遅延損害金の怖さ。利息制限の1.46倍。実家の一部が競売で他人の持ち分に

テレフォン人生相談 2021年10月23日 土曜日

相談者 「兄の分は8分の2って書いてあるんですよね」

4分の1ではなく8分の2。
2度の相続の積み重ね。

父が亡くなったときに母が二分の一で、子どもたちが8分の一づつ。
母が亡くなったときに子どもたちが8分の一づつを追加取得。

きょうだいの一人が亡くなっているけど、相変わらず兄の分(他の二人も)が8分の2ってことは、亡くなったきょうだいには子か配偶者(*)がいるということ。

(*)配偶者が相続するにはきょうだいの亡くなった時期が父か母より後である必要がある。

 

相談者 「利息が26.8%とかって書いてあるんです」


利息制限法を無視した高利。
ヤミ金?

まさか。
アウトローが裁判所を通すわけないっしょ。

中川弁護士もスルー。
利息ではないからだ。

中川 「累積してる利息損害金があるんだろうと思うんです」

正確には遅延損害金。
これも法律で率の上限が決められていて最大で利息の1.46倍。

返済期限内の通常利息の上限が18%(借入金額が10万円以上100万円未満の場合)だから、これの1.46倍は26.28%。
若干食い違うのは70歳のご愛嬌。

ただし、
貸金業者の営利の貸金の場合、遅延損害率の上限は20%。
相手の言う率の正当性は疑っていい。

さらに
相談者 「何百万ってなってるんですけど」

もっと怪しい。
遅延損害率は借り入れ利率に上乗せされるわけではない。

たとえ利息は複利でも返済期限を迎えた時点で元金に組み込まれ、そこから先は遅延損害率だけとなる。
しかも単利。

兄の場合、仮に借り入れたときから全額遅延すれば1日255円増えていくものの、これでさえも債務総額が100万円を越えるまでに7年かかる。

競売停止もそうだけど、債務総額の精査から弁護士に頼んだ方がよかろう。

 

住人がいる共有持分の不動産なんて入札するのは相応のプロ。
てか、あらかじめ貸金業者が情報を提供するか、あるいは実質貸金業と同じ経営者。

落札した業者は、相談者を始めとする4分の3の持ち主に手放すことを持ちかけてくる。

共有者全員の許可なく売却はもちろん、貸すことも、リフォームも、どうかしたら住むこともままならない不動産を持っててもしかたがない。

で、全部を買い取った業者が兄を追い出し、売っぱらってチョン。

 

パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 中川潤(弁護士)

相談者: 女70歳 夫72歳 二人暮らし 長女48歳 次女45歳 両親は他界 4人きょうだいで兄・長男と姉が健在

今日の一言: なし

加藤諦三:
もしもし?

相談者:
もしもし?

加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。

相談者:
はい、よろしくお願いします。

加藤諦三:
はい。最初に年齢教えてください。

相談者:
はい。70歳です。

加藤諦三:
70歳

相談者:
はい

加藤諦三:
結婚してます?

相談者:
はい

加藤諦三:
えー、ご主人何歳ですか?

相談者:
72歳です。

加藤諦三:
72歳、お子さんは?

相談者:
48歳と45歳の、娘がいます。

加藤諦三:
・・で、えーと今はお2人で暮らしてんの?ご主人と。

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
はい、分かりました。
で、どんな相談ですか?

相談者:
わたし自身の、あの、実家の兄が・・借金をしまして、

加藤諦三:
はい

相談者:
返さなか、ったので、そのお・・

加藤諦三:
借金っていうのは、誰からどのぐらい、借金したんですか?

相談者:
紙に書いてあるのは34万で、利息が26.8%とかって書いてあるんですけど・・

加藤諦三:
さ・・あ、34万円を、

相談者:
うん

加藤諦三:
誰から借りたの?

相談者:
・・たぶん高利貸しやと思うんですけど、ちょっと・・

加藤諦三:
あ・・あ、そこは分かんないわけだね?

相談者:
はい、そうです。

加藤諦三:
はい

相談者:
はい
そして、そのお、あのお、返さなかったから、その、裁判所、からのその、強制執行?

加藤諦三:
はい

相談者:
ん、「競売、開始の、決定が決まりました」みたいなんが来たらしくて。

加藤諦三:
強制執行・・が、もう・・相手方は、するということを・・

相談者:
はい

加藤諦三:
言って来たということですか?

相談者:
そうです。もう用紙で・・

加藤諦三:
あ、判決が出れば、そ、強制執行の、権利は、当然、あのお、被害者側にあるだけれども。
もう、じゃあ、「家を・・売り払うよ」というふうに言われ・・

相談者:
でもそれがあのお、父親の名義で。家の名義が。

加藤諦三:
はい

相談者:
それで、あの、4人きょうだいですけど1人は亡くなってるんですけど、3人が健在なんです。

加藤諦三:
はい

相談者:
それで、その、兄の分は8分の2って、書いてあるんですよね。

加藤諦三:
はい

相談者:
だから8分の2の、権利を・・借金した、側が、裁判所に訴えて、裁判所から、兄の名前で、その8分の2を、競売に掛けます・・みたいなことを・・

加藤諦三:
あ、要するに、裁判で、勝ったってんじゃなくて、

相談者:
はい

加藤諦三:
もう強制執行しますよということです・・

相談者:
もう強制執行で、

加藤諦三:
ええ

相談者:
その、家にも、来たらしいんですよ。

加藤諦三:
あ、もう家にも、あ、あーそうですか。

相談者:
あの・・

加藤諦三:
それで34万ってえ・・言いましたよね?

相談者:
はい
兄がなんか・・あの、お金が足りないらしくて、

加藤諦三:
うん

相談者:
借りたみたいなんですけど、わたし達はちょっとあのお、全然、兄と触れ合いがないんですよね。

加藤諦三:
うん

相談者:
・・だからその・・借金してたのも分からなくって、

加藤諦三:
ええ

相談者:
ただそのお、裁判所がなんか調べて、
父親の名義でわたし達にも権利があるから、なんか・・言って来たんですよね。

加藤諦三:
あー、あー、あー
まあ、そりゃそうですよね。

相談者:
はい

加藤諦三:
で・・今日の、そうするとあなたの相談というのはあ、

相談者:
はい

加藤諦三:
そのお・・

相談者:
あい・・

加藤諦三:
お兄さんの34万のお、

相談者:
ん、&#・・

加藤諦三:
借金があって。

相談者:
はい、はい

加藤諦三:
それが・・

相談者:
会社の・・

加藤諦三:
あの、強制執行されると。

相談者:
はい

加藤諦三:
で、家はあ・・

相談者:
はい

加藤諦三:
父親の名義だけれども、

相談者:
ま、&#・・

加藤諦三:
その34万の・・借金の兄の・・

相談者:
そうです。それが利息が・・

加藤諦三:
ん・・はい

相談者:
だいぶ、付いてるんでしょうね。

加藤諦三:
はい、はい、はい

相談者:
はい、はい、はい
んだから、だ・・ん、何百万ってなってるんですけど。

加藤諦三:
あい

相談者:
払ってないから何十年前に借りたのか・・

加藤諦三:
・・うーん

相談者:
うん

加藤諦三:
た、あなたとこのお兄さん・・の、関係っていうのは、ほとんどなかったわけですね?

相談者:
うん、ないですね。はい
ほんであの固定資産税も、母のとこにはわたしも・・毎年行ってたんですけど、母が生きてるときは。

加藤諦三:
はい

相談者:
でも、兄とかは、会ったことないし、母の葬式も来てないし、

加藤諦三:
ええ

相談者:
父の葬式にも出てないし。

加藤諦三:
ええ

相談者:
ま・・兄がいるっていうのは・・ちょっと年が離れてますので、

加藤諦三:
うん

相談者:
その、あまり、あのお・・知らない・・もう・・

加藤諦三:
そうすとお兄さん、に、最後に・・あなたが実際に会ったのは何歳ぐらいのときですか?

相談者:
・・小さいときに会ったのは、もう・・や、わたしが八つで、15、6のときで・・父の・・&#

加藤諦三:
ということはもう、半世紀ぐらい会ってないわけですね?

相談者:
うん、そしてあの、母のお、葬式のときに、

加藤諦三:
うん

相談者:
母がね、なんか母とはやっぱり親子だから連絡してたみたいなんで。

加藤諦三:
うん

相談者:
あのお・・ちょっと入院するときに、

加藤諦三:
うん

相談者:
ちらっと、来て、見たことはありますけど、そ・・たまらん話は、しなな、しないんです。

加藤諦三:
うーん、はい・・分かりました。

相談者:
はい

加藤諦三:
そいで今日のあなたの相談というのは・・

相談者:
はい

加藤諦三:
疎遠な兄・・が、

相談者:
そう、そう、そう、そう、そう

加藤諦三:
34万という借金をして、

相談者:
借金

加藤諦三:
もちろんそれに利息も付いてるし、

相談者:
そう、そう、そう、そう

加藤諦三:
それが今・・家も強制執行をされそう・・

相談者:
そう、そう、そう、そう
もう・・

加藤諦三:
で、

相談者:
うん

加藤諦三:
その、わたしは・・

相談者:
わたし達2人、きょうだいは、その判子・・そのお、どういうふうになるんですかね?
その兄の借金、あ、親じゃないですからわたし達は。

加藤諦三:
ええ

相談者:
だから、親だったら仕方がないと思って兄の、兄の・・だから・・親も父親も、母親も、兄の名義にしなかったのは、お金にルーズで、

加藤諦三:
うん

相談者:
やっぱり・・母親にもお金をいつも、あれしてたからあ、

加藤諦三:
うん

相談者:
結局そのお・・兄の名義にしたら借金してすぐ取られるでしょ?やっぱり今頃

加藤諦三:
ん、うん

相談者:
高利貸し屋さんが、あれやったから。
だから、兄の名義にしなかったんですね。普通長男だったら兄の名義にすると思う、わたし達は、もう嫁いでますから。

加藤諦三:
ええ

相談者:
でもしなかったのは、父親の名義にずうっとしてるのはそういうことが、あったんです。

加藤諦三:
ええ
ま・・あなたあ・・の、立場から言えば・・

相談者:
迷惑なんですね。

加藤諦三:
この親族の間では非常に困りもんだったという・・

相談者:
そう、そう、そうです、そうです。

加藤諦三:
困りもんの、あの兄が、1人いて、

相談者:
そうです、そうです。そうです。

加藤諦三:
また、今、こういう問題も起こして、

相談者:
そうです、そうです。

加藤諦三:
これはどうしたらいいでしょうか?ということですね?

相談者:
はい。そうです。そうです。

加藤諦三:
はい、分かりました。
今日はあの、スタジオに弁護士の中川潤先生がいらしてんので、

相談者:
はい

加藤諦三:
伺ってみたいと思います。

相談者:
はい

(回答者に交代)

「遅延損害金の怖さ。利息制限の1.46倍。実家の一部が競売で他人の持ち分に」への3件のフィードバック

  1. 長男というか、兄のお金のルーズな原因を知りたかったところですが、多くの視聴者が思うだろうギャンブルか、交際費出し過ぎなのでしょうか?
    とはいえ、競売されてしまうと、手出しが出来なくなってしまうだけに、兄以外で、3人兄弟ですから、姉妹でしっかり相続できるよう頼みます。

    1. 弁護士に相談しての結果次第ですが、どうなのでしょうか?将来発生するだろう介護費用のことを考えると、競売も手出しできないでしょうねえ。
      家族というか、兄弟で利害関係もあるので、競売参加資格があるかなあ?とはいえ、不動産登記、厳しくなったので、取引も神経を尖らせますよ。

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