跡継ぎの定義ができない相談者が 農家の跡継ぎの心配する

(回答者に交代)

大迫恵美子:
えっとね、跡取りって仰ってることがね、もう一つピンと来ないんですけど、

相談者:
はい

大迫恵美子:
どういう意味で、跡取りという言葉を使っていらっしゃるのかね?
お墓のことをさっき仰いましたよね?

相談者:
はい

大迫恵美子:
えー、お墓を守る人という意味で跡取りと仰ってるんですか?

相談者:
そおですね、一番には、はい

大迫恵美子:
それ以外には何がありますか?

相談者:
あんまり、あのお、考えてはないんですけど・・

大迫恵美子:
あのね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
さっき、そのお、田んぼだとか、

相談者:
はい

大迫恵美子:
ま、お家もそうかもしれませんけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
こういうものについては、まあ、普通の民法の、相続分で、三分の一づつみたいな数字を、口にされましたよね?

相談者:
はい

大迫恵美子:
そういう三分の一づつ分けるということには拘らないんですか?

相談者:
あんまり、そっちのは考えてなくて、とにかく、あのお、家を誰が、話い、に、みんなが集まって、なってもね、結論が出ないんでね、みんながウヤムヤにしているような、感じ、なんでえ、

大迫恵美子:
そのときの跡取りって言ってるのは、家、と仰ったんですけど、今、お母さん、お父さん、妹さんが住んでいるお家の権利のことも、考えてますか?

相談者:
権利・・

大迫恵美子:
えっと、跡取りっていうのは、そのお家を貰う人っていう意味ですか?

相談者:
いや、そういう・・ことは全然、考えなくてえ、

大迫恵美子:
はい

大迫恵美子:
墓守とか、そういうことなんだけど・・

大迫恵美子:
跡取りっていうのは、法律の言葉ではないのでね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
何を指しているのか、人によって少しづつ違うのかもしれないんですけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
あるいは地方によってね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
言い方が違うかもしれませんけどお、一般的には、跡取り、昔の農家の人が跡を取ると言ってるのはね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
建物、あの、家屋、

相談者:
はい

大迫恵美子:
住宅だとかね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
えー、それから、農業用の、田畑、農業用の設備、施設ですね、例えばトラクターだの、そういう農機具みたいなものも含めてね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
こういうもの全部受け継いで、

相談者:
はい

大迫恵美子:
そして、家業である農家の仕事をやっていく人。
こういう人のことを跡取りと言ったと思うんですけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
そういう意味ではないんですね?

相談者:
はい

大迫恵美子:
あの、そうするとね、あんまり跡取りをどうしましょう?っていう話がね、

相談者:
うん

大迫恵美子:
実質的に何を決めるのか?っていうと、ま、あなたのお話だけだと・・亡くなった後、誰がお墓の掃除したりね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
法事を主催するの?っていう話ですよね?

相談者:
はい

大迫恵美子:
そのことを、今、なかなか決めづらいんじゃないですか(笑)?
ご両親はご健在なのに。

相談者:
ですかね。

大迫恵美子:
だからウヤムヤになっちゃうってことなんじゃないんですか?

相談者:
じゃ、亡くなった後になるんですかね・・

大迫恵美子:
だんだんね、その、自然と決まっていくと思いますけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
例えば、おそらくう、そのお、後に残された方の、ご両親のうちね、後に残された方の方が、だんだん、病気、がちになってくるとかね。

相談者:
はい

大迫恵美子:
そういうときに、決まってくるんじゃないかと思いますけどお、あれですよね、あなたの方ではね、すごく、露骨な言い方で申し訳ないんですけど、ご両親が亡くなったときの、喪主を、当然、長男である自分の、ご主人がすべきだと。
そういうことが気がかりだってことでしょうかね?

相談者:
喪主をしたら、わたしたち夫婦が、家の、お墓に入るような・・

大迫恵美子:
いや、それはねえ、実はね、お墓の問題は、非常にあの難しい話なんですけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
お墓って、ま、どこにあるんですかね?、あのお、ご実家のお墓っていうのは。
どこか、お寺が預かってますか?

相談者:
いや、お寺じゃないです。

大迫恵美子:
あの、共同墓地みたいな所?

相談者:
はい

大迫恵美子:
あー。
それはね、本当は法律とは違う話になってるんですけどお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
一般的には、名字の同じ人が入るっていうようなことでね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
あなた方ご夫婦も入ると、いうふうに思われていて、

相談者:
はい

大迫恵美子:
それで、まあ、実際にはお近くに住んでいる妹さんがお掃除とかもするのかもしれませんけどお、で、妹さんが亡くなったときもね、そこに、そういう、その、なんていうんでしょうね、直系だけしか入れないんだ、っていう地方と、

相談者:
はい

大迫恵美子:
ご兄弟で、お家に、居るような人ね、お嫁に行かなかった人だとか、ま、色々、そういう人が、昔の大家族だと居たりしますよね?

相談者:
はい

大迫恵美子:
そういうような人も一緒に入れてる地方もありますのでえ、

相談者:
はい

大迫恵美子:
それは、その地方の慣習みたいものが随分、大きいんじゃないかと思いますけどお、

相談者:
あー

大迫恵美子:
でも、これほんとに、法律論じゃないのでえ、

相談者:
はい

大迫恵美子:
弁護士としても、簡単には言いづらいんですけどお、おそらく、普通の感覚ではね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
お墓に誰が入るかという観点で言えば、苗字を同じにしているあなた方ご夫婦がお入りになるということなんじゃないですか?

相談者:
妹も、同じ姓に戻ってるので。

大迫恵美子:
ああ、戻ってるのでね。
でも、まあ、普通はそのお、養子縁組までされて、

相談者:
はい

大迫恵美子:
ご結婚されたんですから、

相談者:
はい

大迫恵美子:
あなた方ご夫婦が入るんだろうとみんな思ってるんじゃないんですか?

相談者:
あー

大迫恵美子:
その点が今、とても心配だってことなんですかね。

相談者:
そういうの、はっきり、出来たらな、と思って・・

大迫恵美子:
ああ、何かね、その跡取りをハッキリしたいって仰ってる言葉とお、

相談者:
はい

大迫恵美子:
亡くなったときに、そこのお墓に、入れてもらえるんですか?っていう話とね、

相談者:
はい

大迫恵美子:
随分、その、なんか、隔たりがあるように思うんですけど、ほんとに、そのことだけが心配なんですか?

相談者:
今のところお、それだけ(笑)なんですけど。

大迫恵美子:
んん・・お墓の問題はほんとに難しい話なのでえ、例えばご実家の、周りにね、集落の立派な、墓地があって、立派なお墓が建ってるような所って結構ありますけどね、で、そこにまあ、入れるといいな・・ま、自分のとこでお墓を用意しなくてもいいから、あの立派なお墓に入りたいなっていう、のは分りますけどお、

相談者:
はあ

大迫恵美子:
問題はね、その後、そのお墓を誰がお掃除してくれるかっていうことの方がずっと大事なわけですよ。

相談者:
はい、はい

大迫恵美子:
両親の、お骨をそこに入れてしまってえ、で、そこの子どもたちはどっかにずっと住んでてね、

相談者:
うん

大迫恵美子:
ま、何年に1回くらいしか行かないとかあ、あるいは、極端な話、外国に、子どもが行ってしまっているとかね。

相談者:
はい

大迫恵美子:
そういうことで、お墓参りする人なんて誰もいないっていうようなこともあり得るわけですよね。

相談者:
はい

大迫恵美子:
そうすると、そのお、自分の先祖代々の立派な・・ね、あのお、大きな石のお墓に入っていても、それでいいのかどうか、ってよく分からないですよねえ?
で、むしろ、その、子どももね、あんな遠い田舎のお、なんかよりは、都会の自分が働いているところの近くで、そんな立派じゃないけど、簡単な墓地を買って、身近な所に置いておけばね、お彼岸にも行けるし、っていうような人もいますよね。

相談者:
わたしたちは別にい、別のお墓を作ってとは思ってたんですね・・今の所で生活するんならね。

大迫恵美子:
はい

相談者:
ま、ちょっと、話がウヤムヤに、その件で終わるんで、どうしたらいいかなと思って、

大迫恵美子:
あ、それはね、お墓に入りたくないっていうお話なんですかね?

相談者:
別に、こっち、にでも生活するんだったら、はい。

大迫恵美子:
むしろ、妹に、お墓を看てもらいたいというお話なんですか?

相談者:
え、え、そうです。

大迫恵美子:
あ、なるほどね。
そういうおつもりならば、話は分り易いと思いますよ。
じゃ、そのときは、たぶんね、妹さんに大目に何かをあげるからという話で引き換えると思いますけど。

相談者:
はい

大迫恵美子:
三分の一づつでね、お墓だけ看なさいって言ってもお、おそらく納得しないと思いますよ。

相談者:
はい

大迫恵美子:
それはやっぱり、その、三分の一っていうのはね、人為的に作られた三分の一ですのでえ、

相談者:
はい

大迫恵美子:
生まれながらだったら、ほんとは半分づつだったはずなのにね、

相談者:
うん

大迫恵美子:
養子縁組にしてるけどお、家を実際には看ていない、お義兄さんが三分の一持って行くの?っていう、そういう問題は残すと思いますよ。

相談者:
はい、分りました。

(再びパーソナリティ)

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