我見で遺産の差配を図る女の唯一の正しい認識。姉弟は相続で他人以下になる

テレフォン人生相談 2020年9月19日 土曜日

母が他界して6年。
平等に分けるという遺言書に納得できない妹と弟が遺産分割についての話し合いを避けている。

 

公正証書遺言と、 内容が全く異なる自筆証書遺言。

てっきりこれが論点になるかと思いきや

そこからかよ。

 

父親の遺産分割が終わってないことを指摘されたけど、こうなってしまえばどうだっていい。

こうなってしまえばというのは、兄弟姉妹平等に分けるという遺言に従うこと。

もしこれが、弟が総取りする遺言書なら、母の遺産が資産の全てなのか、それともその半分なのか(*)はすごく重要なんだけど、平等がべースなら、父親の遺産もひっくるめて処理すればいいだけの話。

(*)父の遺産の法定相続分は、母が二分の一、残り二分の一を子ども3人で等分。

 

期待された論点ではあったけど、公正証書だろうが自筆証書だろうが、効力に優劣はない。

複数の遺言書が見つかった場合、内容に矛盾があれば一番新しい遺言書が故人の意思。

だから坂井弁護士が、後に書かれた自筆証書遺言で処理しようとすることに何の疑問も挟まないのは至って普通。

なのでここは普通じゃないアタシが疑問を挟むしかない。

 

興味どころは、誰が自筆証書遺言を主導したのか?

相談者の説明は、
「母の気が変わって」

母の気まぐれで得をするのは相談者。
損をするのは弟。
自筆証書遺言の存在を知っていて、もしくは管理していて、それで進めようとしているのが相談者。

ね?
疑問を挟みたいでしょ?

 

上で言った公正証書と自筆証書に優劣がないというのは、正当な遺言であることが前提。

正当な遺言というのは、本人の意思だということ。

公正証書遺言にだけには代筆が認められるものの、公証人が立ち会って本人の意思を確認するから、正当であることはほぼほぼ間違いない。
てか、それこそが公証制度の役割。

対して自筆証書遺言は、改ざんや偽造が可能である点で、正当性において実に疑わしいわけだ。
誘導や偽造はもとより、二人羽織でも本人が書いたと強弁できる。

 

相談者 「裁判所に遺言書を出してあります。認定いただくように」

これは検認といって自筆証書遺言だけに行う任意の手続き。

勘違いされる向きもあるが、唯一無二の遺言書であるとお墨付きをもらうわけじゃない。

「遺言の有効・無効を判断する手続ではありません」(最高裁判所公式 courts in japan

目的は形式チェックと、遺言書の存在を相続人に知らせること、そして以降の改ざんを防ぐこと。

だから検認の後に新しい遺言が出てきて無効になることだってあるし、偽造が判明することだってある。

 

てか、不自然極まりない。

不自然の一つは母親。
自筆から公正証書へのアップデートはあり得る。
だけど逆はない。
初版が公正証書遺言なら、その訂正も普通は同じ形式をとる。

もう一つの不自然は、任意の手続きであるにも関わらず、相続のイロハを坂井弁護士からレクされるくらいの相談者が検認だけは抜け目ない。

公正証書遺言の方は、母が自発的に書いたのか、弟が主導したのかは分からないけど、いずれにしても、アンタは弟の総取りが受け入れられなかった。

母に頼んで公正証書遺言を更新しようにも、すでに意志薄弱。
自筆証書遺言に頼るしか方法はない。

逆に好都合だったのが、内容はアンタの言いなり。

妹の欲張りが遺産分割を阻んでいるというのが話のトーンだけど、実際は弟との没交渉の影響が大きい。

相談者 「弟に色をつけたい」

免罪符にして弟を納得させたいんだろうけど、総取りから三分の一に減らされた不満は半端ない。

で、妹にも協力を求めたらご覧の通り。
減らすどころか、色をつけろと言われる始末。

アタシ的には法則発動。
相談者こそが台風の目。
弟思いの姉を演じる相談者が実は弟の最たる敵。

記事タイトルには「正しい認識」って書いたけど、実は50点。
100点の認識は、元々他人以下だった兄弟姉妹が相続で表面化。

子どもの頃からおやつの取り合いは激しかった。

 

パーソナリティ: 今井通子
回答者: 坂井眞(弁護士)

相談者: 女73歳 3人きょうだいの長女 妹68歳家庭持ち 弟61歳独身  父は20年前に他界 母は6年前に96歳で他界

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