ババ抜きのババ。未登記の築50年の生家を手放したい

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
よろしいですか?

相談者:
はい、ありがとうございますう。

加藤諦三:
ま、お母さんが穏便に住んでられるようにというのが趣旨ですからね、

相談者:
はい

加藤諦三:
そのためには、こういうようにするのがいんじゃないか?っていう、理屈でいんじゃないですか?

相談者:
分かりましたあ。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
ありがとうございましたあ。

(内容ここまで)

塩谷 「あくまで当事者はお母さんですから」

そう?
母娘との間で遺産分割協議書を作ってないんだから、相談者は共有者の一人だよ。

築50年の家屋に財産価値なんて無いんだけど、相談者が持ち主であることに変わりは無い。

 

未登記の建物って珍しくもないみたいね。
こういうふうに、元々の私有地に勝手に立てられたもんなんかは特に。

ローンも利用しない、売買もしないとなると、困ることも無いし。
登記にもカネが掛かることを知れば、じゃあ、放っておけとなる。

もちろん、家屋の持ち主は父親、ないし、今は相続した母娘であることに疑いはない。
登記なんて関係なく、モノを買えば、買った人の所有物だ。

だから、自治体が家屋の存在を把握しさえすれば固定資産税はかかる。
じゃ、自治体はどうやって未登記の物件を把握できるかっていうと、それはもう色々。

自治体の管轄業務をフル活用することになる。
建築に関わる様々な届け出とか、水道なんかも自治体の管轄だしね。
逆に言うと、隠し通すことも出来なくもないわけだ。

 

相談者 「契約書は交わした方がいいですよね?」
塩谷  「そうですねえ・・」

いや、ここはハッキリYESじゃない?
だって、公に譲渡したことにしないと、母娘が固定資産税を延々と払い続けないといけないからだ。

家屋の固定資産税は住んでいようがいまいが掛かる。
築50年だろうと、資産価値ゼロだろうと掛かる。
廃屋になっても掛かる。

その額、せいぜい年3万円程度(*)だろうけど、無駄金には違いない。

母親には長生きして欲しいだろうけど、元気になって一人暮らしに戻る可能性はないでしょ
だったら、とっとと法的に手放さないと。

相談者が考えてたふうの、当面放っておくとか、家財道具だけを引き払って知らんぷりは損にしかならないの。

相談者にとって、壊すか、譲渡の契約を交わすかの2択、いや、取り壊し費用を考えたら譲渡一択だ。

 

兄夫婦の家|長女(母)の家|弟夫婦の家

こう建ってんだよね。
農家?
みんなで家業でもやってんのかね。

しかし、相談者の警戒心が半端ない。
両隣って、相談者にとっては叔父・叔母なんだよ。
しかも、相談者はここで生まれて育ったんだし。

普通に考えれば、今日の相談なんて直接話せばいいだけ。

だから、普通じゃないってことなんだな。(笑)
そういう話が出来ない、したくない関係だと。

最早、その家屋はババ抜きのババ状態。
義理の叔母が欲しがってんなら、渡りに船だ。

気が変わらんうちに、はよ。
晴れてる日にさ。(笑)

 

(*)相談者の固定資産税を算出する

大雑把でいいんなら、家屋の固定資産税の年額は、
【課税評価額 × 1.4%】
これが新築時の固定資産税の年額。

課税評価額は、これも大雑把でいいんなら時価、つまり売値の70%ぐらいで考えとけばいい。

土地と違って、家屋の価値は年々下がっていくから、それに応じて課税評価額も減っていく。

でも、ゼロにはならないんだよ。
築27年で新築時の課税評価額の20%で下げ止まる。

今日の母娘に掛かる現在の固定資産税は、新築時の時価を1千5百万と仮定すると、

1千5百万 × 70% × 20% × 1.4% ≒ 3万円/年

これを、取り壊す(塩谷弁護士の言葉だと収去する)まで誰かが納税しなければならない。

実際の物件の価値はゼロでもね。

 

 

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