チック、身体が教える心理。妻に父のお面を被せて怯える?

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
ええ、今あ、大原先生の、話、伺って、どお、思いました?

相談者:
いや・・

加藤諦三:
要するに、奥さんと話してるんじゃなくて、奥さんを通して、お父さんと話をしていたということですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
だからねえ、なあんて言うのかなあ・・ウサギと接しているのにい、ライオンと思って逃げ出すような人なんですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
相手はウサギなんです。
だけど、あなた、現実と接してないから。

相談者:
・・

加藤諦三:
今の環境ってのは、ウサギなんです。

相談者:
はい

加藤諦三:
だけど、ウサギを見て、ライオンと思うから、

相談者:
はい

加藤諦三:
ビクビクう、とするわけ。

相談者:
はい

加藤諦三:
今の状況に反応してないんですよ。

相談者:
はい

加藤諦三:
今、会社に居る。

相談者:
はい

加藤諦三:
今、ファミリーレストランに居る。

相談者:
はい

加藤諦三:
でも、その、今の、状況に、あなたは反応してないんです。

相談者:
・・

加藤諦三:
ウサギをライオンと思ってるから。
今、ウサギなんだけども、ライオンと思ってるから。

相談者:
はい

加藤諦三:
ほんとに、幼児期、辛かった人はあ、もおのすごく苦しいときでも、僕、楽しいって思ってんの。

相談者:
・・

加藤諦三:
そこのところは分る?

相談者:
はい

加藤諦三:
自分はそうじゃないんだけれども、

相談者:
はい

加藤諦三:
ほんとに自分の気持ちが、深刻になっていくとそうなってしまうってのは、想像は出来る?

相談者:
そおですね・・はい

加藤諦三:
だから、まあ、そこまで分ってんだったらあ、もう、自分で、常に今の、現実に接しようと。

相談者:
はい

加藤諦三:
ウサギは、ライオンと思うまいと。

相談者:
はい

加藤諦三:
悩みを顕微鏡で見るの止(や)めようと。

相談者:
・・

加藤諦三:
出来ると思うけど、どうですか?

相談者:
・・はい、やってみます。

加藤諦三:
やってみるって言う人、だいたいやんないんですよ。
「やってみる」って言う人は。
「やります」って言う人がやるの。

相談者:
はい

加藤諦三:
どうですか?

相談者:
やります。

加藤諦三:
うん
奥さんとの関係、上手くいくと、思います。

相談者:
あ、
ありがとうございます。

加藤諦三:
よろしいでしょうか?

相談者:
はい、ありがとうございました。

加藤諦三:
はい、どうも失礼しますう。

相談者:
失礼します。

加藤諦三:
違った状況では、違った感情が発生するものです。

(内容ここまで)

大原さん、目の付けどころが。
そこおぉ!?

相談者、風邪だったら笑うわ。
気の弱い相談者のこと、大原先生にゃ言えないもんね。

冗談です。
咳のタイミングからして、確かに心理的なもの。
だって、その証拠に後半は出なくなった。

チック:
tic。突発的で、不規則な、体の一部の速い動きや発声を繰返す状態
<日本小児神経学会>

運動チックと音声チックがあって、今日の相談者みたく咳なんかは音声チック。
それら症状をチック症って言うんだけど、治療が必要かどうかは程度問題。

相談者ぐらいのは、よく見かけるし、クセで終わらせちゃう話だよ、普通これぐらいは。

もしかすると、相談者だって、言われたの初めてだったんじゃない?
戸惑いが見られたのはそこ。

大原 「あなた、それ、チックでしょ?」

(笑)
今日言われた中で、これが一番ショックだったりして。

 

加藤先生、たぶん、シンパシー感じてんだと思うよ、相談者に。

だって、相談者に、こうでしょ?ああでしょ?って言ってたの、あれ全部自分のことだもん。

 

一口で言うと、小さい頃から私は心理的に父の”おもり”をしてきたのである。
どう言ったら父を喜ばすことが出来るか、そればかりを気にして生きてきた。
ここでおいしいと言ったら喜ぶか、ここでまずいと言ったら喜ぶか、ここで笑ったら喜ぶか、ここで悲しんだら喜ぶか、そればかりを考えていたのである。
自分の気持ちに正直であったことなど一度もない。

<中略>
心の底では行くのがいやでも、とにかくドライブに連れて行ってください、と言う。それが承認された時、わあー嬉しいと叫んで家の中ではしゃぎまわる。それはわたしにとって辛い演技であった。

<加藤諦三 「自分に気づく心理学」>

 

 

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