義兄が逝って帰ってきた失踪20年の兄嫁。そのまま居座るも迫力負けの相談者夫婦

(再びパーソナリティ)

柴田理恵:
ええ
はい。ちょっとこう・・

相談者:
頑なではちょっと、ええ

柴田理恵:
人間力を、大きくして。

相談者:
あ、ハハハハハ(笑)

柴田理恵:
えへ(笑)えー・・

相談者:
ホントに。

柴田理恵:
対処なさって下さい。

相談者:
はい

柴田理恵:
はい、まず会話、まず対話からしか何も始まらないですから。

相談者:
はい

柴田理恵:
はい

相談者:
ありがとうございました・・

柴田理恵:
はい

相談者:
ほん、とに、ありがとうございました・・

柴田理恵:
はあい

相談者:
感謝してます。

柴田理恵:
はい、じゃ・・

相談者:
はい、失礼しまあす。

柴田理恵:
失礼致しまあす。

相談者:
はい、ありがとうございました。

柴田理恵:
はい

(内容ここまで)

やっぱ、女房と別れると早死するな。
これね、統計にもはっきり出てるの。

てか、同居人がいれば助かってるよ、きっと。
当然、こういうことも早死の一因になってる。

 

相談者による義姉の悪評は話半分だ。
相当にバイアスが掛かってる。

だいたいさ、失踪って行方不明のことをいうんだけど、当てはまる?

それに20年前といえば、子どもたちだってほとんど成人してるし。

居座るっていっても、当面は誰も困らない。
てか、主を失った無人の二棟が建つ敷地をどうするつもり?

世話する人がいない草花を移し替えたって、張り紙して文句言うことかしら?

 

さて、相続の話。

と、その前に、

夫の急逝によって、失踪妻は思わぬ収入を得ることになった。
相続分はこれから面倒なことが多すぎるが、とりあえず失踪妻単独の手続きですぐに貰えるものがある。

遺族年金だ。

しかも、夫が別居後に再就職していたら、失踪妻にとっての20年間は、負担要らずの年金積立みたいなもん。
そら葬儀ぐらい、おっとり刀で駆けつけるわね。

事情は分からんけど、籍を抜かなかったことが功を奏した。

実は受給資格には、
「死亡した者によって生計を維持されていた」
という条件が付記されている。

失踪妻が越して来たのはこれをカモフラージュするためなのかもしれない。

アタシも、父が亡くなったときに母の手続きを代行したが、夫婦の住所が同じなら、何も調べられたりしない。

もちろん、受給が始まってしまえば、どこに住もうと勝手だ。

 

では、相続。

 

 

義兄の相続人は、失踪妻と子ども二人。
失踪妻としてはチャッチャッと終わらせたいところだけど、義父の相続が片付かないことには夫の遺産すら確定しない。

もっとも、失踪妻としては、別にこのまま放っておいても当面は困ることはあるまい。

持ち分を処分、つまり売却するときにはきっちり遺産分割を済ませておく必要がある。

で、義父の相続人は、
入院中の義母と相談者の妻、義兄の3人。

法定相続分は、
義母が二分の一。
相談者の妻が四分の一。
義兄が四分の一。

義兄は亡くなっているから、義兄の相続人である失踪妻と二人の子が義兄の持ち分を相続する。

ちなみにこれは代襲相続ではない。
(もし代襲相続なら、代襲相続人は二人の子のみで失踪妻に権利はない)

代襲相続は、相続開始時に相続人が亡くなっていることで起こることで、今日のケースでは義父の相続開始時に義兄は生きていたわけだから、代襲相続は発生しない。
あくまで相続人は義兄。

で、相続実務上の問題は、分割が面倒な不動産が遺産だということ。

二棟のうちの実家である一棟、それと二棟が建っている土地。
これが今、5人(*)の共有持ち分になっているわけだ。

(*)5人:
義兄が亡くなったことで、義兄に代わって、失踪妻と二人の子が持ち分を有する。
義父の遺産に対する現在の持ち分は、
義母が二分の一
相談者の妻が四分の一
失踪妻が八分の一
義兄の二人の子が16分の一づつ

坂井弁護士の見解は、義兄が義父に地代を払って来なかったことから、土地は使用貸借(*)に過ぎず、失踪妻の住む権利は強くないということらしい。

(*)使用貸借:
無償を前提とした貸借で義兄が亡くなった時点で使用貸借は終わる。
もし地代を発生させていれば一転、借地権という強力な権利が発生し、その権利は失踪妻が相続できた。

 

だけど、坂井弁護士の見解は、失踪妻が現在有する土地の権利を無視しているような気がする。

失踪妻は、義父と夫の2件の相続によって、借地人どころか、共有持ち分とはいえ、地主になってるの。

現在の失踪妻の法的な地位は、
自分の土地に建つ、自分の家に住んでいるだけだ。
義兄が亡くなった今、義父の相続処理が済んでなかろうと。

分かってもらえたかしら?
「居座る」という言い方さえ失礼千万。

 

義兄が逝って帰ってきた失踪20年の兄嫁。そのまま居座るも迫力負けの相談者夫婦」への8件のフィードバック

  1. 親がなくなる前になくなったので

    家出してた嫁には遺産はないと思います。
    なので親が亡くなっても遺産貰えないので家には残れないと思います。

    1. 義父さんが6年前に亡くなってます、そのとき義兄さんがご存命だったようなのでその相続は有効ということですかね?

  2. 管理人さん、詳しい解説、ありがとうございます。婚姻関係って、思ったより強いんですねー。私の嫁の立場なんて、かなり低いですが、夫の姉に圧倒されてますが、夫が先に死んでも、一応権利は法律で保証されてるんですね。
    義姉から強気で来られても、言いなりになって、はんこ押さないように気をつけようっと(笑)

  3. 図解と解説いつもありがとうございます!
    義父の遺産の1/8は義理姉に行くよな‥くらいにぼんやり考えていた(汗
    土地が遺産だから権利の話になるのですね。それで、相談者は恨むなら失踪妻と離婚手続きしなかった義兄を恨むしかない、と。
    相談者一族の関係性は何であれ、失踪妻を20年近く待って亡くなった義兄は憐れですね。それが結局新たな火種にはなりましたが。相談者夫婦はとりあえず義理姉と二人切りとか会わない方が良さそう。

  4. 不自然の話には裏がある
    もし、もしその義兄、義母、義父が
    とんでもなく奥さんに酷い対応をする家族だとしたら?
    全然、話が違ってくる
    いや、もちろん例えばの話だけれど
    この相談者さんがそこまで機転の利く
    気が付く方とはおもえない
    相談は全て相談者の視点から見た景色だ
    不自然なストーリーにはなにかある

    1. 私も同感です。DV夫から非難していたのだから、自宅に戻っただけです。失踪ではありません。

  5. 旦那のDVが原因で、今春から子連れで実家に戻りました。義母は旦那の肩を持ち 私の話など全く聞きません。旦那の親戚から見ると 私はすごい悪者になっているようです。

    相談者が、別居したなら離婚するのは当然!と言うのを聞いて呆れました。良い人ぶっているところも腹立たしかったです。

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