未婚で生まれた私。60年前に亡くなって認知した父の相続は有効か?
(回答者に交代)
大迫恵美子:
もしもし?
相談者:
はい、よろしくお願いしまあす。
大迫恵美子:
はい、こんにちは
相談者:
こんにちはあ
大迫恵美子:
はい
死後認知のようですけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
認知されて、あなたとその、お父さま、との間の親子関係っていうのがね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
きちんと、それはもう、明らかになっていますので、
相談者:
はい
大迫恵美子:
当然あなたも、相続権があります。
相談者:
はい
大迫恵美子:
それで、向こうの家族のことって分かってますか?
相談者:
お子さんがいるっていうのは分かっているんですがあ、
大迫恵美子:
ええ
相談者:
わたしのほうも、申し訳ないんですが、ちょっとお、相手のことをいちいち、母に聞くっていうのも、母も、なんか、聞かれるのが嫌だったようなのでえ、
大迫恵美子:
ええ
相談者:
聞いて、ないんです、ん、ただ、母が存命のとき10年ぐらい(10年前?)までは、まだ、その方の、奥さま、ですね、
大迫恵美子:
はい
相談者:
も、存命してたっていうことは、母から、聞いてはおりました。
大迫恵美子:
あー、相続権が抽象的にはありますけどね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
ただ、具体的にその、相続財産がどうなっているのかと・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
いうことになると、
相談者:
はい
大迫恵美子:
恐らく、あなたの存在を抜きにしてね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こうの、家庭のほうの相続人で、処理している部分もあるんじゃないかなと思いますし、
相談者:
そうですよね。
大迫恵美子:
ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
或いはその、物によってはあなたを抜きには処分できないような物もあるのでね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
そういった・・物が、どうなってるのか?っていうことを、調べないと・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
抽象的な相続権はあるんだけれども、
相談者:
はい
大迫恵美子:
具体的に、何をどうもらえるのか?っていうようなところまで、
相談者:
あ、そうですねえ。
大迫恵美子:
話を・・進めるとすると、
相談者:
はい
大迫恵美子:
もっときちんとした調査をしないといけないですよね?
相談者:
はい、はい
大迫恵美子:
まずそのお子さんはいるらしいっていうことなんですけどね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
何人いるのか?とかね?
相談者:
あ、それは、分かってるんですがあ、
大迫恵美子:
あーそうですか。
相談者:
わたしより、もだいぶ、年上え、だっていうのは、聞いてはいるんですう。
大迫恵美子:
あー・・
相談者:
た、ただあ・・
大迫恵美子:
1人だけですか?
相談者:
いえ、3人お子さんがいるっていうのは、伺ってます。
大迫恵美子:
あー
奥さんがね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
まだご存命なのか?、もう、いらっしゃらないのか?
相談者:
うん、そうですね。
大迫恵美子:
ということもありますよね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
で、50年前(*)に亡くなったってことなんだけど、(*)
(*)相談者の説明だとどちらかと言えば60年前。
相談者:
はい
大迫恵美子:
正確には、ま、分かってると思うんですけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
そのときに、奥さんのね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
相続分っていうのが、いくらだったのかね?
相談者:
あー
大迫恵美子:
今、半分ですけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
昔3分の1だった時代もあるんですよ。
相談者:
あー、そうなんですか、はい
大迫恵美子:
ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
だから、それはいつ亡くなったのかっていうことと、
相談者:
はい
大迫恵美子:
そのときの法定相続分っていうのはどういう、う、決まりだったかをまず明らかにしなくちゃいけないですけどね?
相談者:
そうですね、今ですと、半分っていう権利が、確かあの、新聞とかでえ、
大迫恵美子:
ええ
相談者:
読んではいるんですがあ、
大迫恵美子:
ええ
相談者:
何しろ昔のことですしい、現金とかですと、正直あの、分けてしまっちゃえばもう、分からないものなのでえ、
大迫恵美子:
ええ
相談者:
そういったのも、あるので、ただ、母に言われていたので、それがホントにそうなのか?っていうのが、知りたいっていうのがあ、気持ちとしてはあったので・・
大迫恵美子:
ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
まあ、あの、ホントに、気持ちとして知りたいというお話であればね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
抽象的には相続、権がありますし、
相談者:
はい
大迫恵美子:
で、その、法定相続分っていうのは、非嫡出子(*1)なので、向こうのお子さんの半分(*2)。
(*1)非嫡出子: ひちゃくしゅつし、結婚していない男女の子。
ちなみに結婚している男女の子を嫡出子。
(*2)これは60年前の相続開始時の規定。平成25年の改正によって、現在は嫡出子も非嫡出子も法定相続分に差はない。
相談者:
はい
大迫恵美子:
3人いらっしゃったのなら、お子さんの、
相談者:
はい
大迫恵美子:
もらう分が、当時半分だったのか?、3分の2だったか、ということがちょっと、う、何年に亡くなられたかを確定しないといけないんですけど、
相談者:
ですね、はい・・はい
大迫恵美子:
で、その、どちらかによって、そのお、おー、お子さんの取り分とされてる分を・・7で割ってかな?(*)
(*)嫡出子であれば人数で等分するだけだが、非嫡出が混じる場合の法定相続分は、分母を[嫡出子の人数 × 2 + 非嫡出子の人数]にして、分子を嫡出子は2、非嫡出子は1にすればいい。
相談者:
はい
大迫恵美子:
7分の1があなたで、
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こうは7分の2ずつかな?
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こうが倍なんです。で・・
相談者:
それはまあ、現金でえ、割るっていうかそういった場合で、先生、あの・・土地とかですとお・・
大迫恵美子:
ええ
相談者:
確かに、わたしの判子とかが、いると思うんですけど(含み笑い)
大迫恵美子:
ええ
相談者:
現金とかですと、分けちゃうと分からないですよね?
大迫恵美子:
要するにその、なんていうんだろ?・・相続分っていうのは、抽象的な財産っていう意味なんですよね。
相談者:
はい
大迫恵美子:
個別の、1個1個についてじゃなくて、
相談者:
はい
大迫恵美子:
財産相対に対しての何分の1っていう考え方なんです。
相談者:
あー、そうなんですか。
大迫恵美子:
んだから、法定相続分っていうのはそういう抽象的な数字として、
相談者:
はい
大迫恵美子:
あなたにはこれだけがありますよってことなんですけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
ただ、何が相続財産かであるかによってね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
例えば土地だけしかない人が、いたとしますよね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
そうするとそれは何分の1って、いったときに、
相談者:
はい
大迫恵美子:
それを・・何分の1ずつに、切って分けるのか?とかね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
家が1戸しかない人だったりすると、それは切れ、ないので。
相談者:
そうですね。
大迫恵美子:
ええ、だから・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
最終的には、ま、金額に換算して、分けるってことになるんでしょうけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
具体的にじゃ、金額に換算するって言っても、家しかないときに金額で換算しても・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
家を売ってお金に換えないといけないっていうことになりますし、
相談者:
はい
大迫恵美子:
その抽象的な相続分っていう考え方と、
相談者:
はい
大迫恵美子:
実際に何をもらえるのかっていう話とは、
相談者:
はい
大迫恵美子:
少し、段階が違うのでね?そこはまず、分けて考えなきゃいけないです。
相談者:
はい
大迫恵美子:
で、そういうその問題と、もう1つはね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
おっしゃる通り、不動産は、あなたの・・判がないと、分けられないはずなんですけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
ただ・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
あなたは死後認知を、してもらってるのでね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こうの方が亡くなられてから、
相談者:
はい
大迫恵美子:
あなたが認知を受けるまでの間に少しタイムラグがありますでしょ?
相談者:
はい、はい
大迫恵美子:
その間(かん)に・・分かっている相続人たちの間で、処分してる可能性はないではないですよね?
相談者:
あー、そうですねえ。
大迫恵美子:
ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
いろんな意味で、確かに権利はあるんですけど、
あなたが実際に何をもらえるか?っていうのは結構難しい問題があるんですよ。
相談者:
そうですね。
大迫恵美子:
ええ
相談者:
では、向こうが、言ってくればあ、それに対して反応すればいいっていうことで、もう、財産はない物として思っておけばいいっていうことなんでしょうか?
大迫恵美子:
ま、今おっしゃってることの意味もね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
いろんな意味があり得ちゃって、一概に「はいそうですね」って言えないんですけど、
相談者:
はい、はい
大迫恵美子:
つまりね?
「向こうが言って来るまで」って今ちょっとおっしゃいましたけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こうは、あなたの判がないと動かせなくて困ってるとかね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
向こう側のほうで困ったからあなたに言って来るっていうことですよね?
相談者:
あー
大迫恵美子:
つまり、あなたに分けてあげようと思って・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
親切で、
相談者:
はい
大迫恵美子:
声を掛けて来るっていうことはも、ほぼ期待できないですよ。
相談者:
あー!、そうですね。
大迫恵美子:
だって50年もそのままなんですからね?
相談者:
そうですね、分かりました。
大迫恵美子:
うん
だから、これを動かすとか、これが、何か意味があるかどうかについては、
相談者:
はい
大迫恵美子:
あなたが、「自分の権利行使をしよう」と考えないと、
相談者:
はい
大迫恵美子:
おー、あなたの権利があるということが、何か意味が、あることにはならないだろうと思います。
相談者:
あー、分かりました。
大迫恵美子:
あともう1つは、例えば自宅のね?不動産みたいな物が・・まだまだ亡くなった方の、名前のまま残っちゃってると。
相談者:
はい
大迫恵美子:
それで、どっか、何かしなくちゃいけないことになったときに、
相談者:
はい
大迫恵美子:
調べてみたら、
相談者:
はい
大迫恵美子:
亡くなった方には、あなたというお子さんがいるということが戸籍に載っちゃってるのでね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
その段階で、じゃ、この、不動産をどうにかしようとすると、それはあなたの判子が必要ですから、
相談者:
はい
大迫恵美子:
そのときには声が掛かると思います。
相談者:
はい、分かりました。
大迫恵美子:
はい
それから例えば、その、預金が、ま、50年前の預金っていうのも考えづらいですけど、
相談者:
(苦笑)そうですね。
大迫恵美子:
何かの権利がね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
亡くなった人の、名前のまま、放置されていて、
相談者:
はい
大迫恵美子:
それが今になって、明らかになって、なんとかしなくちゃいけないと・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
いうことになったときには、全部戸籍を調べて相続人を洗い出さなくちゃいけないので、
相談者:
はい
大迫恵美子:
そうするとあなたが、登場して来るわけですけど。
相談者:
はい
大迫恵美子:
すでにもう、あなたがいない段階で、処理が終わっちゃってればね?
相談者:
・・そうですね。
大迫恵美子:
うん、ま、遡ってあなたを探し出して何か、声を掛けるっていう必要性がまったくないのでね?
相談者:
はい、はい
大迫恵美子:
声は掛からないだろうなと思います。
相談者:
分かりました。
大迫恵美子:
はい
相談者:
はい
大迫恵美子:
ま、もしあなたがね?この権利を・・なんとか自分でね?、考えることがあるんだとすると・・
相談者:
はい
大迫恵美子:
それはやっぱりどういう財産を残されて亡くな、ったのかね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
調べないといけないし、
相談者:
はい
大迫恵美子:
そしてその、例えば・・不動産がそのまんま、名義のまま、ね?置いてあるって、それは珍しくないのでね?
相談者:
そうですね。
大迫恵美子:
ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
誰か例えば長男の人がずうっと住んでて、
相談者:
はい
大迫恵美子:
ま、気がついたら、亡くなった人の名義のまんま、動かしてなかったね、みたいなことってあるんですよね。
相談者:
そうですね、はい
大迫恵美子:
ええ
で、そういうのがね?、もうあなたのお子さんの代ぐらいになってから紛争になることもあるわけですよ。
相談者:
そうですね今、空き家問題とかいろいろ・・
大迫恵美子:
ええ、ええ
相談者:
はい
大迫恵美子:
ま、あんまりね?その権利の、儲かる話じゃなくて(苦笑)、
相談者:
はい
大迫恵美子:
むしろその義務を負担させられる、話として、あなたの権利が問題になって来るという可能性もありますよね。
相談者:
はあい
大迫恵美子:
だから・・
相談者:
ですから、いいことばっかりではなく・・
大迫恵美子:
あ、もちろんです。あの・・
相談者:
あのお、
大迫恵美子:
相続っていいことばっかりじゃないんです。
相談者:
はい
大迫恵美子:
ま、50年前のことなので今更、この亡くなった方の借金がね?
相談者:
はい
大迫恵美子:
あなたに、被さって来るってことは、恐らくないと思いますけど、
相談者:
はい
大迫恵美子:
ただ、やっぱり、普通の相続の場合はね?、プラスもマイナスも含めて全部引き取らなきゃいけないというのが相続の、しくみなので。
相談者:
はい
大迫恵美子:
相続ってもちろんいいことだけじゃないんです。
相談者:
そうですね。
大迫恵美子:
ええ
相談者:
分かりました。
大迫恵美子:
はい
相談者:
はあい。ありがとうございます。
(再びパーソナリティ)
今60の人の子供時代、認知されたとは言え愛人の子という立場は半端じゃない苦労があったはずなのに、育ちに関する愚痴ゼロ、母親に感謝の言葉。なかなか出来た人だと思う。
遺産も何がなんでもって話じゃなく、なんとなく心に引っ掛かってたんだろうね。
この相談そのものより、管理人さんのコメントが読み応えあって嬉しいです。
こういう謎解きっぽい解説の大ファンです。今後ともよろしくお願いします。書き起こし共々感謝しております。
母親の最晩年に遺した、暈した言い方がずっと気になった‥の方が強いのかな。相続権よりも。自己を憐れむ風でもない、生活に困ってるという風でもない口調だったから。あとは管理人さんのご指摘通り、半世紀以上生きて全く戸籍謄本を取得しなかったという人生とはありえるのか、という点。やはり父親欄は見ているのではなかろうか。体張って生きた母親と、感謝する相談者。それで良いのではないか。
余談書けば、15年程前に市民課で働いていた時、婚姻届提出の際に戸籍謄本は必須だった。相談者の年齢を考慮すれば、住民基本台帳ネットワークも無かった時代に婚姻したと思われる。やはり結婚の時点で戸籍謄本を相談者自身は見た可能性はある。