向かいの家に懐き育てられた子供時代。59歳の女を苛む母への不信感
テレフォン人生相談 2019年1月23日 水曜日
物心ついてから、父方の祖母が向かいに住む自分の友人夫婦に相談者を預けて、夫婦が引っ越す14歳までそこで育てられた。
友人夫婦方では可愛がられ、両親の元に戻ってからも人並み以上の暮らしはあったものの、母との触れ合いがなかった。
6年前に母親から、弟夫婦に面倒看てもらうために相続を放棄するように言われて応じたものの、その後ぐらいから子供時代のことが恨みとなって母にキツくあたるようになってしまった自分がいる。
パーソナリティ: ドリアン助川
回答者: 大原敬子(幼児教育研究)
相談者: 女59歳 母83歳 弟54歳 父は20年前に他界
ドリアン助川:
もしもし?テレフォン人生相談です。
相談者:
初めまして、よろしくお願い致します。
ドリアン助川:
はいよろしくお願いします。
え、今日どんなご相談でしょうか?
相談者:
はい。えと、実の母との関係について、お伺いしたいんですけれども。
ドリアン助川:
はい・・実の母?
相談者:
はい
ドリアン助川:
はい、あなたを、産み、育てた、お母さんですね?
相談者:
あ、はい
ドリアン助川:
はい
何が起きてますか?
相談者:
はい。わたしは生まれて間もなく・・えっと実の母ではなく、近所のおばさんに育てられたんですね。
ドリアン助川:
あ、そういう話なんですか?
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、じゃ、実の母というのはやっぱり・・産んだという意味でのお母さん?
相談者:
あ・・はい、そうですね。
ドリアン助川:
はい、はいはい
相談者:
それで・・実の母に、えへ(苦笑)産んでもらって、
ドリアン助川:
はい
相談者:
あのお、祖母、つまり、母の、義理の母・・
ドリアン助川:
はい
相談者:
わたしのお婆さん・・の、友だちに、
ドリアン助川:
はい
相談者:
育てられたんです、わたしは。
ドリアン助川:
お婆さんの、友だち?
相談者:
はい
ドリアン助川:
はい・・
相談者:
つまり、母からわたしを取り上げて、お婆さんが、お婆さんの友だちに・・わたしを育てさせたんですね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
でも、それは、目の前の家なんですよ。
ドリアン助川:
はあー
相談者:
それで・・えとわたしは、あのお・・学校から、帰って、もう産まれて間もなくう、だったんですけど、もう、ですので母に・・抱いてもらったり甘えたりした記憶はないんですが・・この人がわたしの母だっていう事は十分承知の上で、そして育てられた・・おばさんは、48歳年上・・の、ま、お婆さんの友だち、ですので、48歳のそのおばさん達に育てられたんですね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
で、ま、幼稚園でも学校でも帰って来て、必要な手紙とか、ま、お金が掛かる事は母に、これを「学校からのお手紙だよ」って渡してえ・・
ドリアン助川:
はい
相談者:
で、自分の家(うち)でご飯を食べてえ・・で、養母の家(うち)に、もう一回、夕飯を食べに行って、養母の家で寝てたっていうような暮らしをしてたんですよ。
ドリアン助川:
うんーふうんー、あの・・じゃ夕飯2回食べちゃうんですか?
相談者:
そうですね。
ドリアン助川:
ありゃあ
相談者:
本当は、自分の家(うち)では食べたくないんだけどお、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
まあ、母・・の、手前っていうか、この人が自分の母だ・・だしっていう感じで。
ドリアン助川:
はい
相談者:
1回ぐらいは自分ちにも顔出さなきゃっていう感じで。
ドリアン助川:
はい
相談者:
はい、そういう暮らしをしてたんですがあ、
ドリアン助川:
はい
相談者:
そのおばさん、おじさんはとっても可愛がってくれてえ、
ドリアン助川:
はい
相談者:
大事に大事に、一つのお布団でおばさんと、ずっと寝て・・るぐらい楽しく過ごしてたんですが、この人が、わたしの、ホントの親ではないっていう事は、知りながらいたん、ですね。
ドリアン助川:
うんー
相談者:
で・・ま、14歳の時に、おばさんが・・あの、おじさんが定年退職をしまして、
ドリアン助川:
はい
相談者:
遠くに、引っ越す事になったんです。
ドリアン助川:
はい
相談者:
で、14歳の時に、わたしをもう自分の・・母のところに戻して、
ドリアン助川:
はい
相談者:
おばさんとおじさんは・・ま、遠い、飛行機で行かなければいけな、いけないような都市に、引っ越して行ってしまったんですね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
でも、わたしはその時、ま「今日から」・・「ご飯が一食増えるわ」って母に言われ・・て、
ドリアン助川:
はい
相談者:
自分の家(うち)に戻って、
ドリアン助川:
うん
相談者:
ま、母からは・・
「お前と一緒に暮らしたかったんだよ」(涙声)・・「今から仲良くしようね」っていう言葉は全くなくう・・
ドリアン助川:
はい
相談者:
ま・・あの、意地悪・・いじめ、をするような、酷い言葉を掛けたりとか、そういう事はない、かったし、
ドリアン助川:
はい
相談者:
わたしが14歳に自宅に戻ったら、わたしの勉強部屋を庭に増築してくれて、部屋を作ってくれたり、
ドリアン助川:
うん
相談者:
短大に、行かせてくれたり、
ドリアン助川:
はい
相談者:
お小遣いは、ひ・・普通以上に、もらえたりい、
ドリアン助川:
はい
相談者:
は(わ)、してましたが・・うん、わたしは全く・・何ていうのかな?、例えば学校で何があったとかいう話、遠足行って誰とご飯食べたとか・・修学旅行行って、楽しかったとか、そういう話を喉元から・・したいなあと思っても・・聞いて、くれた覚えは全くなくてえ、
ドリアン助川:
はい
相談者:
何ていうのかな・・勉強凄い頑張って、クラスで2番とかとっても、褒めてくれるわけでもないし、かといって、成績が下がっても・・貶(けな)すわけでもないっていうような母だったんですね。
ドリアン助川:
あなたに対する興味がないっていう事ですか?
相談者:
そんな感じです・・
ドリアン助川:
うんー
相談者:
そうです。
ドリアン助川:
ま、無いとは言い切れないにしろ、薄いっていう事ですね?
相談者:
そうですね。
ドリアン助川:
うんー、で、あの・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
ごめんなさい、あなた今おいくつですか?
相談者:
あ、わたし59歳です。
ドリアン助川:
59歳?
相談者:
はい
ドリアン助川:
で、お母さんは?
相談者:
83です。
ドリアン助川:
83歳。
相談者:
はい
ドリアン助川:
で・・母との関係という事ですけども、
相談者:
はい
ドリアン助川:
え、あなた産まれたっていう事はお父さん居たわけですよね?
相談者:
はい、はい
ドリアン助川:
お父さんはどうなっちゃたの?
相談者:
あ、20年前に亡くなってます。
ドリアン助川:
ん、という事はそのお父さんは、お母さんと一緒に暮らしてたんですか?
相談者:
はい、そうです。お父さんとお母さんと・・
ドリアン助川:
ええ
相談者:
その、意地悪だった・・お婆さん、は、わたしが18歳まで暮らしてました。
ドリアン助川:
ふうん・・
あのお・・ご兄弟は?
相談者:
あ、弟が、5歳下の、弟が54歳です。
ドリアン助川:
で、この弟さんはどういう育ち方をしたんですか?
相談者:
あ、母と父と弟と、お婆さんというか・・ふつ・・
ドリアン助川:
ああ・・
相談者:
普通に、暮らしてました。
ドリアン助川:
これあなたがそのお・・お婆ちゃんが・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
えー、あなたが産まれてすぐそのお婆ちゃんの友だち、つまり養父母に渡したというのは・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
どういう理由なんですか?
相談者:
えーと・・それはあ・・父の・・お、妹たちも、一緒に暮らしてたのでえ、
ドリアン助川:
はい
相談者:
まあ、何ていうのかな?・・しっかり家事とかをやるために・・なのか?、ちょっとよく分かりませんが・・わたしとしては・・懐いたんですね、その、養父母の、に。
ドリアン助川:
はい
相談者:
が、可愛がってくれた。
ドリアン助川:
ええ。ん、という事は・・お父さんとお母さんが側にいて・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
でえ、なんか懐いちゃった方のお家にずっと居たっていうこと、なんですかね?
相談者:
そうですね。はい
ドリアン助川:
そういう事なんですかね?
相談者:
はい、そうですね。
ドリアン助川:
うんふんふん・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
何かその・・もらわれて行ったとか、そういう事じゃないんですね?
相談者:
そういう事ではないです。
ドリアン助川:
そういう事じゃないんですね。
相談者:
はい、そういう事です。
ドリアン助川:
それで・・さあ、何となく、そういう関係で今まで来たという事は分かりましたけど・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
今、何が問題ですか?
相談者:
何が問題か?と言いますと、
ドリアン助川:
はい
相談者:
今から6年前に、
ドリアン助川:
はい
相談者:
あの、相続の、話が、出まして、
ドリアン助川:
はい
相談者:
・・母が・・
「ちょっとちょっとあんた、判子を持って来てよ」・・ていう事で・・わたしが実家に行きましたら、家、土地、持ってる貯金、そして生命保険すべて弟にあげるっていう話になったんですね。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
それで・・「弟夫婦に、老後の面倒を看てもらうから、もう、お前は放棄、しなさい」っていう、ことで、
「判子を持って来てよ」「来てよ」っていう感じだったんですよ。
ドリアン助川:
はい
相談者:
で・・とにかく、わたしは素直に判子を押してしまったんですね、6年前に。
ドリアン助川:
はい
相談者:
で・・5年前、ぐらいから、何ていうのかな?・・その、話、と共に、わたしの心の中に、その幼い頃に、わたしの気持ちを大事にしてくれなかった、っていう・・今まで臭い物に蓋をしてた・・気持ちがふつふつと湧き上がって来て、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
母に・・あの・・攻撃的になって・・
ドリアン助川:
うん
相談者:
幼い頃の、恨みを、こう、ぶつけ始めたんですよ・・
ドリアン助川:
あはい・・
相談者:
5年前から。
ドリアン助川:
はい
相談者:
でえ、まあ、年に3回、か、4回ぐらい電話したり、1回か2回会って・・でも、「あ、この前は言いすぎてごめんね」って言う時もあるし・・
ちょっと「もうちょっと聞きたい事があるんだけど」・・「答えてくれる?」って、言ってみたり、そんな関係が5年ぐらい続いてるんですが、
ドリアン助川:
はい
相談者:
母がだいーぶ弱って来てえ・・
ドリアン助川:
ええ
相談者:
ですので、えと、ご質問としては、んー、な・・このまん・・うんー、もっともっと昔の事を聞きたい・・ていう気持ちもあるし・・んー・・・・(長!)
ま、わたし、がこれから生きて行くのに・・どうしたらいいかな?っていう・・相談なんですけど・・
ドリアン助川:
はい・・うんー、あなたの・・心の・・止まり木と言いますか・・
相談者:
はい
ドリアン助川:
今、あなたがどういう心の有り様で生きてくべきなのか?
相談者:
はい
ドリアン助川:
まさに問題はここですね?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
はい、えー、では今日の、回答者の先生紹介いたします。幼児教育研究の大原敬子先生です・・
相談者:
ああ
ドリアン助川:
よろしくお願いします。
(回答者に交代)
きれいごとで終わらせるんですね。
一緒に暮らしてなきゃ、情も薄れるでしょう。
だから、相続だって、少しでもあげたい、と思わなかったんでしょう。
産んでおいて、守れなかった母親を、弱かったんだと、母親として失格だった、と回答者が、言ってあげた方が、娘は、うつにならなくて済むんじゃないかな。
自分で育てられないなら、産まないでほしい。
離婚の時、連れて行かないなら、産まないでほしい。
こどもを親の犠牲にしないでほしい。
今の常識で言ってしまうと子供を渡してしまう母親が責められるのだろうけど、当時の常識では家庭の事情で里子や養子などは当たり前にあったのだろうと思います。母親は姑に逆らうなど出来ないくらい弱い立場だったのだろうし離婚して母親一人で子供を育てるなど考えもつかなかったのでは無いでしょうか、生みの親にこれ以上何か求めるより育ての親としてかわいい盛りの時だけ引っ張って、定年だからと遠くへ行ってしまった人達こそ責められるべきだと思います。
ドリアンさんは家族構成や年齢をなかなか聞かないね
自営かお勤めかを異常に気にする今井先生と正反対だ。
相談者みたいなケースは昔はよくあったよ
ウチの母は父親の愛人に育てられたし母の弟は小作人に土地
付きで養子に出された。
私も歪な家庭で暴力が酷かった、相談者さん虐待されなかっただけでも羨ましいよ。
恐ろしいのは、姑の方だと思います。そして相談者の父親は何を考えていたのか。実の親の家に戻ってきたときに、部屋を用意したり、お小遣いを多目に渡す事しか、育ての親は可愛がり方が分からなくなっていたのでしょう。
進学させたのが、姑の亡くなった頃だったのも、やっと産みの母親がお財布を管理できるようになったのでは無いでしょうか。
大原先生の着眼点は恐るべし、すっきりしました。
はたから見ればどうして?って思えるような、他人には理解不能な出来事が、昔はいろいろありましたよね。今のように情報が容易に手に入る時代では無く、社会も混沌としていたし福祉の充実も無く、客観的にものを見る第三者の助言もなく・・・後で考えれば不思議な体験。
今の常識で当時を裁いてはいけないのでは?
そして、愛着障害は、連鎖して、何世代にも渡って、子供を苦しめる。
実際に被害者でない人は、親の方に理解がある傾向に。
ほんと、この相談者は、虐待されなくて、よかったですね。
御年60で、ほじくり返す
親への不満は己への不満
向き合うは己のみ
罪のない者から石を投げなさい
罪のない者から相談に来なさい