就職を前に不安を覚える発達障害の18歳
(回答者に交代)
高橋龍太郎:
あ、はじめまして、高橋です。
相談者:
はい
高橋龍太郎:
小学校から、高校生え、の間は、どっかに、例えば医療機関には結び付いてたの?
相談者:
あはい。あの、療育センターっていう・・
高橋龍太郎:
ん、療育センターで、
相談者:
ずっと・・5市1町村で、
高橋龍太郎:
うん
相談者:
訓練とか、お医者さんに診てもらったりとか・・
高橋龍太郎:
ん
相談者:
そ・・総合施設みたいのがあります。
高橋龍太郎:
うん。それで、そういう色んなトレーニングもやったり・・
相談者:
それ・・
高橋龍太郎:
お薬を少し使ってた?
相談者:
・・ん?はい
高橋龍太郎:
ふうん
相談者:
今も使ってます。
高橋龍太郎:
今も使ってる?・・ふーん
相談者:
具体的な薬の名前って言っていいんでしょうか?
高橋龍太郎:
うん、言ってみて。
相談者:
ストラテラとか・・
(*)ストラテラ: 注意力を高め、落ち着きをとり戻す。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
エビリファイとか。
(*)エビリファイ: 幻覚・妄想を抑え、精神状態を安定させ、やる気がしないといったような状態を改善。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
&#△%
高橋龍太郎:
うん
相談者:
です。ごめん&#△%
高橋龍太郎:
うん、なるほど。
相談者:
&#△
高橋龍太郎:
今使ってるお薬は典型的な・・あの、発達障害の人の・・お薬で、
相談者:
はい
高橋龍太郎:
それでただ・・ちょっと・・
相談者:
親が&#△%だったんで。
高橋龍太郎:
ん?
相談者:
お、わたしの親が保健師だから小さい頃から色んな・・病院とか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
脳波とか耳とか目とか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
検査して&#△%
高橋龍太郎:
うん
相談者:
病院に・・療育センターに連れてってくれて、そこで・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
あ、小さい頃・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
お医者さんに出会って。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
神経科の先生に会って。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
「訓練しましょう」とか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
ま、楽しくなって・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
学校に・・い、いたくなかった日もあったんですね
高橋龍太郎:
うん、うん、うん
相談者:
楽しかったんで、そこが。
高橋龍太郎:
うん・・でも・・
相談者:
&#△
高橋龍太郎:
ね?、お医者さん、や、色んな医療スタッフの人がずうっと・・側にいてくれたおかげでえ・・
相談者:
今の自分がいると思ってんです・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
学童、&#△%、もいてくれたから・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
学童保育の先生も助けてくれた。
高橋龍太郎:
そうだね。
それで、ま、特例子会社に就職出来たっていうことは・・発達の問題を抱えてる人にとっては・・ある意味では理想的なコースだよ?
だから、要するに会社も・・
相談者:
はい
高橋龍太郎:
例えば特例子会社だから・・利益を上げないと・・
相談者:
ダメです
高橋龍太郎:
例えば、ダメだっていうような、所謂日本の・・一般の会社とは全然違って、
相談者:
知ってます、それは。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
&#△%
高橋龍太郎:
だから、あなたがどうやって、社会に適用するか?ってことのために?
相談者:
&#△
高橋龍太郎:
むしろ会社があるようなものだからね?
相談者:
「居場所があって良かった」って、親は・・
高橋龍太郎:
うーん、居場所があって良かった・・
ね?、ただ・・今、あなたがすごく不安を抱えて、これから新しい場所に・・出て行かなきゃなんないんだけれど、
相談者:
&#・・
高橋龍太郎:
発達障害の人は・・新しいことに弱いのよ、すごく。
相談者:
はい
高橋龍太郎:
新しい局面にどうしていいか?分かんないの。
相談者:
はい
高橋龍太郎:
ね?だから一時的に少し、今も・・パニックに近いぐらい不安を・・抱えてるんだけれど、
相談者:
&#△・・
高橋龍太郎:
だからもし、一時的に、
相談者:
はい
高橋龍太郎:
今・・すごく不安でしょうがない、もう・・会社にも行きたくないよっていうようなことがあったら・・
相談者:
はい
高橋龍太郎:
主治医の先生に、
相談者:
はい
高橋龍太郎:
少し気持ちを落ち着かせるようなタイプのお薬を・・一時的にちょっと、もらうのもいいかもしれない。
相談者:
ああ
高橋龍太郎:
そうすると・・
相談者:
&#△%
高橋龍太郎:
すごく落、落ち着いて・・
相談者:
1週間前に行ったばっかなんで。
高橋龍太郎:
行ったばっかり。
それで「そん時に話した不安でしょうがないんです」って。
相談者:
はい
高橋龍太郎:
うん
相談者:
自分が&#△すぐ行っちゃったりとか・・
高橋龍太郎:
あん
相談者:
行かないのに行っちゃったりとか。
高橋龍太郎:
あーん、そうだね。
相談者:
どうしても行っちゃったりとか◆#$%
高橋龍太郎:
うん、うん
そういうのはそういう、まあ、言ってみれば・・
相談者:
&#△%
高橋龍太郎:
まあ・・多動的な・・或いは衝動的な、この病気の部分なんだけど、それについて主治医の先生はなんておっしゃってた?
相談者:
わたしがですね・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
「特にイライラしてる、だけじゃないと思うよ」って。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
小学校の時から言ってくれてたから、保育園の時から。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
保育園の時はガラスを割ったりとか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
学童のときには・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
人を怒らせちゃったりとか、な・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
自分より・・支援が必要な子に、
高橋龍太郎:
うん、うん
相談者:
こと殴っちゃったりとか。なんで俺じゃない&#△%・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
それで怒られたりとか・・
高橋龍太郎:
うん
「そん時に比べればもう」・・
相談者:
まだいい方です。
高橋龍太郎:
「相当落ち着いてるから心配しなくていいよ」って話だったの?
相談者:
はい
高橋龍太郎:
うん。じゃあ自信持っていいんじゃない?
そんな長い間・・10年近くあなたを診てくれる先生が、
相談者:
はい
高橋龍太郎:
「心配ないよ」って言ってくれたんだから。
相談者:
「引退するまでは診る」って言ってくれた。
高橋龍太郎:
あ、引退するまで診てくれるの?
じゃあ全然問題ないじゃない?
相談者:
は・・
高橋龍太郎:
じゃあ、心配ないと思うな。
相談者:
ありがとうございます。
高橋龍太郎:
うん、それで、ま、あなたは、すごく・・
相談者:
はい
高橋龍太郎:
その、ちょっと理知的なところがあって、
人を傷つけちゃったっていうことをすごく気にしてるようだけど、
おんなじ発達障害でも、人を傷つけても全然気にしない人もいるのよ。
相談者:
なんか自分が、いつも・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
お、親とか妹とかに・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
変なこと言ったりとか・・「妹が好きだ」とか、「犯してやりたい」とか普通に言、言っちゃったりとか。
高橋龍太郎:
うーん
相談者:
ホントに思ってないのに、
高橋龍太郎:
うん・・
相談者:
口が・・そういう・・
高橋龍太郎:
口でつい言っちゃうんだよね?、うん
でもそういうのも・・やっぱり小学校や、中学校高校、それから今度職場になってくると・・本当に、周りの人に少しずつ合わせて行って、
相談者:
合わせなきゃいけない・・
高橋龍太郎:
人の、要するにコミュニケーションって、人と人が、伝わる力っていうのを・・
相談者:
はい
高橋龍太郎:
どんどん、どんどんこれから勉強してく時期だから。
相談者:
はい
高橋龍太郎:
ね?、これから・・むしろ、そういうことを自分の目標に掲げて行けば、
相談者:
あ・・
高橋龍太郎:
心配ないよ全然。
相談者:
&#△ですけど、人のことを、へ、平気で・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
なんか・・差別したりとか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
なんか、&#△%みたいなこと、自分は思ってないのに・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
テレビで見たこと平気で言っちゃたりとか・・
高橋龍太郎:
うん。ちょっとね、発達障害の人は・・ちょいワルう、みたいな発言するのが好きなのよ。
相談者:
&#
高橋龍太郎:
人をそうやって驚かしちゃうのが。
相談者:
なんか楽しそうで言ってるのか?自分では何も・・
高橋龍太郎:
うーんそう、そう、そう、だから本気で言ってなくても・・
相談者:
&#
高橋龍太郎:
人がギョッとするのを見て・・ちょっと、喜んじゃうところがあるので、そ・・
相談者:
なんか・・自分がなんか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
爆弾とか、好きだとか・・人が殺されるシーンで笑っちゃったりとか、小さい頃・・
高橋龍太郎:
うん、うん
それはね?、あの、そういう・・人は、も、あの、発達う、の問題のある人の中にたくさんいて、
特例子会社の会社の人は・・全部そんなことは分かってるし・・
相談者:
はい
高橋龍太郎:
それから、仲間たちも、みんなそういうことはお互いに承知だから、
相談者:
はい
高橋龍太郎:
そんなに心配しなくても大丈夫だよ。
相談者:
ありがとうございます。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
小学校の時から・・すごい差別受けたりとか・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
保育園の時から・・背中蹴られたり・・
高橋龍太郎:
うん
相談者:
中耳炎になるぐらいまでいじめられたりとか。
高橋龍太郎:
うん
相談者:
そん時の先生にはちゃんと言ったけど、
高橋龍太郎:
うん
相談者:
「守ってられなくてごめんなさい」って先生に言われた。
高橋龍太郎:
うーん。そうだねえ
相談者:
&#△
高橋龍太郎:
ふうーん、いい先生だね。
(再びパーソナリティ)
この相談者は本当に必死だな。相談するのもうまく表現できなくてガチガチになっていそう。社会に出るのって怖いよなあ・・・なんたって何があるか分からないし、初めての環境に慣れるのって体力も気力も必要だしね。かなりの勇気を振り絞って電話してるだろうから、今日のところはひとまず休んで、やすみの日に会社に行って通うのに慣れてみるとか、先生や医者に話を聞いてもらうとかして、ゆっくり心構えをしていけばいいと思うな。私の通うA型事業所にもいろんな仲間がいるし、きっと時間がかかってもなじめると思います。割といい子だし。
発達障害のかたの肉声と、精神科医の回答。
なかなか耳にすることのできない会話です。
発達障害の人にはちょっと悪ぶるのが好きな人が多いだとか、勉強になりました。
相談者も大変ですが、周囲の者には辛抱強いサポートが求められますね。
一生懸命に話されているのがよく分かりました。周りのことや、自分自身のこともよくわかり、まだ18歳なのに、いろいろなことを経験してきたのだなと思いました。親御さんが、保健師をされていたので、医学知識があり小さいときから寄り添ってここまで彼を育ててこられたのだなぁと思いました。不安は、あると思いますが、せっかくの職場で、少しずつなれて働いて欲しいなぁと思います。
NHKの特集などで発達障害のことは少し知ったつもりでいました。
相談者本人がこんなに病気の事を理解して、苦しみ成長してきたことが良くわかり、聞いていて涙がこぼれました。
周囲の専門的なフォローと、人間的な優しさに包まれて、病気と付き合いながらここまでこられたことは本当に良かったと思います。
私も、肉声を聞くことが出来て良かったと思います。一生懸命に話してくれる人の話しは、私も丁寧に聞きたいと思います。
病気に立ち向かう ひたむきな姿勢に こころ打たれました。
本当に、まだ18歳なのに “父が” “母が” “わたしは” など、言葉遣いがきちんとしているのに驚きました。
環境が変わった場所で一歩を踏み出すのは不安だらけ・・・ですが少しずつ少しずつ慣れて行って、働く喜びを感じて欲しいです。
ドリアン先生で良かったです。
ウルベ都さんでなくて本当に良かった。
社会には様々な人間がいますし、
バリアフリーな世の中に向かうのですから、なるようになる、なんて気持ちでゆるゆるといけるといいですね