先祖代々の土地と金融資産7千万。親族にやるぐらいなら寄付したい男77歳の本音

(再びパーソナリティ)

加藤諦三:
よ、よろしいですか?

相談者:
もうい・・色々、あ、ありがとうございました。

加藤諦三:
ま・・ええ

相談者:
ええ

加藤諦三:
今、塩谷先生にホントに、色々、あの具体的なね、

相談者:
はい

加藤諦三:
いいアドバイスいただいて・・ホントに良かったですよね。

相談者:
良かったですね。はい

加藤諦三:
で・・今、あなた一番欲しい物ってのは何ですか?

相談者:
欲しいものはないんですけどもね、

加藤諦三:
欲しい物はない?

相談者:
欲しい物はないんですけども・・甥っ子とか姪っ子とお、と、金銭トラブルでね・・何もやりたくない、なんて子がいるんですよ。

加藤諦三:
うーん

相談者:
いや、その本人じゃないんですけどもね、

加藤諦三:
うん

相談者:
その・・その親の・・

加藤諦三:
親の方とね?

相談者:
親の・・うん、ええ、はい、そうです。

加藤諦三:
うーん

相談者:
ん、もう・・

加藤諦三:
僕は、ホ―ントにあなたが欲しい、、欲しがっている物っていうのはあ、

相談者:
ああ

加藤諦三:
人との繋がりじゃないか?っていう気がしたんだけども。
というのはね、

相談者:
はい

加藤諦三:
なんで先祖代々っていうのにこだわるわけですか?

相談者:
・・

加藤諦三:
先祖代々と、自分がずーっと、こう、血が繋がっているという・・その繋がりに意味を感じてんじゃないの?

相談者:
ま、そう言われてみりゃそうでしょうね。

加藤諦三:
・・だからやっぱり何となく、77歳の、先考えてる・・孤独と恐れが出て来てんですよね。

相談者:
そうですねえ・・全くそうですよ。

加藤諦三:
・・だからそういうことを前提として、心をね、

相談者:
はい

加藤諦三:
色々、いいアドバイスを・・塩谷先生に受けましたからあ、

相談者:
はい

加藤諦三:
こう、大きな気持ちになって、

相談者:
はい

加藤諦三:
最後の・・安らかな人生に入ってって下さい。

相談者:
どうもありがとうございました。

加藤諦三:
はい、どうも失礼します。

相談者:
はい、はい、どうもありがとうございました。

加藤諦三:
人間、最後に求めるものは、人との繋がりです。

(内容ここまで)

有効活用たってねえ、どんなイメージ?

120坪っていうと、6,7コースの25Mプール。
そら、宅地としては十二分な広さだけど、テニスコート一面も取れない。

 

言うまでもなく、お金の寄付が断られるなんてことはない。
たまに、多額の寄付がニュースになったりもするし。

だから、土地を売って換金すれば済む話。
だけど、なぜだか、それは嫌なわけだ。

塩谷 「あなたの志」
⇒【訂正】あなたのエゴ

「やらない善より、やる偽善」なんて言うけど、この爺さんもそれに違わず。
寄付の動機は、単に身内に寄こしたくないということだけ。

 

相続の様子を見てみよう。
塩谷弁護士と交わされる姉の1/4を買うだの贈与だののやり取りがイマイチ意味不明だけど無視。

爺さんが今逝けばこうなる。
遺産の3/4が妻の一族に渡ってしまうわけだけど、そうはさせじと爺さんは宣言してるわけだ。

もちろん、爺さんより先に妻が逝けば、何もしなくたって妻側に行くことはない。
この場合、当然、左側の1/4は1になる。

さらに、爺さんが逝く前に兄姉全員が他界する可能性だって十分にある。
この場合は、遺産の全てを甥や姪で山分けすることになる。

これも爺さんには受け入れ難いらしい。
それも甥や姪に対してじゃなく、兄弟間の確執。

 

横道に逸れるけど、甥や姪と音信不通なのは珍しくない。
アタシも母の姉の相続の件で、戸籍を調べていくうちに初めて知った叔父や叔母が何人もいた。
産めや増やせやの時代の産物だ。

何人もの叔父叔母はすでに亡くなっていたけど、このうち母に相続権が回って来たのは叔母の一人だけ。
それだけ兄弟に相続が回ってくるのはレアケースだということ。

相続の規定では、故人の兄弟は最後の第3順位。

故人に子や孫が一人もいなくて、(第1順位がいない)
かつ、故人の親も祖父母も亡くなっている。(第2順位がいない)
これをくぐり抜けた場合にだけやっと第3順位である兄弟に相続権が回ってくる。

で、兄弟が亡くなっていれば、その子ども、つまり故人の甥や姪が代わって相続する。
これを代襲相続という。

ちなみに、こうした故人との関係の薄い相続人のことを、その棚ボタを称して弁護士の間では「笑う相続人」と呼ぶらしい。

保護されない”笑う相続人”。不平等過ぎる遺言を許した迂闊な振る舞い

あと、配偶者に予め順位が振られていないのは、いかなる場合でも相続人だから。

 

もっとも、今後は兄弟に相続が回ってくるのがレアケースとは言えなくなるかもしれん。
理由は、未婚率の増加。

子どもだけじゃなく、配偶者もいないから、遺産の全てが兄弟に回ってくる。
しかも、その兄弟も少ないときてる。

金回りの良さそうな独り身の兄弟姉妹がいたら、ケンカしないように。

 

未婚率の話ついでに、

もし、貴方が独身の一人っ子だったら、貴方の遺産は国庫に入る。

だからってこれを強制的寄付ぐらいに思って、大きな顔をするのは間違い。

相当の額の遺産でない限り、国庫に入れるまでの行政コストの方が上回るからだ。

遺言を遺し、遺言執行者を決めておくのがマナーである。

身寄りのない女76歳の終活。盲導犬協会への寄付の遺言を撤回するたった一つの理由

 

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