人。
申し訳ないけど、やっぱり、まっ先に疑うのは母親じゃない?
女:
母も凄く判断力が落ちて、電話切ってすぐに、話した内容忘れてしまったり・・
司法書士のボケを心配している場合かよ。
ここまで言っていながら、母親の話を起点にすべてを理解しようとするアンタも変。
アタシが保佐人(*)を務める母はほとんどのことを一人でやるけど、ちょくちょく身の回りで不思議なことが起きる。
(*)保佐人:
成年後見人制度における3種類の後見人等のうちの一つ。
後見人等には、その権限の大きさと責任の重さによって、
重い方から順に、
後見人、保佐人、補助人
がある。
人に貸した物が返って来なかったり、
注文していないのが届いたり、
財布のお金が減っていたり。
以前は母の話を鵜呑みに動いて、問合わせたりしていた。
しかし・・
こっちが恥をかくこともしばしば。
今はどうしているかと言うと、
他人に聞く前に、まず母の言い分のウラを取れるだけ取る。
あとは想像と推理も継ぎ足しながら、不思議な出来事をアタシが納得する現実のシナリオにしてチョン。
どうしても疑念が残るときは問い合わせることもあるけど、そのときも、こっちが勘違いしている可能性があるという前提で話をする。
坂井弁護士には悪いけど、いきなり裁判所に通報は、6年務めた成年後見人にする仕打ちとしては陰険過ぎる。
父親と司法書士と叔父。
3人の絆にいっちょかみが傷をつけることにならない?
的外れだったとき、それはそれで良かったで済ませるつもり?
どうしても気が収まらないなら、まず、成年後見人登記事項証明書を取り寄せることだ。
成年後見人等は、不動産や、法人と同様、登記される。
管轄は全国でも東京法務局の一箇所だが、郵送で取り寄せることも可能だ。
相談者は被後見人の姪だから、取得に何の問題もない。
取り寄せる目的は、その司法書士が叔父の成年後見人であることを確かめるためだ。
司法書士かどうかも分かる。
もしかして、裁判所を通さずに父親が私的に頼んでいた可能性すらある。
かなり突拍子もない発想だけど、今回成年後見人が母親にお伺いを立てたのは、それを疑わざるを得ないくらいのおかしなことなの。
ここまで確認できたら、司法書士本人に尋ねるがいい。
母親の話では要領を得なかったので・・とかなんとか断って。
最後に、今日のエントリのタイトルになっている「ワケ」の件。
坂井 「相談者は調べる権限ないので」
それはそう。
でもそれは、まだ叔父が生きているから。
ここへ来て女が首を突っ込む理由は大いにある。
未婚の叔父の相続人は兄弟がなる。
そして、叔父の兄であった父が亡くなった今、父親の相続権は相談者がそのまま受け継ぐ。
これを代襲相続と言う。
女が、「叔父の遺産のことで相談が・・」と言ったのは実は本音で、関心はそれしかない。
司法書士に支払う車の修理代は紛れもなく近い将来の女自身のカネだ。
柴田 「良かったですね、叔父さんのためですからね」
んなわけないでしょ。
女の口調にはカネの匂いしかしない。