痛みに耐えつつ朝起きて手足が動くことに歓び。苦悩能力に優れた女性の弾む声
テレフォン人生相談 2022年5月23日 月曜日
加藤諦三 「演劇論の専門家が『真実はただ1つ。生まれて来なければ良かった』って言ったんです」
ああ、相談者の対比ね。
バカねえ。
ポーズ、ポーズ。
暗い顔してタバコふかして、ウケない作品を、理解されないとか言っちゃう人でしょ。
ニヒルや厭世観が彼の商売道具だから。
パーソナリティ: 加藤諦三
回答者: 大原敬子(幼児教育研究)
相談者: 女59歳バツイチ 息子30歳 父90歳 母87歳 4人暮らし
今日の一言: 苦悩能力の確立。それが人間最高の価値です。
加藤諦三:
もしもし?
相談者:
あ、もしもしい?
加藤諦三:
はい、テレフォン人生相談です。
相談者:
よろしくお願いします。
加藤諦三:
はい、最初に年齢教えてください。
相談者:
はい、59歳です。
加藤諦三:
59歳、結婚してます?
相談者:
いえ、バツイチ独身です。
加藤諦三:
何年前ですか?離婚したのは。
相談者:
12年前です。
加藤諦三:
12年前?
相談者:
はい
加藤諦三:
で、お子さんは?
相談者:
30歳の息子が、一緒に生活しています。
あと、90歳の父と、87歳の母と、一緒に暮らしております。
加藤諦三:
大変ですね。90歳の、お父さんと・・
相談者:
あ(苦笑)・・はい
加藤諦三:
87歳の・・お母さんと。
相談者:
はい(苦笑)
加藤諦三:
あなた介護してるんでしょ?
相談者:
いえ、実はですね、わたしのほうが・・手を取ってるような状況で、
わたしが、17年ぐらい前に膠原病になりまして。
加藤諦三:
あーあーあ、難病で、大変なんですよね?
相談者:
そうですね、もう、常にどこが痛い、怠いって、そういう感じなんですが。
これからの心の向け方とか・・
加藤諦三:
うん
相談者:
生き方とかを、少し、アドバイスいただければと思って電話しました。
加藤諦三:
なるほどお。
相談者:
エヘ(苦笑)
加藤諦三:
身体が痛い・・で、
相談者:
はい
加藤諦三:
毎日暮らすってのは、ほんと辛いですよね?
相談者:
そうですね、ありがとうございます。
病気を持っているっていうことは、もう自分に課せられた運命だと思ってるんですけれども・・
加藤諦三:
すごい!!
相談者:
いやいやいや(苦笑)
加藤諦三:
いや
相談者:
いや、そんな・・
加藤諦三:
それを自分の運命として受け入れるっていうのは物凄いことですよ。
相談者:
(苦笑)・・え?、そうなんですか?!
ただ、そうは思ってるのに、なかなか治療がうまく行かないと・・わたしばかりとか・・この両親を・・看取るっていうのが、やっぱりもう、もう一つの自分の・・使命だと思っているのに。
加藤諦三:
いや、すごいよ。
病気を運命として受け入れて。
相談者:
はい(苦笑)
加藤諦三:
身体が痛いのに、治療がうまく行かない。
相談者:
はい
加藤諦三:
その中で、
相談者:
はい
加藤諦三:
両親をどう看取るかっていうことを考えるゆとりは・・
相談者:
(苦笑)
加藤諦三:
立派!!!
相談者:
ええ?そうですか?!先生にそんな言っていただけるとは・・わたし思っていませんでした。
加藤諦三:
だけどね・・
相談者:
はい
加藤諦三:
あなた、この病気に耐えるね・・
相談者:
はい
加藤諦三:
能力。
相談者:
はい
加藤諦三:
これ、すごい能力ですよ、人間の、能力の。
相談者:
そうなんですか!?
いえ、もう、毎日が必死で・・
加藤諦三:
うん
相談者:
あー、朝起きて、手が動いた、足が動いた、歩けたっていうことが・・
加藤諦三:
うん
相談者:
1日の始まりで、ホッとするんですね。
加藤諦三:
あーあ
相談者:
ま、ただあの、なかなかわたしに合う治療っていうのがないっていうふうなことも言われますし・・
加藤諦三:
そこが辛いところなんだけれども、
相談者:
はい
加藤諦三:
それでも、その苦しみに、
相談者:
はい
加藤諦三:
耐えて生きることに人生の意味を感じるっていうことが・・
相談者:
はい
加藤諦三:
これが人間最高の価値なんです。
相談者:
そうなんですか!?
加藤諦三:
そうです!!
相談者:
えー!
加藤諦三:
これはフランクルという人が言ってるんですけども、
相談者:
はい
加藤諦三:
人間の最高の価値はね、
相談者:
はい
加藤諦三:
苦悩能力。
相談者:
はあー
加藤諦三:
苦悩することに、
相談者:
はい
加藤諦三:
価値を見出せる。
相談者:
あーあ・・わたしは・・
加藤諦三:
だって病気これ・・
相談者:
はい
加藤諦三:
あなた・・
相談者:
はい
加藤諦三:
治んないかもしれないわけでしょ?
相談者:
あ、もう治らないと思います。
加藤諦三:
治らない・・
相談者:
はい
加藤諦三:
だから、治らない病気であっても、
相談者:
はい
加藤諦三:
そして、体が痛いっていうことは、もう、ほんと辛いことなんですよ。
相談者:
はい
加藤諦三:
で・・そういう苦しみの中でも・・
相談者:
はい
加藤諦三:
苦しむことに意味を発見できるっていう、この苦悩能力・・
相談者:
はい
加藤諦三:
苦悩能力っていうのは苦労する能力。
相談者:
はい
加藤諦三:
これが・・人生最高の価値なんです。
相談者:
はあ、もうちょっとでしょうか?、では、わたしは、そこに到達するには。
加藤諦三:
今、到達してる・・に近いんじゃないの?
相談者:
そうでしょうか?!(苦笑)
いやあ、分からないですけど。
ああ、びっくりしました。
ただ・・
加藤諦三:
だって、
相談者:
はい
加藤諦三:
身体が痛くて・・
相談者:
はい
加藤諦三:
もう、どうにもならなかったら・・
相談者:
はい
加藤諦三:
泣き言言うよ。
相談者:
あー
加藤諦三:
辛いでしょう。
相談者:
いやあ、そうですね、あの・・薬を飲んだら、吐いたり、下から出したりとかしてしまうので、そのときに、もう、絶望的になって、あーもう、わたしには、薬さえもないみたいな、絶望感に、ワーって襲われるんですけれども・・
加藤諦三:
当然ですよ。
相談者:
アハハハ(苦笑)
加藤諦三:
そうなるとね?
相談者:
はい
加藤諦三:
なんでこんな苦しい思いをさせる・・生き物を神様は作ったんだって、神様に・・
相談者:
はい
加藤諦三:
もう、文句言う気持ちになるよ。
相談者:
なります!
夜中にウトウトとやっと眠りにつけそうなときに急に腹痛が起こると、
加藤諦三:
ええ
相談者:
もう、どうして、この時間に意地悪だなあ、神様、って思います。(苦笑)
はい
加藤諦三:
僕の友達で、演劇論の専門家がいんですけどね?
相談者:
はい
加藤諦三:
その人がこの世の中で真実はただ1つ。
相談者:
はい
加藤諦三:
生まれて来なければ良かったって言ったんですよ。
相談者:
あーあ
加藤諦三:
それはやっぱりいろんな苦しみ抱えて、
相談者:
はい
加藤諦三:
苦しみを抜ける、方法が見つからない。
相談者:
はい
加藤諦三:
そうなると、
相談者:
はい
加藤諦三:
この世の中の真実はただ1つ。
相談者:
はい
加藤諦三:
生まれて来なければ良かったっていうふうになるんですけれども。
相談者:
はい
加藤諦三:
その中でも・・
相談者:
はい
加藤諦三:
あえて、
相談者:
はい
加藤諦三:
自分の人生に、意味を感じる・・
相談者:
はい
加藤諦三:
意志。
相談者:
はい
加藤諦三:
あなたのこの今の、苦悩能力。
相談者:
はい
加藤諦三:
これは能力なんですよ?
相談者:
あ
加藤諦三:
苦悩することの中に意味を見出すっていうの、これは能力ですから。
相談者:
はい
加藤諦三:
苦悩能力の解決が、
相談者:
はい
加藤諦三:
人間最高の価値だっていうことを、
相談者:
はい
加藤諦三:
しっかりと・・
相談者:
はい
加藤諦三:
覚えてください。
相談者:
分かりました。
加藤諦三:
では、今日あの、スタジオに、大原敬子先生がいらしてんので、
相談者:
はい
加藤諦三:
伺ってみたいと思います。
相談者:
はい
(回答者に交代)
膠原病は完治する病気ではなかったはずで、結果的に一生付き合う病気になってしまうので、しっかり養生しながら生きて行って欲しいですねえ。
実は今回、「どうにもならなくなったときは、”自分は今、生きていること自体に価値がある”と信じること」という格言を言うと思っていましたよ。
ともあれ、両親の介護は息子や福祉にお任せして、あと、通院している病院の医師ともしっかり相談して繰り返しですが養生、お願いしたいです。
余談ですが、加藤さんの「介護しているんでしょ?」の回答、聴いていて本当につらかった!自分がパーソナリティなら労をねぎらっていたかも。