スノボにギター。大学デビューの薬学部の息子が留年。果ては「辞めて投資やりたい」
(再びパーソナリティ)
加藤諦三:
あの、今あ、マドモアゼル愛先生の言われた、のね、僕も、ああ、なるほどこういう考え方あるんだなあと思って、伺っていたんですけどね、
相談者:
あ、はい
加藤諦三:
だから、今あ、マドモアゼル愛先生が言われたように・・もうちょっと、今なにも全部やめるって決めなくても・・少し様子を見たら?っていうようなことでいいんじゃないの?
相談者:
はい、分かりました
加藤諦三:
本人が、やめるって言えばね、
相談者:
はい
加藤諦三:
そらしょうがないし、もう、ちょっと辛いかもしれないけれどもお、
相談者:
はい
加藤諦三:
相談、むこうから相談に来たときにはあ、親身になって相談するけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたがこうして欲しいということでえ、
相談者:
はい
加藤諦三:
あんまり、関わんない方がいいんじゃないかしら?
相談者:
あ、はい
分かりました
加藤諦三:
よろしいですか?
相談者:
あ、はい、ありがとうございました。
加藤諦三:
はい、どうも失礼します
相談者:
失礼します
加藤諦三:
説得するというのは大変難しいです。
説得できても納得してないことが多いです。
(内容ここまで)
大学デビューってのは、高校まで地味目だった子が、いきなり、髪型や化粧や服装を変えて、男受けするようになってキレイになって、交友関係まで変わってしまうことを言う。
ちなみに、高校デビューってのもあって、中学まで地味目だった子の変化を指すんだけど、こちらは、いい子ちゃんが不良系に進むという意味がある。
地元だと、あまり極端なことはやり難いのだが、地方出身者が都会の大学に進んだりすると、人知れず大学デビューを果たすことが出来る。
周りに高校時代を知る人がいない分、上手く振る舞えば、一気にステータスを上げることも可能だ。
ただし、急造であるがゆえに、いかんせん中身は高校時代のままだ。
免疫が出来ていない。
東大生だとか、千葉大の医学生だとか、慶応の広告研究会だからって誘われるがまま、ホイホイついて行くと、取り返しのつかない目に遭う。
この長男はその男子版。
プライドだけはいっちょ前だから留年なんて恰好悪くて堪えられないんだな。
本人は二の線を意識してるから、明るく、「ヤバ、遊び過ぎた」で済ませられない。
今まで後輩にもエラそうにしてた分、よけいにね。
そこで考えた苦肉の策が、自分の方から退学するっていう離れワザ。
しかも、投資の話なんて、薬学の同級生には理解不能。
これなら、「お前らとは違うオレ」ということで格好がつくわけよ。
と、少なくとも本人はそう思ってるわけ。
バカだけど。(笑)
投資といっても、話からして、投資会社に就職とかじゃなくて、個人事業として考えてるもよう。
タネ銭をバイトで稼ぐつもりらしい。
でもさ、
仮に1千万貯めて
(これだけでもスゴイ)、
それを10%で運用したって
(これだってもの凄く優秀)、
年収100万にしかならんのだけど。
(これだって全額再投資していけば25年で1億は超える)
だから、長男が考えているのは、そんな地道なものではない。
本屋を覗けば、フリーターが、主婦が、○年で○億を稼ぎました!的な本があふれてて、この長男が考えてるのもそんなイメージ。
信用取引を使って、短期間で資産を構築する手法だ。
だけど、言うまでもなく、短期売買の市場はゼロサム・ゲーム(*)。
(*)ゼロサム・ゲーム: 儲ける人と同じだけ損する人がいるということ。競馬とかのギャンブルと同じ
市場は常に燃料を投下してくれるバカを欲しがっている。
長男は、市場にとって、とてもありがたい存在になってくれるに違いない。
「説得することは難しい。説得しても納得していないことが多い」
まさにこれ。
しかし相談者息子が大学デビューが成功していたというのは羨ましいと思った。あちらの方はまた行き過ぎだけど。一度築いた地位や財産や生活水準は手放せないというテンプレ。自分がデビュー失敗しているからピンとこないというのもあり、羨ましいというのもある。
薬学部を退学するのは本当に勿体ない。21世紀でも伝統技法が続いているように、AIが普及しても薬剤師は必要とされる。
一生を共にしてくれるのは若者特有の浮ついた感覚でついた友人ではなく、国家資格。