姉にDV働く甥はかつての相談者。忘れたかのように立ち直りを妨害する良識的対応
テレフォン人生相談 2020年8月17日 月曜日
甥の母(相談者の姉)に対するDV。
以前からモノDVであったのが2年ぐらい前から身体的DVがひどくなり、姉は実家に身を寄せるものの、そこにも甥がやってくる。
相談者と鉢合わせになったときには相談者が、夜中に姉の枕元から金を取ろうとしたときには姉が、それぞれ警察を呼んだものの、いずれも注意のみ。
いずれ事件を起こすのではないかと心配している。
相談者自身が6年に及ぶ引きこもりと両親に対するDVを経験している。
マドモアゼル愛からは、現象ではなく原因に目を向けることと、急がないこと、加藤諦三からは良識が通用しないこと、「甥のため」で対処すると相談者がもたないことをアドバイスされる。
良識というのは、たとえば両親に愛されて育ったというような、いわゆる普通の人が守るべきものなんです。
世の中には普通でない人がたくさんいて、良識がその人たちを苦しめるんです。親を憎んではいけないというのは良識かもしれませんが、憎んで憎んで憎みきることからしか再生できない人がいるわけです。
<加藤諦三 NHKラジオ深夜便 萩本欽一との対談>
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: マドモアゼル愛(心についてのエッセイスト)
相談者: 男55歳 妻57歳 息子13歳 離婚している姉60歳 甥28歳
今日の一言: 「助けてくれえ」・・それが家庭内暴力の子どもの叫びです。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
もしもし?・・
加藤諦三:
はい、テレフォン・・
相談者:
よろしくお願いします。
加藤諦三:
ん、はい、テレフォン人生相談です。
最初に、年齢教えてください。
相談者:
55歳です。
加藤諦三:
55歳、結婚してます?
相談者:
はい
加藤諦三:
奥さん何歳ですか?
相談者:
57です。
加藤諦三:
57歳、お子さんは?
相談者:
男の子が1人います。
加藤諦三:
何歳ですか?
相談者:
13歳です。
加藤諦三:
13歳、はい、分かりました。それでどんな、相談ですか?
相談者:
わたしの、甥の相談なんですけども。
加藤諦三:
はい、甥何歳ですか?
相談者:
で・・たぶん28ぐらいだと思ってます。
加藤諦三:
2、28歳、はい
相談者:
それで、わたしの姉、あの、甥からすれば母親なんですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
母親に、ここ2年ぐらい前から、暴力を振るようになりまして、
加藤諦三:
あーあ
相談者:
最初はあの、暴力は振るわなかったんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
家の中の、テレビとか、ドアとか、
加藤諦三:
うん
相談者:
結構、壊してた、たんですね。
加藤諦三:
うん
相談者:
それで、ここ2年ぐらいからあのお、結構頻繁に暴力を振るわれるっていうことで、
どうしようもなくて、姉が、あの、実家のほうに戻りました。でえ、け・・
加藤諦三:
お母さん何歳?
相談者:
60です。
加藤諦三:
60、はい
相談者:
それで、
加藤諦三:
はい
相談者:
実家のほうに戻ってたんですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
半年ぐらい前ですかね?
加藤諦三:
はい
相談者:
母親1人暮らしなんで、実家のほうに行ったらば、
加藤諦三:
うん
相談者:
その甥がいたんですね。
加藤諦三:
うん
相談者:
で、甥がいて、なんか「どうしたの?」って言ったら何も喋れないでずっとスマホいじくってたので、
加藤諦三:
うん
相談者:
「なんだ仕事もしないで、ずっとこんなことしてるんだ?」って言ったらば、急に怒り出したので、
加藤諦三:
うん
相談者:
「も、そんなことするんだったらば、警察」よ、「呼ぶぞ」って言ったんですよ、わたしが。
加藤諦三:
うん
相談者:
そしたらば、興奮して「呼ぶなら呼べ」って言って、
加藤諦三:
うん
相談者:
警察を呼んだんですね。
加藤諦三:
うん
相談者:
して、警察来たんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
したら、お互いの話を聞くっていう形だけで、そこで終わったんですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
わたしはあの、姉からはもう、暴力振るってるっていうのは、聞いてたので、
加藤諦三:
ええ
相談者:
「こんなことをしちゃダメだ」っていうことで、
そんな話を・・警察と間に入って話(はなし)したったんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
2ヶ月後ぐらいに、姉が、あの、実家に泊まってたときに、
加藤諦三:
うん
相談者:
夜、お金を、枕元から取ろうとして、夜中来たんですね。
加藤諦三:
はい
相談者:
そして、来て、姉もこれじゃダメだと思って警察呼んだんですよ。
加藤諦三:
はい
相談者:
そんとき、まあ、2回目なんですけども、ま、そんときも、まあ、「これからはそんなことしないように」っていう話で終わ、たったんですよ。
それで、実家には戻ってるんですけども、また夜中に来たりい、また暴力振るわれると、どうしてもちょっと心配で、どうしたらいいか、考えるので電話しましたった。
加藤諦三:
はい、分かりました。
生優しい問題ではないと思うんですけれども。
相談者:
はい
加藤諦三:
28歳ということですけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
仕事を転々とする前、学生時代、ていうか小さい・・
相談者:
え、姉は転勤族だったので、
加藤諦三:
はい
相談者:
なかなか子どもに関わる時間が少ない、かったと思うんです。
加藤諦三:
はい
相談者:
ぼ、僕も見てると。
小学校5年生までは学校には、なか、行ってたんですけど6年生頃からちょっと不登校になりまして、
加藤諦三:
はい
相談者:
中学校卒業して高校にいったん入ったんですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
中退してえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
高卒認定を受けてえ、大学にいったん入ったんですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
結局大学も辞めてえ、
加藤諦三:
はい
相談者:
近くのお、まあ、いろいろところで働いたんですけども辞めたり、
加藤諦三:
うーん
相談者:
働いたり辞めたりっての繰り返してました。はい
加藤諦三:
その間(かん)、
相談者:
はい
加藤諦三:
お父さんとお母さんはどういう対応をしてたんですか?
相談者:
10う、3、4年ぐらい前にもう離婚してるんですよね。
加藤諦三:
あーそうですか。はい
相談者:
ええ、ですから、まあ、あの親権は、父親にあるとかなんとかってえ、ちょっと聞いてあったんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
育てたのは母親なんですけども、結局離婚して、まあ・・何かあったときには姉も、その夫のほうに相談してたんですけども、
「真剣に聞いてくれない」って。
加藤諦三:
はい
相談者:
だから結局自分で、友人とかいろんな人に相談しながら、やってるんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
ちょっとプライドの高い姉なんで、もう少し僕はあの、病院に、行ったり、近くの、ま、保健士さんとか、いろんな人に相談しながらやってったほうがいいのかなと思うんですけども、
加藤諦三:
うん
相談者:
それなかなか・・人の話を、聞かないので、
加藤諦三:
うん、ん、うん
相談者:
このままで行くとたぶん、犯罪を犯すんじゃないかなと思うので、
加藤諦三:
うん
相談者:
ちょっと心配なんですけども。ええ
加藤諦三:
そいで、今、母親との関係はそうするとどうなってんの?もう・・
相談者:
時々はあの、自宅には行ってるみたいですけども、
加藤諦三:
はい
相談者:
お金は結構渡してるみたいなんですよ。うん、だから・・
加藤諦三:
と、今は、そうすると、お母さんからお金をもらいながらあ、
相談者:
ええ
加藤諦三:
1人で、暮らしていると。
相談者:
そうです。はい
加藤諦三:
はい、今日はスタジオに、心についてのエッセイストとしてお馴染みのマドモアゼル愛先生がいらしてんので、伺ってみたいと思います。
(回答者に交代)
自分が憎んでいる世界の中で生きていくのは辛いな。
陽のあたる場所しか見ようとしない人間は、他人の心の影に明かりを灯すことなどできない。その資格もない。闇を知るものだけが、闇を語れるのだ。
自分ならまず甥に謝りたい。
今までわかってやれなかったことを。
彼の叫びに気づいてやれなかったことを。
相談者があの頃の自分にフタをしていたんだね。
それに気づいた今、きっと判り合えると思う。
タイゾーの最後の
「(電話してくれて)ありがとう」
の一言が心に響いて泣いた。
管理人さん。
冒頭に加藤先生と欽ちゃんのラジオ番組でのやりとりを載せて下さり本当にありがとうございます。
思い当たる節がありすぎてハッとしました。
加藤先生はやっぱりすごいわ…。
自分も、ラジオ深夜便の加藤先生登場回を偶然拝聴。思わず聞き入った。「普通でない人は沢山いて、良識がその人たちを苦しめる」「憎むことでしか再生できない人もいる」これらを言える大人はそうそういない。大半の大人はネガティブを否定しながらネガティブなことを与えるから。
管理人さん書き起こしサンクスです。