一体何が?農家の跡継ぎ37歳が組合旅行からPTSDになって帰って来た
テレフォン人生相談 2016年4月8日 金曜日
パーソナリティ: ドリアン助川
回答者: 高橋龍太郎(精神科医)
相談者: 農家の女 農業を継いでる長男37歳 嫁 3人の孫
ドリアン助川:
もしもし?
テレフォン人生相談です。
相談者:
よろしくお願い致します。
あのー・・
ドリアン助川:
はい、えー、今日、どんなご相談でしょうか?
相談者:
私のあの、長男のことで、困っているんですけれどもね。
ドリアン助川:
はいはい
相談者:
3年前に、研修旅行、の先で、複雑性PTSD(*)に、なったんです。
(*)PTSD:
Post Traumatic Stress Disorder
心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい)
いわゆるトラウマ。
ドリアン助川:
PTSD?
相談者:
はい
ドリアン助川:
はい
相談者:
それ、以降、治療、になって、仕事は、ちょっとだけするんですけど、後は、しないで、多少は回復気味になってるんですけれども、子供を、3人、抱えて、ほんとに、この先、どうしたらいいか?分からなくて、困ってるんですけれどもね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
そのお、研修旅行の、懇親会の、あの、先のことで、お酒は入ってたみたいなんですよね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
それで、その時に、その息子、が、あの、3日ほどしてから、「俺は殺されるような気がした」って言うくらい、何か恐怖心を、味わってきたみたいなんですよ。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
それで、相手の方(かた)は「普通に喋ったし、何もそんな、あの、感じは、しない、してない」って言うんです。
だけど、隣にただ、座ってた、席の人に、聞くと、「威圧的に喋っていた」とか、「俺の勝手に、青年部、辞めた」とかっていう、言葉は、後からは、あたしらが聞いた、上で、分かったことで、あと一切、そのお、何ていうんですか、向こうは、その、「何にもしない」、ていうのは一点張りで。
それでね?
複雑性PTSDに、なるのには、うちの息子が、普通の会話でね、そういう病気になるものなのか?元々、そういうなりやすい質(たち)っていうか?それをあの、教えていただきたくて。
ドリアン助川:
はい。
まずですね、
相談者:
ええ
ドリアン助川:
えー、今、複雑性PTSDって言葉出たんですけども、具体的にはどういう症状が出てるんですか?
相談者:
手に汗をかき、
ドリアン助川:
はい
相談者:
そして、本人の、ことお、やら、会の、出た人のことを思い出したり、顔見たりすると、発作っていうか、顔が青ざめて、
ドリアン助川:
はい
相談者:
震えがきて、
ドリアン助川:
はい
相談者:
それで、病院を変えて言ったら、この診断を受けたんですよ。
ドリアン助川:
なるほど。
相談者:
その時に、
ドリアン助川:
うん
相談者:
そこの病院で、エクスポージャー法治療(*)っていうんですか?
それを受けて、それは終わったんですけれども、
(*)エクスポージャー法:
エクスポージャー(Exposure)・・晒す、暴露
あえてトラウマの原因に晒すことによって、慣れさせ、恐怖反応が起きないようにする。
例えば、犬に咬まれたことがトラウマになっている人に、温厚な犬と交流させるようなこと。
ドリアン助川:
はい
相談者:
未だにあの、通院して、働かないのが一番困りますね。
ドリアン助川:
はい。
ご長男、おいくつでしょう?
相談者:
えと、37歳。
ドリアン助川:
37歳。
相談者:
はい
ドリアン助川:
このご長男が、3年前に研修旅行というのは、
相談者:
はい
ドリアン助川:
この時期に仕事変えられたわけですか?
それとも前からいる会社ですか?
相談者:
いえ、会社ではないんです。
農家なものですからね?
ドリアン助川:
はい
相談者:
組合がいろいろあるんですよ。
ドリアン助川:
組合?はいはい。
相談者:
その、組合で、行ったんですよね。
ドリアン助川:
どういう、内容の研修旅行なんでしょうか?
相談者:
研修旅行っていうのはただ、一泊泊まって、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
どこか、見て、そして、帰ってくるっていうのは、別に勉強するっていうわけではないような(笑)、
ドリアン助川:
ああ
相談者:
ただ、そういう名目で行くんですよ。
ドリアン助川:
だ・・うん。
例えばですね、管理者養成のための、あの、旅行とか言って、
相談者:
いえ、そういうことはないです。
ドリアン助川:
厳しい、内容の・・
相談者:
組合員の、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
希望を募って、
ドリアン助川:
はい
相談者:
ただ、あの、名目は研修旅行っていうことで行くんですよ。
ドリアン助川:
ああ。
では、本来であれば、楽しいはずの旅行だったのに、
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
ということですね?
相談者:
はい
ドリアン助川:
その、お酒の席で、同じく、農業やってらっしゃる方でしょうか?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
その方からいろいろ言われたと?
相談者:
はい
ドリアン助川:
で、それによって、息子さんの精神状態が、不安定なものになった?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
ということなんですね?
相談者:
はい
ドリアン助川:
で、この時に、何を言われたか?ということは、聞いてないんですか?
相談者:
ショックが大きくて、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
一時あの、記憶、喪失症みたいになって、
ドリアン助川:
ああー
相談者:
自分が何を、の、言われたのか?一時、消えてしまって、
ドリアン助川:
はい
相談者:
そして、妄想を、言ってたみたいなんですよ、最初。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
それを、エクスポージャー法の、通院に、通って、その記憶を戻すような形で、今になったら落ち着いて、その、「大体記憶は戻った」って言うんですよ。
だから・・
ドリアン助川:
この相手、ていうのは年上の人間ですか?
相談者:
そうですね。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
何歳って言われても、ちょっとお、把握してないんですけれどもね?
ドリアン助川:
分からない?はい。
昔から、あの、ご長男もその人のことは知ってるわけですよね?
相談者:
知ってるっていうか、あのお、そういう、町内の、役をやってると、自ずと、今まで知らなかった人でも話(はなし)したりは、しますよね。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
そういう関係です。
ドリアン助川:
なるほど。
相談者:
ええ
ドリアン助川:
それで、現在はその、一番酷い時の症状よりは良くなってるんですか?
相談者:
ええ、良くなってます。
ドリアン助川:
で、農、業の仕事には、今出てらっしゃるんですか?
相談者:
少ししてます。
ドリアン助川:
はい
相談者:
それだけで、あとは家(うち)にほとんど閉じこもりっきりで、
ドリアン助川:
はい
相談者:
私ら家族には普通に、話もするし、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
ただ、他所へ出ると、ま、用足しに行ったら、狭いとこですので、た、旅行に行った人に、行き会ったりすると、
ドリアン助川:
はい
相談者:
「やだ」って言って、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
そして、酷い時なら帰ってきてから、発作起きるから、用足ししなくなっちゃったんですよね。
ドリアン助川:
外へ出て行かなくなったということですね?
相談者:
そうです。
そういう、あの、恐怖心が、んー、まだ残ってるような気がするんですよね。
それで・・
ドリアン助川:
なるほど。
それ、それで、
相談者:
はい
ドリアン助川:
ご長男は、このお、研修旅行きっかけに、いきなり変わったのか?
相談者:
はい
ドリアン助川:
小さい頃、に、こういう、ことはなかったですか?
あ、例えば、喧嘩で、負けて帰ってきて暫く、出られなかったとか、そういうことないですか?
相談者:
いえ、それは、小学校の時から、虐められて、登校拒否になって、
ドリアン助川:
ええ
相談者:
ほんとにもう、苦労しました。
ドリアン助川:
ああ。
登校拒否ってのは、これ、いつ頃のことですか?
相談者:
小学校3年生の時ですね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
それで、小学校3年生の時に、教頭先生に泣きついていって、
ドリアン助川:
はい
相談者:
そしてあの、次の年のね?
ドリアン助川:
はい
相談者:
4年生の担任の先生を変えてもらって、そして、一時収まったんですよ。
だけども、今度、息子が5年生の時に、学校を、新築したもんだから、2階建てになったんですよね。
ドリアン助川:
はい
相談者:
そして、「1級上の、その、6年生の子に、朝早く、呼び出し、されて、2階から、足首だけ掴まれて、その、落とされたようになった」とか、言うんですよね。
ドリアン助川:
うーん
相談者:
それで、「何で、その時ね、やられた時、言わんかったんだ?」つったら、「とても恐ろしくて、僕言われない」って言うんですよ。
ドリアン助川:
いつ分かったんですか?
そういう、体験したっていうのは?
相談者:
それ、今この、3年前にその、ショック受けた時に、
「虐めてた子の目つき思い出した」っつうんですよ。
ドリアン助川:
ああー
相談者:
それで、息子が、その、経験したそういう、ことが、PTSDに、繋がって、いってんのかな?と思ったりして、ちょっと、相談してみたかったんです。
ドリアン助川:
分かりました。
何か打開策はないか?ということですね?
相談者:
はい、そうです。
ドリアン助川:
はい、今日の回答者の先生、紹介いたします。
相談者:
はい
ドリアン助川:
精神科医の、高橋龍太郎先生です。
相談者:
はい、はい
ドリアン助川:
よろしくお願いします。
相談者:
よろしくお願い・・
(回答者に交代)