木曜サスペンス。父だけ置いて下山した義弟への憎しみ

テレフォン人生相談 2012年4月19日 木曜日

パーソナリティ: 今井通子
回答者: マドモアゼル愛(心についてのエッセイスト)

相談者: 女41歳 夫43歳 4か月前に山で遭難死した父70歳 母66歳 妹36歳 義弟39歳

今井通子:
もしもしい?
テレフォン人生相談です。

相談者:
はじめまして。

今井通子:
はあい。
今日はどういったご相談ですか?

相談者:
あ、はい。
4か月、前に、

今井通子:
はい

相談者:
父と、

今井通子:
はい

相談者:
義理の弟が、

今井通子:
はい

相談者:
登山したんですが、

今井通子:
はい

相談者:
その、そん時に、ああ、まあ、父を、あの、義理の弟が山に置いてきてしまって。

今井通子:
あら

相談者:
はい。
でえ、あの・・

今井通子:
お、置いてきたの?
迷っちゃったの?
わ、あの・・

相談者:
あ、結果的には、

今井通子:
うん

相談者:
ま、死人に口なしなんですけど、

今井通子:
ええ

相談者:
ぎ、義理の弟が、まあ「『先に』父が『行け』って言ったので、」

今井通子:
はあ

相談者:
「先に1人で下りた」とは言ってるんですけど、

今井通子:
ほお~

相談者:
まあ私達は、どういう状況だったか分からないんですけど(涙)

今井通子:
はい

相談者:
あの、それ2か月前に、

今井通子:
ええ

相談者:
父が、遺体で見つかりました(涙)

今井通子:
あらあー

相談者:
で・・

今井通子:
えーと、

相談者:
はい

今井通子:
あなたおいくつ?

相談者:
私、41です。

今井通子:
41歳。

相談者:
はい

今井通子:
はい。
で、お父様おいくつでした?

相談者:
70です。

今井通子:
70歳?

相談者:
はい

今井通子:
お母様いらっしゃる?

相談者:
はいー。
66です。

今井通子:
66歳?

相談者:
はい

今井通子:
はい。
で、義理の弟とおっしゃったから、妹さんはご姉妹(きょうだい)なのね?

相談者:
はい

今井通子:
妹さん、おいくつ?

相談者:
36です。

今井通子:
36歳?

相談者:
はい

今井通子:
義理の弟さんは?

相談者:
は(わ)、39ですね。

今井通子:
39歳。

相談者:
はい

今井通子:
他にご姉妹いらっしゃいますか?

相談者:
あ、いません。

今井通子:
で、あなたは?
ご結婚されてる?

相談者:
はい(涙)

今井通子:
はい。
ご主人はおいくつ?

相談者:
えっと、43です。

今井通子:
43歳。

相談者:
はい

今井通子:
それで、その、

相談者:
はい

今井通子:
4か月前に、

相談者:
はい

今井通子:
登山にいらした、

相談者:
はい

今井通子:
お父様と、

相談者:
はい

今井通子:
義理の弟さんはよく登山にいらしたの?

相談者:
まあ、年に2回ぐらいは、あの、近所の山を登ってるんですけど。

今井通子:
はい。
このおー、

相談者:
はい

今井通子:
山は、大体どれぐらいの、メーター数?

相談者:
あ、頂上までは1200あるんですが、

今井通子:
はい

相談者:
中腹から登ったので、

今井通子:
はい

相談者:
400メートルほどしかなかったんですね。

今井通子:
ああ、なるほど。

相談者:
はい

今井通子:
天候悪かったのかな?

相談者:
良かったんです。

今井通子:
ああ、良かったの?

相談者:
ただあ、その、

今井通子:
うん

相談者:
笹とか、

今井通子:
はい

相談者:
凄く、ブッシュが一杯ありまして、

今井通子:
はい

相談者:
ほんとは登る山じゃないんですが、

今井通子:
ほおー

相談者:
道が全く付いてなかったので、

今井通子:
ああ~

相談者:
父があ、

今井通子:
うん

相談者:
そのお、目が悪かったので、

今井通子:
ええ

相談者:
あの、まあ、あたし達としては、用心棒ってわけじゃないんですけどお(笑)、

今井通子:
うーん

相談者:
あの、ま、「1人で行く」って言ったので、義弟(おとうと)に付いててもらったっていう、

今井通子:
うーん

相談者:
ずーっと、そうやって5年間きたんですね。

今井通子:
なるほどお。

相談者:
はい

今井通子:
その時の状況は、

相談者:
はい

今井通子:
その、死人に口なしっておっしゃったけど、

相談者:
はい

今井通子:
義弟(おとうと)さんは、どうおっしゃってんの?

相談者:
義弟(おとうと)は、頂上までは、まあ、掻き分けて行ったんですね。
道がほとんどなくて、

今井通子:
はい

相談者:
で、ま、頂上に着いて、一服して、

今井通子:
はい

相談者:
なんか父が、「俺はちょっと休んでから、行くから」って言って、義弟(おとうと)が先に山を下りてきてしまったんです。

今井通子:
はい

相談者:
で、下りたんですけど、いつまで経っても父が下りてこない、

今井通子:
はい

相談者:
かったので、

今井通子:
ええ

相談者:
警察、連絡、したんですね。

今井通子:
はい。
で、義弟(おとうと)さんは、

相談者:
はい

今井通子:
その、「休んでから行くから」って言った時に、

相談者:
はい

今井通子:
待てなかった理由は何?

相談者:
いや、待てなかった理由はなかったはずなんです。

今井通子:
で、下りられてから、

相談者:
はい

今井通子:
義弟(おとうと)さんは、もう1回登り返したの?
それとも、警察に直接行ったの?

相談者:
警察です。

今井通子:
大体何時間ぐらい待たれたのかしら?

相談者:
あ、それが、あの、ま、ちょっと、家(うち)、会社経営してまして、あの、その後に、会社の、バーベキュー大会があったんですね。

今井通子:
ああ~

相談者:
でえ、

今井通子:
うん

相談者:
まあ、義弟(おとうと)が、その、まあ、跡継いでるので、

今井通子:
ええ

相談者:
義弟(おとうと)はその、バーべーキューのことが気になったらしくて、バーベキュー会場に、行っちゃったんですね、義弟は。

今井通子:
大体何時間ぐらいで登れた山なの?

相談者:
あのお、登ったのは、2時間です。

今井通子:
2時間?

相談者:
はい

今井通子:
はい。
下りてくんのは、そうすと、1時間ぐらいで下りてきたんでしょうねえ?

相談者:
そうなんですね。

今井通子:
で、下りてきて、

相談者:
はい

今井通子:
あの、お父様を待ったのは、なん、何分ぐらい?

相談者:
も、あの、「寝てた」って言うんですね、車ん中で。
あの、「下りてくると思ったもんで、」

今井通子:
うん

相談者:
「自分がどれぐらいの割で降りて来て、どれぐらいで寝てたっていうことは分からない」って言うんですね。

今井通子:
でえ、

相談者:
はい

今井通子:
その後、

相談者:
はい

今井通子:
バーベキュー大会があるから、

相談者:
はい

今井通子:
行っちゃったと?

相談者:
はい

今井通子:
で、2か月ぐらい経ってから、

相談者:
はい

今井通子:
ご遺体で見つかっちゃったの?

相談者:
はい

今井通子:
はい。
このお、見つかった時は頂上でですか?

相談者:
はい・・
違うんです。
それが、あの、ま、真逆に下りててえ。

今井通子:
ふう~ん

相談者:
で、崖が、凄い崖があって、

今井通子:
はい

相談者:
50メートルぐらいの崖があったんですね。

今井通子:
はい

相談者:
そこから、多分、落ちてっていう推測なんですけどお。

今井通子:
あ、転落されちゃったかもと?

相談者:
はい、はい

今井通子:
転落された時点では、

相談者:
はい

今井通子:
生きてらしたということ?

相談者:
あ、いや、それは分からないんですけど、全然、司法解剖しなかったんですね。

今井通子:
ああ

相談者:
もうできない状態だったので、まあ、お医者さんも、

今井通子:
ええ

相談者:
多分怪我、で、まあ、それから、まあ動けなくなって衰弱っていうことで、一応死亡は、翌日う、に、診断されたんですね。
山登った翌日に。

今井通子:
携帯は持ってらっしゃらなかったの?

相談者:
持ってかなかったんです。

今井通子:
あらまあー

相談者:
はい

今井通子:
それでえ、

相談者:
はい

今井通子:
結局、今日のご相談は何でしょう?

相談者:
あ、はい。
あのお、やっぱり妹の旦那っていうこともありますし、

今井通子:
はい

相談者:
どうしても、そう、断ち切れないんですね。
憎しみが、あたしは。

今井通子:
うん

相談者:
で、でも、それやっぱり、超えない、と、いけないっていうのは凄くあるんですね。
どっちかって言うと、「許してあげなきゃいけない」っていう気持ちの方が今勝ってて、「だけど、どうしたら、この、あたしは、気持ちを抑えることができるんだろう?」っていうのが。
それを教えていただきたいな、と思って。

今井通子:
うーん

相談者:
どうしても彼に対してあたしは、あの、「どうして、連れてきてくれなかった?」って気持ちがあって(泣)

今井通子:
そうですねえ。

相談者:
だけど、やっぱり妹の旦那さんだし、妹のとこにも子供がいるんですけど、

今井通子:
うーん

相談者:
その、姪っ子の、その、父親っていうこともあるんですけど、

今井通子:
ええ

相談者:
どうしてもやっぱり、許せなくて(泣)
本人から、「ごめんなさい」とか、「僕が置いてきてしまった」っていう風には、もしかして、言われたら、あたしが、「ちょっと落ち着くかな」とずうっと思ってたんですね。

今井通子:
うん

相談者:
でもそんな言葉も全くないんですよ。

今井通子:
ふうん・・

相談者:
だから本人は、全然悪いことしてしまったって気がなくて、

今井通子:
ええ

相談者:
それがあたし、どうしても納得できないんですね。

今井通子:
うん

相談者:
で、母は、

今井通子:
はい

相談者:
あたしには凄く責めるんです。
その、バーベキュー大会、行ったとか、置いてきたっていうことを凄く言うんですけど、やっぱり、本人にも言わないし。

今井通子:
そうするとお母様は、

相談者:
はい

今井通子:
あなたと同じ、もしくは、あなたに勝るぐらい悔しいおも・・

相談者:
悔し、してます。
妹も、もっとしてると思います。
私よりも、あの子が、可哀想だと思ってます、あたしは。

今井通子:
うーん

相談者:
うん。
だけどあの子もやっぱり、自分の子供のお父さんだし、旦那っていうこともあるので(泣)、

今井通子:
ええ

相談者:
口には出さないんです、けど、

今井通子:
ええ

相談者:
もっと悔しい思いしてると思います。

今井通子:
分かりました。

相談者:
はい

今井通子:
今日はですねえ、

相談者:
はい

今井通子:
心についてのエッセイストとして、お、お馴染みの、マドモアゼル愛先生に伺ってみたいと思います。

相談者:
はい

今井通子:
先生、よろしくお願い致します。

相談者:
お願いします(涙)

(回答者に交代)

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