（再びパーソナリティ）

加藤諦三：
もしもし？

相談者：
はい

加藤諦三：
あの、あなたあ・・あの小さい頃から親しい人って、いなかったんじゃないの？

相談者：
え・・はい

加藤諦三：
ですから・・この結婚であなたが、何を求めたか？っていうと、
心の傷を癒したいと思ったんじゃないの？

相談者：
あ、そうですね。はい

加藤諦三：
小さい頃、何がそんなにあなたを傷付けた？

相談者：
・・わたし小さい頃からもう、母親居なかったんで。

加藤諦三：
あー、そうですかあ

相談者：
はい。で、あのお・・父親の方もお・・ろくでもない父親だったんで、

加藤諦三：
はい、はい、はい

相談者：
はい。でそれで、ま、あの家庭、持てたんで、

加藤諦三：
うん

相談者：
そんな家庭にはなりたくないっていう事で・・頑張って・・来た、つもりなんですけど。

加藤諦三：
だから、あなたにとっては、離婚っていうのが、

相談者：
はい

加藤諦三：
見捨てられる不安なんですよ。

相談者：
はい

加藤諦三：
要するに、見捨てられる事が怖いんでしょ？

相談者：
はい

加藤諦三：
と同時にい・・

相談者：
はい

加藤諦三：
凄い劣等感があるよね？

相談者：
はい

加藤諦三：
愛されるに値する人間だっていうような、自信っていうのは小さい頃からなかったもんね？

相談者：
そうですね、はい

加藤諦三：
で、これはね？あなたね？、この結婚で、癒せると思う？

相談者：
・・うん、今の家庭しか考えられないんで・・
・・子どもも近寄って来ないですけども・・

加藤諦三：
うん

相談者：
でも母親が居ない時は・・たまに近寄って来てくれるんで・・

加藤諦三：
・・うん

相談者：
調停でも多分、も、向こうはあの弁護士雇ってると思うんで、

加藤諦三：
うん

相談者：
・・「てめえなんか、法の力で、追い出してやっから」とか、そういうのも最近、も、しょっちゅう言われてるんで。

加藤諦三：
うん

相談者：
で・・あの、ボイスレコーダーとかも、いつもいつもあの・・持ち歩いて・・うん・・

加藤諦三：
あのね？、あなたね？

相談者：
はい

加藤諦三：
小さい頃、から、ただの１度も・・愛された事がないんだよね。

相談者：
まあ、うん、そうですね、はい

加藤諦三：
だから、こんーな、滅茶苦茶な・・どうしようもない奥さんでも、この孤独よりはまだいいっていう事でしょ？

相談者：
そうですね、はい。それであのお、かみさんが現れたんで、

加藤諦三：
うん

相談者：
はい

加藤諦三：
しがみ付いた？

相談者：
そうですね。

加藤諦三：
しがみ付いてるけど、今しがみ付いてる・・かみさんが・・嫌い。あな・・

相談者：
あ、嫌いですけど、別れたとしてもお、他の男にも取られたくないんですよ。

加藤諦三：
そうですよ。だって、しがみ付いてんだもん。

相談者：
はい（ため息）

加藤諦三：
・・だけどね？、あなたにね、今出来る事は、

相談者：
はい

加藤諦三：
ただ１つ。

相談者：
・・

加藤諦三：
断念。

相談者：
・・

加藤諦三：
断念だけが、絶望を・・希望に、変えてくれるんです。
心・・底寂しいし・・誰もわたしを愛してくれない。
わたしの人生は、こういう人生だった。

相談者：
はい

加藤諦三：
わたしはこの人生を引き受けて、立派に生きてやるという・・断念だけです。

相談者：
はい（ため息）分かりました。

加藤諦三：
もうー、幸せになるのは遅すぎるって事はないんです。

相談者：
はい

加藤諦三：
ましてや４０歳。

相談者：
はい

加藤諦三：
も、これから物凄い、素晴らしい人生が待ってます。

相談者：
はい

加藤諦三：
ただ、断念しなければ・・全て失います。

相談者：
はい、分かりました。

加藤諦三：
はいどうも、失礼します。

相談者：
はい、ありがとございます。