（再びパーソナリティ）

ドリアン助川：
もしもしい？

相談者：
はいはい、はい

ドリアン助川：
あのお・・今６１歳という年齢で。

相談者：
あいはい

ドリアン助川：
遺言の話とか、

相談者：
あい

ドリアン助川：
何か今・・ご病気患ってるとか、そういうことあるんですか？

相談者：
いや、別に強いて、ないです。今、糖尿お、だけなもんで。

ドリアン助川：
ええ

相談者：
ええ、ええ、別に、これ、死んだら駄目だとか、死ぬとかって、それではないんです。

ドリアン助川：
そういうことではないんですね？

相談者：
うーないんです。

ドリアン助川：
はい、はい

相談者：
ただ、そのお・・今の住んでる方に、やっぱりい、いろいろこう、生活、苦になると思うんで、もし僕が亡くなると、あのお、なんか、一人でえ、ちょっと、生きて行けないような状態の、生活になるんで、

ドリアン助川：
はい

相談者：
それでえ、僕が・・まあ、ちっとでも、

ドリアン助川：
うーん

相談者：
残してあげてれえ、ば、と思って、こういう話をしたんですよ。

ドリアン助川：
なるほど。

相談者：
あいはい

ドリアン助川：
誰か一人、女性、男性にしてもそうですけど、誰か一人愛するということはその人の運命もすべて・・

相談者：
うーそうですね、はい

ドリアン助川：
抱えてしまうことでもありますねえ？

相談者：
あ、はい

ドリアン助川：
はい

相談者：
そうですね。

ドリアン助川：
はい、どうもどうも。

相談者：
はい。いえこちらこそ。

ドリアン助川：
はい

相談者：
ありがとうございました。

ドリアン助川：
はいどうも、

相談者：
はい

ドリアン助川：
失礼いたします。

相談者：
どうも、ありがとうございます。どうも。

（内容ここまで）

きれいな話ではない。
女にカネを遺したいとか、いくら装おうがね。

惚れた女を力づくで奪い取ったんならまだいいけど、そうじゃないし。
夫が認知症を患ったのと、内縁スタートさせたのって同じ時期じゃん。

もっとも、男にとっては今の関係を続けてればいいだけだと思うんだが、黒幕は妻なのかねえ。

だいたい、６０過ぎの死亡保険金なんていくらだよ。

 

男が成年後見人に抱く２つの大きな誤解

 

てかさ、さっさと離婚届を出せばいいだけの話じゃないの？

つまり協議離婚。

夫にペン持たせて、ここに名前書いてって言えば済む話だ。
自分の名前ぐらい書けるでしょ？

もしその際に、夫が離婚届の意味を理解して拒否するなら、土台、成年後見人なんてムリ。

本人がまともな意思表示できないという状況があって初めて成年後見人が必要とされるからだ。

男が言う、記憶力の低下なんて成年後見人を開始するための必要条件でも十分条件でもない。

これが一つ目の誤解。

 

でも、なんならアンタが書いたっていい。

もちろん違法なんだけど、内縁コンビが考えてることって、夫の意思に構わず離婚しようとしてるんであって、いくら手続き踏もうとも、本質は同じ。

 

さて、もし夫がまともな意思表示が出来ないとすると、成年後見制度がこのケースをどう処理するのか、とても興味がある。

アタシも母親の保佐人(*)やってるし。

(*)保佐人：
成年後見人制度における３つのうちの２番目。
症状に応じて、後見人、保佐人、補助人、に分かれる。

普通だと、妻は夫の成年後見人の有力な候補になり得る。

しかし、妻が離婚を望んでいるとなれば話は別だ。
一転、成年後見人に選んではいけない人になる。

離婚希望なんて隠しておけばいいって？
それは浅はかだ。

妻が成年後見人に就いたまま離婚届を出そうものなら、成年後見人登記情報からアラームが鳴る。

裁判所は黙っちゃいない。

この男、成年後見人を単なる代理人ぐらいにしか思ってなくて、制度の趣旨を全く理解していない。

成年後見人の希望を書いて申し立てるみたいなことをのたまわっているのがイタイ。

これが、男がしている二つ目の誤解。

 

そもそも成年後見人制度は被後見人の利益を守るためにある。

選任された成年後見人はそのための執行者だし、それを裁判所が監視する。

たまに成年後見人が被後見人のカネをチョロまかしたことがニュースになるが、文句なしの刑事事件だ。

つまり、認知症の夫の成年後見人は、全力で離婚を阻止しなければならない立場に立つ。

さらに、理屈から言えば、内縁コンビに不貞行為に対する慰謝料だって請求しなければならない。

どう？
離婚したい妻が、成年後見人を誰にするのか、希望を出すこと自体がいかにおかしなことかが分かるでしょ？

もちろん絶対に離婚できないことはなく、成年後見人を選任さえすれば、あとは普通に（言い方変だが）離婚調停、離婚裁判で判断されるだけだ。