テレフォン人生相談 2023年11月25日 土曜日
かねてから違和感を覚えるのが「法定相続人」という言い方。
アタシだけだが。
法定相続分という言い方はあっていいの。
私的合意の相続分が上にくるので、それと区別するためには「法定」と付ける必要があるから。
でも誰人も相続人を選ぶなんてことはできない。
相続人が誰かについては法定以外にはないのだから、シンプルに「相続人」でいいの。
で、今日の相談。
弟さんの相続人は実父ただ一人。(後に書いたけど、実は違う可能性)
遺言がない以上、相談者は実父に幾ばくかの贈与をおねだりする立場。
判例に従えば、アンタが負担したであろう祭祀費用ですら実父の相続分から払う義務はない。
窓口を弁護士にされてしまい良心の呵責というカードを失った今、塩谷弁護士言うように相談者の残ったカードは唯ひとつ。
弟の遺産総額についての情報提供。
いじわるレベルだけどね。
そのレベルでよければ、他にもあるよ。
たとえば、相続人になったことを実父の住まいの税務署に知らせるとか。
無申告を罰してもらうためだけど、遺産が基礎控除3,600万円超えじゃないと意味がない。
それより影響が大きそうなのが、弟夫妻の亡くなった順序。
もし一分でも先に弟さんが亡くなったことを証明できれば、遺産の3分の2は妻の遺族のものだ。
もちろん順序がこの逆なら、妻の遺産の少なくとも3分の2(*)も実父のもの。
実父の弁護士は狙ってくるかもしれん。
(*)少なくとも3分の2: 親が亡くなっていて兄弟姉妹(あるいはその子)がいれば4分の3。兄弟姉妹もいなければ全部。
どんな理不尽な相続でも生前であればいくらでも対策できます。
間に合った回。
間に合わなかった回
ざんねーん!遺言寸前に逝く。相続人が居ない退職金2千万の行方
相談者: 女50歳 夫48歳 中学2年の子供一人 実の父と育ての父がいる 母は他界 きょうだい三人(3ヶ月前他界した弟)
今日の一言: 資産には経済的資産と心の資産と両方あります。