自我の確立。夫に暴言吐いたら、遺書を残して家出した
テレフォン人生相談 2015年2月19日 木曜日
相談者: 女53歳 夫60歳 23歳と17歳の息子
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 塩谷崇之(弁護士)
今日の一言: なし。
(家族、年齢のやりとりは省略)
加藤諦三:
で、今・・は、そうすると、4人で暮らしているんですか?
相談者:
あの、一ヶ月ちょっと前までは4人で暮らしておりました。
加藤諦三:
何が起きたんですか?、一ヶ月前。
相談者:
主人が家出をしてしまいまして、
加藤諦三:
はい、はい。
相談者:
居場所も何も分からないんです。
加藤諦三:
はい。
相談者:
携帯電話は、ずっと留守番電話になって、電源は切れているみたいで、
加藤諦三:
で、あの、出たのは何でなんですか?
相談者:
家族で主人のこと、ちょっと責めてしまいまして。
売上げも下がってきてることとか、
加藤諦三:
はい。
相談者:
あのお、今現在、持ってる仕事の、取引先のことを、
加藤諦三:
はい。
相談者:
ろくな会社が無いとか、責めてしまいました。
相談者:
辛い・・ですね。
相談者:
あのお、
加藤諦三:
もし一生懸命仕事をしてたらね、それを家族で責められたら、
そらご主人、辛いと思います。
相談者:
ええ、ほんっとに、反省しています。
あの、キツイことばっかり言ったダメな女です、わたしは、ほんとに。
加藤諦三:
うーん。
相談者:
(泣)
加藤諦三:
そのキツイ・・言葉としては、どういうふうな・・言葉、使ったの?
相談者:
もう、甲斐性無しとかあ、
加藤諦三:
ああ。
相談者:
顔も見たくないとか、
加藤諦三:
あ、顔、
相談者:
あなたと、出会わなかったら、わたしは、もっと幸せになれていたのにとか、言ってしまいました。
加藤諦三:
はあー。
ま、長男が23歳ということは、結婚生活、結構長いわけですけれども、
相談者:
えっと、はい。
加藤諦三:
最初の・・うちから、こういう酷いことは・・言ってなかった・・わけです・・
相談者:
いや、わたしたち夫婦は、お互いに、その、かなり、あのお、ダメな夫婦で、
加藤諦三:
はい。
相談者:
主人は、よく暴れる人でした。
で、私は主人にキツイことを言う女でした。
加藤諦三:
暴れるというのは、具体的に言うと、どういう・・
相談者:
あの、わたしは、暴力をいっぱい振るわれてますし、
息子もちっちゃいときに、とても振るわれました。
加藤諦三:
ああ。
相談者:
あと、家を、ボコボコにぶっ壊して出て行きます。
加藤諦三:
ふうん。
相談者:
それで、以前から何年かに一遍は、家出をしちゃう人なんですね。
加藤諦三:
何回くらい出、
相談者:
5、6回、家出しています。
加藤諦三:
あ、5、6回。
相談者:
いつもは車で出てたんですけども、
加藤諦三:
うーん。
相談者:
今回、ちょっと警察に捜索願いを、わたしが出してしまったものですから、
加藤諦三:
はい。
相談者:
車が見つかってしまって、
加藤諦三:
はい。
相談者:
で、そのせいだか、どうだか分りませんが、
加藤諦三:
はい。
相談者:
1回、車を・・こっそり置きに来て、
加藤諦三:
はい。
相談者:
で、その荷物の中に、遺書めいたものまで、書いて、
加藤諦三:
はい。
相談者:
出て行ったんですね。
加藤諦三:
はい。
相談者:
だから家族で、ほんっとに心配して、もう、探しまくったんですね。
加藤諦三:
ふうん、遺書・・めいたっていうのは、どういう・・
相談者:
あの、
「あの世に行きます、さようなら、ありがとう」、って書いてありました。
加藤諦三:
あーん。
・・
で、5、6回、家出ってことですけど、
相談者:
はい。
加藤諦三:
どのくらいしたら帰って来るんですか?
相談者:
えっと、ま、2週間から、一番長いときで、一ヶ月でしたけども、
加藤諦三:
ふうん。
相談者:
それで、戻ってきたとこで、わたしが話し合いをして、
加藤諦三:
うん。
相談者:
まず、わたしが謝る。
わたしが悪かったと。
加藤諦三:
うん。
相談者:
至らなくてごめんなさい、って、もう、ひたすら謝って。
だから、も1回、この家でやり直しましょうと。
加藤諦三:
うん。
相談者:
言うと、じゃあ、まあ、なんとかやるかあ、みたいな感じに、
加藤諦三:
うん。
相談者:
また始まるんです。
加藤諦三:
そうすると、まあ、一緒に住み始めると、また、ま、酷いことを言い出すわけですよね?
ま、繰り返す、
相談者:
ひどいことばっかりじゃないんですけど、
加藤諦三:
はい。
相談者:
わたしは口がキツイ女であることは間違いないです。
加藤諦三:
うーん。
あなたの場合、あれですよね?、
相談者:
はい。
加藤諦三:
その感情の起伏が結構激しいですよね?
相談者:
激しい方ですね。
イラっとすることも多いし、
加藤諦三:
うん。
イラっとして、ことも多いし、落ち込むときも落ち込むし、
相談者:
あ、落ち込みます。
ものすごく落ち込みます。
加藤諦三:
そうですよね?
相談者:
はい。
加藤諦三:
だから、落ち込むことと、
相談者:
ええ。
加藤諦三:
それからあ、逆に、興奮することとの、
相談者:
はい。
加藤諦三:
この両極端を行ったり来たりをするタイプですよね?
相談者:
確かにそうですね。
加藤諦三:
そうすると、あのお、このご主人・・との、出会う前に、
相談者:
ええ。
加藤諦三:
他の男性と、色々、恋愛をしたり、
相談者:
いえ、主人が最初の人でした。
加藤諦三:
あー。
そうすると、自分はこういう人間だから、こういう風に生きていこうっていうような、
相談者:
うん。
加藤諦三:
そういう思い・・感じ方をしたことは無いですよね?
相談者:
はい。
加藤諦三:
要するに、自分がまったく分ってないんですよねえ?、あなたねえ。
相談者:
あたしが分ってないんですか?
加藤諦三:
そおうなんですよ。
相談者:
あー。
加藤諦三:
だから、自分探しがまったく出来ていない。
相談者:
あー。
加藤諦三:
ううん。
で、自分が分からないで、
相談者:
はい。
加藤諦三:
そうやって結婚をして
相談者:
はい。
加藤諦三:
まだ、自分がつかみ切れてないと。
相談者:
はい。
加藤諦三:
で、親になっても、あ、自分は専業主婦、これが自分に適した人生だとかって、
相談者:
はい。
加藤諦三:
そういうことを・・では無しに、事実として、今、ここまで来ちゃったっていうことでしょう?
相談者:
・・
加藤諦三:
自分の意思で、選び取ってないですよね?
相談者:
うーん。
ただ、あの、ほんとに生意気な言い方をしますと、
わたし、どちらかというと、家に入って、裏で上手に主人を操縦できて、
主人が、あの仕事とか、うまく、いけばいいな、っていうことを、ずっと願って、やってきました。
立派な、いい男にしたいと。
加藤諦三:
うーん。
相談者:
あたし頑張れば、なんとかなるんじゃないかと思って。
加藤諦三:
はい、はい、はい。
相談者:
だから、殴られてもいいから、
加藤諦三:
はい。
相談者:
主人の耳に痛いことを言ってきました。
加藤諦三:
はい。
相談者:
はい。
ほんっと、生意気です。
加藤諦三:
いやあ、生、生意気ではないと思うんだけど。
それじゃあ、5回・・家出されようが、6回、家出されようが、暴力振るわれようが、あなた別れられないね?
相談者:
あたし、別れられないです。
加藤諦三:
うーん。
今、言った、あなたの考え方があると
相談者:
はい。
加藤諦三:
よほど酷いことされてもダメなんですよね。
相談者:
はい。
加藤諦三:
別れられないんですよ。
相談者:
うーん。
加藤諦三:
なんか、自分の方が悪くなってくんの。
相談者:
そうなんです、わたしほんと、自分を責めてます。
加藤諦三:
うん。
相談者:
子どもが、
「お母さん、そうやって言っちゃうから、お父さんが調子に乗るんだよ」
って言われるんです。
加藤諦三:
うん、あの、
相談者:
だから、あたし、心入れ替えて、ダメなら、こんなのダメって言うんだけど、やっぱりね、自分の悪かったことばっかり思い浮かぶんです。
加藤諦三:
うん。
相談者:
あー、そこはダメ、ここもダメ、ダメな女だあって。
加藤諦三:
うん。
ダメな女だあ、って言ってるのが一番、気が楽だからね。
相談者:
ああ、そうですか。
加藤諦三:
うん。
で、ご主人の方は、
相談者:
うん。
加藤諦三:
逆にあなたの、その弱点を、
相談者:
はい。
加藤諦三:
見つけるのを・・てか、あなたに責任をかぶせる・・ことについては、非常に、うまいでしょ?
相談者:
うん、それ、息子に言われます。
加藤諦三:
うん、分りました。
だいたい、あなたのね、
相談者:
はい。
加藤諦三:
姿・・も、分りましたし、
相談者:
あー。
加藤諦三:
えー、ご主人の姿も、分りました。
相談者:
はい。
加藤諦三:
それでえ、今日のあなたの相談というのは、
相談者:
はい。
加藤諦三:
家出をしちゃって、
相談者:
うん、うん。
加藤諦三:
戻ってこないと。
相談者:
はい。
加藤諦三:
だけど、わたしは別れたくないと。
相談者:
はい。
加藤諦三:
どうしたらいいんでしょうか?ってことなんですかね?
相談者:
はい、そうです。
加藤諦三:
今日はあのお、弁護士の先生で、
相談者:
はい。
加藤諦三:
法律・・はもちろん、その専門家なんですけども、
相談者:
はい。
加藤諦三:
それ以外に心のことについてはですね、
相談者:
ええ。
加藤諦三:
も、大変詳しい、適任のですね、
相談者:
はい。
加藤諦三:
弁護士の塩谷崇之先生がいらしているので、
相談者:
ああ。
相談者:
お話伺ってみたいと思います。
相談者:
あ、よろしくお願いいたします。
(回答者に交代)
すげぇ・・性格の悪さが隠せないほどのほどさがすげぇ
鬼や夜叉のレベルじゃなかろうか?
・・どうなったんだろ?その後。
大なり小なりこういう関係はザラにありそう。本人周りが気付いてないだけで。
それにしても憎んで良い(実際に相手の心身を傷付けるのではなく)って、そう言う心のセルフケアってあるんだと眼からウロコです!(泣)
加藤先生最高です。
誰かを気になり、心を奪われることが、愛情か依存か。ただ好きなだけだったら相手からの見返りを期待しない。だけどいつの間にか、依存症状を呈しているということがある。そんな時、いち早く我に返る人でありたい…