過去に弟に独占された3億の遺産相続。新たな遺産が出てきて再びバトル

(内容ここまで)

「家は要らんけど、まちっと金が欲しい。一千万」

色々意見はあるでしょうが、分かりやすくてよろしい。

いや、カネのことしか頭にないくせして、はっきり言わない人ばっかだから。

 

しかし、
番組的に印鑑の貸し借り率の高さよ。

印鑑は貸すものではなく、自分で押すものだっていうことを、生活科だっけ?、義務教育のカリキュラムに入れる必要があるのかも。

でもさ、署名は印鑑を集めた弟が代筆したんだよね?
これっていいの?

ちょっと気になって調べてみたんだけど、少なくとも遺産分割協議書では、署名の代筆はOKみたい。

考えてみたら、印鑑証明書まで添付されてるんだもんね。

 

さて、

終わった遺産分割協議を蒸し返して、欲深い婆さん?
ま、それはそうなんだけど(笑)、この人が言うことも無理はないってことを示したい。

あと、一千万なんて、たぶん余裕で手に入るってこともね。

 

まずは、弟が独り占めにした遺産。

相談者は「億」って言ってんだけど、計算してみたら1億なんてもんじゃない。

弟が払った相続税 2480万。

これを基に逆算すると、弟が手にした遺産はなんと、

2億7400万。
(最後に計算式を書いとくから、興味のある人は見て)

もちろん、この中には現金だけじゃなく土地も入っている。

ていうか、相続税のための土地の評価は時価評価ではない。
路線価を始めとする、それよりもずっと低い価格だ。

だから、弟は土地の売却によっても、相当の利ざやを稼いだ。
これを合わせると弟が手にしたキャッシュは3億円超え。

 

4人の姉妹に50万円づつ渡して判子を集めたんだけど、これって、2万7400円もらえる人が、50円づつ4人にあげたってことなんだよ。

弟はなかなかのもんだ。

ケチってことじゃない。
現金が持つ力を知ってるってこと。

姉の人間性もね。

相談者、50万の札束を見せられて思考停止したのさ。

後の祭。

 

でも、運が残ってた模様。

なに?、遺産分割協議書に含まれてない有価証券が見つかったの?

しかも、またも弟が50万でケリつけようとしたと。
じゃ、また、億単位ってことだ。

バーカ、同じ手は食わねえよ。
相談者、その50万突っ返したって言うけど、正解。

今度はちゃんと法定相続分を手にすればいい。
たぶん、それって一千万どころじゃない。

つまり、相談者含む4人の姉妹は、過去に済んでしまた遺産分割協議を蒸し返して、1千万ぐらいは貰いたいって考えてるんだけど、遺産分割が済んでいない有価証券だけで、それは可能だということ。

 

しかし、死んだ親父って何者?

 

相続税から遺産を逆算する

当然、平成27年1月の改正前の計算方法となる。

払った相続税が2480万。

遺産は全て長男が相続。

姉妹4人に50万づつ分配されてるけど、これは割合として無視していいレベル。

実際、弟は相続分としてではなく、金一封として渡してると思われる。
法的には贈与。

 

さて、
兄弟の法定相続分は均等なんだから、
支払った相続税総額2480万を相続人5人で割る。

2480万 ÷ 5人 = 496万

これが法定相続分による場合の一人当たりの支払うべき相続税。

さて、ここで、税率を知るために大方の予想をつける必要があるんだけど、相続税が500万前後の場合、課税相続分はだいたい3千数百万ぐらいになるはず。

相続分が3千万超から5千万未満の場合
・税率: 20%
・控除額: 200万

なので、相続人一人当たりの課税相続分は、

(496万 + 200万) ÷ 20% = 3480万

で、5人全員の課税相続分は、

3480万 × 5人 = 1億7400万

さらに、相続税には基礎控除というのがあって、遺産総額が基礎控除額までなら分配のし方に関係なく相続税は1円も掛からない。

基礎控除額は、

5千万 + 1千万 × 相続人の人数
=5千万 + 1千万 × 5人
=1億

これと5人分の課税相続分を足すと

1億7400万 + 1億 = 2億7400万

これが相続税2480万に相当する遺産総額だ。

 

平成27年1月改正後の相続税

ちなみにこの遺産で、平成27年現在の相続税だといくらになるか?

まず、基礎控除額が、

3千万 + 6百万 × 相続人の人数5人 = 6千万

これを遺産総額から引く

2億7400万 - 6千万 = 2億1400万

で、これを相続人5人で割ると、

2億1400万 ÷ 5人 = 4280万

相続分が3千万超から5千万未満の場合
・税率: 20%
・控除額: 200万

4280万 × 20% - 200万 = 656万

これが法定相続分による場合の一人当たりの支払うべき相続税。

で、支払うべき相続税の総額は5人分だから、

656万 × 5人 = 3280万

弟が支払った2480万との差額は

3280万 - 2480万 = 800万

今だったらこれだけ上がるわけだ。

 

意外だった相続税の累進課税の適用のし方

累進課税というのは課税対象額が増えるほどに税率も増えるというもの。
所得税もこれ。
消費税は違う。

相続税は累進課税なんだけど、意外だったのはその適用のし方。
この考え方は平成27年1月改正前後でも同じだ。

最初、弟が2億7400万を貰ったんだから、この金額に相続税がかかると思ってた。

これだと、

改正前は、基礎控除後の1億7千万の税率40%
改正後は、基礎控除後の2億1400万の税率45%

が適用され、とんでもない相続税が発生してしまう。

だけど、違った。

上の計算で示したとおり、遺産が実際にどんな分け方をされようとも、相続税の算出はあくまで法定相続分で分配されたことにする。

それで、遺産総額に対する相続税の総額を出した後、それを実際の遺産分割に応じて負担するというやり方だ。

だから、弟は2億7400万もの遺産を独り占めしながら、その10%にも満たない相続税で済んでいるわけだ。

つまり、もし弟が、遺産を独占したいがために、姉妹4人に相続放棄させていたら、倍以上の相続税を払うことになっていた。

(相続放棄すると相続人として存在しないことと同じ)

 

 

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