夫が昏睡状態に。 相談者は自分を責めるのだが・・

(回答者に交代)

大原敬子:
お話の中にね、もう、ご主人様が亡くなった形の話になってるんです。

相談者:
はい。

大原敬子:
その点が、とても不思議だなあと思ったのとね、

相談者:
はい。

大原敬子:
なぜ、今回、こういう電話をなさいまいした?

相談者:
・・
私のせいかなあっていう気がしちゃってえ、ちょっと落ち込んじゃいましてえ、電話しました。

大原敬子:
あのですね、

相談者:
はい。

大原敬子:
それは、様々な捉え方があるんですよねえ?

相談者:
はい。

大原敬子:
例えば、愛する人が、ただ生きてればいいってこともありますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
それから、肌が触れる、まだ、体温がありますよね?
それだけでいいってこともあるわけですよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
でも今は、そういうことを抜きにして、自分のやった後悔だけがありますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
そして、やった後悔の中に・・ちょっと矛盾はしてるんです。
いいですか?、キツく言ってしまいますけども。

相談者:
はい。
いいです。

大原敬子:
自分を責めていますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
自分を責めるってのが、いくつもあるんですけども・・ご主人様ではなく。
こういう状況に、自分が戸惑っていて、疲れてきますねえ?

相談者:
はい。

大原敬子:
そのとき、倒れる前の幸せ感が・・今無いですよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
それに対する、自分の寂しさってことが自分の責め方ですか?
それとも、夫をこうさせてしまったのが自分だ、って。
いずれかの2つありますね?
どちらですか?

相談者:
早く気付いてあげれば良かったかなって気がします。

大原敬子:
ていうことは、あの時の、その健康のときの、若いときの、思い出しゃべった、あの頃が懐かしくて・・あの頃の状況と今、まったく違いますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
その、せつなさってのが・・自分を責めてるってことは、どのくらい、入ってます?、その中に。

相談者:
・・

大原敬子:
なぜ、これ聞くか分かります?

相談者:
ちょっと分からないです。(笑)

大原敬子:
そうですか。

ほんとに好きだった場合ですよ?

相談者:
はい。

大原敬子:
今、生きているだけでもいいと思ったときに、

相談者:
ええ。

大原敬子:
残されたこの1日を、

相談者:
ええ。

大原敬子:
自分はどう生きようか?ってのは考えませんでしたか?

相談者:
・・

大原敬子:
あの、聞きたいんですけども、今、ベッドでは、どんな状況になってるんですか?ご主人様。

相談者:
もう、寝たきりです。

大原敬子:
寝たきりで、あと、どうなっています?
あの、身体拭くこととか出来るんでしょう?

相談者:
ええ、もちろん、それはやってます。

大原敬子:
ね?
そしたらね、あなたね・・これは、あなたの考えと私の考え・・私はどっちかというと、行動タイプなので、あなたには重ね合わせることは難しいかもしれませんけども・・一つは、世の中にはこういう人もいるってことで参考に聞いて頂けますか?

相談者:
はい。

大原敬子:
なったときは、もう、絶対的に、もう、どうしようもないことですよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
そのとき、せめて自分を楽にするためには、

相談者:
はい。

大原敬子:
そうか、お酒も煙草も全部やってしまって、本人はこれでよしと私は思いたいんです。

相談者:
はい。

大原敬子:
じゃ、残された私はどうしようか?と思う。

相談者:
ええ。

大原敬子:
絶対・・それは・・すぐに逝ってしまうってなったら、私は一生後悔するんですけども、

相談者:
はい。

大原敬子:
ああ神様が・・この彼には申し訳ないけれども、夫には、ね。
でも、この時間・・猶予ありますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
死んだ気になって、

相談者:
はい。

大原敬子:
病人は抜きにして。
自己満足でもいいから。

相談者:
はい。

大原敬子:
看病するってことは、あなたは考えません?

相談者:
そうですねえ。

大原敬子:
うん。
伺いますけれども。
ご主人様は、色んな装置つけてるんですか?

相談者:
いえ、今は、自発呼吸も出来ましてえ・・あの、胃ろうだけですね。

大原敬子:
そうですよね。

相談者:
はい。

大原敬子:
そしたら、もう、色んなところを、あなた、触れること出来るんですよね?

相談者:
はい、そうです。

大原敬子:
何を触れてます?

相談者:
あの、まず顔拭いて(泣)、手と足と、濡れタオルで拭いて(泣)、マッサージして(泣)、硬直防ぐ為の、リハビリみたいなこともやります。

大原敬子:
マッサージすると、片方が、スーと細くなったり、片方が太くなったり、しますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
そこで判断しますよね、次何しようか?っていう。

相談者:
ええ。

大原敬子:
そういうことでも、ご主人様と会話できますよね?

相談者:
はい。

大原敬子:
耳元で話しかけてます?

相談者:
はい、一応、お父さん、お父さんって、連呼はしてるんですけどお、

大原敬子:
そのときに、あの、お医者さんは・・音楽聞かせも大丈夫なんでしょう?

相談者:
ええ。

大原敬子:
そしたら、お父さんの好きな音楽知ってるんですか?

相談者:
ええ、あの、孫が大好きでしたので、孫の声を、あの、耳に聞かせてます。(泣)

大原敬子:
今大事なのは、たぶん、お父さん、孫の存在云々よりも、意識有る無しは抜きにして、

相談者:
はい。

大原敬子:
意識があると思いたいんですね、私だったら。

相談者:
ああ。

大原敬子:
絶対後悔したくないですね。
もう、やってしまったことしょうがないの。

相談者:
はい。

大原敬子:
お父さんは、これが良かったと、私は思いたいんです、自分では。

相談者:
ええ。

大原敬子:
その代わり、徹底して傍にいますね。

相談者:
ああ。

大原敬子:
も、絶対、後悔したくないと思ったら。
もう、それに・・命掛けます。

相談者:
・・

大原敬子:
そうしてると、泣いてる暇は無いんですね。
泣くのはいつでも出来るんですね。

相談者:
ええ。

大原敬子:
今、泣いても、お父さん、身体、楽にならないんですよ。

相談者:
はい。

大原敬子:
今、あなたに残されてるのは、お父さんが懸命に生きてるってことです。(泣)

相談者:
そうですね。

大原敬子:
普通、本来、この時期になりますと、看病疲れが出て、自分の中に、看病出来ない自分は何だろう?ってことで自分を責めるんですよね。

相談者:
ああ。

大原敬子:
ですから、冒頭で聞いたんです。
あなたが今辛いのは、あの元気だった頃の夫婦だった自分たちを思って、今辛いのか。
それ聞きたかったんです。

相談者:
なんか、もう、気付いてあげれなかったっていう・・のお・・だけですね、ほんとに今は。

大原敬子:
そしたら、気付いたってことは、なってしまったお父さんは、君がいくら後悔したって・・僕は・・この状態なんですよ。

相談者:
そうですね。

大原敬子:
それ、あなたの、自分の、その心の中で、罪悪感を消してるんでしょう?

相談者:
はい。

大原敬子:
そいであなたは、もし、このまま、何か悪いことが起きたときに、

相談者:
ええ。

大原敬子:
ああ、あの看病、もうちょっと、ってなるんですよ。

相談者:
そうですね、後悔しますね、また。

大原敬子:
一番大事なのはあなたが心から彼を愛してたら・・やることはたくさんあるはずなんですよ。

相談者:
そうですねえ。

大原敬子:
で、やること、やってることは、彼のためじゃないんです、本来は。
彼が今生きてるから、自分は後悔出来ないことを、後悔しないことを出来るんです。

相談者:
そうですよねえ。

大原敬子:
ということは、僕は生きてるのは君に一生後悔させたくないからだよ、ともとれるでしょ?

相談者:
ええ。

大原敬子:
そしたら、あなたがなさることはあるんじゃないの?

相談者:
そうですね。(泣)
・・
はい。

大原敬子:
(泣)

相談者:
私ね、先生・・今、こんな状態でしたのでえ、ま、いずれは、家で看たいなと思いましてえ、あのお、介護ヘルパーの、資格を取りに学校に、3ヶ月間、通おうと思ってるんですね。

大原敬子:
あのね、これは自分ではっきり決めて・・私は、主人を愛しているけども、私自身も辛いんだと、直視するのは。
だから、お父さん、お願い。
だからといって、家でね、もんもんとしてる気持ちはない。
だから、せめて自分は、夫を助けたいという気持ちで、ヘルパーの学校いくから。
だから、土日にするってのも一つの生き方なんです。

相談者:
はい。

大原敬子:
でも、それが、主人を、後々、ね、自宅に看ようと思うから、私は学校にいくというのは、違いますよ、これ。
後悔しますよ。

相談者:
えー・・

大原敬子:
意識・・自分で意識するってことは、そこなんですけども。

相談者:
一応、そのお、資格を取ることでえ、まあ、60くらいになったらあ、家で、あの、お父さんも、一緒に看るつもりではいる・・

大原敬子:
そこまで、お父さんは元気でいられるんですか?

相談者:
・・

大原敬子:
そこなんです、実は。

相談者:
分かんないです。

大原敬子:
あなたは、夫がまだ若いからそうだろうって、どっかで逃げてるんですね。

相談者:
はい。

大原敬子:
責めてるんじゃないんですよ。

相談者:
はい。

大原敬子:
これ、絶対、後悔しますから。

相談者:
でも、私、薄情なのか、しらないんですけどお、
あのお、主人がこうしてねえ、ほんとに、先生にも言われたんですよね、今、その、倒れたときに命無くなってもおかしくないくらいの、ほんとにひどい状態だったんです。
それがこのように、今も頑張って生きてくれてるってのはね、主人からのプレゼントなのでね、これからは、もう、私も、自分の人生をね、しっかり生きて欲しいっていうプレゼントかなっていう気もしてるんです。

大原敬子:
そうですよね。

相談者:
だから、学校に行ってね、資格を取ってえ、いずれ、やっぱり家でね、(泣)、最後は看たいなと思って(泣)・・いう考えもあるんですう。

大原敬子:
もう、これは、もうあなたとは相容れないんで申し訳ないんですけどね、

相談者:
はい。

大原敬子:
頭のどっかにね、こういう人もあるんだって・・生きてるならば、夫のプレゼントは、今までしてなかった・・夫に対する償いかな(泣)

相談者:
そうですね。

大原敬子:
と私は思うんです。

相談者:
ほんとに償わなきゃいけないと思います。

大原敬子:
そのためには夫が生きていて、今後、もし、夫が亡くなった場合にでも、私はもう、前を向いて歩けるっていう、

相談者:
ええ、ええ。

相談者:
思いの、時期とするならば、

相談者:
はい、はい。

大原敬子:
もっと違うやり方もあるんじゃないかなっていうことであって、別に学校は全然悪くないですよ。

相談者:
確かに先生の仰るとおり、その方が前向きな生き方・・出来ますよね、後悔もなくね。

大原敬子:
だって、夫が・・長生きしないっていった夫が・・ここまで生きてるんですよ。

相談者:
はい。(泣)

大原敬子:
泣いちゃダメなのここで。

相談者:
ああ、そうですね。

大原敬子:
あなた、生かされてるんですよ。
じゃない?

相談者:
そうですね、(泣)はい。

大原敬子:
今、あなたは、泣く状態ではなくって、

相談者:
はい。

大原敬子:
お父さんを愛してるならば、渾身の力でですね、(泣)語れないお父さんを、看てあげる。

相談者:
確かにものは言わなくてもねえ、肉体はあるからねえ、ほんとに、触れるし、ありがたいですよね。

大原敬子:
ね。

相談者:
はい。
それは分かってるんですけどね。
はあ、なんか、もう、自分中心ですよね。

大原敬子:
いや、誰でもそうじゃないかしら。
ただ、後悔って一念は・・亡くなったらお終い(泣)。

私はそのお父さんが愛おしいんですね。
一生懸命生きてるから。(泣)

相談者:
はい。

大原敬子:
一生懸命生きてるお父さんを、あなたが・・看なくて・・お父さんの存在、今どこにあるかなと思うんですね。(泣)

相談者:
(泣)そうです。

大原敬子:
是非とも、その病院・・いつかは行かなくなるんですよ。

相談者:
はい。

大原敬子:
そう思ったら是非、(行って)差し上げて欲しいなって・・

相談者:
行けるうちにねえ。

大原敬子:
ね、

相談者:
行けなくなっちゃったら、終わりですもんね。

大原敬子:
終わりって?

相談者:
だから、主人がまだね、頑張ってくれてるうちにねえ、頑張って、精一杯やらないと。

大原敬子:
でも、そこまで看たらね、あなたの心の中にお父さんいるんですよね。
(泣)お父さんいなくなっても。

その病院に行ったとき、全部、お父さんいるんですよ。

相談者:
(泣)そうですよね。

大原敬子:
そう。

相談者:
もう、今でもやっぱり、辛くってねえ。(泣)

大原敬子:
でも、今、は、泣いちゃだめですよね。

相談者:
はい。

大原敬子:
いかがでしょうかね・・先生、いかがでしょうか?

加藤諦三:
え。
あのお、今、大原先生、言われたようにね、自分を責めたり、嘆いて、いるよりも・・も、とにっかく、目の前にある出来ることをやってくことでしょうね。

相談者:
はい。

加藤諦三:
よろしいでしょうか?

相談者:
ありがとうございます。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
ありがとうございました。

(内容ここまで。次は管理人コメント)
無邪気で正直なだけに薄ら寒い相談者の告白

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