価値を相対化せよ。美しく老いるために。兄弟が冷たいと嘆く女性へ
(回答者に交代)
大原敬子:
こんにちは。
相談者:
あ、どうも、始めまして。
大原敬子:
あのお、ものすごく分かるんですよ、あなたの仰ってることが。
よおく理解できるんです。
それでね、
相談者:
はい
大原敬子:
あなたの今日の相談の内容なんですけどね、
相談者:
ええ
大原敬子:
不満とか、
相談者:
ええ
大原敬子:
不条理の問題なのか?
怒り。
それとも、兄弟が、もっと、わたしに、昔お世話になりましたねえ、って。
その感謝の気持ちを、
相談者:
ええ
大原敬子:
欲しいっていうのか?、どうなんですか?
相談者:
あのお、その感謝の気持ち、じゃなく、普通の?
普通の気持ちが欲しいんです。
大原敬子:
これね、
相談者:
ええ
大原敬子:
昔からこういう言葉があるんですよ。
相談者:
はい
大原敬子:
40、50、60はね、
相談者:
はい
大原敬子:
兄弟だから、とかね。
相談者:
ええ
大原敬子:
あたしはあなたの親だから、って、その年代では、聞き入れる能力があるんですって。
相談者:
はあ
大原敬子:
ね。
ところが70、80、90になると、兄弟という関係も希薄になり、
相談者:
ええ
大原敬子:
親子という関係も希薄になり、
相談者:
ええ
大原敬子:
ただ、ただ、自分のことが一番大事っていう関係が、心が、あるいは精神的なものが、
相談者:
はい
大原敬子:
70、80、90だってのが、昔から言われてるんですよ。
相談者:
はー
大原敬子:
それが一点ね。
相談者:
はい
大原敬子:
で、もう一つ。
たぶん、人間てのは、70、80、90になると、自分の無いものを持ってる人は、きっと幸せだろうと思う、錯覚で自分の心を苦しめていくっていう言葉があるんですね。
相談者:
ああ、隣の芝生みたいな・・
大原敬子:
うん、もっと、もっと、現実的かしら。
例えばですね、今あなたがまさに仰ったけれども、
相談者:
はい
大原敬子:
兄弟には子どもがいた。
相談者:
ええ
大原敬子:
わたしには子どもがいない。
相談者:
はい
大原敬子:
兄弟には、夫とか、連れ合いがいた。
相談者:
はい
大原敬子:
わたしにはいない。
相談者:
はい
大原敬子:
そして、わたしは若いころ経済的に豊かであったときに、兄弟たちを看た。
相談者:
はい
大原敬子:
でも、兄弟たちはきっと今でも豊かであるはずなのに、
相談者:
はい
大原敬子:
その恩も忘れて、わたしを見ていないっていうふうに、思っていたとしたならば、
相談者:
はい
大原敬子:
すごく、人生、自分をもっともっと、苦しめるんじゃないかなと思ってるんですね。
相談者:
そおなん・・
大原敬子:
あのね、
相談者:
そうなんです、わたしも、どういうふうに考えを変えたらいいか・・
大原敬子:
あのね、
相談者:
ええ
大原敬子:
子どもがいても、
相談者:
ええ
大原敬子:
子どもが、何の役にも立たない、子どももいるんですよ。
相談者:
そうですね。
大原敬子:
逆に、子どもがいるがために、
相談者:
ええ
大原敬子:
この歳まで苦しめられるっていう、家族もいるわけです。
相談者:
そうですよね。
大原敬子:
そう思いません?
相談者:
思います。
大原敬子:
ねえ。
相談者:
はい
大原敬子:
よく、子ども・・だからこそ、自分はどうにもならない。
相談者:
ええ
大原敬子:
自分だけの人生、自分だけの身体であるならば、
相談者:
はい
大原敬子:
なんとか、耐えることも出来るし、
相談者:
ええ
大原敬子:
我慢も出来るし、
相談者:
ええ
大原敬子:
でも、子どもがいるからこそ何も出来ないっていう、家族もいるんです。
相談者:
そうですよね。
大原敬子:
ね、そう考えてみると、
相談者:
はい
大原敬子:
今あなたのお話を聞きましてね、
相談者:
はい
大原敬子:
あのときは子どもたち?、兄弟たち?、甥姪?
とにかくあなたのところにすがってきた。
それが今はない。
事実ですよね?
相談者:
そうです。
大原敬子:
そして、もう一つは、あのときは、母親がいましたよね?
今もお母さま、お元気でいらっしゃるんですか?
相談者:
いえ、もう、いないです。
相談者:
ね、あのときにあなたがなさったときには、
あの、母親が喜ぶならば・・
母親がいたからこそ、自分は、兄弟を看ていたのかも、しれないし。
分からないですけども、
相談者:
はは
大原敬子:
その、母親も、今はいないんですね。
相談者:
はあ・・
大原敬子:
わかります?
そして、兄弟は、全部あなたが74歳となると、ほとんど80とかその年代ですよね?
相談者:
ええ
大原敬子:
そうなると、
相談者:
わたしが、6番・・
大原敬子:
6番ですものね?
相談者:
6番目ですもんね。
大原敬子:
そうですね。
そうすると、兄弟が今いても、先ほど言いましたけれども、70、80、90は、
相談者:
はい
大原敬子:
兄弟っていうのは、形だけであって、もう今、自分の身体で精一杯っていう、兄弟たちなんです。
相談者:
ええ
大原敬子:
今、あなたのお考えが、すごくエネルギーがあって、
相談者:
ええ
大原敬子:
ちょうど、40歳、50歳の考えで、兄弟の不満を言ってるんですけども、
相談者:
ああ、はあ、はあ
大原敬子:
現実は、兄弟たちは、90、80、70なんです。
相談者:
はあ・・
大原敬子:
そうすると、妹のあなたが言ったとしても、
相談者:
ええ
大原敬子:
向こうは妹も何も関係なくして、自分のこの老いた身体をですね、
相談者:
ええ
大原敬子:
どのように自分が、楽に生きるかで精一杯なんですね。
相談者:
はあ
大原敬子:
分かります?
相談者:
はあ、は、は
大原敬子:
そのぐらいに、時というのは変わってしまうんです。
相談者:
あー
大原敬子:
あなたが今、きっと元気で、
相談者:
ええ
大原敬子:
しっかりと、かくしゃくとして、今、74歳の人生を歩いてるんだと思うんですね。
でも、あなた自身が自分の器が見えてないんです。
相談者:
あー
大原敬子:
見えてないから、私のないものは・・
子どもがいないでしょ?
夫がいないでしょ?
そして、
相談者:
ま、それは、全然もう、わたし昔からそれは覚悟はして・・ました。
大原敬子:
あたしが見たものですよ。
相談者:
ええ
大原敬子:
わたしが見たものですよ。
分かりますね?
相談者:
(笑)
大原敬子:
ね。
相談者:
ええ
大原敬子:
そういうふうにあなたは思ってるかもしれませんけれども、
相談者:
ええ
大原敬子:
あなたが今ターゲットにしてる兄弟は、
相談者:
ええ
大原敬子:
あなた以上に、今、自分の、身体のことで精一杯だと思います。
となると、今あなたが言ったその不満は、どうにもならないね、足腰あちらこちらが痛い人に、なぜ、面倒看ないか?と言っても虚しいですよね?
相談者:
ええ・・
大原敬子:
今、大事なことは、今日あなたが、今日電話なさいました。
相談者:
はい
大原敬子:
この元気さを、
相談者:
はい
大原敬子:
明日もつなげたら。
相談者:
はい
大原敬子:
明後日もつなげたら。
相談者:
はい
大原敬子:
75、76も、今のあなたでいられるんですよねえ?
相談者:
はい
大原敬子:
だから、今ね、
相談者:
ええ
大原敬子:
あなたが納得なさらないかもしれませんけど、もしですよ、今晩、ものすごくお腹が痛くなったとします。
相談者:
ええ、ええ
大原敬子:
そのときに、兄弟がこうしたとかね、あの人がこうしたとかね、思うかしら?
思わないと思いますよ。
相談者:
痛いですね。
大原敬子:
ね。
あんなことどうでもいいから、とにかく、この痛みを取って欲しいと思いませんか?
相談者:
え、全然、あの、他のこと考えないですね。
大原敬子:
ねえ。
相談者:
考えれない
大原敬子:
そのくらいにわたしたちは、
相談者:
ええ
大原敬子:
瑣末な小さなことで、
相談者:
ええ
大原敬子:
自分の健康を害してるんですよ。
ね?
相談者:
わたし思います、こんなこと考えてたら
大原敬子:
そう。
大原敬子:
自分が、破滅するから、
大原敬子:
そうです。
相談者:
馬鹿じゃない?
こんな馬鹿なことやめましょう、って思うんですけど、なんか、パッと、こう、ドラマなんかの、そんな場面だと、んん、見ると、またパッと浮んだりするんですよお・・
大原敬子:
浮んでもいいのでね、浮んだらすぐに、あ、もし、必死の痛みが来たなと思ったっていうふうに、
相談者:
はい
大原敬子:
自分、それがコントロールって言うんです。
相談者:
はい
大原敬子:
何かに引っかいたららあ・・いや、どっちがいいですか?
やっぱ、痛みと兄弟。
相談者:
はい
大原敬子:
痛みの方が嫌でしょ?
相談者:
はい
大原敬子:
その程度のものなんだって思うことにして、
相談者:
はい
大原敬子:
自分を楽にしていく、知恵?
歳を重ねる・・
相談者:
それが欲しいんですねえ・・
大原敬子:
え?
相談者:
やっぱり・・
大原敬子:
今、出てるじゃない、知恵が。
痛みが今晩出たら、要らないと思うでしょ?
相談者:
ええ
大原敬子:
それ、そういう知恵を、働かして、
相談者:
ええ
大原敬子:
是非、今日一日?
相談者:
ええ
大原敬子:
このエネルギーのある生き方を、なさって欲しいなと思うんですけど、先生いかがでしょうか?
(再びパーソナリティ)