30年追い続けた小説家を見切った風の統失を高橋龍太郎が追い打ち

(回答者に交代)

高橋龍太郎:
もしもしい?

相談者:
もしもし。

高橋龍太郎:
はじめまして。

相談者:
あ、はじめまして、どうも。

高橋龍太郎:
高橋でーす。

相談者:
よろしくお願いしま、す。

高橋龍太郎:
はい、よろしくお願いします。
今、B型作業所は、毎日いけてるんですか?

相談者:
あ、はい、毎日行けております。

高橋龍太郎:
B型作業所の生活はどうですか?

相談者:
1日の作業時間もそんなに長くないですし。

高橋龍太郎:
うん

相談者:
まあ、か、快適と言えばまあまあ快適です。に、人間関係も悪くないですし。

高橋龍太郎:
うん。
・・そこで、ええ、生きている、そういう作業自体は、あなたにとっては、どんな意味があるんで、す?

相談者:
社会と繋がってるというのがありますし、

高橋龍太郎:
うん

相談者:
些細ながらも、収入を得てるという、意味もありますし。

高橋龍太郎:
うん

相談者:
ついては、収入の多い、A型作業所、あるいは一般作業につながるという意味で、今のB型作業所に、通っております。

高橋龍太郎:
うん。そういうことは、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
あなたにとって、喜びにならないの?

相談者:
・・喜びというほどではなくて、まあ、精神健康の維持のためにやっているのであって。喜びというものではないです。

高橋龍太郎:
でも、自分のできる範囲で、毎日、そこに出かけて、ええ、 いろんなことを続ける。あるいはそれを続けている仲間と一緒にいるっていうことは、人間にとっては、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
1番、本質的な出来事じゃないの?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だって、小説家として、成功するっていうのは、例えば・・喜びで。作業所おおお、の、小さな生活は喜びじゃないって言ったら、小説なんか多分書けないと思うよ?

相談者:
あああ・・

高橋龍太郎:
小説ってさ、売れるために書くっていうつもりで書いてたら、そんな小説、人が読みたいと思う?

相談者:
・・いえ、売れるためではないです。

高橋龍太郎:
ねえ。
小説を、我々は読むのはさ、

相談者:
はい

高橋龍太郎:
そこに、1人1人、どんな人間でも、生きる喜びを見出したり、ほかの人には見つけられない・・何か、 自分の、世界だけの、楽しさがあったり。そういう、発、見、することが・・1つ1つ、本を読む喜びなんじゃないの?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だってさあ、人間って、今日生まれました・・ 50年後に死にましたって。たったそれだけの存在かもしれないけど、それ、そのまんま書いたら、小説になる?

相談者:
なりませんね。

高橋龍太郎:
ならないじゃない。

相談者:
はい

高橋龍太郎:
1人1人の生きてく瞬間瞬間の、独自の、1人1人の見方を書くから、小説って存在するのよ。

相談者:
はい。

高橋龍太郎:
それを、一絡げで結論だけ出してるっていう見方をしてる限りは、小説は書けないと思うよ、残念ながら・・

相談者:
昔はそうじゃなかったんですけど、どうしてこういう見方になってしまったのかと、自分でも疑問なんです。

高橋龍太郎:
うん、だから、長い間、いろんな形で苦労して。でも、注目もされなかったら、そのうち・・ なんとなく、もうつまんなくなってえ。それこそ、そういう世界を、諦める、た、め、に、あなたがわざわざ、 逆の理屈を作っちゃって、その世界から離れようとしてるだけなんだよ。

相談者:
そうですかね。

高橋龍太郎:
そうだよ?。昔はそうは思わなかったんでしょうに・・
表現すること、1つ1つが、あなたにとって喜びだったんじゃない。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
要するに、人からどう思われようと、自分1人の世界で、自分を発見し続けるっていうことが・・あなたの文章を書く、本来の喜びだったんじゃないの。

相談者:
そこまでは考えていませんでした。ただ、自分が面白いと思ったのを書いてるだけなんです。

高橋龍太郎:
うん。
まあ、別に、その、面白かったっていうことお、が、 表現世界だったかもしれないけれど。

相談者:
はい

高橋龍太郎:
1人1人が、自分の生き方を、言葉にする。しかも、それは、 密かに、自分だけで、書きためて、いたと思っていたら、それを理解してくれる人が、何人かいた。
それは、少人数だったけど、自分のことを理解してくれてるんだっていう喜びが、自分の中に湧き上がるっていうことで、人は、文章を書いたりするんだよ?

相談者:
はい

高橋龍太郎:
それ、同じことなんだよ。作業所の、作業も。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
B型作業所で、人から見ると、「あんなつまんない内職どこが面白いの?」っていう、言われるかもしれないけど。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
1人1人そこにいる、例えば、統合失調症の人とか、発達障害の人とか、うつ病の人が、 昨日できなかったことを、丁寧にやってたら、今日できるようになったっていうことが、その人、1人1人にとっての、

相談者:
カーカー(カラス鳴き声?)

高橋龍太郎:
すごく大きな喜びなの。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だから、みんな、他の人から比べると、安い、100円200円の時給でも、そこにいて作業することが、1人1人みんな、面白いんだよ。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
それと同じことが、あなたの文章を書くことでも、できていけば、そんな、小説家として売れるってことなんかは、 別に、二の次で。自分を表現するっていうことが、あなたにとって1番大事なことなの。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だから、その、1番大事なことを忘れて、結論だけ先取りしちゃったから、中身が空っぽになっちゃったんだよ?、 今のあなたは。

相談者:
・・◆#$%□

高橋龍太郎:
だから、空っぽにしないためには、 自分が自分を表現する喜びっていう、1番最初の原理に、立ち戻れば、もう1度、描く喜びって蘇ってくると思うよ?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
それと同時に、生活のためには、今、障害者年金ももらって、年金はもらってるの?

相談者:
ああ、はい。

高橋龍太郎:
で、生活保護をもらいながら、作業所、お給料ももらいながら、仲間と自分ができる範囲のことを、繰り返すこと。その喜びも、自分が発見していかないと、 人生が、小説の観念世界だけが楽しいんだと思っちゃうと、逆転しちゃうよ?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
現場で、生きてることが、まず第一、楽しいの。で、その楽しい現場を、表現することで、小説があるんだから。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
小説の世界だけが浮き上がって楽しいんだと思って生きようとすると、どんどん、どんどん・・生きる世界が空っぽになっちゃうよ?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だから、地に足をつけてる、生きてる世界が、 まず第一歩、「楽しい」っていうふうに、気持ちを切り替えていかないと、書く力も、逆に、生まれてこない・・わかる?

相談者:
・・ああ、はい。

高橋龍太郎:
だから、 あんまり、その、小説を書く、小説を書くという、ことで、少し、頭でっかちになっちゃったんじゃないかなあっていう、気がしました。さっきから聞いてて。

相談者:
・・

高橋龍太郎:
だから、頭より、手足の筋肉の動きやなんか、あるいは自分が動いてる日常みたいなものに、目をつけていく方が、小説が書けるようになっていくような気がするよ?

相談者:
・・

高橋龍太郎:
なんか、人の、小説をみて、「ああ、この構造はこうなってるだけじゃないか」とか。なんか、作品分析することだけで、小説を書こうとすると、どんどん、どんどん、頭でっかちになって、自分の持ってる、描く、 ことの、喜びみたいなもの、失われてしまうような気がします。

相談者:
・・・・はい、ありがとうございました。

(再びパーソナリティ)

「30年追い続けた小説家を見切った風の統失を高橋龍太郎が追い打ち」への18件のフィードバック

  1. 30年も小説もどきを書き続けて箸にも棒にもかからない現実を受け入れろよ。心の病なんて甘えた言い訳をやめて、フルタイムの仕事を探して生活費くらい自分で稼げ!

  2. 人生をつまらなくする方向を選び続けてきたのかな?
    言い訳ばかりして生きてきたのじゃないですか?
    独学で・・・って、小説を書くための学校、教師、なんてありませんよ。

    統合失調症? 幻覚・幻聴さえ出ていないのでしょう?
    精神病なんて症状に合わせて病名を割り当てているだけです。
    統合失調症と言う言葉に相談者は自分を当てはめようとしているだけです。

    診断されたのはどうして?
    退職するため、手帳を貰って障害者年金を受け取るため、のただの手段です。

    相談者の、つまらなさそうな話し方。その考え方、態度、
    が周りに影響を与えて全て返ってきていた人生だと感じました。

    回答者、精神科医かぁ・・・と始めは心配でしたが、
    良い回答でしたね。
    柴田さん最後の言葉も。

    統合失調症なんてお金をもらうためだけの病名で、私は違う。と思って、
    まずは自分が楽しめる事を探しましょうね。

  3. 相談者の異常とも思える早口 回答者が落ち着いた口調の高橋先生で良かった

  4. 早くに妹さんやご両親を亡くした相談者のこれまで生きてきた軌跡はどんなものなのか・・・頼る人も甘える人もおらず、さぞ壮絶だっただろうと想像できます。生きる希望だった小説家への道をあきらめたようですが、
    回答者の先生が言われた言葉を聞いて、もう一度立ち上がってくれることを期待します。 私自身にも今日の高橋龍太郎先生のお話は、耳が痛くもあり、迷いの答えを確認できた気がします。 もう自分に厳しいことを言って下さる人は、ほとんどいなくなりましたが、やはり年配の方の言うことに耳を傾けるのは、大事なことだと改めて思いました。

  5. ・・・となっている相談者
    ・・・のまま時間が来て、相談が終わってしまったが
    高橋先生以外の回答者であっても・・・で終わりそう。

  6. 就労継続支援もA型で廃業が多発するなど、厳しい時代に入っていますが、今所属するB型で頑張れ!
    ちなみに、A型は通常雇用に準ずる待遇ですが、諸事情で収益が得にくい状態が続いているそうです。
    国が今年に入って不採算事業所の報酬カットなどを始めたことが主原因ですが、正直困りますよねえ。
    ところで、ご相談者さんは小説家志望ということですが、両立前提も無理しない範囲でやりましょう。

  7. ある番組で作家の山本一力さんが「小説家を目指す人は、売れるとか売れないとか、読んでもらえるかなんて関係なく、書かずにはいられない❗という衝動が、まず、ないと。」とおっしゃっていました。
    大河の「光る君へ」でも、主人公が「読んでもらうために書くのではない。書かずにはいられないから書くのです。」と言っていました。これは脚本家の大石静さんの気持ちでもあるのでは?
    相談者さんにそこまでの思い入れはなさそう。では、彼の小説家になりたいという動機は何か。単なる承認欲求ではないでしょうか。

  8. 壮絶な人生ですよね。これを題材にするだけでも結構な小説を一本書けそうなのに。そういう発想がなかったのか、書いたけど認められなかったのか。話を肉付けする力がないんでしょうね。
    小説家になれなくても、趣味で何か文筆活動を続ければいいのに。

    1. 相談をきいていて、今の相談者さんの精神状態では面白いものは書けそうにない気がしました。書いたものをいきなり応募する前に、まず誰かに読んで貰って感想をきかなくちゃ。
      読書の好きなサークルや同人誌とかあるので、仲間を探してもいいし、練習として作業所の経験を書いてどこかに投書するとか、作業所の新聞を作るとか。文章を書きたい気持ちがあるなら趣味でもいいから続けてみては?

  9. 小説家になりたいから書くのか
    書かずにおられない物があるから書くのか
    この方はどっちなのだろうか。

    しかし普通の人よりもハードな人生経験をお持ちなのだから
    いつかきっと何か書けるのではと思う。
    それこそ作業所での体験などいくらでも題材があると思う。
    どうしても形に残したいなら自費出版という手もあるし
    ネット上で小説を公開すれば誰かは読んでくれるかも。
    小説を書く人のほとんどが売れないまま終わるのだろうが
    それでも書く意味はあると私は思う。

    高橋先生は精神科医だが美術品コレクターとしても有名だそうで
    芸術を愛する人の目のアドバイスは新鮮だった。

  10. 夢破れて途方にくれる。次の生き甲斐なんて簡単にみつかるわけもなく… そんなときは、悪足掻きせず淡々と生きていくのがいい。特に精神状態が悪いときは 流れに身を任せたほうがいいですよ。

  11. アートコレクターの精神科医が、芸術家志望のメンタルの患者さんを押さえ込みで一本取っちゃった、そんな印象
    同じご病気のある草間彌生さんって芸術家もおられるし、創作活動の方向性を変えたら、龍太郎先生のギャラリーに飾られるかもしれないな

    そもそも、病気がなくても、40になれば記憶力も思考力も若い時よりは落ちるし、なんとなく人生の先が見えてきて、ミッドライフクライシスに陥って虚しさを感じる人は普通にいる
    相談者の場合、それに加えて家族もいない、メンタルの不調がある、物書きになる道もほぼ途絶えた、ってんで、本当に気力が湧いてこないんだろうな
    単純にインプットが足りなかったからアウトプットするものが尽きた、ってこともあるのだろうけど

    龍太郎先生に変わったら黙りこくっちゃって、相談者さん全然納得してなさそうだったけど、どんな回答なら満足だったんだろうか
    この身の上で「今から楽しいことを探せ」って他人に言われるのも酷な話とは思うし、お薬の影響もあろうけど、日々の生活の中で何かに喜怒哀楽を感じないと、人生に張り合いがなかろうし、書くことも見つかるまいよ
    加藤先生がいつも引用されるシーベリー曰く
    「どうにもならないときは「あなたが変われ」というメッセージ」

  12. 自分にしか興味がない人、想像力がない人は小説なんか書けないよという相談。ブログ書いて人気出たら続けたらえ~んちゃう?

  13. 自分も幻聴、幻覚のない統合失調症患者ですが、体調が良いときは色々出来そうな気がするけど現実は苦しいです。このコメント欄を見ると無理解の人も複数いますね。申し訳ありません。

  14. 小説の賞の選考している人が告白してた。
    一次二次選考で落とすのは「若い嫁と地位と財産が天から降ってくる男が主人公」の小説とのこと。
    なろう系にすら引っ掛からない小説を相談者も書いてきたのかも。
    高橋先生に介錯されて良かったと思う。
    「日常を大切にしてないように見える」と指摘されて怯むあたり、とても小説家に向いてるとは言えない。
    どうか、これからは行政のお世話になって静かに暮らして欲しい。
    相談者は真に誰かの世話が必要な存在だと思う。

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