家族の矛盾は優しい者へ向く。息子をオーバードーズで失った母親の自責に追い打ち
テレフォン人生相談 2017年8月23日 水曜日
次男が薬物依存の果てに、大量摂取で亡くなった。次男が追い詰められていたことに責任を感じ、後を追いたいと思ってしまう。
オーバードーズって言えば何か変わるのかしら。
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: マドモアゼル愛(心についてのエッセイスト)
相談者: 女55歳 夫55歳 長男32歳既婚で別居 次男2年前に23歳で他界 三男19歳学生と3人暮らし
今日の一言: 最後に人を救うのは真実です。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
もしもし
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
よろしくお願い致します。
加藤諦三:
はい。
最初に年齢教えてください。
相談者:
はい。55歳です。
加藤諦三:
55歳。結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
えー、ご主人何歳ですか?
相談者:
55歳です。
加藤諦三:
はい同い年。
お子さんは?
相談者:
・・えとお、今一緒に暮している・・三男が、19歳大学生です。
加藤諦三:
はい分かりました。
相談者:
はい
加藤諦三:
で今3人で暮らしてる分けですね?
相談者:
はい
加藤諦三:
はい・・で、どんな相談ですか?
相談者:
えっと、2年前に
加藤諦三:
はい
相談者:
次男が、23歳で、亡くなったんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
えっと・・わたしは、次男のことをよく分かってあげられなかったせいで・・わたしのせいで亡くなったんじゃないか?っていう・・
加藤諦三:
はい
相談者:
気持ちが・・強くて、とても苦しいです。
加藤諦三:
はい。で、あの、次男あーん、が2年前ということで、
相談者:
はい
加藤諦三:
長男は、今何歳ですか?
相談者:
はい。長男は、32歳です。
結婚して外に出てます。
加藤諦三:
もう外に出てるわけですね?
相談者:
はい
加藤諦三:
それで・・23歳の次男の方は、
相談者:
はい
加藤諦三:
亡くなられたのが、「わたしのせいではないか?」と、思うようになった原因っていうのは・・
相談者:
はい
加藤諦三:
何でですか?何か思い当たることがあるわけですか?
相談者:
・・あ、亡くなり方が、
加藤諦三:
はい
相談者:
あのお・・オーバードーズ(*)なんですけれども、
(*)overdose: 過剰接摂取
加藤諦三:
はい
相談者:
薬物依存に、なって、いたんですけれども、
加藤諦三:
はい
相談者:
その、ことをわたしが知らなくて・・そこまで・・追い詰められていたっていうことを、分かってあげて・・いなかった・・
加藤諦三:
ふーん
相談者:
っていうことで、
加藤諦三:
・・という・・
相談者:
それで分かってあげれなかった・・
加藤諦三:
ということはその薬物依存になってるということは、
相談者:
はい
加藤諦三:
非常にその時点では・・
相談者:
はい
加藤諦三:
本人の心は苦しいですけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
外から見ると、非常に、せ・・社会的には非常に正常だったということですね?
相談者:
いえ、違います。
小学校・・4年生ぐらいから、不登校になって、
加藤諦三:
はい
相談者:
5年生ぐらいは、から、ほとんど学校に行ってなくて、
加藤諦三:
はい
相談者:
それで中学校は・・出席日数がゼロです。
加藤諦三:
はい
相談者:
それで、中学の・・2年生の後半ぐらいから、家に引きこもるようになりまして、
加藤諦三:
はい
相談者:
それで・・高校には、やは、やはり・・出席日数が足りないっていうことで入れなかったんです。
加藤諦三:
はい
相談者:
それから、あのお・・音楽が好きでしたので、
加藤諦三:
はい
相談者:
家で、作曲を、するようになって、
加藤諦三:
はい
相談者:
インターネットで販売とか、
加藤諦三:
はい
相談者:
して・・暮らしていたんですけれども、
加藤諦三:
はい、それで・・あのお・・あなたご夫婦・・
相談者:
はい
加藤諦三:
ご主人とはどんな関係だったの?
相談者:
二十歳で結婚したんですけれども(涙声)
加藤諦三:
うん
相談者:
結婚してから、すぐに夫の暴力が・・
加藤諦三:
あーやっぱりねえ
相談者:
ありまして。
加藤諦三:
うん、はいはい
相談者:
それで、ま、子どもにもちょっと手を上げたりとかすることがあって、
加藤諦三:
はい
相談者:
止めに入ると・・わたしが、殴られ、てました(涙声)
加藤諦三:
う、それで、お兄さんは・・
相談者:
はい
加藤諦三:
32歳のね?、お兄さん
相談者:
はい
加藤諦三:
結婚してもう外出て・・
相談者:
はい
加藤諦三:
このお兄さんは、とにかく、「この、親はどうしようもない」って言って早く見切りをつけて出てったんですね?
相談者:
父親のことは好きじゃなかったと思うので、
加藤諦三:
ええ
相談者:
そうですね・・22歳ぐらいに・・家を出ましたけど(鼻をすする)
加藤諦三:
うん、だから・・
相談者:
はい
加藤諦三:
22歳に家出るったって、このお・・次男は23歳でこういう事件を起こしている訳ですから、
長男は、
相談者:
はい
加藤諦三:
・・この、家族と縁を切らなければ・・自分の生きる道がないなっていうことはハッキリ分かって・・行動したわけですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
・・で、この23歳で命を絶った人は・・
相談者:
はい
加藤諦三:
・・ほんっ、とに優しいから、このどうしようもない家族関係の中で、
相談者:
はい
加藤諦三:
なんとかしようと思ったんでしょうね。出てかないのは。
相談者:
・・はい、そうだと思います。
加藤諦三:
引きこもったっていうんでしょ?
相談者:
はい、そうです(鼻をすする)
加藤諦三:
「ふざけんじゃねえ!、バカヤロー」つって高校ぐらいになったら力あるんだから、暴力振るったっていいんだから。
相談者:
そういうことは、一切しませんでしたけど・・
加藤諦三:
うん、しないんだよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
でむしろ、この家族の中の、いざこざを、
相談者:
はい
加藤諦三:
自分が何とかしようという風に、
相談者:
はい
加藤諦三:
・・ほんーとに優しい子だったねえ。
相談者:
そうです(鼻をすする)
加藤諦三:
で、みんーなして、この優しいこと、子に・・矛盾をシワ寄せして、
相談者:
はい
加藤諦三:
自分たちが生き延びたんだよね。
相談者:
(鼻をすする)そうだと思います。
加藤諦三:
うーん。で、あなたそこまで分かってんだったら、
相談者:
はい
加藤諦三:
「わたしのせいで亡くなった」というよりも、ご主人との関係をもうちょっと・・
相談者:
あのお、夫は今とても優しくて、あのお・・今は・・そういう暴力とか、そういうことは、ないです。
それで、
加藤諦三:
うん
相談者:
その・・息子が亡くなった時に夫が初めて泣いたんですね。
加藤諦三:
うんうん
相談者:
その時、長男が言った言葉が、
加藤諦三:
うん
相談者:
「初めてお父さんを・・いい人だと思った」って、言ってました(涙声)
加藤諦三:
うーん
相談者:
(鼻をすする)
加藤諦三:
でね・・今日の相談というのはま・・自分のせいで亡くなったと思って、
相談者:
はい(鼻をすする)
加藤諦三:
で自分を責めてるって言いましたね?
相談者:
はい。今でも、次男のところへ行ってしまいたいという気持ちが・・(泣き)
加藤諦三:
ま、ん、責めているからね。
もう、次男のところに、もう行こうということですよね?
相談者:
はい、わたしも・・13年前から、うつ病を患っていまして、
加藤諦三:
通院してんの?
相談者:
はい。通院してます(鼻をすする)
加藤諦三:
ふうん・・最初に言った、自分のせい・・でこうなった、と言って、苦しくてしょうがない。今うつ病だと。
相談者:
はい
加藤諦三:
診断されていると。
通院していると。
「わたしどうしたらいいんでしょう?」っていうことですよね?
相談者:
はい、そうです(鼻をすする)
加藤諦三:
非常に難しい・・
相談者:
はい
加藤諦三:
あの・・相談だと思いますけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
心についてのエッセイストと・・してお馴染の、マドモアゼル愛先生がいらしてんので、
相談者:
はい
加藤諦三:
伺ってみたいと思います。
相談者:
はい
(回答者に交代)
母の苦しみをあの世でどう思うのだろう?
「その苦しみ方じゃない」
って思うのでは?
何のために家庭のために犠牲になったのか分からない。
親達が家が異常な、心の通わない家だったという真実に気づいて(ごまかしていた自分を認める苦しみ)それを改善して、という方向へ転換する苦しみ(努力)を味わってくれなくては。自殺した意味もなくなる。